ドイツで制作されたドキュメンタリー映画「ハロー・ピョンヤン」
(韓国での公開名、2019年)を見た。
その映画で、中国から北朝鮮に向かう国際列車が鴨緑江大橋を
渡る際の車窓越しの映像を目にすることができた。
△鴨緑江大橋を渡る国際列車の左車窓から見た中国・丹東市(映画より)
その中に遊歩道となった鴨緑江断橋の先端部分が写っていた。
「ヲタク」が初めて目にする映像だった。
△列車右車窓から見た丹東市の鴨緑江断橋(映画より)
いわゆる国境観光を楽しむ人々の姿もはっきり捉えられている。
△左車窓から見る鴨緑江と北朝鮮・新義州市(映画より)
それにしても、この映画を見て、あらためて驚いたのは、
列車が鴨緑江大橋を渡り対岸に着いた途端、目に入ってくる
(映像に捉えられた)北朝鮮・新義州の貧しさである。
対岸の中国・丹東市との経済格差は、あまりに極端すぎて
にわかには信じがたいほどである。
1980年代の初頭、「ヲタク」が初めて韓国を訪問した際に
感じさせられた日韓の経済格差とは、明らかに次元を異に
している。
しかも、丹東と新義州の間には、いくら大河とは言え、
鴨緑江という河が1本、流れているだけである。
(終わり)
■헬로우 평양 「ハロー・ピョンヤン」 2019年 〇〇〇〇-
(864)
2019年に公開された北朝鮮紀行ドキュメント。
△ピョンヤンの中心部(映画より)
ドイツ人の映画関係者が制作した作品なので、正確には
韓国映画ではない。ナレーションもドイツ語(ハングル
字幕付き)。
△高層ホテルの窓から見たピョンヤン(映画より)
2013年と2017年の2度にわたる北朝鮮旅行の記録が、
研究者へのインタビューなども含め84分の作品に
まとめられている。
△金日成親子の巨大な銅像(映画より)
1度目は北京から国際列車で、2度目はウラジオストクから
飛行機で北朝鮮入り。
現地では、2度とも2人のガイドが付き、およそ1週間の
全日程が先方任せ。移動手段は専用のマイクロバスや
地下鉄。
△13年訪朝時、流ちょうなドイツ語を話すガイド(映画より)
唯一、ガイドが同行しなかったのは、2度目の旅行で
参加したピョンヤンマラソンのみ。
△17年訪朝時、流ちょうな英語を話すガイド(映画より)
また、重要なポイントは、2度の旅行とも映像の撮影が
禁止されていたので、このドキュメント作品が、カメラや
スマホの動画撮影機能のみを使い、隠し撮りされた映像を
編集し作られたという点だ。
ただし、映画関係者の作品らしく、マラソンを走りながら
撮った映像など、ごく一部を除き、映像は非常に鮮明で
見やすく、全くと言ってよいほど、カメラによる隠し撮り
であることを意識させなかった。
△マラソンを走りながら自撮りした映像(映画より)
北朝鮮という全体主義国家を賛美するでも、侮蔑する
でもなく、ガイドを始め、現地で出会った人々や見た
ものをありのままに淡々と記録していた。
実に貴重な作品を見させてもらった。
(終わり)