韓国の連合通信は11月27日付けで次のような日本発外信記事を
伝えた。
■ 日외상 "야스쿠니 비판은 韓ㆍ中뿐"
日外相 「靖国批判は中・韓のみ」
リード部分を紹介すると、
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・"신경 쓸 필요 없다" 막말 파문
・「気にする必要なし」波紋呼ぶ暴言
아소 다로(麻生太) 일본 외상이 고이즈미(小泉) 총리의
야스쿠니(靖國)신사참배를 문제삼는 나라는 지구상에서
한국과 중국뿐이라며 신경쓸 필요없다고 막말을 해 파문이
예상된다.
麻生太郎外務大臣は「小泉首相の靖国神社参拝を問題視している
国は、地球上に韓国と中国のみで、気をつかう必要はない」との
暴言を発し波紋が予想される。
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「ヲタク」は、韓国の言論とはまた別の視点で、こういう近隣諸国
への敵愾心を煽るような政治家の発言に強い危惧を抱いてしまう。
そもそも、靖国神社への公式参拝に反対しているのは、韓国や
中国のみではない。
日本人の中にも反対の世論は根強いし、裁判所も、たとえ
不十分な形ではあっても、政教分離の原則から公式参拝の
違憲性に言及している。
最近では、自民党の機関紙とまで揶揄されることもある某全国紙
でさえ、社説を通じて無宗教の国立追悼施設建設への積極的な
支持の姿勢を鮮明にしている。
こうした様々な国内の世論を平気で無視し、いたずらに韓国や
中国との対立感情を煽る政治家の姿勢は許されるものでは
ないだろう。
同じ日本人でも「反日的」な日本人の意見など無視していいと
言うのなら、その精神性において「国策」に異を唱える国民を
「非国民」として弾圧していた時代と大して変わらないではないか。
全国民に皇国への忠誠を強要する一方で、同胞である日本人の命で
さえ「鴻毛」のように軽いものだと教え込み、事実、農村出身の兵士の
命など、それこそ消耗品のように扱った過去は何だったのか。
自国民の「命」さえ大事に扱えない指導層が世界、とりわけ
アジアとの平和的な共存関係など築けるはずもなかった。
今、同じように国内の反対意見や司法判断に一切配慮することを
せず、自らの意に沿わない日本人の意見を平気で切り捨てるような
傲慢な世襲政治家たちが、外国との間で建設的でより平和的な
関係など構築できるはずがない。
韓国などの「反日」的な姿勢を声高に批判する政治家ほど、
批判している対象である韓国の過度に民族主義的な言論や
政治家の姿勢に不思議なほど似て来ているのは滑稽と言うしか
ない。
結果的に、隣国(近隣諸国)に対する反感を煽れば国民からの
一定の支持が集まる状況は、ある意味悲劇的な状況でもある。
韓国や中国ではびこっている独善的で手前味噌な民族主義との
「敵対的な共犯関係」を日本側でも作り出そうとしているのかも
しれないが、全く持って迷惑千万な話である。
そう言えば、昨今の日本社会の状況は韓国と同じように、ある
意味で「麻薬」としてのナショナリズムが有効な状況になりつつ
あるのは、不気味と言えば不気味だ。
日本社会では、いわゆる「勝ち組」と「負け組」への2極分化現象が、
かなり拡大し深化して来ている。
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■ ‘1억 중산층’ 일본도 양극화 몸살
「1億総中流」の日本 2極化現象に苦悩
(ハンギョレ新聞、11月7日)
후생노동성에 따르면, 지난 80년대 소득 상위 20%와 하위 20%의
평균소득 격차는 10배 이내였다. 그러나 격차가 90년대 후반
부터 크게 늘어나 2002년에는 168배로 치솟았다.
厚生労働省によれば、1980年代、所得の上位20%と下位20%
の間の平均所得格差は10倍以内であった。しかし、90年代の
後半から格差が大きく広がり、2002年には168倍にまで跳ね
上がった。
주요 원인으로는 가난한 고령인구 증가와 함께 비정규직
확대가 꼽힌다. 파트타임이나 파견 등 비정규직의 비율은
지난해 남자 14.2%, 여자 41.7%로 나타났다. 15~24살의
비정규직은 94년 10.6%에서 10년 사이에 33.3%로 급증했다.
その主な要因として、貧しい老年人口の増加と共に、非正規
雇用者の増加が挙げられている。パートや派遣などの非正規
雇用者の割合が、04年の統計で男性14.2%、女性41.7%に
上った。特に15~24歳の非正規雇用者の割合は、94年の
10.6%から10年間で33.3%にまで急増している。
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これが、韓国でも紹介された「1億総中流社会」がまさに音を
立てて崩壊しようとしている現在の日本社会の姿である。貧富の
差の大きい社会を政策的に許容するという意味では、日本社会は
明確にアメリカ型を選択したとも言える。
それは、また、日本の「韓国化」を意味しているとも言えはしない
だろうか。
この記事では触れられていなかったが、様々な優遇措置は
そのままに、法人や高額所得者への課税率のみを大幅に
引き下げ、消費税に代表される大衆課税を強化してきたことも
日本社会の所得格差を広げた大きな要因だ。
度重なる高額所得者への減税だけで、戦後史的な巨大財源を
失ったとされる日本の財政当局は、消費税アップに血眼になって
いるし、マスコミや御用評論家たちは、その「露払い」に汲々と
している。
こういう社会では、ナショナリズムは、まさに格好の「麻薬」となりえる。
社会的な矛盾の深まりの中で積もる不満やイライラを、外の敵に
ぶつけることで憂さ晴らしができるかもしれない。
その上、国家との情緒的一体感とともに「りっぱな愛国者」としての
「誇り」にも酔える。
「ヲタク」は、健全なナショナリズムまで否定する気はないが、まるで
麻薬のように人間の自由で合理的な精神を麻痺させるような
ナショナリズムなどいらない。
(終わり)
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