近未来では、ミュータントが絶滅の危機に直面していた。治癒能力を失いつつあるローガン(ヒュー・ジャックマン)に、
チャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)は最後のミッションを託す。その内容は、ミュータントが生き残る為の
唯一の希望となる少女、ローラ(ダフネ・キーン)を守り抜くことだった。武装組織の襲撃を避けながら、車で荒野を突き進む
ローガンたちだったが
ヒュー・ジャックマンが演じる、最後のウルヴァリンです。ウルヴァリンの最大の魅力は、その強さ、タフさです。金属よりも
遥かに頑丈なアダマンチウムの骨格と爪。驚異的な治癒能力。最強ミュータントでありながら、人間兵器として改造された悲しい
過去…。単なるヒーローではない、孤高のアウトローとしてのカッコよさは、男の憧れを体現・・・本作のウルヴァリンにその面影
はありませんでした。冒頭、いきなりチンピラにボコボコにされ、何とか撃退するも、爪は短くなり、治癒は遅く、痛みに顔を歪
める。彼の身に何が? これまでのシリーズのようなコミック調のテイストは皆無。アクションの迫力もスケールも、これまでで
最も小規模で、こぢんまりとしている。国境の廃工場で、介護が必要の老体となった師、チャールズとひっそりと暮らしている。
プロフェッサーXの面影も・・・威厳ある姿は無く、弱々しい。自身の力も薬が無いと制御出来ず、時折暴走する。
そんなボロボロで、傷付き、衰え、疲れ果てた二人が一人の少女を守ろうとする。全盛期のウルヴァリンに匹敵するであろう
ローラの激しい立ち回り、鋭い眼光。常に苦汁を舐めたような険しい顔をしているが、演じたダフネ・キーンは確かな美少女で、
彼女の熱演もまた必見!ウルヴァリンと同じ悲痛な過去、ラストの一言、「○○」に目頭熱くさせられました。
最後、ローガンの「十字架」をあえて斜めにし『X』
にしたのには逃げた子供たちのミュータント達への振りだろうか?? ☆☆☆☆