ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

 高木枝下ろしの妙技

2023年01月18日 | 日記

 私は高所恐怖症である。東京タワーの展望台でさえ、頭痛がして窓際まで行くのは遠慮している。そんな性癖からすると、凍結した冬山の稜線の上に張られた高圧電線に跨り、補修点検作業をしている人にはただ敬意を表するのみ。また、街中でよく見かけるゴンドラに乗って、高層ビルの窓拭きをする人、これにも恐れ入るだけである。

 それにも増して、表通りに面した並木に登り、枝下ろしをしている職人さんを見たときには、びっくりした。目が離せなかった。

 木はユリノキ。植樹して40年にはなろうかとする大きな木である。ビルの3~4階に相当する高さだから、12~3メートルはあろうか。その木の主幹の先端にロープをかけ、それを命綱としている。揺れ動く中でのロッククライミングのようである。しかも、ただぶら下がっているのではない。脇枝にそって体を斜めにし、徒長枝など無駄な枝を、ノコギリで切ったり、剪定バサミで枝下ろししている。その手際のよさ、素早さ、神業でしかない。

 私はしばらく見惚れていた。

 そばにはクレーンで同じ作業している職人もいたが、乗っているゴンドラがかすかに揺れ、これも恐ろしいほどの仕事であることにかわりない。

 風雨に耐えるよう樹形を整え、これを維持していくのは大変なことなのだ。【彬】

 

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