平成24年7月15日(2日目)
前日はなんとか雨に降られずに済んだが、この日は前日よりも雲が厚い。金星と月が接近する未明3時半に起き出し、燧ケ岳の上に昇る月と金星を撮影するが、燧ケ岳山頂には既に雲が巻いている。

燧ケ岳に昇る月と金星

夜明け前の燧ケ岳。雲が巻いている。

これから燧ケ岳に向けて出発。
本日は移動距離が長く、10時間程度の行動時間が予想されるため、朝4時に起床して自炊で朝食をとり、5時半に小屋を出発する。目指すは燧ケ岳、標高差約900mの登りだ。樹林帯に入り、最初は緩い昇りだがしだいに傾斜がきつくなり、やがて霧の中に突入して視界が悪くなり、想定していた小雨が降り出す。

霧と小雨の急斜面を登る。

稜線まで間近。しかし、その後も急登りが続く。

中腹で見つけたテガタチドリ。
ペースがあがらず、男性3人には先に行ってもらうことにしたが、後にこれが裏目に出ることとなる。コースタイムでは3時間半ほどだが、女性1人が相当へばってしまい、最初のピーク、柴安山頂に到着したのは10時半、5時間かかったことになる。ひとまずはここが燧ケ岳最高点なので登頂したことにはなるのだろうが、予定では10時までに通過するはずだった。俎を通過して燧ケ岳周回すると相当な時間がかかるので、ここから引き返すという手段もあったのだが・・・しかし、先行した男性3人は既にそのピークにはおらず、先に行ってしまったようだ。そうなると、どこかで待っているかも知れないので先に進むしか無い。あいにく、ドコモの携帯電話は圏外で電話連絡がとれなかった。

柴安山頂付近に咲いていたハクサンシャクナゲ

柴安山頂。霧で視界が悪く、尾瀬ヶ原は見えず。

次のピーク、俎に向けて急斜面を下る。
早目の昼食をとって、隣の俎(まないたぐら)向けて急斜面を下る。雨で濡れて滑るうえに、残雪が一部残っておりドロドロの泥沼道と化していた。スリップに注意しながら下り、今度は岩混じりの急登りとなる。そして柴安から30分ほどで俎に到着した。ここにも先行した3人はおらず、小休止後さらに先に進むことになる。そしてその先のルートで問題が発生・・・。

柴安からの下り。一部雪が残る。道は泥沼化。

イワキンバイの群落

俎への登り

俎山頂。後ろにおられる男性の方に、柴安から俎までの間いろいろ面倒を見ていただき、たいへん助かりました。ありがとうございました。
俎から先に進むがその先もドロドロの道が続く。途中の雪渓の脇にサンカヨウが群生しており、さらにその先に探していた花、キヌガサソウを発見。初めて出会う花に感動する。真っ白な花かと思っていたが、花弁にはうっすらと赤紫色の模様がついていた。ここは三脚を出してきっちりと撮影する。その先に進むと、途中にロープが張られていた。気にせずに先に進むと、長英新道の下り口に到着してしまう。予定ではナデッ窪ルートを下りるはずだったのだが・・・。下に尾瀬沼と沼尻の休憩所が見える。近くにいた人に尋ねると、ナデッ窪ルートは残雪のため通行禁止になっているそうだ。長英新道を下りて尾瀬沼3分の1周するしかない。距離にして約4㎞、1時間以上余計に時間がかかることとなる。果たして何時に山の鼻のテント場に到着することやら。その前に、ヘバっている女性は山の鼻まで歩けるのだろうか??

雪渓脇のサンカヨウ群落

キヌガサソウ群落。初めて見る花。

キヌガサソウ

見下ろす沼尻。予定ではあそこまで直下りするはずだったのだが・・・
止む無し、腹を決めて長英新道を下りる。この道はかなり削れていて窪みがひどく、しかもドロドロの道で、きわめて歩きにくい。相当ピッチを落として歩いたつもりだったが、女性2人がなかなか追いついて来ない。12時に長英新道を下り始め、尾瀬沼の分岐点に到着したのは午後2時半になってしまった。女性一人はかなり足が痛そうだ。ここから前日宿泊した見晴までは6.5km、普通に歩けば2時間ほどだろうが、今のピッチでは3時間はかかるだろう。山の鼻までは到底歩けそうもない。考えに考えて、足を痛めた女性一人はなんとか見晴まで頑張って歩いてもらい、山小屋にもう1泊してもらうことにする。もう1人の女性は十分に元気なのでここで先に山の鼻まで行ってもらい、私が夜8時ごろに到着することを先行した3人に伝えてもらうことにした。

長英新道中腹から見下ろす尾瀬沼。まだ遠い。
見晴に向かって木道をゆっくりと歩く。あまり景色を楽しんでいる余裕はなかったが、ピッチが遅いので花を探す余裕がある。コバイケイソウやツルコケモモ、ハクサンチドリなどの他に、林の中の道沿いでめったにお目にかかれないショウキランに出会うことができた。3時半、沼尻休憩所を通過、売店は既に終わっていて、水の入ったタンクだけ置かれていた。そしてちょうど日没の午後6時15分、見晴に無事到着、前日と同じく弥四郎小屋に飛び込みで泊めていただくことができた。

コバイケイソウと尾瀬沼湿原

ツルコケモモ

ショウキラン これにお目にかかれるとは、超ラッキー!!

尾瀬沼尻の休憩所

女性1人は弥四郎小屋にもう1泊してもらう。
小屋にもう1泊してもらった女性は、明日の午後1時から2時の間に鳩待峠バス停で待ち合わせすることにして、一人で戻ってきてもらうことにした。私は夕暮れの尾瀬ヶ原をテクテクと山の鼻に向けて一人歩く。すると、先行した男性の一人が心配して迎えに来てくれた。ピッチを上げて一緒に戻ると明日の至仏山に堪えるので、私が持っている一人用テントのポールとバーナーを持って行ってもらい、もう一張りテント設営してもらうことと、食事の準備をするように指示し、先に戻ってもらうことにした。

夕暮れ時の尾瀬ヶ原
日が沈み、暗くなってそろそろヘッドライトが必要な時間になった。昼間の喧噪が嘘のように静かな尾瀬ヶ原、しかも風が無い。まるで、写真を撮ってくれといわんばかりの状況だ。誰もいない尾瀬ヶ原、靴を脱いで靴下で木道をゆっくりと歩く。右手には靴をぶら下げ、左手には三脚とカメラを担ぐ。昼間とは違う夜の尾瀬ヶ原を堪能した。前日、ホタルが飛ぶかもしれないと山小屋で聞いていたが、川の流れる周辺では5~6匹飛んでいるのを見ることができた。

夕暮れの池糖

夕暮れのニッコウキスゲと至仏山

夕暮れの逆さ燧ケ岳を狙ったがこれはいまいち。
午後8時20分、山の鼻に到着。ちょうど夕食のスパゲッティをゆでているところだった。この日も持ってきたアルコール、今度はホワイトホース(予定が白馬岳だっただけに)ボトル1本だが、さすがにこれは飲み切れず、3分の1ほど残してノックアウト。メンバーはさすがに疲れたようで、明日の至仏山は皆乗り気ではない。私の今回の最大の目的は至仏山に咲くホソバヒナウスユキソウを見ること、明日はなんとしても登りたい。相談の上、私一人で至仏山に行くこととなり、一人用テントで寝て、明朝メンバーより一足先にテント撤収して登ることになった。火力の強い私のバーナーはメンバーの食事を作るのに必要なため、あらかじめアルファ米とレトルト牛丼を作っておいて明朝に備える。
前日はなんとか雨に降られずに済んだが、この日は前日よりも雲が厚い。金星と月が接近する未明3時半に起き出し、燧ケ岳の上に昇る月と金星を撮影するが、燧ケ岳山頂には既に雲が巻いている。

燧ケ岳に昇る月と金星

夜明け前の燧ケ岳。雲が巻いている。

これから燧ケ岳に向けて出発。
本日は移動距離が長く、10時間程度の行動時間が予想されるため、朝4時に起床して自炊で朝食をとり、5時半に小屋を出発する。目指すは燧ケ岳、標高差約900mの登りだ。樹林帯に入り、最初は緩い昇りだがしだいに傾斜がきつくなり、やがて霧の中に突入して視界が悪くなり、想定していた小雨が降り出す。

霧と小雨の急斜面を登る。

稜線まで間近。しかし、その後も急登りが続く。

中腹で見つけたテガタチドリ。
ペースがあがらず、男性3人には先に行ってもらうことにしたが、後にこれが裏目に出ることとなる。コースタイムでは3時間半ほどだが、女性1人が相当へばってしまい、最初のピーク、柴安山頂に到着したのは10時半、5時間かかったことになる。ひとまずはここが燧ケ岳最高点なので登頂したことにはなるのだろうが、予定では10時までに通過するはずだった。俎を通過して燧ケ岳周回すると相当な時間がかかるので、ここから引き返すという手段もあったのだが・・・しかし、先行した男性3人は既にそのピークにはおらず、先に行ってしまったようだ。そうなると、どこかで待っているかも知れないので先に進むしか無い。あいにく、ドコモの携帯電話は圏外で電話連絡がとれなかった。

柴安山頂付近に咲いていたハクサンシャクナゲ

柴安山頂。霧で視界が悪く、尾瀬ヶ原は見えず。

次のピーク、俎に向けて急斜面を下る。
早目の昼食をとって、隣の俎(まないたぐら)向けて急斜面を下る。雨で濡れて滑るうえに、残雪が一部残っておりドロドロの泥沼道と化していた。スリップに注意しながら下り、今度は岩混じりの急登りとなる。そして柴安から30分ほどで俎に到着した。ここにも先行した3人はおらず、小休止後さらに先に進むことになる。そしてその先のルートで問題が発生・・・。

柴安からの下り。一部雪が残る。道は泥沼化。

イワキンバイの群落

俎への登り

俎山頂。後ろにおられる男性の方に、柴安から俎までの間いろいろ面倒を見ていただき、たいへん助かりました。ありがとうございました。
俎から先に進むがその先もドロドロの道が続く。途中の雪渓の脇にサンカヨウが群生しており、さらにその先に探していた花、キヌガサソウを発見。初めて出会う花に感動する。真っ白な花かと思っていたが、花弁にはうっすらと赤紫色の模様がついていた。ここは三脚を出してきっちりと撮影する。その先に進むと、途中にロープが張られていた。気にせずに先に進むと、長英新道の下り口に到着してしまう。予定ではナデッ窪ルートを下りるはずだったのだが・・・。下に尾瀬沼と沼尻の休憩所が見える。近くにいた人に尋ねると、ナデッ窪ルートは残雪のため通行禁止になっているそうだ。長英新道を下りて尾瀬沼3分の1周するしかない。距離にして約4㎞、1時間以上余計に時間がかかることとなる。果たして何時に山の鼻のテント場に到着することやら。その前に、ヘバっている女性は山の鼻まで歩けるのだろうか??

雪渓脇のサンカヨウ群落

キヌガサソウ群落。初めて見る花。

キヌガサソウ

見下ろす沼尻。予定ではあそこまで直下りするはずだったのだが・・・
止む無し、腹を決めて長英新道を下りる。この道はかなり削れていて窪みがひどく、しかもドロドロの道で、きわめて歩きにくい。相当ピッチを落として歩いたつもりだったが、女性2人がなかなか追いついて来ない。12時に長英新道を下り始め、尾瀬沼の分岐点に到着したのは午後2時半になってしまった。女性一人はかなり足が痛そうだ。ここから前日宿泊した見晴までは6.5km、普通に歩けば2時間ほどだろうが、今のピッチでは3時間はかかるだろう。山の鼻までは到底歩けそうもない。考えに考えて、足を痛めた女性一人はなんとか見晴まで頑張って歩いてもらい、山小屋にもう1泊してもらうことにする。もう1人の女性は十分に元気なのでここで先に山の鼻まで行ってもらい、私が夜8時ごろに到着することを先行した3人に伝えてもらうことにした。

長英新道中腹から見下ろす尾瀬沼。まだ遠い。
見晴に向かって木道をゆっくりと歩く。あまり景色を楽しんでいる余裕はなかったが、ピッチが遅いので花を探す余裕がある。コバイケイソウやツルコケモモ、ハクサンチドリなどの他に、林の中の道沿いでめったにお目にかかれないショウキランに出会うことができた。3時半、沼尻休憩所を通過、売店は既に終わっていて、水の入ったタンクだけ置かれていた。そしてちょうど日没の午後6時15分、見晴に無事到着、前日と同じく弥四郎小屋に飛び込みで泊めていただくことができた。

コバイケイソウと尾瀬沼湿原

ツルコケモモ

ショウキラン これにお目にかかれるとは、超ラッキー!!

尾瀬沼尻の休憩所

女性1人は弥四郎小屋にもう1泊してもらう。
小屋にもう1泊してもらった女性は、明日の午後1時から2時の間に鳩待峠バス停で待ち合わせすることにして、一人で戻ってきてもらうことにした。私は夕暮れの尾瀬ヶ原をテクテクと山の鼻に向けて一人歩く。すると、先行した男性の一人が心配して迎えに来てくれた。ピッチを上げて一緒に戻ると明日の至仏山に堪えるので、私が持っている一人用テントのポールとバーナーを持って行ってもらい、もう一張りテント設営してもらうことと、食事の準備をするように指示し、先に戻ってもらうことにした。

夕暮れ時の尾瀬ヶ原
日が沈み、暗くなってそろそろヘッドライトが必要な時間になった。昼間の喧噪が嘘のように静かな尾瀬ヶ原、しかも風が無い。まるで、写真を撮ってくれといわんばかりの状況だ。誰もいない尾瀬ヶ原、靴を脱いで靴下で木道をゆっくりと歩く。右手には靴をぶら下げ、左手には三脚とカメラを担ぐ。昼間とは違う夜の尾瀬ヶ原を堪能した。前日、ホタルが飛ぶかもしれないと山小屋で聞いていたが、川の流れる周辺では5~6匹飛んでいるのを見ることができた。

夕暮れの池糖

夕暮れのニッコウキスゲと至仏山

夕暮れの逆さ燧ケ岳を狙ったがこれはいまいち。
午後8時20分、山の鼻に到着。ちょうど夕食のスパゲッティをゆでているところだった。この日も持ってきたアルコール、今度はホワイトホース(予定が白馬岳だっただけに)ボトル1本だが、さすがにこれは飲み切れず、3分の1ほど残してノックアウト。メンバーはさすがに疲れたようで、明日の至仏山は皆乗り気ではない。私の今回の最大の目的は至仏山に咲くホソバヒナウスユキソウを見ること、明日はなんとしても登りたい。相談の上、私一人で至仏山に行くこととなり、一人用テントで寝て、明朝メンバーより一足先にテント撤収して登ることになった。火力の強い私のバーナーはメンバーの食事を作るのに必要なため、あらかじめアルファ米とレトルト牛丼を作っておいて明朝に備える。
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