山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

身延町シダ探索~オニイノデ?それともオオキヨズミシダ?~  令和6年1月26日

2024年01月28日 | シダ類
 初めてこの場所でオニイノデを見た時からずっと疑問に思っているのがオニイノデとオオキヨズミシダの違いである。いちばんの目安になるのが小羽片の根元の部分が軸に流れているかいないかであろう。もうひとつは鱗片の幅ではないかと思っている。ソーラスが先のほうから付くか、根元側から付くかも目安になるらしい。この場所に生育しているオニイノデと思わしきシダの画像を見直してみると、そのほとんどが小羽片の付け根がが軸に流れているように見える。ではこれはオオキヨズミシダとすべきなのかどうか?おそらく自力で調べても結論は出ないのではないかと思う。

    オニイノデだと思っていた谷沿いに生えるシダ

    羽片を調べてみると下部のほうの小羽片は柄があって軸に流れていないが、上部のほうは軸に流れてくっついているように見える。

    鱗片を見てみると幅が細い。これはオオキヨズミシダとするべきなのだろうか?

    その近くにあったオニイノデらしきシダ

    こちらは先端のほうまで柄があって軸には流れていない。

    別の羽片を見てみる。先端部は羽片が軸に流れているがほとんどは柄が付いている。これはオニイノデで良いのか?

    ところが、鱗片を見てみると幅は狭いものが多く、オオキヨズミシダの鱗片に近い。

    林道の法面に生えていたオニイノデと思わしきシダ

    これはどうだろうか?

    羽片を見てみると先端のほうまで小羽片には柄が付いていて軸に流れていない。葉質が硬く、これはオニイノデで良いと思う。

    近くにあった別株

    こちらの小羽片は羽片の根元近い部分から柄が無くて軸に流れている。ではこれはオオキヨズミシダになるのか?

    しかし鱗片を見てみると幅広い鱗片がたくさん付いており、これはオニイノデのようである。

    法面に付いていた大株

    羽片の先端部のほうの小羽片は軸に流れているように見える。

    鱗片を見てみると幅の広い鱗片がたくさん付着している。これはオニイノデで良いのではないかと思う。

    林道の渓谷側の崖に生えていたシダ

    羽片を見てみると小羽片はほとんどが軸に流れている。これはオオキヨズミシダとして良いのではないかと思う。

    谷沿いの岩壁に付いていたシダ。まだ若いものだが、小羽片はほとんどが軸に流れていてオオキヨズミシダで良いのではないかと思う。

    こちらは谷の向こう側に生えていたシダ

    全体的に細長く、これはヒメカナワラビと思われる。

    法面に生えていた大株のヒメカナワラビ

    オニカナワラビに比べて全体的に細長くて繊細な感じがする。

    小羽片には柄があり、上向きの最下小羽片は大きいことが多い。

    鱗片は細くて黒っぽく、時に周辺が茶色で真ん中が黒い帯状の鱗片を付けている。

 たくさん見てたくさん写真を撮ったが、やはりこれがオニイノデでこれがオオキヨズミシダという確信は持てない。オオキヨズミシダはオニイノデとヒメカナワラビの交雑種と思われており、ここに生育するこの2種類のシダは何度も交雑を繰り返してどちらとして良いのか区別が出来ないものが多く生育しているのではないかとも思える。では、純粋なオニイノデはどんな形をしているのだろうか?ヒメカナワラビが生育していない場所のオニイノデが生育する場所の情報をいただいたので、機会を見て見に行ってみたいと思っている。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 身延町シダ探索  令和6年1... | トップ | 再びキャッツアイを狙って平... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

シダ類」カテゴリの最新記事