はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

昔話研究家・小澤俊夫さんのお話

2023年02月14日 | 
2023/02/14
 
 
先日、朝早く目が覚めたので
NHKラジオ深夜便の
「明日への言葉」を聴きました。
 
この時間はだいたい眠っているので
めったに聴かないのですが
その日は昔話研究家の小澤俊夫さんでした。
 
途中からだったので(この人は誰?)
と思いながら聴いていて
92歳の方とわかり
とてもそうは思えないと思いました。
 
声も若々しく内容も魅力的でした。
 
小澤俊夫さんは
指揮者の小澤征爾さんのお兄さんで
小沢健二(オザケン)さんのお父様です。
 
それがわかって
(ああ、あのオザケンさんは
この人に育てられたのね)と思いました。
 
 
(お写真お借りしました)



小澤さんは
「昔話と音楽は近いものがある」
とおっしゃいました。
 
それでとても興味を惹かれました。
 
「昔話は語られている時間のあいだだけ存在する」
 
語られている間だけ存在し
終わると消えてしまう時間文芸。
 
それが音楽と似ています。
音楽も演奏が終わると消えてしまう。
 1回きりのものであるのが同じ。
 
昔話では同じ場面は同じ言葉で
くりかえすのも音楽と同じです。
 
音楽では同じ音型をくりかえします。
「ねむれ ねむれ 母の胸に~」
 
2回くりかえされると
子どもはうれしいし落ち着くというのです。

 
昔話には民族の集合的、根源的な考え方が
あるといいます。
 
 
「怖がることを習いに出かけた若者の話」は
示唆に富んでいます。
 
怖いということを知らない若者が
怖いことを探しに出かけていって
結局、王女と結婚するというグリム童話です。
 
私も小さい頃に読んだことがあります。

話はおもしろいと思ったものの
それほどピンときませんでした。
 
小澤さんは
「弟の征爾は指揮者になろうと
貨物船に乗ってヨーロッパに出かけたが
あれは怖いを習いに出かけたのだ」
とおっしゃるのです。
 
若者が就職するのも結婚するのも
実は怖いことを習うのです。
 
なるほど、おもしろい考え方だなあと
思いました。
 
新しい世界に飛び込んでいくことは
確かに怖さもありますね。

でも
怖いことを習いに出かけるからこそ
新しい世界が開けるのです。
 
新しい世界でさまざまな経験をして
貴重なものを手に入れることができる。
人生ってそういうものなんだなと
あらためて思ったのです。

好奇心があり、希望があり
世界を知りたいと思うから
人は怖くても、出かけて行くんですよね。


そんな話に興味を惹かれて
図書館から、こんな本を借りてきました。
 
 
 

コメント
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