■창간호 「創刊号」 2019年 〇〇〇〇-
(631)
2019年1月に公開された独立系映画。5本の短編映画からなる
オムニバス作品だ。
会社員(1作目)、夫婦(2作目)、独身女性(3作目)、高校生と
小学生の2人暮らしの兄弟(4作目)、国会議員(5作目)を主人公と
するそれぞれの物語が、異なる場所から異なる手法で現代韓国社会を
映し出したような作品で、非常に面白かった。
特に、1作目の「대리드라이버」(代行運転手)は、実に印象的な
作品だった。
1人の会社員が夜の街で取引先の日本人を接待した帰り、代行運転を
頼んだドライバーが偶然、高校の先輩だったことがわかり、気をよく
した先輩に誘われ、2人でお酒を飲むことに。
そして、2人で酒を飲んだ後、呼んだ帰りのタクシーの運転手が、
またまた偶然、2人の高校の先輩だったことがわかり、年代も
社会的立場も違う見ず知らずの3人の男たちが出身高校のつながり
だけで先輩の顔を立て、結局、朝まで飲んでしまう。
もちろん、これは韓国の学閥(学縁?)文化を誇張した風刺では
あるが、帰りたくても帰れない、様々な文化のしがらみの中を
生きる男たちの、ある種、滑稽で、もの悲しくもある姿が描かれて
いた。
なお、この映画では挿入曲も、なかなかよかった。
ここでは「もう春」(5作目挿入曲)と「スパシーバ」(1作目)の
2曲を紹介しておく。
●부진서 - Now Spring (이제 봄)
●문종원, 이지현 - Спасибо (스바시바)
(終わり)
■자전차왕 엄복동 「自転車王 オム・ボクトン」 2019年 〇----
(630)
2019年2月に公開された時代劇映画。
時代背景は日本統治時代。京城(ソウル)を舞台に、朝鮮の1人の
競輪選手が日本の弾圧を跳ね返し、日本人選手に打ち勝ち「自転車王」と
なることで、朝鮮の民衆に自信と勇気を与え、民族意識を高めた物語。
△主人公が優勝する自転車レース(映画より)
実在の人物を題材にしてはいるが、独立運動団体とのからみや
漫画チックな日本軍の発砲場面など、大幅な脚色が加えられている。
△主人公は独立運動家を自転車に乗せ、日本軍から逃げる(映画より)
「昔、自転車競走で日本人に勝った韓国人がいた」というだけでは
インパクトが弱かったのか、興行的には失敗した映画である。
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唐突ながら、最近、「ヲタク」がお世話になっている動画共有サイトは、
もっぱら韓国系である。
今日、たまたま、そのサイトで海外(韓国外)映画のページを見ていて、
面白い映画に出くわした。
中国でリメイクされた映画「容疑者Xの献身」。
韓国の映画ファンのために、ちゃんとハングル字幕が入っている。
「ヲタク」は韓国版と日本版をすでに見ているので、中国語版を
見て、3カ国版の「容疑者Xの献身」を比較してみるのも悪くはない、
というアイデアがチラッと脳裏をかすめたが、結局、今回は見送った。
とても感情移入ができそうにない映画だったからである。
△女性の店で弁当を買う存在感の薄い男(映画より)
「ヲタク」が見るに、何より、主演男優と女優の存在感が薄すぎる。
△「ヲタク」なら特にこの女性から弁当を買いたいとは思わない(映画より)
特に、人生に絶望し死を選ぼうとしながらも、1人の薄幸の女性に
救われた男を演じるには、それ相応の思いを秘めた視線や存在感が
必要なはずだ。
韓国版や日本版と違い、中国版の男優からは、残念ながら、そうした
ものが全く感じられなかった。
失礼な書き方になるが、映画の冒頭、男優と女優を一目見ただけで、
一気に鑑賞意欲を失ってしまった。
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■극한 직업 「極限の職業」 2019年 〇〇〇--
(629)
2019年1月下旬に公開され、観客動員が1600万を超える大ヒット
(歴代2位)を記録したコメディ。
ヘマばかりやらかし解散寸前に追い込まれた麻薬取締班の5人の
刑事たちが、麻薬密売組織のアジトの張り込みのために、成り行きで
唐揚げ店を始める。
その唐揚げ店が予期せぬ大盛況となり、いつのまにか捜査は
後回しに。
△店は超有名人気店となり、日本人の団体観光客も訪れるように(映画より)
停職になった5人は本気で唐揚げ屋に転職する覚悟だったが、麻薬
密売の大ボスが人気の唐揚げ店に目を付け、店をフランチャイズで
全国展開し、麻薬密売の隠れ蓑として利用しようとする。
全くナンセンスな展開ながら、フランチャイズ事業の背後にいる
大ボスの魂胆に気づいた5人の大活躍により、麻薬組織は壊滅し、
5人は特別昇任する。
見る者を飽きさせない工夫が随所にちりばめられており、「ヲタク」も
楽しく見れた映画であった。
△刑事が使っていたカメラはCanon(映画より)
それにしても、人口5000万の国で、この映画が1600万人以上の
観客を集めた理由が、正直、「ヲタク」にはよくわからなかった。
△苦し紛れで作った「スウォン味付き焼肉風味チキン」が大ヒット(映画より)
唯一、韓国で大人気のチキン(鶏の唐揚げ)料理が、この映画の
大ヒットに大きな役割を果たしたことだけは間違いない。
関連ニュースによれば、映画の中で、スウォン(水原)の実家が
焼肉店をしているという1人の刑事が、苦し紛れで作った味付け
焼肉風のチキンを、実際に売り出す店まで登場している、との
こと。
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■크로싱 「クロッシング」 2008年 〇〇〇--
(628)
2008年に公開された異色の社会派映画。
北朝鮮北部の炭鉱町で、貧しいながらも仲睦ましく暮らす一組の
家族が主人公。炭鉱で働く元有名サッカー選手の父親と母親と
少年の3人家族だ。
その家族が突然、不幸に見舞われる。
母親が結核にかかってしまうのだ。しかも、地域にはしっかりした
医療施設も薬もない。
父親は、薬を手に入れるため、命がけで鴨緑江を渡り中国に
密入国する。しかし、悪質な脱北ブローカーから「インタビューを
受けるだけでお金がもらえる」などと騙され、結局、本人の意志に
反する形で脱北させられ、韓国まで連れていかれる。
一方、父親の密出国後、ほどなくして母親を失い途方に暮れた少年は、
父親を探しに中国への密入国を企てるが失敗し、強制労働施設に
収容されてしまう。
しかし、幸運なことに、父親を支援する韓国のキリスト教系脱北者
支援団体が、独自のネットワークを通じ北朝鮮の末端当局者らへ
ワイロを渡し、何とか少年を施設から連れ出すことに成功する。
△川(鴨緑江)の向こうは中国(映画より)
そして、少年は、鴨緑江を渡り、中国からモンゴル経由で韓国入国を
めざすことになった。
一刻も早く息子に会いたい父親は、モンゴルまで出向き、息子を待つ
ことにした。
△鉄条網をくぐりモンゴルに入った少年(映画より)
しかし、父親が目にした息子は、変わり果てた姿で、すでに冷たく
なっていた。
息子は、モンゴルへの密入国には成功したものの、その後の連携が
うまくいかず、ゴビ砂漠で1人、命を失ってしまったのだった。
実際、脱北者の中には本人が望まないまま脱北させられた人も
いるだろうし、また、脱北がかなわず命を落とす人もいるに
違いない。
それにしても、あまりにも切なすぎる映画の結末であった。
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■파주 「坡州 パジュ 」 2009年 〇〇〇〇-
(627)
2009年に公開された社会派の恋愛ドラマ。
物語の舞台は北朝鮮に接するパジュ(坡州)。
38度線(軍事境界線)に接し軍事的緊張の高い地域ではあるが、近年、
ソウルに近い南部地域を中心に急速な都市化が進んでいる。
△コネスト韓国地図
主人公は事故で妻を失った男と妻の妹。
男は、ソウルで学生運動に挫折し、実家のあるパジュに戻り、妻と
出会い結婚した。妻を失った現在は、塾の教師をしながら、再開発に
伴う住宅の強制撤去に反対する住民運動に取り組んでいる。
義理の妹は、3年前、たった1人の身内を失った直後、決まっていた
大学進学をやめ、入学金を持ってインドに放浪の旅に出て、最近、
パジュに戻って来たばかり。
2人は、今や仲のいい義理の兄弟としてではなく、男と女として
お互いに強く引かれ合っている関係ではあるが、なかなか前に進め
ないままでいる。
特に妹は、曖昧なままにしてきた姉の死因が、心に重く引っかかって
いる。
△妻(姉)の墓を訪れた2人(映画より)
実は、男の妻は、妹の何気ない過失が引き起こしたガス漏れによる
爆発事故で命を失ったのだが、男は、その真相を誰にも言わず、
隠し続けているのだった。
男は、ガス爆発直後の屋内でその痕跡を見つけた後、証拠を消し去り、
さらに妹には、姉の死因をひき逃げ事故だと偽り続けてきた。
ところが、妻が生命保険に入っていた関係で、保険会社と警察は
男の不審な言動に疑念を持つ。
保険金の受け取り人が、妻の死後、男から妹に変更されていた
こともあり、一旦は男に対する捜査を打ち切った警察であったが、
結局は、男を保険金詐欺と殺人の容疑で逮捕してしまう。
さて、男の容疑は晴れるのか?妹は姉の死因の真相を知ることに
なるのか?何より、2人は晴れて結ばれるのであろうか?
映画は、2人のお互いに対する強い思いを描きはしたが、2人の
未来については、何一つ暗示さえしないまま終わってしまう。
見る者には2人の置かれた状況と気持ちさえ伝われば、それで十分、
ということなのか。
幸せな結末を見たかった「ヲタク」にとっては、意地悪にも思える
映画であった。
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■6월의 일기 「6月の日記」 2005年 〇〇---
(626)
2005に公開されたサスペンス映画。
主役の女性刑事と男性の新人刑事のペアが、高校生連続殺人事件を
解決していく物語。
△主役の刑事コンビ(映画より)
犯人は、女性刑事の高校時代の親友で、一人息子をいじめで自死に
追い込まれた女性だった。
犯人の女性は、息子の万引き(いじめで強要された行為)を激しく
責めたてるなど、息子の苦しみに全く気づいてあげようとしなかった
自分自身にも深い罪の意識を持っており、加害者への復讐を終えた後、
最後に、女性刑事に撃たれて死ぬ道を選んだ。
何とも切ない内容の映画であった。
ちなみに、この映画では、男性の新人刑事が、先輩の女性刑事を
「ヌナ」(男性が実の姉や親しい年上女性を呼ぶ呼称)と呼んでいた。
女性の社会進出を背景に、韓国映画の世界では、おそらく社会の
実態以上に「ヌナ」が多方面で活躍している。
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■어쩌다 결혼 「(意訳)偽装結婚」 2019年 〇〇---
(625)
2019年2月に公開された少女漫画チックなヒューマンコメディ。
主人公は、付き合いで足を運んだお見合いの席で、初めて顔を合わせた
30過ぎの男女。
2人は、見合い相手と結婚する意思が全くない点で意気投合し、そこ
から話は奇妙な方向に発展する。そして、それぞれが自分の目的を
達成するために偽装結婚をすることにした。
「陸上の妖精」とも呼ばれた元有名陸上選手で、現在、体育大学で
講師をしている女性は、親兄弟からの煩わしい結婚の催促から解放
されるために。
航空会社オーナーの2世の男性は、結婚すればすぐに財産の半分を
与えるという父親から、財産を受け取るために。
△偽装結婚をくわだてた2人(映画より)
しかし、ドタバタ劇のあげく、結局、2人のお芝居がばれてしまい、
偽装結婚のたくらみは未遂に終わってしまう。
この騒動を機に、女性は、まわりに振り回されることなく、自分の
ペースで自分に合った人生を生きていくことを、今さらながらに
決心し、未来に向け新しい気持ちで再スタートを切る。
一方の男性も、自分が本当に好きなシングルマザーのパティシエに、
もっと率直に気持ちを伝え、予想される親の反対にも真正面から
ぶつかっていく決意を固める。
深みはなかったが、そこそこ楽しく見れたコメディ映画であった。
(終わり)
■함정 「罠」 2015年 〇〇---
(624)
2015年に公開された成人指定のちょいエロ・スリラー映画。
主人公は、子どものいない30代の夫婦。
夫は、妻の流産手術のショックからインポになってしまう。健康な
夫婦生活を取り戻し、子どもも欲しい妻は、ネットで、男性の
精力回復に効く食事を提供する民宿を見つけ出し、休養を兼ね、
2人で全羅南道ののどかな小島を訪れる。
ところが、その民宿の主人が、おぞましい裏の顔を隠し持っていた。
彼は、民間の食餌療法と美女をエサに悩める夫婦をワナに嵌め、
夫には美女を抱かせる一方で、自分は無理やり妻を犯す。
そして、最後には夫婦の命を奪うという、とんでもないサイコパス
(異常人格者)だったのだ。
△この映画でサイコを演じたのは、人気男優のマ・ドンソク(映画より)
主人公夫婦は、絶体絶命の危機に陥るが、男に奴隷のように仕えて
いた口のきけない美女の助力も得て、間一髪、男の魔の手から脱する
ことに成功する。
それにしても、韓国映画には、実に多彩なサイコパスが登場する
ものである。
(終わり)
■폭력의 법칙 「暴力の法則」 2016年 〇〇---
(623)
2016年に公開されたインディーズ映画。
ノワール風の題名に引かれ見ることにしたが、内容は「暴力の法則」と
言うより「復讐の法則」の方がぴったりくる。
1人の高校生が、3人の同級生から筆舌に尽くしがたいいじめを受け、
殺されてしまうが、警察は酒に酔った上での自死として処理する。
しかし、真相を突きとめた被害者の兄と母親が、4年の歳月をかけ、
3人の加害者(女1人、男2人)を殺害し、復讐をなしとげる。
△「ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした」と言い残し、自死する兄(映画より)
特に兄は、リーダー格の女を拉致監禁し、彼女が弟に加えた暴行と
全く同じ暴行を彼女に加えて行く。
そして、一旦は警察に逮捕されるものの、警察の監視のすきを突き、
署内で彼女を殺害した後、警官から奪った銃で自ら命を絶つ。
「自らの命を投げ出し、愛する者の復讐を遂げる」という図式は、
韓国の復讐劇における一つの法則と言ってもよいだろう。
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■돼지의 왕 「豚の王」 2011年 〇〇〇--
(622)
2011年に公開された独立系のアニメ映画。同年の釜山国際映画祭
では、監督賞をはじめ3部門で賞を受賞するなど高い評価を受けた。
一定の経済成長を遂げ、OECDにも加盟している韓国ではあるが、
貧富の格差は非常に大きい。多くの市民の生活は不安定で、常に
「転落」と背中合わせ。その分、社会的なストレスも強い。
このアニメは、あえてそうした現代韓国社会の闇を照らそうとする
作品だと言える。
主人公の男は、社長の肩書は持つものの、資金繰りに行き詰まった上、
夫婦関係も破綻し、ついには好き合って結婚したはずの妻をも手に
かけてしまう。
その男が、中学時代の友人に連絡を入れ、15年前、全校集会の最中に
校舎の屋上から1人の中学生が飛び降り自殺をした事件の真相を明らかに
した後、自らも校舎の同じ場所から投身自殺をする。
物語の展開にはすっかり引き込まれたが、それにしても、暗く、殺伐
としたアニメだった。
(終わり)
■만추 「レイトオータム」 2011年 -----
(621)
2011年に公開された異色の恋愛映画。
舞台はアメリカのシアトル。
主人公の男性は、富裕層の韓国系女性を相手にコールボーイ(男娼)を
している韓国系移民の男。
一方、女性は、DV夫を手にかけた罪で収監中、母親の葬儀参列の
ため、3日間の出所が認められた中国系移民。
△主演女優は中国人女優のタン・ウェイ(映画より)
2人は当然、英語で会話をするのだが、英語と中国語の会話には
ハングル字幕が付くという、実に珍しい映画だった。
しかし、韓国系移民がアメリカで出会う同胞以外の東アジア人で
最大のグループが中国系アメリカ人(約350万人)であることは
間違いない。
アメリカで、似た顔立ちをした韓国系移民と中国系移民が出会い、
恋に落ちたって何ら不思議な話ではない。
問題は、ホストと囚人の3日間の恋物語という設定があまりにも
現実離れしていて、いきおい、物語の展開も実に皮相的だった。
△主演男優は人気男優のヒョン・ビン(映画より)
「ヲタク」が見るに、映画の中の2人は確かに恋を演じてはいたが、
全く恋をしていなかった。
いずれにしろ、この映画ほど「ヲタク」が感情移入できなかった
映画も珍しい。
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■가면 「仮面」 2007年 〇〇〇〇〇
(620)
2007年に公開されたサスペンス風のノワール映画。
△運命的な2人の再会(映画より)
軍隊時代に3人の古参兵に強姦され、自殺未遂を起こした性同一性
障害の美青年、ユンソが、除隊後、外国で性転換手術を受け、女性
(スジン)として生き始めた。
△薄幸の美女を演じた女優はイ・スギョン(映画より)
一方、高校生の頃、自分を慕う幼なじみの美少年(ユンソ)に強く
引かれながらも、彼の思いも自分の性的指向も受け入れることが
できなかった刑事。
△中高年「ヲタク」を魅了したイ・スギョン(映画より)
その2人が、運命的な再開を果たし、恋に落ちる。
女性には興味のない刑事だったが、昔からの知り合いだったような
不思議な魅力を持つ美しいスジンに、強く引かれたのだった。
その2人が、過去、美青年(ユンソ)を強姦した3人の男たちと偶然、
再会したことをきっかけに、残酷な悲劇の幕が開く。
男たちをねらった連続殺人事件の容疑者として事件に巻き込まれて
しまうスジン。
10年前の強姦事件を「単なるイタズラだった」とうそぶく3人目の
男に対し、怒りがこみ上げた刑事は、衝動的に男を殺害してしまう。
そして、「愛はイタズラではない」と、初めてユンソに対する自分の
感情が愛であったことを自覚する。
△バイクで逃走中、お互いの愛を確認し合う2人(映画より)
容疑者のユンソがスジンであることを知った刑事は、一旦は、スジンを
逃がそうとしたが、死のうとする彼女を放っておけず、2人で逃げる
ことを選んだ。
しかし、捜査の網は狭まり、追いつめられた2人は、ついに2人乗りの
バイクで漢江に向かってダイブする。
△漢江にダイブする2人(映画より)
そして、水中で固く抱き合ったまま最後を迎える。(「ヲタク」としては、
2人が死んでいないことを祈りたいが…。)
何とも切ない破滅的な恋を、この映画ほど鮮烈に描き出したノワール
映画も珍しい。
△「ヲタク」も言われてみたい「タバコはやめなさいったら」(映画より)
それにしても、この映画で性転換者の女性を演じたイ・スギョンは、
よかった。
中高年「ヲタク」は、彼女の(女性としての)魅力にメロメロになって
しまった。
(終わり)
■577프로젝트 「577プロジェクト」 2012年 〇〇〇--
(619)
2012年に公開された異色のドキュメンタリー映画。
△国土縦断に挑むハ・ジョンウのチーム(映画より)
韓国映画界を代表する個性派男優、ハ・ジョンウが俳優仲間ら17人と、
ソウルから韓国最南端の海南郡(全羅南道)までの577kmを20日間を
かけて徒歩で縦断する様子を記録したドキュメンタリー映画だ。
△朝鮮半島の最南端、全羅南道海南郡の海岸に到達したチーム(映画より)
特にハ・ジョンウのファンでもない「ヲタク」も、けっこう楽しめた
ドキュメンタリーだった。
ちなみに、国土縦断は韓国語で一般に「국토대장정」(国土大長征)と
呼ばれており、一部に人気を集めているアクティビティだ。
(終わり) ← ポチッと応援 →
大人になって以降、希薄になっていたシャープペンとの関わりが、
韓国語の書き取り練習をきっかけに復活し、今や、「ヲタク」の
シャープペン趣味は飛躍的な深まりと広がりを見せている。
本来の目的は、あくまで、書きやすいシャープペンを使った書き取り
練習にあるのだが、最近では、シャープペンを握っただけで、恍惚感に
似た自己満足を覚えることもしばしばである。
もはや、一種の病気と言ってよい。
今回、紹介するのは、日本のシャープペン市場を席巻している
クルトガ(三菱鉛筆)とデルガード(ゼブラ)の2種のペンの
改造に関する話だ。
医療器具なども手掛けている、ある国内メーカーが、クルトガと
デルガードに装着して(かぶせて)使うアルミ製のカバーを販売して
いる。(「ヲタク」はネットを通じて各1,850円で手に入れた。)
△「SMART-JAKET」(アルミ製カバー)装着後のクルトガと装着前のデルガード
そのカバーを装着すれば、クルトガとデルガードが、高級感のある
りっぱな太軸シャープペンに大変身する。
常に芯の先がとがった状態を維持するクルトガは、常にくっきりとした
文字が書ける反面、指先が緊張するので、長時間の書き取り練習には
不向きな面がある。
しかし、使い方によっては、単調になりがちな書き取り練習に
適度な刺激を与えてくれる貴重な存在ともなるのだ。
一方、アルミ製カバーを装着したデルガードについては、ドクター
グリップ(パイロット)にも引けを取らないくらいの書き心地を
提供してくれる。
もし、書き取り練習をしながら、指先を通じて脳内にドーパミン
(快感ホルモン)が放出されているとなると、書き取り練習の効果は
いやが上にも上がってくるに違いない。
(終わり)