よし坊のあっちこっち

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対岸の北朝鮮

2007年05月18日 | 旅行
80年代のことだが、仕事で中国・北朝鮮国境の町、丹東に行ったことがある。

北京駅から夕方の夜行列車に乗ると、翌朝8時前くらいに丹東に着く。初めて行った時は、夜行列車の寝台に苦労した。布団が独特のニオイで寝られない。冬だったから、布団をかぶりたいが、だめだった。この列車は北京から丹東を経由して北朝鮮の新義州までの、いわば国際列車なので、車内アナウンスも中国語、朝鮮語にロシア語でやっていたような記憶がある。さすがに北朝鮮行きなので、眼光鋭く、胸に金日成のバッジをつけた連中がうようよ乗っていたのが印象的であった。

丹東は、朝鮮族の中国人が多いので、ホテル内の表示もハングルがあり、食事にはキムチも出るので、北朝鮮との近さを感じる。ホテルでテレビをつければ、あのかん高い独特の口調と能面のような表情のアナウンサーが金日成をたたえ続ける北の放送が見れる。

初めて丹東の公司を訪問した時、時間の合間に観光と称して、国境を作っている鴨緑江の遊覧船に乗せてくれた。対岸は北朝鮮、右手を見れば、北朝鮮へ入る鉄橋が見える。遊覧船は川中を横切り、北朝鮮側の川べりまで行くのだが、防波堤に座ってボケッとしている連中を身近に見ることが出来た。皆、覇気がない、暗い顔をしていた。それを見ながら、中国人が、「彼らはかわいそうな、貧乏な国民です」と言っていたのが忘れられない。当時の中国人も日本人から見れば相当低い生活をして居ると感じていたが、その彼らが北朝鮮を見てそう言うのだから、相当ひどいのであろう。

中国も近年の発展は目を見張るものがあり、地方もそれなりに発展しているのだろうし、丹東も例外ではあるまい。その丹東から見た対岸の今の景色は、果たして変わっているのだろうか。国家で犯罪をやる国に繁栄はあるまい。


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