よし坊のあっちこっち

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オバマ大敗とAmerican Politics

2014年11月06日 | アメリカ通信
注目の中間選挙でオバマ民主党が歴史的大敗を食らってしまった。大統領オバマの不人気と、対抗する共和党の体たらくと言う、両党ともに不人気の中で民主党が劣性なのは最初から分かっていたが、これほどの大敗の原因は、やはりボスであるオバマにあると言わざるを得まい。

ハト派の民主党、タカ派の共和党。そんなイメージの中で、その時々の政治経済社会的状況に左右されながら、有権者が時のボスを選ぶ。ハト派は平時に強く、タカ派は戦時に強い。タカ派は強引なところがあるから、行きすぎたりスキャンダルになったりする。そうすると国民は一挙にハト派へなびく。アメリカはいつもそんな道を辿っている。

人権をかざしたジミー・カーターはイラン革命で手が打てず、大使館人質事件で”強いアメリカ”を示すことが出来なかった。だから、強いアメリカを目指すレーガンが出てきた。民主党クリントンの時代、世界の警察を標ぼうするアメリカの大統領として手を拱いていたわけではないが、広がりつつあったテロの流れに有効な手を打てずにいた。国民は強いアメリカを欲していた。戦時の共和党、ブッシュの登場である。しかし、実質的にイラクを解体したブッシュ政権を支える熱気は次第に覚め、国民は穏やかな生活へと転換して行き、初の黒人大統領オバマを選んだのである。

オバマの大統領としての印象、イメージは薄い。今のところ、そのイメージは”初めての黒人大統領”というだけに終わりそうである。就任早々、オバマはズレた外交感覚を見せてしまった。あの、したたかな中国に「話せば分かる連中だ」とばかり、微笑み外交よろしく近づいたのだが、途中でやばいと感じたのか、突然ハードラインに転じていった。外交音痴の片鱗が見えてしまったのだ。第一期はヒラリーが外交を下支えしたが、二期目で辞退したのは、来るべき大統領選に備える為だけではあるまい。愛想をつかせたのではないか。

イラク後はどうなったか、米軍の撤収に呼応するかのように、アルカイダ以上に厄介なISISがのさばり始めている。今や世界中の大問題になりつつある。人々の意識の底には、”戦時”を予感する何かが流れているのではないか。そして、その流れが今回の大敗にも影響しているように思えるのだ。

不法滞在者問題への対応にもオバマ政権のもたつきが目立つ。一体どうケリをつけようと言うのか。

結局のところ、決して歓迎されていないオバマケアと呼ばれる医療保険制度改革だけで終わりそうである。このオバマケアも共和党が潰すべく手ぐすね引いて待っている。

アメリカはお国柄、常に強くなければならない。強力なトップダウンで引っ張る「強い大統領」でなくては持たない国である。そう考えると、今回の選挙結果は当然の流れと言えるだろう。国民は次の大統領はそうあって欲しいと言っている。政権がLame Duckのこの二年、共和党が大勝したとは言え、オバマが自滅してくれたようなものだから、共和党の動きも言うほど簡単ではない。

二年後の大統領選、アメリカの選択は難しいことになるだろう。