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福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

魔女vsムダンの死闘

2024年04月28日 |  〇映画・映画音楽
    「罪」 〇〇〇--
(2041)



2024年に公開されたホラー・ミステリー。

降霊術を使うムダン(霊能者)の女性が、狙った人間を死に追い込む霊力を
持つ魔女を退治しようと奮闘するも、結局、魔女に敗れ、命を失ってしまう
物語。続編を暗示するかのようなエンディングだった。


△主人公かに思えた女性が、実は邪悪な魔女だった

ブログ主の趣向には合わない映画だったが、物語の展開には、そこそこ
引き込まれてしまった。


(終わり)

プサンのカンフー老人

2024年04月26日 |  〇映画・映画音楽
검치호    「剣歯虎」  〇〇〇--
(2040)



2024年に公開されたノワール風のカンフー映画。「剣歯虎」(サーベル
タイガー)の異名を持つ、年老いた伝説的殺し屋を主人公とする物語。
舞台は、プサン。


△遠くに見える島は影島。中央右手のビルは韓国船員センター。

カンフーや刃物使いの達人である主人公の老人が、1人の少女を守る
ため、口封じ目的で彼女の命を狙う極悪刑事らに制裁を加える。


△遠くにチャガルチの水協(漁協)ビルと釜山タワーが見える

銃弾も飛び交う熾烈な戦いの末、満身創痍の身となった老人は、最後の
1人を始末した後、静かに息を引き取る。

この映画では、ブログ主にも馴染みのプサンが舞台だったこともあり、
鑑賞後、久しぶりにインターネット地図(航空地図やストリートビュー)を
使ったロケ地特定作業に熱中してしまった。

なお、この映画で非常に残念だったのは、主人公や少女は標準語を話し、
悪役の極悪刑事らだけが濃いプサン方言を話していた点だ。

長年、プサンを起点に韓国語や韓国を学び続けてきたブログ主としては、
さらっと看過できない、極めて社会言語学的な事象だった。


(終わり)

カードタイプの護符

2024年04月25日 |  〇映画・映画音楽
어게인 1997 「アゲイン 1997」 〇〇---
(2039)



2024年に公開されたインディーズ系のファンタジー映画。

うだつの上がらない40代の男が、不思議なお坊さんから買った護符の
霊力で、過去に戻り、人生を生き直す物語。


△主人公が不思議なお坊さんから買ったカードタイプの護符

例によってブログ主の趣向には合わない映画だったが、韓国語の聞き取り
学習と割り切り、最後まで鑑賞させてもらった。

(終わり)

風水師の日本悪霊退治

2024年04月23日 |  〇映画・映画音楽
파묘   「破墓」 〇〇〇--
(2038)



2024年に公開され1100万人を超える観客を動員した悪霊退治の
物語。英語(韓国系アメリカ人ら)や日本語(悪霊とムダンら)も登場
する国際色豊かな(?)ホラーミステリーだ。

韓国の風水師(※韓国の風水)の男が移葬業者の男やムダン(霊能者)の
女性らと力を合わせ、日本統治時代に日本の陰陽師(おんみょうじ)の
霊力により朝鮮に連れてこられ、現代にいたるまで朝鮮半島の背骨にあたる
聖地(韓国江原道の山脈)に居座り続けて来た日本の悪霊を退治する。


△悪霊の正体は、関ヶ原の合戦で首を取られた武将のゴーストだった

ブログ主の趣向には全く合わない荒唐無稽な内容の映画ではあったが、
物語の展開には、すっかり引き込まれてしまった。

(終わり)

漢字を使っていた韓新聞

2024年04月22日 |  〇映画・映画音楽
건국전쟁   「建国戦争」 〇----
(2037)



2024年に公開され、110万を超える観客を動員した現代史ドキュ
メンタリー。現代韓国において負の側面が強調されがちな李承晩大統領を、
右派的な視点から「建国の父」として再評価したドキュメンタリー映画だ。

論拠も不明確な右派的極論が多く登場してはいたが、ブログ主自身、もし
仮に自作農創出を目的とした農地改革や女性参政権の実現が、李政権の
真に内発的な政策だったとするならば(米軍当局の方針とは無関係に)、
それはそれで高く評価されてしかるべき立派な業績だろう、とは思った。


△印象に残ったのは、漢字が多用されていた1960年当時の新聞

いずれにしろ、久しぶりに韓国の現代史について学んだブログ主であった。

(終わり)

兵役生活で恋愛の危機

2024年04月19日 |  〇映画・映画音楽
쫄병수첩   「兵隊手帳」 〇〇〇--
(2035)



1989年に公開された青春ドラマ。軍に入隊した1人の美大生が、
3年間の軍生活を送り、無事、除隊するまでの哀歓の日々を描いた映画。


△除隊の日、一旦は諦めた彼女も彼の元に戻り、ハッピーエンド

例によってブログ主の趣向には合わない作品ではあったが、軍生活の
一端について学べたことは収穫だった。

なお、現代の韓国語では除隊のことを、一般に「전역/転役」(現役から
予備役へ、の意味)と呼んでいる。


(終わり)

70年代の韓国映画から

2024年04月18日 |  〇映画・映画音楽
충녀    「虫女」   〇〇---
(2034)



1972年に公開された古典的話題作。

本妻宅と妾宅で二重生活を送る中年男が、本妻から給金までもらって
暮らしていた妾の若い女性とともに破滅していく物語。2人が死に追い
込まれていく背景に、本妻とその子どもたちが絡んでいたことが暗示
されながら映画は終わる。


△本妻から給金をもらう妾の若い女

ブログ主の趣向には全く合わない映画だったが、物語の展開には、けっこう
引き込まれてしまった。


(終わり)

意図不明の短編映画

2024年04月17日 |  〇映画・映画音楽
어디에나 있는 어디에도 없는 「どこにでもある、どこにもない」〇----
(2033)



公開年度不明。性暴力に対する告訴を支援する市民団体の内部(街中の
籠城テント)で起きたセクハラ問題を告発する短編のフィクション映画。


△性被害の告訴を相談した女性が、テント内でセクハラを受けてしまう・・

この映画の製作意図がよくわからないが、何とも醜悪な内容の作品だった。

ブログ主が見るに、社会運動の関係者たちに真摯な内省を促す目的で
作られた作品というよりは、市民団体には安易に近づくな、という政治的
メッセージを込めたプロパガンダ映画に思えた。

(終わり)

ロンドンとミラノの恋

2024年04月12日 |  〇映画・映画音楽
이어지는 땅  「つながる土地」 〇〇---
(2030)



2024年に公開された恋愛ドラマ。

2年前、韓国で自ら別れを告げた元カレを追ってロンドンを訪れた韓国人
女性が、元カレに復縁を拒絶される話。癒されることのない傷を心に抱えて
ミラノで1人生きる韓国人女性が、偶然、その地を訪れた韓国人男性と
新しい恋に落ちる話。この2つの物語を軸に展開される静かな恋愛物語だ。
ミラノに暮らす女性は、最初の物語に登場したロンドンに暮らす元カレの
今カノの友人、という設定だった。


△ミラノで始まった恋

ブログ主の趣向には合わない映画だったが、物語の展開には、そこそこ
引き込まれてしまった。


(終わり)

21分の韓国映画

2024年04月11日 |  〇映画・映画音楽
여름이었다   「夏だった」 -----
(2029)



2022年に公開された抽象的(実験的?)な短編映画。



2人の青年と1人の若い女性が、「孤独」や「闇」、そして「死」について、
独り言をつぶやくように語る。そして、すぐに(21分)終わる。

何が言いたいのか、さっぱり理解できなかったが、ブログ主の趣向に全く
合わない作品であることだけは、はっきりわかった。


(終わり)

韓流ホラーと護符文化

2024年04月09日 |  〇映画・映画音楽
죽음으로의 초대  「死への招待」 〇----
(2028)



2024年に公開されたインディーズ系のホラー映画。3本の作品の
オムニバス。

3本ともブログ主の趣向には全く合わない映画だったが、唯一、印象に
残ったのが、1本目の作品の中でムダン(霊能者)の娘が書いた呪い書き。



一見、護符(お札)のように見えるが、これは霊力により悪霊から家や
人間を守るためのものではなく、自らが悪霊と化し、恨みを晴らすために
書いたものなので、護符と呼ぶにはふさわしくないようにも思える。

いずれにせよ、現代韓国にも脈々と生きる護符文化の一端を再確認させ
られる思いがした。

ちなみに、ここで護符と訳し、表現している韓国の霊的な書き物を、韓国語
では「부적/符籍」と呼んでいる。一般にムダンや僧侶の手により書かれる
ことが多い。


(終わり)

脱北青年、ベルギーへ

2024年04月06日 |  〇映画・映画音楽
로기완  「ロ・ギワン」 〇〇〇〇-
(2027)



2024年に公開された癒し系の恋愛ドラマ。一部の実話に大幅な脚色を加え、
創作された作品だ。

北朝鮮を脱出し、中国の朝鮮族自治州を経てベルギーに入国した脱北
青年が、主人公のロ・ギワン。彼は、ベルギーでの安定した人間らしい
生活を夢み、難民資格を得るために必死に働き、生きていた。



そんな彼が、ひょんなきっかけから、ベルギーですさんだ生活を送る1人の
韓国系の女性と出会う。

彼女は、青年とは違い、経済的にはめぐまれた家庭に育ったものの、母親の
安楽死をきっかけに父親と深い確執が生じてしまい、父親の元を離れ、1人
暮らしを始めた。その後、夜の街で犯罪集団と関わりを持つようになり、
麻薬にも手を染めるなど、生きる意味を見失った状況にいた。



そんな2人が恋に落ち、いっしょに幸福になれる、新しい人生をつかみ
取ろうと、もがき始める。

ほどなく、犯罪集団から逃れるため女性は一旦、国外に脱出する。そして
1年後、難民資格を得た青年が、女性の暮らす東南アジア(おそらくバリ)
を訪れ、2人が再会できたところで映画はハッピーエンド。

なかなか見ごたえのある恋愛映画だった。

(終わり)

売れない役者が主夫

2024年04月05日 |  〇映画・映画音楽
장인과 사위  「舅と婿」 〇〇〇--
(2026)



2024年に公開された癒し系の社会派コメディ。


△プサンのソンド(松島)海水浴場を訪れた主人公と義父

実質、主夫として、メイク担当の撮影スタッフとして働く妻と1人娘の
生活を支えている売れない俳優の中年男が、認知症の進む妻の父親に
振り回されながら繰り広げる物語。


△プサンのチャガルチ市場を歩く主人公たち

さすがに、汚物関連のネタを心の底から笑い飛ばすことはできなかった
ものの、見終わるころには、ジンと心の温まるコメディ映画だった。


(終わり)

老人、怒りの鉄拳

2024年04月04日 |  〇映画・映画音楽
그 하룻밤  「その一夜」 〇〇〇--
(2025)



元警察官で薬草採り(약초꾼)の老人が、人里離れた寒村で凶行を重ねる
3人の極悪脱獄者を、超人的な格闘術を使い制裁する物語。


△主人公の老人は、超人的な格闘術の使い手

残酷なシーンが多すぎる気がしないでもなかったが、なかなか見ごたえの
あるアクション映画だった。


(終わり)

韓映画と高齢者の心中

2024年04月02日 |  〇映画・映画音楽
소풍   「遠足」  〇〇---
(2024)



2024年に公開された社会派の家族ドラマ。

子ども同士が結婚し、孫もいる、幼なじみの高齢女性2人が、故郷の
南海郡(慶尚南道)の岸壁でいっしょに自死(「遠足」)することを選択
するまでの物語。

その過程には、子どもの事業の失敗、子どもの家庭の崩壊、売却を迫られた
住居、さらには老いから来る病いなど、様々な困難があった。


△高齢者を主人公にした癒し系の映画と思いきや・・

さすがに最後の瞬間まで映し出されることはなかったが、南海岸の美しい
自然の景観とは裏腹に、何とも陰惨な結末で終わる映画だった。



ブログ主自身、これから歩んで行かなければならない本格的な高齢期の
生き方について、しみじみ考えさせられてしまった。


(終わり)