2010年の冬、「ヲタク」は、プサン草梁(チョリャン)洞にある
「豚カルビ通り」の一角で、気になるメニューを目にした。
1軒の豚カルビ焼きの店の入り口にあった「특미 LA갈비」
(直訳=特味 LAカルビ)なるメニューがそれだ。
△プサン・草梁の某豚カルビ焼きの店
「ヲタク」自身、この「LAカルビ」の「LA」がロスアンジェルスを
連想させるところから、これまで、「LAカルビ」を米国産輸入
牛肉(カルビ)の別称くらいに思ってきたが、どうやら、それは
誤解だったようだ。
帰国後、ネットで調べてみると、豚肉や韓国産牛肉にも、
「LA갈비(LAカルビ)」や「LA식갈비(LA式カルビ)」が、
ちゃんと存在していた。
△「調べたのは、ついさっきの
ことじゃないか!」
また、米国産輸入牛肉のカルビが、全て「LA(式)カルビ」と
いうわけでもない。
結局、わかったことは、韓国で言う「LA(式)カルビ」とは、
「骨の切断面が表面(裏面)に見える骨付きカルビ」のこと。
何のことはない。
日本の焼肉屋さんなどで普通に出てくる「骨付きカルビ」を
思い浮かべてもらえばよいのだ。
実は、これまで、韓国では、そうした形に加工(切断)された
骨付きカルビ肉を食べることが一般的でなかったため、
近年、「骨の切断面が表に見える」米国産輸入骨付き
カルビ肉が普及するに伴い、「LA(式)カルビ」なる俗称が、
新たに一般化して来たのだ。
ところで、俗に言うこの「LA(式)カルビ」の「LA」の由来に
ついては、現在、韓国のネット上に大きく二つの説が、
流布(るふ)している。
一つは、やはり、「LA」をアメリカの都市「Los Angeles」の
略称とみなす説。ロスアンジェルスは、全米最大の在米
韓国人コミュニティが存在し、韓国人にとって、最も親しみ
深いアメリカの大都市だと言える。
「米国産輸入」を「LA」に置き換えることで、商品の印象は
全く違ってくる。
そして、もう一つが、「LA」を英語の「lateral(横方向)」に
由来する略称と見る説で、この場合の「LA」は、あばら骨を
縦に見て横方向にカルビ肉を薄く切ったことを意味している。
△「さすがですッ」
△「そのこだわり方が、正直、キモイ」
(終わり)