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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

強風に煽られた極寒の栗沢山  平成20年12月30日-21年1月1日

2009年01月11日 | 南アルプス
3日目(1月1日)
とにかく寒い夜だった。シュラフに潜りこんで2~3時間くらい眠っただろうか。寒くてガタガタ震えて目が覚めた。外はまだ真っ暗だった。相変わらずの強風が吹き荒れ、テントがバサバサと揺れている。とても眠れそうも無い。早く朝が来ないかと願いつつ、シュラフの中で丸くなる。いつもなら薄明の空が青く写る星空を撮るのだが、そんな気にはならなかった。ガタガタ震えながらウトウトしていると、朝6時を過ぎた頃、ようやくあたりが白々と明けてきた。

    朝の北岳  朝焼けの雲が巻きつく


    鳳凰山から昇る初日の出

 シュラフから出てバーナーを焚き、お湯を沸かして暖をとる。そして6時40分、日の出を見るためにテントの外に出る。相変わらずの風と寒さが顔と手足にしみる。涙が睫毛に凍りついて視野の邪魔をする。そんな中、鳳凰山地蔵岳の右から真っ赤な朝日が昇って来た。昨年八ヶ岳で見た日の出は雪原を赤く染めてきれいだったが、今年は景色を楽しむ前に寒くてしょうがない。アサヨ峰からだと鳳凰山の右に富士山が見えるので良い絵になっただろうが、今回はアサヨ峰になってしまった。いつかリベンジしたい。朝焼けの北岳も期待していたのだが、日の出の頃には山頂に雲が巻きつき、すっきりと姿はみせてくれなかった。甲斐駒ケ岳、仙丈岳も雲がかかっていたが、仙丈岳はなんとか山頂付近まで姿を見せてくれた。

    朝の仙丈ケ岳


    朝の甲斐駒ケ岳  山頂は雲の帯におおわれて見えず。


    雲かかる北岳  再三撮影したが、山頂は見えてもこれが限界。

 7時半まで頑張って、早々にテント撤収、8時半に下山開始したが、その前の8時10分ごろにもう栗沢山に登って来た単独登山者がいた。その人は小休止の後、アサヨ峰・早川尾根を目指して早々に出発していった。おかげで下山時にはトレースがあって比較的楽に下りることができた。

    北沢峠テント場。栗沢山山頂とは打って変わって風がなく穏やか。テントの数が30日よりは若干少なくなっていた。


    凍る戸台川  雪が降ったらしく、帰り道で見下ろす戸台川は白いまだら模様になって光っていた。端渓山荘手前から。

 10時15分、北沢峠テント場到着。余裕があればもう1泊の予定だったのだが、1晩でギブアップ。デポした荷物をザックに詰め込んで撤退する。長い樹林帯を抜け、さらに長い戸台川の河原を黙々と歩く。ザックを降ろした時に気がついたのだが、両手の指先がしびれたように感覚が鈍い。それと、靴ずれを起こしているのか、足の指先がやたらと痛い。辛抱して歩き、午後3時半、無事戸台の駐車場に到着した。いつものようにヘトヘト、特に寝不足が堪えた。

    振り返って見る戸台川と買い駒ケ岳。寒かったぜ、南アルプス。鍛えなおしてリベンジだ!

 自宅に帰って靴下を脱いでみると、左足の親指が青紫色になって小さな水疱ができていた。靴ずれではなくて凍傷だった。装備をもう少し考えないと厳冬期の南アルプスは難しそうだ。アサヨ峰まで行かなくて正解だったと思った。
コメント
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