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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

星空探訪、甘利山一夜  平成21年2月21‐22日

2009年03月17日 | 南アルプス
 星空探訪、甘利山一夜  平成21年2月21‐22日 天候晴れ

 甘利山三角点にテントを張り、星空と甲府盆地の夜景を堪能する嶺朋クラブ山行に参加した。今回の見どころは現在地球に接近しているルーリン彗星、それと冬の空に燦々と輝くオリオン座と冬の大三角形、さらに夜明け前に富士山の左手に昇って来る三日月と、その近くに並ぶ水星、木星、火星だ。うまくすれば南の低空に輝くカノープスも観察できるかもしれない。
 夕食を食べ過ぎ、かつ飲みすぎで千鳥足で三脚を構え、甲府の夜景を撮影する。他のメンバーはテントの中で宴会継続中だ。嶺朋クラブ主力メンバーの1人、松田さんが旦那さんの転勤に伴って富山に引っ越してしまうため、送別会も兼ねている。空が気になる私はテントと撮影場所を行ったり来たり。そんなことをしていると、突然ヘッドライトを点けた男性が現れ、三脚をセットし始める。あの長い林道を甘利山からの夜景撮影のため歩いてきたという。しかし、この日の夕景はなんとなく霞っぽい空で、すっきりした富士山は写ってくれなかった。なんといっても狙うのは朝の空気が澄んだ時が良い。私のテントは2~3人用なので朝までテントの中で待つことを勧めたのだが、急ぎの用事が明日入っているらしく、8時前には下山していった。なんと熱心な人か。見習わなければ。
 夜8時ごろ、ようやく酔いが覚めてきて、カメラの水平位置がしっかりと保てるようになってきた。冬の大三角形が南中しているので、カノープスが見えないかどうか南の低空を見ると・・・もう櫛形山の稜線すれすれの位置に沈みかけているではないか。もう少し早い時間に探していればもっと良く見えたはず。急いで会のメンバーをテントに呼びに行ったが、みんな酔っ払い、すぐには出て来られず、カノープスを見たのは小野さんという女性一人だけだった。他のメンバーが来た時にはもうカノープスは沈んでしまった後だった。しかし、空を見上げるとオリオン座と冬の大三角形が燦々と輝いている。霞んだ甲府盆地から見る空とは全く違う星空が広がっている。さらに富士山麓にある富士天スキー場で花火を打ち上げている光景も見ることができた。

    夕暮れの甲府盆地. 夜の部の始まり.


    オリオン座と冬の大三角形昇る

 10時過ぎ、北斗七星が高く昇り、春の大曲線、牛飼い座アルクトゥ-ルスとおとめ座スピカが輝き出す頃、南東の空高くしし座が昇って来る。しし座の右には暗赤色に輝く土星が輝き、その下あたりにルーリン彗星が・・・見えるはずなのだが、肉眼でも、持って行った双眼鏡でも全く確認できない。カメラのIso感度を1600に上げ、レンズ焦点55mmで撮影してみると・・・あった!緑色に輝くルーリン彗星。5等星くらいの輝きなのだろうか、小さな星に紛れてゴミのように写っている。注目された水星ではあるが、天体望遠鏡でなければ観察は難しそうだ。さらに西に沈んで行く冬の大三角形とカラマツの大木を重ねて撮影し、11時半、いったんテントに潜りこんで休む。

    星の成る木. バックに冬の大三角形とオリオン座が写っていますが,わかりますか?


    ルーリン彗星接近. 中央右上寄りの緑色に光っているのがルーリン彗星.55mmレンズでは姿を確認するのがやっと.天体望遠鏡でないと観察は難しい・


    ルーリン彗星(拡大)

 早朝4時、再びテントの外に出て空を眺めると、南の空にさそり座が昇っていた。しかし、明るすぎる甲府盆地の夜景、それとなんとなく霞んだ低空の空、くっきりとは星空は写ってくれなかった。やがて月が昇り始める。上品な三日月だ。あたりがしらじらと明けてきた5時ごろに会のメンバーたちを起こしに行く。眠そうな目をこすりながらみんな出てきて夜明けの月を眺める。夜明けの青い空にほのぼのと明けてゆく東の空、昇る月、そして銀河鉄道の夜の素材ともなった甲府盆地の夜景。たまらない風景が眼下に広がる。

    さそり座昇る. 甲府盆地の明かりが明るすぎること,また霞みがかった空で星はあまり写ってくれなかった.


    薄明の甲府盆地に昇る月


    銀河の夜明けに昇る月

 朝日が昇る頃に甘利山中腹まで移動して日の出を迎える。霞んだ甲府盆地の上に真赤な朝日が昇る。今日も良い天気だが、午後には崩れてくるらしい。まだ2月だというのに陽気は暖かく、富士山や甲府盆地には春霞のようなモヤがかかっている。夜の甘利山堪能し、テント撤収して10時過ぎには下山した。

    日の出


    朝霞の富士. まだ2月なのに春のような霞がかかる.
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甘利山から大西峰へ  平成21年2月21日

2009年03月17日 | 南アルプス
 甘利山から大西峰へ  平成21年2月21日 天候晴れ

 甘利山1泊で甲府盆地の夜景と星空を探訪する計画か嶺朋クラブで持ち上がった。しかし、甘利山に登る林道は冬季で閉鎖されており、ゲートから歩くと4~5時間はかかる大変なコースとなる。しかし、偶然にもゲートの鍵を借用することができた。現在ルーリン彗星が地球に接近している時で、また翌朝は三日月と水星・木星・火星が東の空で接近するという絶好の条件でもある。参加者は私を含めて総勢8人、テントを持っての山行だ。
 朝、仕事を片付けてメンバーよりも一足遅れて甘利山ゲート前に到着した。私の車ともう1台RV車で行く予定だが、既にもう1台の車にはタイヤチェーンが巻かれていて準備万端だ。ゲートを空けていざ出発。中腹まで行って途中から歩くつもりだったのだが、先を行くチェーン装着のRV車は15~20cmの積雪などもろともせず、ぐんぐんと進んで行く。私たちの前に本日1台車が通過したらしく、タイヤ跡がしっかりとついていた。結局甘利山駐車場まで車で乗り付け、テント設営予定の三角点まではわずか10分の行程となってしまう。

    甘利山三角点のあずま屋と設営したテント


    三角点付近から見る富士山.レンゲツツジにはたくさん芽がついており,今年も花の季節は期待できそうだ.

 ありったけのアルコールをザックと両手に持って三角点まで移動する。3~4人用テント2張と私のテント(夜中にたぶん眠らずに星空を撮影するので、迷惑にならないように別に張った)を設営し、昼食となる。時間はまだ12時、宴会を始めるには早過ぎる時間なので、大西峰(「おおにしうら」と読むらしい)から千頭星山か御所山まで登ってみることにする。初心者の頃の4年近く前に1度登った千頭星山だが、途中の傾斜がかなりきつかった記憶がある。先頭を行く水野さんはとてつもない体力の持ち主で、膝下のラッセルは全くものともせず、どんどん登って行く。私はついて行くのが精一杯、そういえば八ヶ岳の時は遥かに遅れて三つ頭の山頂に到着したことがあった。

    甘利山山頂にて八ヶ岳をバックに


    サルオガゼと八ヶ岳

 奥甘利山のコルのところから八ヶ岳が良く見えるが、このあたりのカラマツの木にはサルオガゼがたくさん絡み付いていた。積雪はあるものの雪が締まっていて歩きやすいが、ところによっては膝あたりまで沈む場所もあった。傾斜がきつくなり、黙々と登るが、初めて登った時に感じた凄い傾斜ほどきつい場所はなかった。13時50分、大西峰に到着、このあたりは雪が深く、踏み誤ると腿の辺りまでズッポリとはまってしまう。左に行けば千頭星山、右に行けば御所山だが、ここはあまり行くことの無い御所山に向かうことにした。雪が無ければ1時間ほどで到着できるのだが、雪のためコース時間通りには進めず、2時まで歩いてあきらめ、途中で折り返す。大西峰の雪原まで戻って持ってきたビールで乾杯。切れた林の向うには富士山が聳え立つ。やはり山は良い。特に雪の山は格別な味わいがある。

    大西峰分岐部.膝の近くまで雪あり,この先はさらに吹きだまりで雪が深かった・


    大西峰で富士山をバックに. みなさん満足げな良い表情してます.

 16時ごろにテント場に到着し夕食となる。三角点のところにはあずまやが立っておりそこに集合して鍋と酒を囲む。ビール20数缶、ウィスキーボトル2本、日本酒3リットル、そのほかに梅酒、ワイン等、車で乗りつけたので飲みきれないほどのアルコールと食料が揃う。今回も山に来たのに体重が増えて帰ることになりそうだ。すっかり酔っ払ってしまい、自分の食器の後片付けをすっかり忘れてテントに戻る。日が沈み、甲府盆地に眩しいほどの明かりが灯り始める、これから夜の部、星空探訪の始まりだ。

    甘利山三角点から残照の富士山


    夕暮れの甲府盆地. この頃にはすっかり酔っ払っていたが,なんとか水平照準は保てていたようだ.(星空探訪,甘利山夜の部に続く)
コメント (2)
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