巨大な球体型宇宙船が、突如地球に降り立つ。世界中が不安と混乱に包まれる中、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は
宇宙船に乗ってきた者たちの言語を解読するよう軍から依頼される。彼らが使う文字を懸命に読み解いていくと、彼女は時間を
さかのぼるような不思議な感覚に陥る。
やがて言語をめぐるさまざまな謎が解け、彼らが地球を訪れた思いも寄らない理由と、人類に向けられたメッセージが判明する。
派手なSF映画では有りませんでした。終始狭い範囲で広げられるヒューマンドラマ?でしたね~ しかし深い・・・
彼ら(ヘプタポッド)は一体何しに来たのか?敵なのか味方なのかも判らないまま、異星人とのコンタクトを試みるのだが、得体
の知れない生物に、死の恐怖を抱えながらも必死にコンタクトを試みる姿が、描写といい演出といい非常に良い緊張感が保たれています
ペプタポッドには時間は関係ありません。過去も未来も全て見えるので、時間の流れというものが存在しません。
地球に来た理由は3千年後に人類に助けられた。と言っていました。つまり、人類が滅びてしまうと自分達は助からない。
と言う事だからなんとか人類には生き延びて欲しい。ので、今回地球に来てメッセージを送ることで人類を助けようとしたのです。
本作のかなりの部分はルイーズのヘプタポッドとの意思伝達手段の模索です。この手の映画は理系が中心になるのが多いのですが
しかし本作の中心は言語学であり、理系というより文系が主体となっています。スティーヴン・スピルバーグが「未知との遭遇」
で展開した例の5音階が思い出されます。しかしあちらはその模索過程はさほど重視されていなかった。それに対して本作の言語
ツールの模索はよりリアルかつ緻密でした(時代の差ですね)
言語による意思疎通、それこそが文明種族の一番肝心の所だと言っているのでしょうね。12の飛来物体には、それぞれの国が
交渉活動を続けている。最初はお互いの情報共有がなされていたが、次第に分裂して中国などは宣戦布告をするという危機的な
状況になってゆく。その危機を救えるか、どうかが映画のクライマックスでした。
映画の途中で主人公の状況になるほど!となる構成。
正直、自分の能力に気づいた後の彼女の心の動きや葛藤も見たかったというのが音ですかね ☆☆☆★