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福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

名優の遺作は災害映画

2024年08月12日 |  〇映画・映画音楽
탈출    「脱出」  〇〇〇--
(2094)



2024年に公開されたデザスター(大災害)映画。舞台は、濃い海霧に
覆われたインチョン(仁川)空港大橋。

まず、主人公父娘が乗る車が、大規模な玉突き事故に見舞われる。その上、
救援に駆け付けたヘリが橋脚に衝突してしまい、橋げたの一部が崩落し
始める。さらに被災者らを襲った最大の悲劇が、秘密プロジェクトの
失敗で殺処分場まで運ばれていた特殊戦闘犬の群れが、橋の上で移送車
から逃走し、人間に危害を加え始めたこと。


△主演男優は今は亡き名男優、イ・ソンギュン

当然、主人公らは数々の危機をくぐり抜け、生き残ってハッピーエンド。

ブログ主の趣向には合わない映画だったが、物語の展開にはそこそこ
引き込まれてしまった。

それにしても、現実生活の中で抱えた問題からは脱出できないまま、
この世を去ってしまった名俳優、イ・ソンギュン氏の死は残念でならない。

あらためて故人の冥福を祈りたいと思う。

(終わり)

人間と天女の恋物語

2024年08月10日 |  〇映画・映画音楽
금강산 팔선녀  「金剛山の八仙女 前編・後編」 〇〇〇--
(2093)



朝鮮民族の昔話「仙女ときこり」を題材にした長編アニメーション映画。
北朝鮮とイタリアの合作映画だ。


△天界で再会を果たした2人

映画では、金剛山(ウィキペディア)で初めて出会い恋をした天女と
きこりが、天界で再会し、天帝の許しを得た上で、晴れて金剛山に戻り、
2人で末永く幸福に暮らすことになる。

元々の昔話とは違い、ハッピーエンドの恋物語として描かれていた。


△金剛山で幸せに暮らす天女ときこりの家族

思っていた以上に見ごたえのあるアニメ映画だった。

(終わり)

韓国社会の仙人信仰

2024年08月08日 |  〇映画・映画音楽
머털도사    「モトル道士」 〇〇〇--
(2091)



1980年代から90年代にかけて韓国の子どもたちの心をつかんだ大人気
国産アニメキャラクターが、「モトル(意訳:逆毛)道士」だ。


△ヌドク道士に道術を学ぶモトル

ヌドク山のヌドク(意訳:ボロ)道士から「道術(仙術)」を学び、髪の
毛を変幻自在に変化させる術を駆使しながら、性悪な道士を懲らしめる
物語だ。

こうしたアニメ作品を見るにつけ、日本で言う「仙人」や「仙術」に当たる
「도사(道士)」や「도술(道術)」に対する素朴な憧れ、あるいは信仰が、
韓国で広く大衆化されていることがわかる。


(終わり)

題材はハイジャック事件

2024年08月07日 |  〇映画・映画音楽
하이재킹  「ハイジャック」  〇〇〇〇-
(2090)



2024年に公開され、170万を超える観客を動員したハイジャック映画。

1969年と71年に朝鮮半島上空で連続して実際に発生した2件のハイジャック
事件(大韓航空機YS-11ハイジャック事件 / 大韓航空フレンドシップ機
ハイジャック事件
)を題材に、映画的脚色を加え創作された作品だ。


△主演男優はハ・ジョンウ

非常に見ごたえのある、緊迫感溢れるパニック映画だった。

ブログ主の場合、映画の題材になった2件のハイジャック事件を全く
知らなかったので、この映画をきっかけに韓国現代史の学習もできた。

(終わり)

超愉快な悪霊退治

2024年07月30日 |  〇映画・映画音楽
핸섬 가이즈 「ハンサムガイズ」 〇〇〇〇〇
(2088)



2024年6月に公開され、170万を超える観客を動員した、ブラックな
ホラーコメディ。カナダ映画(※ウィキペディア)の韓国リメイク版。

大工をしている2人組の男と1人の美形女性が力を合わせ、悪霊を退治する
奇想天外な物語。グロいシーンがけっこうありながらも、非常に楽しめる
娯楽映画だった。

※この映画は、2024年夏のプサン訪問時、「釜山劇場」にて鑑賞

킬링 로맨스  「キリング・ロマンス」 〇〇---
(2087)



2023年に公開されたコメディ映画。大富豪のサイコパス夫から自由に
なりたい若い女性が、三浪中の冴えない青年の力を借りながら、夫の
暗殺を計画する。結果的に暗殺はことごとく失敗するが、最後に彼女が
夫の命を奪わないまま自由を手に入れ、ハッピーエンド。

※この映画は、2024年夏のプサン訪問時、ホテルの有線TVで鑑賞。


(終わり)

ソウルのスラム街で

2024年07月21日 |  〇映画・映画音楽
특별시 사람들  「ソウル特別市の人々」 〇〇〇--
(2086)



2009年に公開された異色の家族ドラマ。

ソウル市江南区に実在するスラム街を舞台に、1軒の家族(祖母、父と3男
1女)が繰り広げる、喜怒哀楽に満ちた生活模様を描いている。


△映画のロケ地は実在のスラム街

なかなか見ごたえのある家族ドラマだった。

それにしても、実在するスラム街をロケ地にした韓国映画まであるとは
驚きだった。


(終わり)

韓国映画よりも深い闇

2024年07月19日 |  〇映画・映画音楽
정직한 사람들 「正直な人々」 〇〇〇〇-
(2084)



2024年に公開された、社会風刺の効いたインディーズ系のブラック・
コメディ。

主人公は、スーパーのアルバイトで生計を立てながら、自慢の想像力と
文章力で就活者の自己紹介文を代筆し小銭を稼いでいる若い女性。この
映画は、主人公と主人公に代筆を依頼した数人の就活者たちの嘘まみれの
生活を描いている。そして、最終的に、主人公自身が、「正直さ」を売りに
した嘘だらけの自己紹介文を決め手に晴れて就職を勝ち取り、映画は終了。

何とも殺伐とした内容の物語だった。


△バイト先のスーパーのバックヤードで嘘(自己紹介文)を紡ぎ出す主人公

ひるがえってブログ主は、つい最近(7月)、嘘で嘘を塗り固めたような
詐欺師的な人物が日本を代表する大都市の首長選挙で「白昼堂々」、三選を
果たすという、それこそ嘘のような現実を目の当たりにした。まさに、
日本の現実は韓国映画よりも奇なり、である。ブログ主は、自分の暮らす
日本という国の闇の深さを、まざまざと見せつけられる思いがした。
(これは、あくまでブログ主による日本社会観察と思考による個人的な
見解。)

韓国社会の一面の現実を内省的に風刺した映画に触発され、たまには余計な
ことを書いてみたくなったブログ主である。


(終わり)

行方不明になった婚約者

2024年07月14日 |  〇映画・映画音楽
장농     「箪笥」 〇〇---
(2082)



2021年に公開されたインディーズ系のサスペンス・スリラー。

主人公は、懇意の有力国会議員もいれば、意のままに動く検察官も持つ
新進気鋭の若手実業家。その彼が、かつての金銭的支援者の娘で婚約者の
女性に4億円のマンションを買い与え、別れようとする。愛する別の女性が
できたのである。ところが、婚約者は納得しない・・。

ついに男は、彼女と激しく言い争ったあげく、衝動的に彼女を手にかけて
しまう。そして、男は密かに女性の死体を処理し、ビジネス仲間でもある
親友の助言に従い、1人旅に出かけた彼女が行方不明になったことを
装い始める。


△彼女を消した後、料理を始める男

しかし、その後、タンスの中にいる彼女の死体(幻影)が、男を苦しめ
始めることになった。そして、男の心が壊れ始めていく・・。

ブログ主の趣向には全く合わない映画だったが、物語の展開にはそこそこ
引き込まれてしまった。


(終わり)

美形サイコ女の甘い罠

2024年07月11日 |  〇映画・映画音楽
그녀가 죽었다 「彼女が死んだ」 〇〇〇--
(2080)



2024年に公開され、120万を超える観客を動員したミステリー映画。


△主人公は不動産業を営む「公認仲介士」(日本の宅建士)の青年

美形のサイコ女が仕掛けたワナにまんまと引っかかってしまった不動産
業者の青年が、気骨のある女性刑事に助けられながら、ギリギリのところで
生命の危機を脱し、サイコ女を逮捕へと導く。

なかなか見ごたえのあるミステリー映画だった。

(終わり)

サイコ女の犬になった男

2024年07月09日 |  〇映画・映画音楽
타로    「タロット」 〇〇〇〇〇
(2079)



2024年に公開されたホラーミステリー。

幼い娘と2人で暮らすシングルマザー、浮気中の会社員、デリバリーの
配達夫。不思議なタロットカードを拾ったこの3人の主人公たちが、次々と
全く形の異なる恐ろしい悲劇に見舞われていくオムニバス形式の映画。


△サイコ女のえじきになった配達夫

見る者を画面に引き込む力のある、見ごたえのあるホラー映画だった。

良質な韓流ホラーを見てみたい人には、お勧めの一作だ。


(終わり)

障害を持つ詐欺師

2024年06月29日 |  〇映画・映画音楽
복지식당   「福祉食堂」 〇〇〇--
(2073)



2022年に公開されたインディーズ系の社会派映画。

交通事故で両足と左手に重い障害を負った主人公が、ずさんな検査により
障害の程度を軽く判定(5級)されたために、各種の福祉サービスを受ける
権利や障害者向けの就労の機会を奪われてしまう。

苦境に陥った主人公と姉に、一見、信頼のおけそうな、自らも両足に障害を
持つ支援者が接近してくる。主人公は、その男を信じ頼るが、その男の正体は
障害者を食い物にする悪質なブローカーだった。結局、主人公は男にまんまと
騙され、弁護士費用などを口実に、わずかな貯えまで奪われてしまう。


△重度の障害を負いながら、軽度障害と判定されてしまった主人公

窮地に追い込まれた主人公が、ギリギリのところで自分を奮い立たせ、
障害の等級審査のやり直しを求める行政訴訟の場に、1人で出廷する場面で
映画は終わる。

なお、映画題名の「복지식당(福祉食堂)」とは、ブローカーの障害者が、
よく出入りしている食堂のこと。何とも皮肉な題名である。ただし、食堂の
厨房を受け持つ聴覚に障害を持つ老女だけは、最初から、ブローカーに
険しい視線を向けていた。

弱者が弱者を食い物にする、何とも殺伐とした内容の映画ではあったが、
それでも希望を失わず、前を向いて生きていこうとする主人公の強さには
救われる思いがした。


(終わり)

北朝鮮工作員の悲哀

2024年06月22日 |  〇映画・映画音楽
간첩 리철진 「スパイ リ・チョルジン」 〇〇〇--
(2067)



1999年に公開されたヒット作。北朝鮮から韓国に潜入した工作員を
主人公にしたスパイドラマだ。

ある特殊な任務をおびて韓国に潜入した工作員が、韓国在住の固定工作員
家族と出会い、人間的な信頼を深めつつも、結局、党に使い捨てられ、
追い詰められたあげくに自ら死を選ぶ、という悲劇的な展開。


△主演男優はユ・オソン

思わず笑ってしまうコミカルなシーンも多々あり、物語の展開には
それなりに引き込まれてしまったが、全く救いのない映画だった。

(終わり)

事故偽装専門の暗殺者

2024年06月21日 |  〇映画・映画音楽
설계자    「設計者」 〇〇〇--
(2066)



2024年に公開された犯罪サイコスリラー。

事故や自死を偽装した暗殺を請け負う「設計者」の主人公が、警察官も
加わっていると思われる、より大きな設計者組織に命を狙われ、仲間
3人を次々と失っていく。


△主演男優は、プサン生まれ昌原育ちのカン・ドンウォン

2人の仲間の「事故死」や1人の仲間の「裏切り」の真相、そして何より、
巨大設計者組織の全体像や1人生き残った主人公の未来などについては全く
明らかにされないまま映画は終わってしまう。

ブログ主としては、重たい消化不良感の残る映画だった。


(終わり)

東京で破滅した韓青年

2024年06月17日 |  〇映画・映画音楽
깡패수업   「極道修行」 〇〇〇〇-
(2064)



1996年に公開されたノワール風の日韓合作極道コメディ。

ひょんなことで東京の裏社会と関わりを持つことになった韓国人青年が、
在日同胞の親分が率いる組織の末端に加わる。そして、紆余曲折を経て、
結局は、彼のために小指まで詰めた兄貴分(韓国人ヤクザ)の手により
射殺されてしまう。


△虚無感の漂うラストシーン

期待していた以上に見ごたえのある映画だった。


(終わり)

鉄腕アトム級の人気者

2024年06月13日 |  〇映画・映画音楽
태권동자 마루치 아라치   「跆拳童子 マルチとアラチ」 〇〇〇--
(2062)



1977年に公開された劇場版アニメ。

テコンドの天才である少年マルチと少女アラチが、力を合わせながら、
世界征服を目論む「青い骸骨団」の野望を打ち砕く物語。


△テコンド世界大会の決勝に進出したマルチ

このマルチとアラチ。ブログ主の見聞と印象によれば、1970年代の
韓国にあって、日本で言えば「鉄腕アトム」クラスの超人気キャラクター
だったと見てよい。

当然、現在の中高年層の韓国人で、この2人のキャラクターを知らない
人はいない、と言ってよいだろう。


(終わり)