山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

月光ダイヤモンド富士、田貫湖  平成21年1月13日

2009年01月19日 | 番外編
 平成21年1月13日 天候晴れ

 富士山山頂から昇る3月と8月のダイヤモンド富士の季節には、狭い湖のほとりに200~300人もの人が詰めかける田貫湖。昨年3月、初めて訪れた田貫湖ダブルダイヤモンド富士を幸運にも撮影することができた。今回狙うのは、十七夜の月。夜7時半ごろに富士山頂あたりに昇ってくるはずだが、カシミール3Dとアストロガイドの付属ソフトを組み合わせて時間と位置を計算しているため、毎回月の位置は若干ずれてしまっている。
 さて、仕事を終えて5時ごろに甲府出発し、田貫湖に到着したのは6時過ぎ。何台か車が止まってはいるが、喧騒のダイヤモンド富士とは違って静寂な夜景が楽しめる.オリオン座はもう富士山の右手に高く昇っており、冬の大三角形のひとつ、子犬座のプロキオンがもうすぐ富士山から姿を現すところだった。日はすっかり暮れているが、富士山は肉眼で大沢崩れの雪肌がくっきり見えるほど明るく見える。

    湖面に降る星たち  静寂の湖面に映る星を表現したかったが,映る星の数が少なかった.


    田貫湖に昇る冬の大三角形とオリオン座  15mm diagonal fisheyeの画像.

 さっそく湖畔に移動してカメラをセット、湖面が静かだったので、湖面に映る星空を表現したかったのだが、オリオン座がもう高く昇ってしまっていて、画角内には入ってこない。15mm diagonal fisheyeでようやく捉えられる高さだが、fisheye独特の水平線が歪んだ画像になってしまう。(これもありか。)車を降りた時はあまり寒さを感じなかったので、普段着の上にオーバージャケットだけ羽織って月の出を待つが、なかなか出てこない。7時半ごろとおおよその見当をつけていたのだが、8時になってもまだ出てこない。気温は-5℃くらい、上半身は良かったが、下半身はさすがに寒い。特に凍傷がまだ改善しきっていない足の指先の感覚が麻痺してきた。ザックに入っていた予備の靴下を1枚履いて靴下3枚でなんとか凌ぐ。

    月光ダイヤモンド富士が昇る直前,富士山の山頂が輝き出す・


    田貫湖の月光ダイヤモンド富士1

 そして8時28分、ようやく富士山山頂の右脇わずかにずれて月が昇り始めた。Iso感度を640~800に上げても夜の富士山を写すには15~25秒かかるので、月光ダイヤモンド富士は3カットくらいしか撮影できないことになる。ちょうど風が吹いてしまい、湖面に映るダブルダイヤモンドにはならなかったが、湖面に月が細長く反射する風情のある一枚となった。喧騒のダイヤモンド富士より静寂の月光ダイヤモンド富士のほうが私には似合っている(と思う。)


    田貫湖の月光ダイヤモンド富士2
コメント (11)
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冬富士探訪、芦川から鍵掛峠を経て王岳へ  平成20年12月29日

2009年01月19日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成20年12月29日 天候晴れ

 戸台から北沢峠に入る予定だったのだが、見事に寝過ごした。前日年賀状作成で深夜3時近くまでかかってしまったこともあるが、気合が足りなかったこともある。年末だというのに、私立高校はまだ補習授業が行われていて、いつものように子供たちを学校に送り届けてから山に向かう。行き先は御坂山塊のどこか。明日から南アルプスに行くのであまりきついところには行けない。車でまず芦川に向かい、鳥坂峠トンネルを抜けたところで芦川の登山案内の看板を見る。さて、どこにしようか?できれば歩いたことがないルートを歩きたかったので、道は荒れているらしいが、芦川から鍵掛を経て王岳、あるいは鬼ヶ岳へ行く道を歩いてみることに決める。

    鍵掛峠登山口


    ガレた沢を渡る.対岸にテープあり.

 県道から芦川グリーンロッジへ向かう道に曲がり、ロッジを越えてさらに進むと、舗装が切れたところで右に曲がる細い道がある。分かれ目に鍵掛峠を示す道標があり、そこを進むと間もなく行き止まりになり、車が5~6台止められるスペースがある。そこに車を置いて、少し戻ったところに登山道入り口がある。明瞭な道だが、小さな沢を渡る辺りは少しわかりにくい。だが、対岸に行くとまた明瞭な道が現れてくる。さらに20分ほど進むと今度はガレた沢を渡るが、ここは看板と対岸にテープがつけられているので見落とさなければ問題ない。斜面はしだいに傾斜を増すが、道はジグザグにつけられていてさほどきつさは感じない。そして、2か所ほど登山道が崩落して歩きにくい場所があるが、スリップに気をつけて通過すると、今度は鍵掛へ向かう尾根道に取り付くようになる。このあたりは一部道が不明瞭で歩きにくいが、あたりを良く見渡すと赤テープがつけられている。急な尾根道を登るとやがてなだらかな明瞭な道となり、間もなく鍵掛の王岳寄りの尾根道に抜ける。10時から歩き始めて鍵掛に抜けたのは11時45分、1時間45分ほどで到着した。予想よりも早く到着できた。

    稜線に抜け,王岳が迫る.向こう側のピークが王岳.


    冬空の富士  葉の落ちた木を入れて冬を表現してみた.


    王岳山頂.山梨百名山の標柱はだいぶ朽ちてしまってきている.


    王岳山頂から見る冬富士  下に見えるのは西湖.

 冬型の気圧配置で、稜線の上はビュービューと寒い風が吹き荒れていた。雪はところどころわずかに残るのみ、アイゼンを装着するような状況ではなかった。葉が落ちているために、稜線上はどこからでも富士山の眺望が楽しめる。写真を撮りながら、ゆっくりしたペースで王岳に移動。いくつかコブを越えて到着するこの稜線は予想外にルートが長い。午後1時、王岳山頂に到着、これで3度目の王岳となる。
風向きによるのか、王岳の山頂は以外に風が少なく穏やかだった。冬晴れのすっきりした富士山が見えているが、山頂からは強風に煽られて雪煙がたなびいている。昼食をとり、30分ほどの休憩をとった後はさっさと下山する。1時半、王岳出発し、鍵掛2時20分、登山口駐車場には3時15分に到着した。このルート、昭文社の地図に荒れているとコメントが入っているが、通行にはさほど支障のないルートだった。

    王岳手前から見る富士山.こちらのほうが眼下の見通しは良い.
コメント (2)
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