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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

櫛形山花探索  令和1年5月12日

2019年05月14日 | 山に咲く花
 本日は花仲間たちと櫛形山の花探索に訪れた。やや人数が多かったので秘密の花の生育地に踏み込むのは気が引けたが、植物の調査と保護を行っているグループなので生育地には細心の注意を払ってもらい、足元に十分に注意のうえ、核心部の一角だけ見てくることにして入山する。


    沢の中に咲いていたコチャルメルソウは満開。


    ニッコウネコノメソウはそろそろ終盤である。


    山の斜面をトラバース。道は無く獣道を歩く。


    斜面はバイケイソウばかり。鹿の食害後で目ぼしいものはあまり残っていない。


    フタバアオイ。これも食べないようだ。


    やっと見つけたこの稀少な花はまだ蕾だった。数株を確認したのみでこの場を去る。

 もう1ヶ所訪問する。こちらで探すのは別の花だが、ひとつは見つかる可能性がきわめて低く、もうひとつはだいたいこの辺りという話は聞いていて何度か歩いているが未だ見たことが無い。参加者で横並びして疑わしき斜面のローラー作戦を展開するがやはり一つ目の花は見つからず撤退。もう一つの花を探しに行く。


    入り口に咲いていたラショウモンカズラ


    イチリンソウ


    こんな感じの沢沿いに咲いているだろうと思ったのだが・・・双眼鏡で探すが見つからず。


    櫛形山では数が少ないハナネコノメソウ。


    こちらの沢沿いには群生していた。しかしこの花が咲く頃には林道ゲートが空いておらず下から登ることになるので見に来るのは大変である。


    ウスバサイシン


    たぶん居るだろうと思っていたミヤマスミレ。まだ咲き始めたばかり。


    この時期に見られるとは思わなかったナガバノスミレサイシン。


    まだカタクリが咲いていた。

 おそらくこの辺り・・・と目星を付けていた花はそこには無く、これは見つからないだろうと諦めかけた頃に、登山道脇にあった白い花の蕾が目に留まる。この葉っぱは間違い無く探していた花の葉だ。周囲を見回してみると花が咲いていた。なかなか姿を見せてくれなかった純白のその花、今度こそ出会うことが出来た。


    探していたのはこの花。


    純白の美しい花、チチブシロカネソウ


    個体数もそれなりにあることを確認した。

 山梨県東部に咲くこの花はほぼ沢沿いに咲いているのでこちらでもそのような環境の場所に咲いているだろうと予想していたのだが、この場所は沢沿いでは無く山の中腹の斜面だった。櫛形山は空気湿度が高く沢沿いでは無くてもこの花が咲く環境にあるのだろう。念願の出会いに思わずバンザイした。

 さて、日没にはまだ少し時間があったのでもう1ヶ所訪問してみた。行ってみてあまりの環境の変化にビックリした。


    膝上まで草が生い茂るボウボウだったはずの用水路の周辺がすっかりテカテカになっている。


    とりあえず目的の草は残っているが・・・


    花がひとつも付いていない。

 湧水の脇に好んで咲くこの花はヒメザゼンソウである。このあたりがこの花の南限になっている貴重な場所であるが、湧水の水量が減ったうえに鹿の糞だらけで周辺に茂っていた草は食べられてしまったようだ。湿ったところを好むこの草は乾燥した地肌の変化に対応できず花を付けなくなってしまったようだ。昨年見に来た人の話では草は茂っていたが花はひとつも確認できなかったらしい。このままだと絶滅してしまう可能性が高いのだが何をどうすれば良いのか。個人の田畑の脇なので柵で囲って良いような場所でも無く、手をこまねいて見ているしかないのが残念である。


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山梨県県南部の林道沿いを散策  令和1年5月11日

2019年05月14日 | 里に咲く花
 本日は午後から法要があると思っていたので早めに林道沿いの花散策を切り上げて携帯電話の電波が届くところまで戻って来た。自宅の妻に電話して確認したところ、日程を間違えていて本日では無かった。こんなことならばもう少し上流まで散策してくるんだったと後悔しつつも、それならばと少し北上して別の林道に入ってみる。山を挟んで反対側の渓流なのだが環境的には似ているのでコミヤマスミレが生育していてもおかしく無い。


    林道脇に車を止めて散策する。


    目を見張るようなシャガの大群落があった。


    祠と少し離れたところにお地蔵さんがあった。


    シャガの海


    こちらに居たのはスルガテンナンショウでは無くて普通のマムシグサだった。


    岩壁に咲いていた満開のイワユキノシタ。こんなに咲いているのは初めて見た。


    イワユキノシタ


    線香花火のような美しい白い花。


    沢に下りてみる。こちらも清涼な渓谷の流れ。


    さらに上流部で出会ったのはツルネコノメソウ。


    花が散っているがおそらくはイワボタン。

 スミレはあまり出会えず、咲いていたのはタチツボスミレくらいだった。山を隔てて北側の沢にはどうやらコミヤマスミレは居ないようである。テンナンショウ属もスルガでは無くマムシグサで、沢の感じは似ているが植生の環境はだいぶ違うようである。

 さらに北上してもう1本林道を訪れてみる。長年閉鎖されていた林道が5月に入ってから開通したようでゲートが開いていた。


    崩落してもう開通することは無いだろうと思っていた林道が数年ぶりに開通した。


    この林道からは富士山が見える。


    雲に巻かれつつもなんとか姿を見せてくれた富士山。


    こちらに生えていたのも普通のマムシグサ。ヒトツバテンナンショウがあるのではないかと期待したが出会えず。


    圧巻だったのがこの白い花の群落。


    ミヤマハコベ


    茎が緑色で毛が生えている。


    もう散りかけていたがネコノメソウ属の群落があった。


    花が開かず葯が黄色い。典型的なイワボタン。


    咲いていたのは小さなスミレ。


    トウカイスミレ。今年は初見である。

 こちらの林道は沢を高巻いてどんどん高度を上げるため沢筋に下りられるのは下流の一部だけである。双眼鏡で橋の上から沢を覗き込んだがそれらしきスミレは見当たらず、環境的にもこちらには生育していないのではないかと思う。結局コミヤマスミレに出会えたのは最初に入った林道沿いだけだったことになるが、その沢は支脈が多くおそらくは同じ水系の支脈には生育しているだろうと予想される。今後も探索を続けてみたいと思う。
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