平成23年9月24日
火打山山頂で夕暮れの7時半まで粘ったが、その後小雪が舞い始め、高谷池テント場に8時半下山してきた。テントの中に入ると、恐れていたことがおこっていた。ピンホールが何個も空いている私のテントの底、水がしみ込んでテントの床が濡れてしまっている。幸いにしてシーツを敷いてある部分はかろうじて大丈夫で、そこに座って食事をとるが、周辺に置いてあったタオルやティッシュペーパー、手袋は水浸しになってしまった。コンビニの袋に荷物を詰め替えて防水対策をとる。防寒のためシュラフカバーを持って来たおかげで、シュラフはなんとか濡らさずに眠ることができた。その夜は小雪混じりの小雨が降ったり止んだりしていた。
迎えた翌朝は5時に目が覚めた。気温は0.6度だったが、ダウンジャケットとカッパを着るとさほど寒くは感じなかった。もうテントを撤収している人の声が聞こえる。雨は止んでいるが外はどんよりとした曇り空だ。6時まで寝て明るくなったところで朝食をとり、テントを撤収する。メインテナンスを行なっていない私のテントは水を含んでしまい、フライシートも本体もずっしりと重みを増してしまう。ザックを背負うと、登って来たときよりもむしろ重くなっているように感じた。想定外の雪とテントのトラブルでほとんどやる気無し、かつ、空は相変わらずの曇り空、このまま下山も考えたが、ひとまず1時間ほどで行ける隣りの黒沢池まで行ってみることにした。
高谷池テント場は雨で泥沼状態。靴もズボンも泥だらけになった。
茶臼山付近から見る火打山は雲が巻くが、秋の青空が垣間見える。
下に見える黒沢池と、少しだけ姿を見せる妙高山
黒沢ヒュッテ これから妙高山に向かうグループの姿が見える。
重いザックはすぐに慣れた。一旦昇りになり、茶臼山という小ピークを越えると黒沢池への下りになる。曇っていた空はしだいに晴れ始め、時折青空が見えるようになってきた。雲の中から妙高山も顔を覗かせ始める。黒沢池を右下に眺めながら、黒沢ヒュッテに8時半到着した。
これから妙高山に出発する人たちの姿が何組もあった。山頂まで約2時間半の行程だが、私の足だと3時間くらいはかかるだろう。山頂12時、黒沢池に戻って3時としても下山には十分な時間だ。天候も回復しつつあるので、行ってみることにする。使わないテントやシュラフ、テントマットなどは黒沢池ヒュッテに置いて荷物を軽くし、9時にヒュッテを出発した。
大倉乗越から見る雲をまとった妙高山
燕温泉分岐の手前から見上げる妙高山。かなりの急傾斜だ。
燕温泉分岐。ベンチが設置されていて休憩できる。
まずは大倉乗越への昇りだ。雨の降った後で道がぬかるんで滑りやすく歩きにくい。登りつくと妙高山の展望が一気に開け、雲を纏った妙高山が眼前に立つ。登ったと思えば今度は急下り、ロープが数本張られた急斜面を登ってきた以上に下る。帰りにまたこの急斜面を登り返すかと思うと、先が思いやられる。川を渡ってようやく燕温泉への分岐点に到着する。ここにはベンチが設置されていて休憩できる。時間は10時10分、ここから妙高山への急登り、高度差にして400m強の登りが待っている。
石のゴロゴロする急斜面をひたすら登る。休憩するにも良い場所が無く、また、下山してくる人とたくさんすれ違う。下山の人たちにできるだけ道を譲り、その度に休み、ひたすらゆっくりと、呼吸を整えつつ、疲れを残さないように登る。まだ帰りの笹ヶ峰までの長い下りが待っているからだ。
妙高山への石のゴロゴロした急登り。
登山道上部から見る妙高山。あの岩の裏側が山頂。
山頂裏側にある祠
急斜面を登り切って尾根を右に曲がると祠があった。そこで写真を撮りつつ休憩した後、先に進むと広い山頂にポンと飛び出した。たくさんの人が登ってきており、昼食時間ということもあり休憩していた。金峰山同様、日本百名山なる山は人がいっぱいだ。時間は11時45分だった。三角点のある山頂よりもその向こうにあるピークのほうが7~8mほど標高が高いらしいが、今回はそちらまで行かずに、山頂で記念撮影と周辺の景色を撮って、12時には早々に撤退する。人の多いところはどうも苦手だ。
妙高山山頂
隣のピークのほうが標高が高い。
山頂の岩には少しだけ雪が残っていた。火打山と同様にこちらも雪が降ったようだ。
山頂から見る火打山方面。相変わらず雲が巻いている。
先週登った金峰山同様、妙高山も人がいっぱい。
帰り際、大倉乗越から見る妙高山と長助池。
あとはひたすら下山。大倉乗越への登り返しはやはり辛く、あとから来た人たちに道を譲ってゆっくりと登る。そして、黒沢ヒュッテには午後2時半に到着した。置いていった荷物をザックに詰めなおし、小休憩と軽い食事をとって3時10分前にはヒュッテを出発する。黒沢池は高谷池や天狗の庭と同様に心の和む美しい場所だ。小さな尾瀬ヶ原といったところだろうか。山々に囲まれた景色、草の生える湿原、紅葉の季節になればきっと心奪われるような景色になることだろう。そして、花の咲くシーズンもきっと素晴らしいだろう。木道の脇には大きなミズバショウの葉やチングルマの綿毛、イワイチョウの葉などがたくさん生えていた。急いで歩くことなどできない。この景色を心に留めつつ、振り返っては写真をとり、名残り惜しみつつ帰路につく。
黒沢池
水芭蕉の葉
チングルマの綿毛
振り返っては写真を撮り、名残惜しんで黒沢池を去る。
黒沢池の湿地帯を過ぎてから高谷池の分岐までは少し登りとなり、その先はひたすら下りだ。十二曲がり手前の急斜面さえ明るいうちに通過すれば、あとは明瞭な道で危険箇所は無い。まだ日の明るいうちに楽々その場所を通過し、あとは黒沢橋を渡って木道を足早に歩き、ちょうど日没の5時40分、笹ヶ峰の駐車場に到着した。ゆっくり登ったことが功を奏し、あまり疲れを感じずに下山できた。
天気予報で晴れの予報を信頼して行った火打・妙高だったが、想定外の雪には少々驚いた。テントの水漏れは予想していたが、降るとは思っていなかったので修理もしていなかった。反省して3連休最終日は自宅でテントに防水をかけ、ピンホールを接着剤で修復して次の山行に備えた。さて、りゅう座流星群とオリオン座流星群のやって来る10月、どこの山で星空を眺めるか、楽しみだ。秋の空気が漂い始め空が澄んできた今日この頃、美しい星空を眺めたいものだ。
火打山山頂で夕暮れの7時半まで粘ったが、その後小雪が舞い始め、高谷池テント場に8時半下山してきた。テントの中に入ると、恐れていたことがおこっていた。ピンホールが何個も空いている私のテントの底、水がしみ込んでテントの床が濡れてしまっている。幸いにしてシーツを敷いてある部分はかろうじて大丈夫で、そこに座って食事をとるが、周辺に置いてあったタオルやティッシュペーパー、手袋は水浸しになってしまった。コンビニの袋に荷物を詰め替えて防水対策をとる。防寒のためシュラフカバーを持って来たおかげで、シュラフはなんとか濡らさずに眠ることができた。その夜は小雪混じりの小雨が降ったり止んだりしていた。
迎えた翌朝は5時に目が覚めた。気温は0.6度だったが、ダウンジャケットとカッパを着るとさほど寒くは感じなかった。もうテントを撤収している人の声が聞こえる。雨は止んでいるが外はどんよりとした曇り空だ。6時まで寝て明るくなったところで朝食をとり、テントを撤収する。メインテナンスを行なっていない私のテントは水を含んでしまい、フライシートも本体もずっしりと重みを増してしまう。ザックを背負うと、登って来たときよりもむしろ重くなっているように感じた。想定外の雪とテントのトラブルでほとんどやる気無し、かつ、空は相変わらずの曇り空、このまま下山も考えたが、ひとまず1時間ほどで行ける隣りの黒沢池まで行ってみることにした。
高谷池テント場は雨で泥沼状態。靴もズボンも泥だらけになった。
茶臼山付近から見る火打山は雲が巻くが、秋の青空が垣間見える。
下に見える黒沢池と、少しだけ姿を見せる妙高山
黒沢ヒュッテ これから妙高山に向かうグループの姿が見える。
重いザックはすぐに慣れた。一旦昇りになり、茶臼山という小ピークを越えると黒沢池への下りになる。曇っていた空はしだいに晴れ始め、時折青空が見えるようになってきた。雲の中から妙高山も顔を覗かせ始める。黒沢池を右下に眺めながら、黒沢ヒュッテに8時半到着した。
これから妙高山に出発する人たちの姿が何組もあった。山頂まで約2時間半の行程だが、私の足だと3時間くらいはかかるだろう。山頂12時、黒沢池に戻って3時としても下山には十分な時間だ。天候も回復しつつあるので、行ってみることにする。使わないテントやシュラフ、テントマットなどは黒沢池ヒュッテに置いて荷物を軽くし、9時にヒュッテを出発した。
大倉乗越から見る雲をまとった妙高山
燕温泉分岐の手前から見上げる妙高山。かなりの急傾斜だ。
燕温泉分岐。ベンチが設置されていて休憩できる。
まずは大倉乗越への昇りだ。雨の降った後で道がぬかるんで滑りやすく歩きにくい。登りつくと妙高山の展望が一気に開け、雲を纏った妙高山が眼前に立つ。登ったと思えば今度は急下り、ロープが数本張られた急斜面を登ってきた以上に下る。帰りにまたこの急斜面を登り返すかと思うと、先が思いやられる。川を渡ってようやく燕温泉への分岐点に到着する。ここにはベンチが設置されていて休憩できる。時間は10時10分、ここから妙高山への急登り、高度差にして400m強の登りが待っている。
石のゴロゴロする急斜面をひたすら登る。休憩するにも良い場所が無く、また、下山してくる人とたくさんすれ違う。下山の人たちにできるだけ道を譲り、その度に休み、ひたすらゆっくりと、呼吸を整えつつ、疲れを残さないように登る。まだ帰りの笹ヶ峰までの長い下りが待っているからだ。
妙高山への石のゴロゴロした急登り。
登山道上部から見る妙高山。あの岩の裏側が山頂。
山頂裏側にある祠
急斜面を登り切って尾根を右に曲がると祠があった。そこで写真を撮りつつ休憩した後、先に進むと広い山頂にポンと飛び出した。たくさんの人が登ってきており、昼食時間ということもあり休憩していた。金峰山同様、日本百名山なる山は人がいっぱいだ。時間は11時45分だった。三角点のある山頂よりもその向こうにあるピークのほうが7~8mほど標高が高いらしいが、今回はそちらまで行かずに、山頂で記念撮影と周辺の景色を撮って、12時には早々に撤退する。人の多いところはどうも苦手だ。
妙高山山頂
隣のピークのほうが標高が高い。
山頂の岩には少しだけ雪が残っていた。火打山と同様にこちらも雪が降ったようだ。
山頂から見る火打山方面。相変わらず雲が巻いている。
先週登った金峰山同様、妙高山も人がいっぱい。
帰り際、大倉乗越から見る妙高山と長助池。
あとはひたすら下山。大倉乗越への登り返しはやはり辛く、あとから来た人たちに道を譲ってゆっくりと登る。そして、黒沢ヒュッテには午後2時半に到着した。置いていった荷物をザックに詰めなおし、小休憩と軽い食事をとって3時10分前にはヒュッテを出発する。黒沢池は高谷池や天狗の庭と同様に心の和む美しい場所だ。小さな尾瀬ヶ原といったところだろうか。山々に囲まれた景色、草の生える湿原、紅葉の季節になればきっと心奪われるような景色になることだろう。そして、花の咲くシーズンもきっと素晴らしいだろう。木道の脇には大きなミズバショウの葉やチングルマの綿毛、イワイチョウの葉などがたくさん生えていた。急いで歩くことなどできない。この景色を心に留めつつ、振り返っては写真をとり、名残り惜しみつつ帰路につく。
黒沢池
水芭蕉の葉
チングルマの綿毛
振り返っては写真を撮り、名残惜しんで黒沢池を去る。
黒沢池の湿地帯を過ぎてから高谷池の分岐までは少し登りとなり、その先はひたすら下りだ。十二曲がり手前の急斜面さえ明るいうちに通過すれば、あとは明瞭な道で危険箇所は無い。まだ日の明るいうちに楽々その場所を通過し、あとは黒沢橋を渡って木道を足早に歩き、ちょうど日没の5時40分、笹ヶ峰の駐車場に到着した。ゆっくり登ったことが功を奏し、あまり疲れを感じずに下山できた。
天気予報で晴れの予報を信頼して行った火打・妙高だったが、想定外の雪には少々驚いた。テントの水漏れは予想していたが、降るとは思っていなかったので修理もしていなかった。反省して3連休最終日は自宅でテントに防水をかけ、ピンホールを接着剤で修復して次の山行に備えた。さて、りゅう座流星群とオリオン座流星群のやって来る10月、どこの山で星空を眺めるか、楽しみだ。秋の空気が漂い始め空が澄んできた今日この頃、美しい星空を眺めたいものだ。