よし坊のあっちこっち

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映画三昧ー 忘れられない俳優

2007年05月01日 | 映画
もう10年位悩まされていることがある。その俳優の名前が思い出せないのだ。有名な、或いはちょっとは知られた俳優でもない。今は日本にいないから今時の人の目に触れることも無い。もしかすると、もうこの世にはいないかも知れない。

時代劇の東映が、70年代にヤクザ路線へ転換してからも、よく3本立てを観にいったものだが、ふてぶてしい顔で、チンピラやら、鉄砲玉の役が多かった、妙に忘れられない若い俳優がいた。映画を観ると大概出ている。あ~、またこいつ出ているな、と思ったものだ。
ところが、北朝鮮帰還船が最後を迎えつつある時期に、たまたま小さな芸能記事(当時の芸能記事と言えば、新聞なら、東スポ、週刊誌ならアサヒ芸能、或いは週間大衆だろう。ひょっとしてスクリーンかもしれない)に彼のインタビュー記事が出ていた。自分は朝鮮半島出身で、帰還船事業が終わりに近づきつつあり、コレを逃したらもう祖国に渡るチャンスは無いと、悩んだ末決断したとあった。

当時は名前を覚えていた(はず)だが、彼がいなくなり、やがて東映のヤクザ路線も下火になり、頭の中から消えてしまった。気になり出したのは、日本人の拉致問題が出始めて、北朝鮮がそれまで以上にクローズアップし始めた頃で、彼はどうしているのだろうかと思いを馳せつつ名前を思い出そうとしても、一向に出てこない。
悪名高きキム・ジョンイルは無類の映画好きだから、彼も俳優の端くれ、ひょっとしたら彼の地の映画で仕事を得ているかも知れない、等といい方に思いたいが、現実はそんなに甘くは無いだろう。むしろ悲惨な人生を送っているのだろう思うと、今更ながら、かつて北朝鮮の嘘にだまされて、帰還事業なるものを始めてしまった当時の左翼2政党の罪は重く、人道主義という言葉の前にそれを許してしまった政権党の罪も決して軽くは無い。