ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

共謀罪の核心は予備拘束

2017年06月09日 | 日記

 ナンテンの花。今年は花付きがよい。秋には真っ赤に色づくことだろう。

 共謀罪の審議が山場で、2度にわたって廃案(解散のせい)になった法案が、今回はいよいよ成立しそうである。この法律の目的は、テロ対策で国連加盟国の多数が決議しているものを、国内法でも整備する必要があってするものである。テロのような国際的犯罪は、国を越えた協力なしには防ぐことも解決することもできないという事情が背景にある。

 テロ防止のための法律が、日本では共謀罪として発議されることに違和感を覚える人は少なくない。戦前の治安維持法を連想するからである。

 私はこの法案の核心は、予備拘束にあるのではないか、と思っている。通常、逮捕や拘束は事件が起こった後の犯人を確保することにある。事件が発生していないのに拘束することはできない。ところが戦前の治安維持法下では共産党員が、党員であることそのことで監視され、拘束される事態が起こった。これが予備拘束である。

 いくらテロ対策とはいえ、事前の拘束が少しでも可能性として残すような法案であってはならない。民進党など野党はこの法案で、ちゃちな事例を大げさに言い募り廃案に追い込もうという腹づもちだろうが、廃案というより、予備拘束の可能性に十分に歯止めをかける文言をいれるよう法案の修正を主張すべきである。単に反対だけでは何のための国会かということになる。

 現代史専門の加藤陽子さんは朝日のインターネットサイトのインタビュー共謀罪」過剰反応、リットン調査団重なる 加藤陽子氏に答えて、の中で、治安維持法とのアナロジーだけで懸念を表明しているが、それではだめだ。法案の内容にもっと踏み込んで貰いたい。そして現代史家らしく、単なるインタビューではなく、学者として論をたててもらいたいものだ。

 私は法律の専門家ではないので、文言を提案することはできないが、予備拘束に関与した場合には相応の罰則規定を加えるべきだと思う。私がこの法案になぜそれほど神経質になるかといえば、テロリズムというのは単に凶暴だというのではなく、政治的な目的を含んだ行為だからである。政治的な行為に対しては予断があってはならない。現に中国では反体制派の予備拘束が行われているのである。【彬】

 

 

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