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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ヒメスミレサイシン(スミレ科)

2020年10月07日 | スミレ科
 山地帯の落葉広葉樹林下に生育するフォッサマグナ地域に分布するスミレである。花期は4~5月。山梨県では御坂山系、奥秩父山系など広範囲に分布しているが生育地での個体数はあまり多く無い。白い花はシコクスミレに似るが花が開花した頃にはまだ葉が展開していない特徴がある。


    ヒメスミレサイシン 平成27年4月 黒富士で撮影


    同上


    同上 花が咲いた頃には葉はまだ展開せずくるりと巻いたままである。


    平成29年5月 茅ヶ岳で撮影


    同上


    同上 この場所での個体数はきわめて少ない。


    令和1年5月 十二ヶ岳で撮影


    同上


    同上 個体数が多くて安定して見られるのが十二ヶ岳であろう。

 ➡山梨県の絶滅危惧のスミレ科植物一覧に戻る


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山梨県の絶滅危惧のスミレ科植物一覧

2020年10月07日 | スミレ科
 2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のスミレ科植物は以下の4種類である。

山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR)

 キスミレ(2005山梨県EN 2017環境省-)
    


山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN)

 ミヤマスミレ(2005山梨県DD 2017環境省-)
    


山梨県絶滅危惧Ⅱ類(VU)

 コミヤマスミレ(2005山梨県EN 2017環境省-)
    


山梨県準絶滅危惧種(NT)

 ヒメスミレサイシン(2005山梨県NT 2017環境省-)
    


 絶滅危惧種では無いが貴重な交雑のスミレや変わりもののスミレが山梨県内に生育しており、随時紹介したいと思う。

 オクタマスミレ
    
    

 ナガバノアケボノスミレ
    

 フギレミヤマスミレ
    

 コボトケスミレ
    


 フイリシハイスミレ
    


 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~



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センブリ(リンドウ科)

2020年10月07日 | リンドウ科
 日当たりの良い山野に生育する2年草である。1年目は根生葉で生育し、2年目に茎を伸ばして上部で分岐する。花期は8~10月。山梨県では広範囲に分布しているが意外と見かけることは少ない。土地開発や自然遷移、薬用採取などにより個体数は減少している。


    センブリ 平成26年10月 竜ヶ岳で撮影


    同上 センブリの花。花弁に薄紫色の線が入る。


    同上。この場所の個体は生育場所の自然崩落により絶滅しているかも知れない。


    令和1年10月 帯那山で撮影。


    大規模な伐採作業が行われ、その後が心配である。


    令和2年10月 笛吹市で撮影


    同上 新たに見つかった自生地。それなりの個体数があった。


    同上 陽が陰り始めて花は閉じかけている。

 ➡山梨県の絶滅危惧のリンドウ科植物一覧に戻る


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乙女高原とその周辺を散策  令和2年10月3日

2020年10月07日 | シダの仲間
 昨年秋に見つけたサトメシダらしきシダがどうなっているか見ておきたいことと、今年の春先に見つかったフジシダの群落がその後どうなっているのかも見ておきたい。最近興味を持って見ているトリカブトも見ておきたい。主に車で移動して乙女高原界隈を巡り歩いてみる。


    谷地坊主と呼ばれているスゲの仲間。山梨市の天然記念物に指定されている。


    トリカブト、だが、これは何トリカブト?


    葉はほぼ全裂してさらに細かく裂けるがあまり細く無い。


    花柄に生えている毛は直毛のように見えるが少し曲がっているようにも見える。


    立ち上がってこのように花を密に咲かせると分かりやすい。これはツクバトリカブトであろう。


    花のアップ。花柄には屈毛が生えているはずだが・・・直毛のように見える。

 この辺りに生えているのはツクバトリカブト、オクトリカブト、ヤマトリカブトのいずれかになるのだろうと思うのだが、まだ全く判別できるようなレベルに至っていない。


    まだ決着が着いていない問題のシダがこれであるが、もう枯れ始めている。


    7月の青々としたものを見た時は図鑑で最も近そうに見えたのはサトメシダだったが、思ったほど大きくなっていない。


    そしてサトメシダにしては裂片辺縁の切れ込みが深い。


    ソーラスの形も半月型をしておらず、サトメシダでは無いように見える。


    林の中を散策してみるとたくさん生えていることが分かった。


    正三角形に近いこの形、そして細かく切れ込む裂片、八ケ岳観音平で見てきたカラフトミヤマシダにそっくりである。

 翌日シダの師匠を連れてこのシダを確認してもらったところ、これはカラフトミヤマシダであるということで決着がついた。山梨県が南限になるであろうこのカラフトミヤマシダは他県では絶滅危惧種の指定を受けているところが多く、山梨県でも次のレッドデータブック書き換え時には絶滅危惧種に入って来る可能性がある貴重なシダである。鹿の食害を受けている場所が多く、個体数が多くて食害を受けていないこの場所は貴重な自生地ということになる。

 次にフジシダを見に行く。春に見つけた時は時間の都合で途中まで登って撤退している。今回はいちばん上のほうまで行ってみる。


    オシダの群落


    現れたフジシダ。春に見た時よりも青々としていて元気が良い。


    フジシダの無性芽


    上に登って行くとたくさん茂っていた。


    見渡す限りのフジシダ


    これでもかというくらいに。まさにフジシダのジャングル。


    凄い!

 山梨県では現在4~5ヶ所の生育地があるらしいのだが、新たに見つかったこの場所が最大の群生地であろう。おそらく国内でもこれほどの群生は珍しいのではないかと思う。


    ツルリンドウはいつも見ている場所では見つからず。


    偶然出会った山岳レインジャーの仲間が探してくれた。


    年々減っているような気がして心配である。

 もう1ヶ所立ち寄りたかったが出発時間が遅かったので時間切れとなってしまった。この乙女高原界隈は保護柵を設置した場所だけでなく周辺の山や谷にまだ見つかっていない珍しい植物や群落がたくさん眠っているのではないかと思う。GPS片手に道無き谷や尾根を探索に歩いてみたいと思っている。


    霞んでいたが富士山が姿を見せてくれた。

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柳沢の滝を訪れる 山梨市牧丘町 令和2年10月3日

2020年10月07日 | 渓谷
 牧丘町の奥にある渓谷に柳沢の滝というマイナーな滝がある。入り口のところの看板に「これより五分」と書かれているので行ってみたことがあるのだが、途中で何だか分からないシダがあって撮影しているうちに陽が暮れてしまい撤退してきたことがある。そのシダのところまでが約5分だが滝らしきものは見当たらなかった。今回看板を見直してみると「五分」ではなくてその上の「十」の文字が消えてしまっているようで、どうやら15分のようである。何だか分からなかったシダは他のところでも何度か目にする機会があり、おそらくミヤマベニシダではないかと思う。確認しに行くことと行き着けなかった柳沢の滝を見るために再訪してみる。


    入り口の看板は「五分」に見えるがその上の「十」の文字が消えている。


    渓谷の流れ。水流は多く無く渡渉は簡単。


    5分ほどのところに生えていた問題のシダ。


    やや細長い形、葉の光沢は無い。ソーラスは付いていなかった。


    鱗片を確認。茶色いやや幅広い鱗片が付いている。やはりこれはミヤマベニシダだ。決着!


    近くにあったシダ。立ち上がっているのが胞子葉で下にあるのが栄養葉。


    これが栄養葉。


    胞子葉の裏側には包膜のある細長いソーラスが付着。これはシケシダだろう。


    コウシンヤマハッカ


    花の咲いていないテバコモミジガサ


    タカオかコウシュウか?葉の形からタカオヒゴタイにしておこう。


    美しい渓谷の流れ


    見えてきた柳沢の滝


    これが柳沢の滝。5分ではとてもではないがここまで来れない。


    柳沢の滝


    滝の脇の岩壁にはイワタバコの葉がたくさん付いていた。

 滝の左岸に巻き道と思われる踏み跡が付いていたので、滝を越えて上流に入ってみる。


    滝の上流。この先は穏やかな渓谷に見える。


    境界見出し標があり何となく道っぽい踏み跡が続いている。


    源頭まで行けそうだったがここまででこの日は撤退。


    イワトラノオ


    オウレンシダ


    キノコは全く知らず、どれを見ても食ったら死にそうに見える。

1時間ほど渓谷を散策し、何だか分からなかったシダの決着をつけてきた。源流まで遡上しても何か目新しいものが出てきそうな感じの渓谷では無かったが、機会があれば遡上してみたいと思う。上に林道が通っているようである。

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