よし坊のあっちこっち

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誇張広告から”自然”へ

2018年01月15日 | アメリカ通信
今日、化粧品業界で大きなニュースが流れた。薬やメイクアップ化粧品等を扱う、全米最大のチェーンストア、CVS(日本で言えばマツモトキヨシのような業態)が、業界で主流、いや、当たり前になっている消費者向け宣伝ポスターに関し、オリジナルな写真にデジタル等で修正した写真を禁止する、というもの。

特に女性用メイクアップ用の写真となると、女優や美人モデルを被写体に写真を撮り、シワや吹き出物の類をすっかり取り除き、大きなパネルにして店や街に掲げている。より美しくなりたいという女性は多く、写真を見て「自分もこれを使えば、このレベルになれる」と思ってしまうのも無理からぬことである。これは、厳密に言えば ”詐欺”まがいとも言える。

日本でも、今から10年以上も前に、高級石鹸「茶のしずく」事件があった。きれいな女優がモデルとなり、女性たちは ”この女優も使ってるのだから大丈夫”と勝手に思い、購買に走る。被害に遭った女性達はさぞ悔しいことであろう。

このCVSの動きは、SNSによる拡散によって、今後ドラッグストアや化粧品業界だけでなく、相当広範囲に渡って異業界へと波及していくことは間違いない。面白いことに、CVSが今回の決定をした背景のひとつに、業界の小さな新興勢力が、”自然”を前面に出したマーケティング戦略で急激にシェアを伸ばしている、という事実があるようだ。

日本で、同様な動きが出るには数年かかるのではなかろうか。