百度地図のストリートビュー(2014年5月)で延吉市の街を観察し
ながら、「ヲタク」がつくづく考えたことがある。
△延辺大学前のマンション団地「大学城」
それは、日本は中国から「門」という文字は学んだが、「門」の
何たるか、その本質や「門」の文化そのものについては、学びそこねた
のではないか、ということだ。
△「大学城」マンション団地の門
「ヲタク」の感覚で言えば、何もそこまで仰々しい門など必要ないの
ではないか、と思えるような門を、延吉ではよく目にする。
△延辺大学の巨大な正門
マンションしかり、大学しかりだ。
△延辺大学近くのマンション団地「恒坤清華園」
しかし、よくよく考えてみると、30mを超える、まるで城のような
天安門も中国の文化ならば、延吉の大学やマンションの大きな門も
中国の文化なのだ。
△「恒坤清華園」の門
見るがいい。
延吉のマンション「恒坤清華園」の門は、本当に漢字の「門」のような
形をしているではないか。
こういう門こそが、本物の「門」なのだろう。
(終わり)
延辺朝鮮族自治州の州都、延吉市は北緯約43度に位置している。
日本で言えば、北海道の札幌とほぼ同緯度だ。
△Google Earthより
おまけに、山間部の小さな盆地ときている。
冬の寒さは半端ではないはずだ。
韓国でマイナス10度くらいの寒さなら経験したことのある「ヲタク」
だが、延吉の寒さは、間違いなく「ヲタク」の想像を絶していること
だろう。
△延吉市内を流れるプルハートン川(Google Earthより)
ところで、中国の百度地図でも、Google Earthなどと同じように
衛星写真が提供されている。
△百度地図の衛星写真(2016年)より
そして、百度地図の場合、現在提供中の衛星写真が撮影された季節は、
どう見ても冬のまっただ中。
延吉市内を東西に流れるプルハートン(布尔哈通)川は、完全に
凍り付いている。
△スケートリンク付近を拡大(百度地図より)
写真をよく見ると、凍り付いた川に2面のスケートリンクをはじめ、
氷上、雪上スポーツ用の各種施設が作られているのがわかる。
スロープらしきものも見えるが、こちらはソリなどで遊ぶための
ものか。
百度地図の衛星写真からは、延吉の冬の厳しさと共に、楽しみ方の
一端が見て取れる。
(終わり)
韓国のDaum地図でソウルの中国人街を観察していた時にはわからな
かったことが、中国の百度地図で朝鮮族自治州の延吉を観察して
初めてわかったこともある。
△ソウル大林洞の順姫冷麺(Daum地図2016年8月撮影)
例えば、ソウル市大林洞にある順姫冷麺や金達莱(チンダルレ)冷麺。
△ソウル大林洞の金達莱(チンダルレ)冷麺(Daum地図2016年8月撮影)
この2店は、実は延吉市を中心に多くのチェーン店を展開する有名店舗で、
おそらく延吉市民なら知らない人はいないはずだ。
△延吉市の順姫冷麺(百度地図2014年5月撮影)
ソウルで働く朝鮮族の多くが、こうした店で食事をしながら故郷の
味に舌鼓を打ち、ソウルでがんばる糧(かて)にしているのだろう。
△延吉市の金達莱(チンダルレ)冷麺(百度地図2014年5月撮影)
大林洞の2店舗が、正規のチェーン店なのかどうか、確認はして
いないが、せめて味は、正真正銘、延吉の味であってほしいものだ。
(終わり)参加カテゴリ:地域情報(アジア)
百度地図のストリートビュー(2014年5月撮影)で延吉市を観察して
いて、ある意味、「ヲタク」が最も不思議に感じたのが、「性保健」の
店かもしれない。
住宅街であろうが商店街であろうが、あるいは繁華街であろうが、
ところかまわず店舗を構えているのが、この「性保健」の店だ。
疑問に思った「ヲタク」がネットの性保健店をのぞいてみると、
あつかっている商品は、避妊具のみならず、性生活を楽しむための
各種器具(「大人のおもちゃ」)や薬品類。
さすがに、これには面食らってしまった。
例えば、延吉の性保健店の画像にもよく写り込んでいる「日神」の薬品は、
男性(♂)用のものでスプレータイプの「延時液」(中国語のまま)。
行為の前に男性の特定部位に吹き付ければ、「延時」の効果があるという。
朝鮮族の名誉(?)のために書けば、こうした性保健店は延吉特有の
ものではなく、中国の都市部に共通してみられる光景だとのこと。
もとは、一人っ子政策(少数民族は第2子まで)の徹底や性病予防の
ために、当局が避妊具の普及を図ろうとしたことが、現在の性保健店の
隆盛ぶり(?)につながったのではないかと考えられる。
(終わり)
百度地図のストリートビュー(2014年5月撮影)で延吉市を
観察しているうちに、ぼんやりとわかってきたことがある。
△延吉の按摩店(マッサージ店)
それは、按摩店(マッサージ店)が非常に多い延吉の中でも、店の
看板に下着姿やビキニ姿の若い女性が描かれているような按摩店は、
おそらくは風俗店であろう、ということだ。
△延吉の按摩店(マッサージ店)
単に半裸の若くてきれいな女性が按摩だけをしてくれる店、だとは
考えにくい。
△延吉の按摩店(マッサージ店)
中には、看板の若い女性が、あられもない姿で「来玩吧(遊びに来て)」と
誘う120元(約1800円)の按摩店もある。
△延吉の按摩店(マッサージ店)
一体、按摩店の狭いベッドの上で何をして遊ぼうというのか。
△住宅街ではクッパ1杯10元
120元(約1800円)あれば、延吉ではクッパ(湯飯)が12杯も
食べられる。当地の物価を考えれば、そんなに安いお金ではない。
(終わり)参加カテゴリ:地域情報(アジア)
百度地図のストリートビュー(2014年5月撮影)で延吉の街を
観察していて気づくことは、いい悪いは別問題として、宗教関連
施設が極端に少ないという点だ。
特に占いや祈祷関連の施設に至っては、表面上、ほぼ、皆無に
等しい。
社会主義国の面目躍如といったところか。
この間、百度地図のストリートビューで「ヲタク」が見つけ出した
延吉市内の占い、祈祷関連の施設はたったの一つ。
△延吉の祈祷所
仏教系の祈祷所のようだ。
街角の宣伝については、かろうじて4つ見つけ出した。
一つは風水だけの宣伝。
あとの3つは、「周易」(易学)占いや四柱推命(八字)占いの宣伝だ。
風水や易学占いは、主に路地裏で行われていると見える。
(終わり)参加カテゴリ:地域情報(アジア)
1951年以来断交が続いているバチカン(ローマ法王庁)と中国との間で、
この2016年1月、司教の任命方式に関する新しい合意が成立したとのこと。
その内容は、中国側が作成する候補者リストの中から、ローマ法王が
司教を任命するという妥協策だ。
いわゆる「信教の自由」とは、ほど遠い内容だが、こうした動きが、
バチカンと中国当局の関係改善につながっていくのか、注目される
ところである。
△延吉市のカトリック系教会(百度地図2014年5月撮影)
小さいとは言え、延吉市内にもカトリック系の教会が存在して
いる。
(終わり)参加カテゴリ:地域情報(アジア)
中国が多民族国家であることは、知識としては知っていた。
しかし、まさか朝鮮族自治州の州都である延吉にも、回族の
イスラム寺院(モスク)があろうとは、思いもしなかった。
△延吉市のイスラム寺院(百度地図2014年5月撮影)
イスラム寺院のことを、中国では「清真寺」と呼ぶ。
△清真寺の車には当局への恭順を示す「愛国愛教」の文字(百度地図)
延吉に住む回族のコミュニティーの核となっている施設だ。
△延吉市のイスラム寺院(百度地図2014年5月撮影)
また、街中にある「イスラム火鍋」などの飲食店も、回族の大切な
交際の場になっているのだろう。
△延吉のイスラム系鍋料理店(百度地図2014年5月撮影)
2店のイスラム系料理店を見つけた。
△延吉のイスラム系鍋料理店(百度地図2014年5月撮影)
それにしても、やはり、中国は奥が深い。
(終わり)
延吉市にロシア風の建築物が多いことは、当ブログでもすでに
紹介した。(関連記事)
△延辺朝鮮族自治州州政府庁舎(百度地図2014年5月撮影)
今回も関連の話題となる。
△延吉市警察本部(百度地図2014年5月撮影)
特に大きな意味はないと思われるが、延吉市にある延辺朝鮮族
自治州の公安局(州警察本部)の建物も、実に堂々とした
ロシア風建築物だ。
△延辺朝鮮族自治州警察本部(百度地図2014年5月撮影)
ロシア風の丸屋根が乗っかることで、他の政府系機関に比べ、何となく
威厳が増しているような気がしないでもない。
(終わり)
百度地図のストリートビュー(2014年5月撮影)を使った延吉観察には、
まだまだ興味が尽きない。
△延吉の幼稚園の「校園警務室」(POLICE OFFICE)
自分でもあきれるほどだ。
△上記の警務室が設置された幼稚園
おそらく、いい意味でも悪い意味でも「ヲタク」の常識を覆(くつがえ)す
世界の現実の一端が、そこに写り込んでいるからだろう。
△延吉の小学校の「校園警務室」(POLICE OFFICE)
韓国語の通じる朝鮮族自治州とは言っても、そこは中国だ。
△延吉の小学校の「校園警務室」(POLICE OFFICE)
ストリートビューで街の表層をのぞくだけでも、日本や韓国とは
全く異なった価値観が見て取れる。
△安図県の小学校の「校園警務室」(POLICE OFFICE)
例えば、幼稚園(一定規模以上)から小学校、中学校(日本の中高併設)、
高級中学(高校)に至るまで、大勢の子どもが集まる全ての教育施設の
正門横に例外なく設置されている「校園警務室(POLICE OFFICE)」。
△延吉の中学校(中高併設校)の「校園警務室」(POLICE OFFICE)
延吉や安図県の学校には、子どもの安全を守るため、わざわざ警察官が
配置されているのだ。
△延吉の中学校(中高併設校)の「校園警務室」(POLICE OFFICE)
別の言い方をするなら、延吉や安図県など朝鮮族自治州の学校では、
学校の校門横に必ず派出所がある、ということだ。
△延吉の中学校(中高併設校)の「校園警務室」(POLICE OFFICE)
ストリートビューからは、教育の内容や質を測り知ることはできない。
△延吉の中学校(中高併設校)の「校園警務室」(POLICE OFFICE)
しかし、朝鮮族自治州(おそらく中国)では、教育という人間の営みに
それ相応のお金をかけ、関心を注ぎ、力も入れている。
△延吉の高級中学(高校)の「校園警務室」(POLICE OFFICE)
各種の学校の立派な外観が、そのことを雄弁に物語っている。
△安図県の中学校(中高併設校)の警務室を校庭側から見る
なお、延吉市のお隣、安図県のある中学校の校園警務室には、駐在する警官の
顔写真まで張り出されていた。
△上記と同じ警務室
警務室の仕事は、「ヲタク」が思うほど楽なものではないのかもしれない。
(終わり)参加カテゴリ:地域情報(アジア)
△延吉市郊外の昔ながらの胡同
いくら朝鮮族の自治州でも、おそらく中国内で韓国の衛星放送を
見るのは公的には認められていないはずだ。
△延吉市郊外の昔ながらの胡同
インターネットの利用にすら厳しい制限を加えている中国当局が、
自由主義国(韓国)の衛星放送について自由な視聴を認めているとは
考えにくい。
△壁にははっきりと「한국위성(韓国衛星)」の文字が見える
しかし、実態として延吉市において、朝鮮族のかなりの世帯で
韓国の衛星放送を見ているのではないかと考えざるを得ない。
上記の画像からも見て取れる通り、韓国の衛星放送を見るための
受信器具が、何らかのルートで売買されているのは間違いない。
朝鮮半島に近い延吉ならば、受信器具さえそろえれば、2、3の
衛星を通じ、韓国の主要テレビ局の放送が無料で見れるのだ。
その気になれば、有料サービスのSkylifeを見ることだって可能だろう。
△延吉市郊外の昔ながらの胡同
百度地図のストリートビュー(2014年5月撮影)では、延吉市の
かなりの世帯が衛星放送を受信していることが確認できる。
中国のテレビ放送は、CATV(ケーブルテレビ)が主流だとのこと。
△非常にアンテナの多いマンション
中国のテレビを見るためなら、わざわざアンテナまで設置して
衛星放送を見る必要はないのだ。
(終わり)
中国で反日感情が先鋭化するたびに、身近なターゲットとして被害を
受けやすい日本車ではあるが、延吉市でも、日本車はそこそこの
人気を得ている。
百度地図のストリートビュー(2014年5月撮影)を見ていても、日本車の
健闘ぶりは容易に確認できる。
ここでは、延吉で健闘する日本車のシンボル的情景として、延辺大学の
本部前の画像に写り込んだ2台のTOYOTAカムリを記録しておく。
全くの偶然だろうが、延辺大学本部前で撮影車とすれ違う車(左)も
撮影車を追い越していく車(右)も、ともにTOYOTAのカムリである。
(終わり)参加カテゴリ:地域情報(アジア)