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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

御坂黒岳からの夕景 平成21年8月17日

2009年08月24日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成21年8月17日 天候晴れ

 ようやく青空が見えるようになってきた今日この頃の天候。しかし、日中の気温が高いため、夕方から夜になると雲が広がってなかなか富士山や星空が見えない。この日も日中は青空が広がり、夏の熱い陽が照りつける陽気だったが、夕立や雷は無さそうな予報だった。久々の夜景狙いで、芦川の新道峠から黒岳にかけて歩いてみた。といっても、ここはゆっくり歩いても黒岳山頂まで1時間半もあれば到着してしまう楽々コースだが、河口湖を眼下に見ながら富士山を眺めるこの稜線は御坂山塊有数の絶景地であり、カメラマンのメッカとなっている。

    新道峠に咲くレンゲショウマ。 この季節、御坂山塊にはこの花がたくさん咲く。


    新道峠から見る富士山 お気に入りの場所。

 午後2時を少しまわった頃に新道峠駐車場に到着。林道沿いにはヒヨドリバナがたくさん咲き、アサギマダラやクジャクチョウ、ヒョウモンチョウなどが舞い、蜜を吸っている。御坂山塊の山の良さを改めて感じさせてくれる。夕暮れにはまだ早いので30分ほどあたりをブラブラして午後2時45分に駐車場を出発した。それでもまだ早いので、今回は新道峠の稜線から派生している撮影スポットへの横道を端から全て立ち寄ってみた。やはり私の好みでは黒岳側に15分ほど登った岩の上がいちばん良い。先日ローカル番組のUTYニュースの星に山の写真の事で5分間ほど出演させてもらったのだが、その際に山の写真を撮影しているロケとインタビューを行なったところがここである。カメラマンの中でも有名な撮影スポットである。

    アザミと富士山  ツツジだけでなく花も豊富で、撮影素材はたくさんある。


    コウリンカ  一輪だけ見つけた。なんとか富士山を背景に入れて撮影。

 時間をつぶしながらゆっくりと歩いたのだが、4時半には黒岳山頂に到着した。日の入りにはまだ2時間もある。富士山は見えているが、相変わらずヴェールがかかったような霞んだ富士山だ。さて、星は出てくれるのか?じっと待っているのも苦痛なので、こんなこともあろうかと持っていったツエルトとマットを出してひとまず寝て待つ。午後6時過ぎ、携帯電話のiモードで三つ峠からの富士山の様子を見てみると、雲に巻かれた真っ白な映像だ。こちらは富士山が見えている。と思っていたらその5分後、あっという間に雲が湧き始め、眼下の河口湖は雲におおわれた。間もなく黒岳の展望台も雲に巻かれ、富士山は見えなくなってしまった。じっと待っていると、時折山頂の部分だけ雲間から姿を現す。日は西に沈んでしまったが、東の空に木星が昇っているのが見えたので、ここはじっと辛抱して待つ。

    黒岳山頂からの富士山  霞のかかった富士山が立つ。


    雲の上の富士  夕陽が沈む頃、あっという間に雲が湧き始める。


    夕暮れの富士  30分ほど待つと、雲が切れて河口湖の夜景が見え始め、富士山が姿を現した。

 午後7時過ぎ、眼下の河口湖の明りが見えるようになってきた。少し遅れて霞の向うに富士山の山頂に続く山小屋の明りが見え始めた。流れる雲の間から姿を出したり消えたりを繰り返しているが、時として雲の上にぽっかりと頭を出すこともあった。天の川とさそり座がみえてはいるものの、霞んでいて鮮明ではなく、それよりも河口湖の明りが明るすぎて星空を写しこめるような状況ではない。雲海が町明りをおおって減光してくれるような、よほどの好条件で無ければこの場所で満天の星空を撮影するのは難しそうだ。

    夏霞に浮かぶ夕景富士  富士山がいちばん良く見えた一時。


    星空撮影にカメラ設定を変えて撮影したが、河口湖の明かりが眩しすぎて星はほとんど輝かない。富士山の上ではさそり座が尾を巻いている。


    頭上に輝く夏の大三角形。こちらは写すことができる。

 8時過ぎまで粘ったが、その後は完全に霧に囲まれて視界は得られず、8時半に撤収。下りの稜線はずっと霧の中だったが、ここはルートがはっきりしているので心配なし。45分で無事に駐車場に到着した。
 久しぶりの夜の撮影だったが、残念ながら期待していた星空にはならなかった。しかし、河口湖の夜景と雲の上に頭を出した富士山はなかなかの絶景だった。今後年をとってからも幾度も通うことになるであろう、お気に入りの山域である。
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日蝕を求めて足和田山へ 平成21年7月20日&22日

2009年08月04日 | 御坂・毛無・天子山系
 日蝕を求めて足和田山へ 平成21年7月20日&22日

7月20日 天候晴れのち曇り
 白馬岳で雨と風に見舞われた連休2日間だったが、3日目(20日)の甲府は朝から青空が広がっていた。2日後の日蝕は既に休みをとってあるのだが、まだどこで見るかは決まっていない。富士山の上で太陽が欠けてゆく写真を撮りたいので、富士山の北側ということになる。いくつか候補地は挙げているのだが、まだ決定しておらず、候補地のひとつ、足和田山に下見に行くことにした。

    文化洞トンネル駐車場から見上げる太陽.ほとんど頭上に近い位置.


    10分で分岐に到着.足和田山方面へ.

 紅葉台まで車で乗り付けてしまうと、遊歩道のように広いなだらかな尾根道を1時間半ほどゆったりと歩けば山頂の五湖台に到着してしまう足和田山だが、西湖側から登ると急斜面の登山道となる。今回は文化洞トンネル(西湖と河口湖の間のトンネル)から歩いてみた。文化洞トンネル河口湖側の駐車スペースに車を止め、歩き始める。時間は午前10時半、もう太陽はかなり高い位置にあり、上に仰がないと17mmレンズの画角内に入ってこない。果たして、富士山を入れてこの太陽を画角内に納めることができるのか?その位置関係も本日確認したい。10分ほどで毛無山・十二ヶ岳方面と足和田山方面の分岐に到着し、左に曲がって足和田山を目指す。こぶを1つ越えたコルのところで右から来る西湖側の道と合流する。その先は徐々に傾斜を増し、岩の混じった場所も出現し、ロープが付けられたところもある。そして12時20分、足和田山山頂(五湖台)に到着した。

    途中の登山道.岩の混じる急斜面.


    足和田山山頂(五湖台)に到着.空は雲でおおわれてしまっている.

 朝は見えていた富士山はこの時間にはすっかり雲隠れし、太陽も隠れてしまった。3年前の極寒の冬に訪れた時は間近に富士山を見た記憶があるが、その時に比べると植林したヒノキがずいぶんと背が高くなった気がする。展望台に登って昼食をとりながら画角を見るが、展望台の上からだと屋根が邪魔して太陽まで入れることは難しそうだ。太陽の位置は若干西側にずれてしまうが、三湖台のほうが無難そうだ。

    足和田山から見る富士山方面.下部の木がだいぶ伸びた気がする.


    展望台からだと上の屋根が邪魔になって太陽が隠れてしまう.

 下山は別ルート、紅葉台側に15分ほど歩いたところで西湖湖畔に下りる道がある。看板を確認してそちらの道を下山するが、岩の混じるところは無いものの、こちらも急斜面で、ロープのつけられた場所もあった。中腹にはヤマブドウのつるが絡み合う、薄暗い原始林のような場所があって、整備された紅葉台側の道とはちょっと違う雰囲気の足和田山を楽しむことができた。下部の左手に草付のような緑の広場が見えたので、登山道を逸れて立ち寄ってみると、西湖を見下ろせる、砂防提の上部だった。バンガローの横を通って、西湖湖畔に到着、そこには案内板が立っていた。西湖側から登ると足和田山も存分に登山の気分が味わえる。

    整備の行き届いた三湖台・紅葉台側のルート


    西湖への下降点を示す看板


    こちらも急斜面.ロープが張られた場所もある.


    原始林を思わせるヤマブドウの蔓がからむ林


    西湖湖畔到着.案内の看板あり.

7月22日 天候曇り時々小雨
 天気予報がはずれてくれることを祈っていたが、こんな時ははずれてくれないもので、朝から曇り空だ。だが、昼ごろには天候が一時回復するかもしれない予報なので、期待を持って、一瞬でも良いから欠けた太陽を見るため、足和田山紅葉台に向かう。精進湖線を走っていると、中腹は完全に霧の中だったが、精進湖に到着すると視界が開けてきた。時折青空が覗く時もあったが、富士山は完全に雲の中、太陽も全く見えない。9時に紅葉台に到着し、三脚2台とカメラ2台を担いで三湖台に移動、といっても徒歩で20分とかからない。三湖台も予想通り、完全に霧の中だった。時折眼下の西湖と毛無山から十二ヶ岳に続く竜の背の尾根が見えるくらいだ。携帯で天気予報を見ると、朝同様、昼には晴れのマークが出ている。期待はきわめて薄いが、これは寝て待つしかない。

    紅葉台の駐車場.ガスの中.


    三湖台.ここもガスできわめて視界が悪い.セットしたカメラが空しく空を見上げる.


    こんな時は寝て待つしかない

 11時ごろから空が暗くなってきたが、これは日蝕で暗いのか、それとも雲が厚くなって暗いのか判別できない程度の暗さだった。そのうち、小学生の声が聞え始め、50~60人ほどの団体さんが三湖台にやって来た。日蝕の観察に来たのだろうが、残念ながら完全に厚い霧の中で、全く太陽は姿を現してくれなかった。小学生たちは小休憩して早々に戻っていったが、置き去りにしていったテーブルの上のゴミを私が回収してくるはめになってしまった。

    小学生たちが登って来た.太陽は見えないが空は薄暗くなった.


    御坂峠の中腹で富士山が見え始めた.

 日蝕は不発に終わったが、携帯電話のiモードで沖縄方面の様子を見てみると、石垣島では太陽が見えているが肝心のトカラ列島ではダメだったようだ。山梨県は全域ダメだっただろうと思っていたのだが、のちに南アルプス林道工事の関係者に聞いた話だと、両俣小屋手前のところからは雲間から三日月形に欠けた太陽が見えていたという。ひょっとしたら、富士山山頂あたりでも見えたのかもしれない。御坂峠の道を車で登って行くと、中腹から富士山が見え始めた。もっと早い時間に姿を現してくれれば、と残念な1日に終わってしまった。
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富士山の展望台、釈迦ヶ岳  平成21年5月24日

2009年06月09日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成21年5月24日 天候晴れ

 このブログを見てくださっている方の中には夜空の写真を楽しみにしている方も多いことだろう。4月中旬以降、ほとんど星空の見えるような空気の澄んだ日が無く、ついに5月は1枚も星空を撮影することなく終わってしまった。今回訪れたのは釈迦ヶ岳。ここから見る富士山はほぼ南側に位置し、黒岳から節刀ヶ岳に連なる尾根が河口湖の明りを遮ってくれるため、この季節の天の川とさそり座を観察するには絶好の場所だ。林道を車で登って最短ルートを行けば1時間半ほどで山頂に到着できるという手軽さもあり、天候さえ良ければ平日でも登るつもりで狙っていたのだが、5月はとうとうその機会が訪れなかった。本日も晴れながら雲と霞が多く、星空は全く期待できない。今回はまだ歩いたことの無い裏側の檜峰神社からの道を歩いてみた。

    檜峰神社


    檜峰神社の大杉(ヒノキではなくスギです.)

 御坂から檜峰神社の林道に入ると、いつもは閉じているはずの動物避けの柵が本日は開きっぱなしになっていた。檜峰神社に到着すると既に4~5台の車が停まっており、時間が10時ごろだったこともあってもう下山してきた人もいた。ここはキャンプ場にもなっていて、おいしい水が流れている。神社周辺をひとまわり散策して本日は檜峰神社からではなく、そこから10分ほど下にある釈迦ヶ岳登山道を登ることにした。

    釈迦ヶ岳登山口


    稜線に抜ける

 入り口には登山道を示す道標が立てられていて、4~5台は止められる駐車スペースがある。林道のような大きな道を5分ほど登ると、釈迦ヶ岳の案内板があり、右手の林の中に進んで登山道に入る。道は至って明瞭、途中に石のごろごろしたやや歩きにくい場所もあるが、歩行にはほとんど支障なし。さらに進むと傾斜がきつくなり、そのあたりはトラロープが張られていて道に迷わないように配慮されている。登山口から1時間ほどで釈迦ヶ岳の稜線に到着した。稜線に交わったところに看板があって、そこには、「こちらのルートは急傾斜なので初心者は15分ほど先の登山道を下りるように」というような趣旨の案内が書かれていた。確かに急傾斜だが、時間的にはこちらのほうが遥かに早そうだ。

    途中の岩場から見上げる釈迦ヶ岳


    ロープのつけられた岩場

 尾根を左に進んで釈迦ヶ岳山頂に向かう。途中に太いロープが取り付けられた岩場があるが、雨で滑らなければロープに頼らずに登れる。このあたりの岩場の上は眺望の良い場所がたくさんあって、南側の富士山だけでなく、北側の甲府盆地から八ヶ岳方面、さらに西側の南アルプスの眺望がすばらしい。間近に迫る釈迦ヶ岳の新緑と岩肌も良い。ヤマツツジは咲き始めたところだったが、ミツバツツジはもう終焉を迎えていて、花が散ってしまっている木が多かった。あちらこちらの岩の上に登って眺望を楽しみながら12時ごろに山頂到着した。

    ミツバツツジと富士山  ミツバツツジは大部分散ってしまっていた.

 既に15人ほどの人たちが山頂で休憩していた。今回で3回目となる釈迦ヶ岳だが、ずいぶんと違和感を持つ。かつて北側(甲府盆地側)は木が立っていて見えなかったはずなのだが、全て切り倒されていて展望が得られるようになっていた。切り口がまだ新しく、切り倒された木々がまだ横たわっているところを見るとおそらく今年になってから切られたものだろう。展望が良いのは悪いことではないが、しかし自然を楽しみに来ているのに山頂の木々を切り倒してしまうのはいかがなものか?私はできるだけ自然のままにしておいてもらったほうが好きだ。ちょっとがっかりさせられた釈迦ヶ岳山頂だった。

    釈迦ヶ岳山頂の夫婦地蔵  富士山は雲隠れ,ヤマツツジは咲き始め.


    隣のピークから見上げる釈迦ヶ岳と新緑

 登りついた時には富士山が見えていたのだが、山頂で休んでいる人たちと情報交換していると、気がつけば富士山は雲の中に姿を消していた。1時間以上も山頂で休み、一応写真を撮って下山開始。今度は看板に従って初心者に勧めるルートを歩いてみた。看板には15分と書かれてはいるが、コブを1つか2つ越えるので下山の分岐点までずいぶん長く感じた。こちらの道も急勾配ではあるが、道はジグザグにつけられていて石のゴロゴロしている場所はない。ただ、やはりルートが長くて時間がかかる。だが、その分登りに使うのならば楽なルートだろう。
 今回はルートの調査と軽いトレーニング目的で訪れた釈迦ヶ岳だったが、いつかはこの山頂から富士山の上に流れる夏の天の川をお見せしたいと思っている。
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剣ヶ峰に昇る月、毛無山  平成21年4月9日

2009年04月13日 | 御坂・毛無・天子山系
 剣ヶ峰に昇る月、毛無山  平成21年4月9日 天候晴れ

 長女の大学進学のため、ここのところ寮の見学、引越し、入学祝い会、そして入学式と、毎週のように週末になると埼玉・東京あたりを往復する生活が続いていた。ようやく一段落して山に行けるようにはなったものの、しばらく歩いていなかったために随分体が重くなった気がする。ちょっとトレーニングに、というには厳しい毛無山だが、ちょうど富士山頂に昇って来る月が見られる日だったので、午後から登ってみることにした。

    不動の滝(毛無山2合目あたりに展望台がある)


    毛無山富士山展望台から見る富士山

 毛無山は標高差約1,000mのきつい登りが延々と続く山だ。過去3度登っているが、そのうち2回は足が攣り、1回は雪と重いテント等の荷物でコースタイムの1.5倍もかかったという、まともに登れたことがない山だ。登山道入り口には山頂まで160分と書かれているのだが、とてもそんな時間では私には登れない。3時間で到着できれば良いほうだろうと思いつつ、午後2時から登り始める。下山は夜になるので、念のためビバークできるようにツエルトとビバークシート2枚をザックに入れて行く。何度登ってもきつい登りだ。岩と土のミックスした急登が延々と続く。途中下山してくる方4人とすれ違い、月を撮影して夜中に下りてくることを告げると、一様に危ないですよと言われた。ごもっとも。夜道で石や木の根につまずいて転倒したら、ただでは済まないだろう。それも覚悟のうえの登山、かつ、十四夜の明るい月が夜道を照らしてくれることも計算に入っている。苦節3時間少々、5時7分に毛無山山頂に到着した。

    毛無山山頂(標柱点と勝手に呼んでいる) 夕陽が陰る寸前に到着.


    毛無山最高点,大見岳  三角点を探しているうちに到着してしまった.

 場所は三角点寄りのほうが富士山の真ん中あたりに月が昇って来るはずなので、昨年冬にダイヤモンド富士撮影にテントを張った三角点方向に進んで行く。まだ毛無山三角点の標柱を触ったことがないので、その標柱を探して尾根を進んでゆくと・・・いちばん高そうなところの樹林の中に看板が立っていた。見ると・・・「天子山系最高点大見岳」の看板だった。では三角点はどこなのだろう?見つからないまま、撮影に良さそうな標柱点の近くまで戻って三脚を構える。時間は5時43分、山影が朝霧高原に伸び始めていた。日没は6時10分ごろ、月が富士山頂に出るのは、計算上それから16分後くらいだ。まだ30分以上時間がある。標高2,000m弱の山の上は夕暮れになるとさすがに寒い。セーターとダウンジャケットを着込んで日暮れを待つ。

    春霞に浮かぶ夕暮れ富士


    月覗く

 薄い春霞のかかった富士山をピンク色に染めて日が暮れた。それから待つこと20分、6時32分、金色に輝く月が富士山頂やや右寄りから昇り始めた。真ん丸のきれいな月だ。今回は猪之頭の時に比べて月の出る時間が遅かったため、月面の紋様と富士山を写しこむことはできず、月の紋様は消えてしまった。しかし、富士山の立ち上がる傾斜は下界で見るより山の上から見るほうが格段に鋭く、格好が良い。

    剣ヶ峰に昇る月


    富士山展望台からの夜景


    月光の不動滝

 富士山から月が離れたところでカメラと三脚をしまい、さて、問題の下山だ。予想通り、明るい月が足元を照らしてくれて、先のほうまで見通しが効く。しかし、用心にこしたことはない。つかまれる木や岩にはできるだけつかまりながら、危険箇所は確実に三点確保しながら慎重に下りる。一度スリップして軽く尻餅をついただけで、無事に下山。途中の富士山展望台と不動の滝展望台で夜間撮影も楽しんだ。7時下山開始し、駐車場到着は10時(撮影時間を除くと実質2時間半)だった。月も良かったが、手ごわい毛無山を夜間に下山してきたという満足感も少しあった。翌日は・・・当然のごとく筋肉痛。
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月とさそり座、夜の節刀ヶ岳  平成21年3月21日

2009年04月13日 | 御坂・毛無・天子山系
月とさそり座、夜の節刀ヶ岳  平成21年3月21日 天候晴れ

 御坂山塊の深部に位置する節刀ヶ岳は、登り約3時間かかる。以前紹介した最短コースを行けば1時間半くらいで行けるのだが、現在堰堤工事中のため、入り口付近のルートがわかりにくくなっており、夜間に登るには不安がある。今回は最もルートが明瞭な大石からのコースを選んだ。登りはじめたのは・・・夜の12時。狙うは富士山頂あたりに昇るさそり座と、その尻尾あたりに昇って来る三日月だ。

    大石峠から見る夜富士  さそり座は頭を持ち上げ,もう尻尾の近くまで姿を現している.

 林道とまでは行かないが、大石峠までは広くて明瞭な道なので迷うことはない。ヘッドライトを点けて黙々と登り、1時半に大石峠到着。もうさそり座が南東の低空から頭を持ち上げ、尻尾の近くまで見え始めている。

    節刀ヶ岳の富士とさそり座  さそり座が富士山にもたれかかるように傾く.


    予想以上に明るかった月.天の川の輝きは消えてしまった.

 ここで左に曲がって樹林帯の中の尾根道に入る。雪を心配していたが、今年は雪が少なく、若干のアイスバーンが残っているのみだった。何度か歩いている道なので、全く迷うことなく節刀ヶ岳に到着、時間は午前3時。撮影には山頂よりも1段下がった場所のほうが下部の雑木が入らないので、そちらに移動して三脚とカメラをセットする。さそり座はちょうど富士山の山頂に傾いたところで、三日月も昇り始めたところだった。ほぼ予定通りに到着、空気も比較的良く澄んでいる。月とさそり座、富士山の位置も狙い通りの良い位置にある。しかし、予想以上に三日月が明るかった。さそり座はなんとか撮影できるものの、尻尾のあたりから延びる天の川はほとんど写ってくれない。さそりと月のこの位置関係で撮影するならば、もう1ヶ月早い2月がベストということになるのだろう。しかし、2月の節刀ヶ岳は結構な雪があり、今回のように簡単に到着できるものではない。やはりテント泊りか・・・。来年に持ち越し。

    月とさそり座と富士  15mm diagonal fisheyeで撮影


    昇る白鳥座デネブ  月が明るすぎて白鳥座はどこへやら.


    夜明けの河口湖  その向こうに山中湖も見える.

 やや不満な写真になってしまったが、まあそこそこな気がしないでもない。できるなら、富士山の上に大きく延びる天の川を今シーズン中に撮影したいものだ。朝日が昇り、明るくなったところでさっさと退却、8時半には下山した。

    節刀ヶ岳の朝富士


    大石峠の富士山
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昇るさそり座、新道峠から黒岳へ  平成21年3月15日

2009年03月27日 | 御坂・毛無・天子山系
 昇るさそり座、新道峠から黒岳へ  平成21年3月15日 天候晴れ

 早朝3時に南東の空にさそり座が昇って来る。そして夜明けの頃に南の空に南中し、夜が明ける。今回出かけたのは富士山撮影の名所、河口湖の灯を眼下に見ながら富士山が眺められる新道峠だ。
 早めに寝ようと思ったのだが、録画してあったテレビドラマを見始めたら眠れなくなってしまい、結局1時間くらい横になっただけで深夜2時半に自宅出発。峠の駐車場まで車で行けば、撮影場所までは15分で行けるはずだったのだが、甘かった。林道のゲートは当然の如く冬季閉鎖、ゲート前に車が1台止まっており、これから歩いて出発しようというところだった。車を道の脇に止めて午前4時ごろに出発。林道を40分ほど歩いて駐車場に到着、ところどころ雪が積もり、アイスバーンになっている場所もあった。恐かったのは駐車場から新道峠に登る木道だった。ここは完全にアイスバーン、距離が長ければアイゼン装着するところだが、峠まではわずか10分か15分で到着できるので、装着せずに登る。案の定、途中でスリップして前のめりに手をついたのが1回あった。峠から左側(黒岳側)に登って行くと何か所か展望台のように開けた場所がある。河口湖と富士山が見渡せる場所で三脚を立てたが、もうさそり座は南中して富士山の真上に昇ってしまっていた。富士山の裾野で尻尾を巻いている姿を捉えたかったのだが、時間が1時間ほど遅かった。それと、上弦を過ぎた明るい月のおかげで、富士山は良く見えるが星は消えてしまっている。星空撮影には不適だったが、河口湖の夜景は抜群だ。

    昇るさそり座と月光  富士山頂でさそり座がしっぽを巻くが,もう薄明の空,かつ月が明るすぎた.


    黎明の河口湖と富士

 場所をさらに黒岳側に移動すると、もっと眺望の開けた場所があった。先ほどのゲート前に車を止めていた人はここで三脚を立てて夜明けを待っていた。みんな狙っているのは同じ、雲海上で、さらに朝焼けに染まる富士山だ。しかし、この日は雲ひとつ無い快晴、雲海は広がっていない。やがて朝を迎え、富士山に朝日が差し込む。うっすらとピンク色に染まったが、さほど焼けてはいない。その人は結局1枚もシャッターを切ることなく、退却していった。確かに良くある朝の風景、シャッターを切らないのも勉強なのかもしれない。私はちょうどおもしろい木の間に富士山が入ったので、そこで何枚もシャッターを切った。そこそこに見られる写真になったと自己満足している。

    静かな朝の風景


    夜明けの富士


    破風山山頂

 さて、陽が昇ってから黒岳に向かって出発。ところどころ雪とアイスバーンになっていたが、登りはアイゼン装着せずに山頂まで行く。黒岳展望台で朝の富士山を眺め、下りはちょっと恐いのでアイゼン装着して下った。7時半、下山開始し、約1時間で車に到着した。初めて歩いた新道峠から黒岳の稜線だが、撮影の名所だけあって道はきわめて明瞭、夜間の歩行に全く問題ない。

    黒岳山頂.この先の展望台まではアイスバーン.登山道をはずして歩く.


    朝の黒岳山頂からの富士
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富士山頂に昇る月,思親山  平成21年2月8日

2009年02月20日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成21年2月8日 天候快晴

 前日の雲がすっかり晴れ,快晴となったこの日,月の位置を調べると思親山あたりでちょうど富士山頂に月が昇ってきそうだ.しかし,十三夜の月で昇ってくる時間が早く,残照で富士山が赤く染まる前に月が昇ってしまうかもしれない.同じ山岳会の嶺朋クラブに所属する早川さんをお誘いして,思親山に出かける.

    佐野峠から見る富士山

 この山は山頂近くまで林道が通っているので登るのはたやすいが,佐野峠という登山口まで行く林道が狭くてたいへんだ.車の交差ができないような細い場所が多いので,対向車が来ないことを願うだけだ.佐野峠間近のカーブでRV車と出くわしたが,私が数メートルバックするだけで容易にかわすことができた.午後2時ごろに佐野峠に到着したが,月が昇ってくるのは4時半ごろ,まだ時間が早い.弁当を食べてゆっくり休んでから出発する.車はもう1台,山梨ナンバーのRV車が止まっていた.

    思親山から見る富士山.写真では切れているが,すぐ左手に前日登った天子ヶ岳が聳える.

 山頂までは45分ほどで到着した.山頂には先客が一人,既に三脚を構えて月の出を待っており,なんと早川さんだった.まだ月の出には1時間以上もある.だいぶ早い到着だ.待つこと1時間少々,ようやく月が昇ってきたが,予想通りまだ青空のうちに月が昇ってしまう.月の位置は良かったが,時間が早い.

    月昇る


    富士山頂に昇る月

 富士山頂に月が昇ったところで三脚とカメラを撤収,佐野峠からならば残照と月が撮れるかもしれないので,急いで佐野峠に移動する.登りは45分だったが,下りは20分で到着した.富士山は上品なピンク色に染まってくれたがその時間には月は高く昇ってしまった.ここはダイヤモンド富士の撮影にも良さそうだが,春の撮影時期には霞と雲が多くてなかなか好条件に恵まれないことが難点だろう.

    残照富士と昇る月


    すっかり日が暮れ,本日の撮影はここまで.
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久々の山行、長者ヶ岳・天子ヶ岳周遊 平成21年2月7日

2009年02月20日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成21年2月7日 天候くもり

 ようやく凍傷が改善し、手足の指先のしびれが気にならなくなった。ここのところ週末の予定がつまっていたり、天候不順だったりで、三つ峠以来1ヶ月ほど山から遠ざかっている。久しぶりに御坂山塊あたりを考えていたのだが、結局登ったのは田貫湖から長者ヶ岳から天子ヶ岳周遊コースだった。
 ご存知の方が多いかもしれないが、現在ルーリン彗星というほうき星が地球に接近し、2月の下旬がいちばん見頃になる。2月の初旬はさそり座の頭の上あたりにいる頃なので、それを精進湖で撮影してからどこかに登る計画を立てた。自宅を午前4時前に出発、空には雲の合間から星が見えていたが、しだいに雲が広がってきている。精進湖に5時過ぎ到着、まだ真っ暗の中、湖のほとりに行ってみると、南側方向は完全に雲でおおわれていて富士山は全く見えず、星も見えない。ルーリン彗星は空振りに終わる。あきらめて朝霧方面に向かい、先日行った井之頭林道に行ってみることにした。うまくすれば、雲海の上に抜けられるかもしれないと思ったのだが、全く甘く、うっすらと夜が明けてきた空を見上げると毛無山山塊の上空に真黒な雲が立ち込めている。もちろん富士山は全く見えず、中腹のパラグライダー発着所手前で引き返す。天気予報では晴れだったが、今日は雲の多い日になりそうだ。ここまで来たなら、田貫湖からまだ登っていない天子ヶ岳まで行ってみようと決め、田貫湖に移動する。

    朝の田貫湖  富士山は時折山頂が顔を出す.

 6時半ごろ、田貫湖のほとりには数人のカメラマンが三脚を立てて日の出を待っていた。富士山は雲隠れしているが、時折山頂だけ姿を現す。ガスっぽくて写真にはいまひとつの天候だ。私は登山の準備にとりかかり、午前7時、駐車場から歩き始める。バンガローの中を通って東海自然遊歩道に横から合流する道を行く。整備された道ではあるが、途中道が深くえぐれて歩きにくいところがあるので、そこは道の横の林を歩く。20分ほどで問う開始前遊歩道に合流し、整備の行き届いた遊歩道を1時間ほど歩いて長者ヶ岳山頂に到着した。久々の山歩きで体力を試そうと、途中自分に似合わない速いピッチで登ったせいで、息切れと軽い吐気を催してしまう。4年前の4月、ダイヤモンド富士の撮影とテント張りの練習目的でこの山頂に一晩泊まったが、その時と同様、雲がかかって富士山は姿をみせてくれない。

    田貫湖展望台  雲が多く,ガスっぽい天候.


    長者ヶ岳山頂.今回で2度目の山頂だが,またしても富士山見えず.

 休憩して水分をとって天子ヶ岳に向けて出発。一旦下り、コルから右に上佐野集落への登山道(この道は東海自然遊歩道の一部)を分けた後、ややきつい傾斜となって天子ヶ岳に到着する。登り切って平になった山の上をしばらく歩いてから山頂の標識がある。山頂にはヨウラクツツジの木が囲われて大切に保護されている。どんな花が咲くのだろうか、機会があれば見に来てみたい。山頂から田貫湖側に行くと富士山展望台がある。この日は全く見えず、残念だ。

    天子ヶ岳山頂とヨウラクツツジ


    天子ヶ岳山頂の富士山展望台.富士山は雲隠れ.

 少しの休憩をいれて、そのまま直進、白糸の滝方面に行く登山道を下りる。この先はかなりきつい斜面となり、浮石もごろごろしている。霜がとけて滑りやすくなっている斜面を気をつけながら下りる。黙々と下りてゆくと、30分ほどで広い林道のような道になり、傾斜も緩くなって歩きやすくなる。途中にはこんなところに何故というような桜並木がある。さらに下ってゆくと、右手に林道の終点と思われる道があり、そのまま真直ぐ進むとやがてヒノキの樹林帯となって舗装された林道に抜けた。時間は10時45分、天子ヶ岳山頂から1時間15分だった。天子ヶ岳のみに登るのであれば、この道がいちばん早そうだ。

    中腹の桜並木


    富士宮側(井出側)の林道からの登山道入り口を示す看板

 ここからは毎度疲れる林道歩き。テクテクと歩いて行くと天子の森というキャンプ場に到着した。ここで昼食と休憩をとる。遊歩道が整備され、売店など施設も整備されているようだが、果たしてどれくらいの人が集まるものなのだろうか?冬季はもちろん休業で、紐が張られている。さらに歩いて行くと、アスファルトの道の横に田貫湖を示す看板を発見。そちらの遊歩道を歩いてみると、左手にバンガロー、ないしは別荘と思わしき建物が立ち並ぶ場所があり、左に進むと大きな自動車道に出た。田貫湖のほとりの道であるのは間違いないが、田貫湖はどこにあるのだろうか?右側に回りこんでゆくと、道の右手に池のようなものが見えてきた。田貫湖の西の外れなのだろうか?それにしては小さいような気がするが・・・と思いつつさらに歩いてゆくと、左手に大きな駐車場があった。駐車場を横切ってその向こう側を見ると、こっちが本物の田貫湖、右手に見えていたのはただの池だったようだ。場所は車を止めた場所のちょうど反対側にあたり、右回りでも左回りでも距離は同じくらいありそうだ。このおかげで、30分以上余計に歩くことになる。アスファルトは疲れるので、湖のほとりの細い道を歩いたり、釣り人を眺めたりと、楽しみながら田貫湖西側を歩いて駐車場に戻った。12時40分、到着。

    田貫湖湖畔.切り株があり,ここまで木が生えていたということなのだろうか.
 足は問題なさそうだ。あとは体力と気力を回復させるのみ。
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冬富士探訪、芦川から鍵掛峠を経て王岳へ  平成20年12月29日

2009年01月19日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成20年12月29日 天候晴れ

 戸台から北沢峠に入る予定だったのだが、見事に寝過ごした。前日年賀状作成で深夜3時近くまでかかってしまったこともあるが、気合が足りなかったこともある。年末だというのに、私立高校はまだ補習授業が行われていて、いつものように子供たちを学校に送り届けてから山に向かう。行き先は御坂山塊のどこか。明日から南アルプスに行くのであまりきついところには行けない。車でまず芦川に向かい、鳥坂峠トンネルを抜けたところで芦川の登山案内の看板を見る。さて、どこにしようか?できれば歩いたことがないルートを歩きたかったので、道は荒れているらしいが、芦川から鍵掛を経て王岳、あるいは鬼ヶ岳へ行く道を歩いてみることに決める。

    鍵掛峠登山口


    ガレた沢を渡る.対岸にテープあり.

 県道から芦川グリーンロッジへ向かう道に曲がり、ロッジを越えてさらに進むと、舗装が切れたところで右に曲がる細い道がある。分かれ目に鍵掛峠を示す道標があり、そこを進むと間もなく行き止まりになり、車が5~6台止められるスペースがある。そこに車を置いて、少し戻ったところに登山道入り口がある。明瞭な道だが、小さな沢を渡る辺りは少しわかりにくい。だが、対岸に行くとまた明瞭な道が現れてくる。さらに20分ほど進むと今度はガレた沢を渡るが、ここは看板と対岸にテープがつけられているので見落とさなければ問題ない。斜面はしだいに傾斜を増すが、道はジグザグにつけられていてさほどきつさは感じない。そして、2か所ほど登山道が崩落して歩きにくい場所があるが、スリップに気をつけて通過すると、今度は鍵掛へ向かう尾根道に取り付くようになる。このあたりは一部道が不明瞭で歩きにくいが、あたりを良く見渡すと赤テープがつけられている。急な尾根道を登るとやがてなだらかな明瞭な道となり、間もなく鍵掛の王岳寄りの尾根道に抜ける。10時から歩き始めて鍵掛に抜けたのは11時45分、1時間45分ほどで到着した。予想よりも早く到着できた。

    稜線に抜け,王岳が迫る.向こう側のピークが王岳.


    冬空の富士  葉の落ちた木を入れて冬を表現してみた.


    王岳山頂.山梨百名山の標柱はだいぶ朽ちてしまってきている.


    王岳山頂から見る冬富士  下に見えるのは西湖.

 冬型の気圧配置で、稜線の上はビュービューと寒い風が吹き荒れていた。雪はところどころわずかに残るのみ、アイゼンを装着するような状況ではなかった。葉が落ちているために、稜線上はどこからでも富士山の眺望が楽しめる。写真を撮りながら、ゆっくりしたペースで王岳に移動。いくつかコブを越えて到着するこの稜線は予想外にルートが長い。午後1時、王岳山頂に到着、これで3度目の王岳となる。
風向きによるのか、王岳の山頂は以外に風が少なく穏やかだった。冬晴れのすっきりした富士山が見えているが、山頂からは強風に煽られて雪煙がたなびいている。昼食をとり、30分ほどの休憩をとった後はさっさと下山する。1時半、王岳出発し、鍵掛2時20分、登山口駐車場には3時15分に到着した。このルート、昭文社の地図に荒れているとコメントが入っているが、通行にはさほど支障のないルートだった。

    王岳手前から見る富士山.こちらのほうが眼下の見通しは良い.
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樹氷の三つ峠  平成21年1月10日

2009年01月15日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成21年1月10日 天候晴れ

 前日、甲府盆地には待望の(?)雪が降った。積もるほどではなかったが、甲府盆地を取り囲む低~中山は雪化粧している。樹氷が期待できるこの日、さて、どこに出かけるか?正月の南アルプスでの凍傷がまだ回復しておらず、手足の指先にしびれが残っているので、今回は容易に行ける場所、かつ、かねてから樹氷と富士山を撮りたいと思っていた三つ峠に行くことにした。
 日の出の間に合うように、目覚まし時計を3時にセット。止めたのは覚えているのだが、ウトウトしているうちに眠ってしまったらしく、布団から出ると時間は4時半になっていた。急いで準備して出発するが、御坂の登山口に到着したのは5時半過ぎ。しかも林道のゲートが閉鎖されていて、その前には車が20台近く停められている。完全に出遅れだ。スパッツと軽アイゼン装着し、歩き始めたのは6時。ゲートから歩くと余計に15分くらい時間がかかるので、7時の日の出までに到着するのは絶望的だ。休憩無しで黙々と歩くが、やはり途中で夜が明けてしまい、御坂の山塊に朝日が差し込んで真赤に焼けているのが見える。しかし、空の上は雲が多く、果たして富士山は見えているのだろうか?あと10分ほどで三つ峠山荘到着というあたりで、大きな三脚を担いだ若者が下りてきた。状況を聞くと、山は焼けたが富士山は全く姿を現さなかったという。

    三つ峠(御巣鷹山)の樹氷1


    三つ峠(御巣鷹山)の樹氷2


    三つ峠(御巣鷹山)の樹氷3  左の雲の中に富士山がいる.

 三つ峠山荘の下で右に曲がって展望台を見に行くと、カメラマン3~4人が三脚を構えて富士山が出るのを待っていた。真っ白な樹氷ができていて、前景は申し分なかったが、富士山はすっぽり雲の中、全く姿を現しそうもない。三つ峠山荘の前では既に10本近い三脚が立ち並んでいたが、撮影している人は2人だけ。宿泊客らしく、富士山が出るまで山荘の中で待っているのだろう。私はそのまま人がいなそうな御巣鷹山に移動した。足跡がついていたが、それは四季の楽園の小屋主さんと犬の散歩跡だったようで、途中ですれ違った。御巣鷹山に行くと、前方にカメラを持っていない女性が1人で歩いていた。写真仲間がいて、すぐにこちらに来るという。樹氷の美しさは申し分ないのだが、富士山は全く姿を現す気配なく、みんな残念がっているという。自然相手のことだから、それも止むを得ない。

    雪化粧した御坂黒岳


    樹氷の森  富士山は裾野しか見えなかった.

 あたりの樹氷を、次のチャンスの時の構図を考えながら数枚撮影し、本日撤退。8時半には下山しはじめる。心配していた凍傷は、やはりしびれが強くなってしまっていた。長時間の雪道はもうしばらく無理そうだ。下山後は久しぶりにサロン写ば写ばに立ち寄り、またしても3時間以上、店に居座ってしまった。栗林先生はパノラマ台で富士山を狙っていたそうだが、三つ峠同様、不発に終わったらしい。
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金星・木星・月が接近、杓子山  平成20年12月1日

2008年12月07日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成20年12月1日 天候晴れ

 12月1日と2日は金星・木星と三日月が接近し、夕暮れの南西の空はひときわにぎやかな光景を見ることができる。先日の三つ峠でおおよその星の位置は確認しておいたので、富士山頂あたりでこの光景を捕えるならば、杓子山から石割山にかけての一帯が良さそうだ。最も簡単に撮影だけ済ませるならば二十曲峠だろうが、恐らくは同じように狙っているカメラマンがたくさんだろう。できれば人の多いところは避けたい。そこで今回行ったのは杓子山。
 早々に仕事を終わらせて速攻で出発、と行きたかったのだが、午後1時過ぎまでかかってしまい、甲府出発は1時半。杓子山最短コースのゲート前に到着は3時半になってしまった。日没までに山頂にたどり着くのは厳しそうだ。停まっている車は1台だけ、同じように写真狙いの人かと思いきや、林道の途中で出会ったのは地元の老人。杖と熊避けの鈴だけ持った軽装で散歩に来て帰るところだったらしい。時々熊が出没するので気をつけるように言われ、私も鈴を出して鳴らしながら歩くことにする。

    富士の裾野に沈む夕陽.大権首(おおざす)峠ハングライダー発着所から.


    夕陽で赤く染まる登山道.目に染みる美しさ.

 30分でハングライダー発着所のある大権首峠到着、ちょうど富士山の裾野に夕陽が沈んでゆくところだった。撮影しながら10分ほど休憩し、山頂を目指す。赤松林の登山道に夕陽が差し込んで、道が真っ赤に染まっていた。富士山を振り返りながら山頂を目指して行くと、山頂から少し下ったところに良い形のカラマツの木2本が立っている場所を発見。山頂に月と星が来た時にここで撮影しようと決める。4時45分、杓子山山頂に到着、なんとか暗くなる前に到着できた。黄昏時の夕空は薄紫色に染まり、細い三日月が夕空に輝き始めている時間だった。予想以上に高い位置に月があったが、西に傾きながら富士山頂の真上で月と星が捕えられそうだ。

    黄昏時の富士と月.久しぶりに見る感動的な夕暮れ時の風景.


    空で微笑むピエロ.口が曲がってますね.


    富士山頂で輝く月と星

 山の上に来るとどうも何か食べないと気が済まない私は、たいして腹が減っているわけでもないのに持ってきたパンを1個、のつもりが2個食べてしまい、これで腹いっぱい、あとは撮影に没頭するだけだ。紫色の空がやがて夕暮れの深青い空に変わり、月と星が輝き出す。この日の星と月は、金星・木星が目になり、三日月が口になって、まるでピエロが口を曲げて笑っているかのような配置になった。数年に一度しか見られない光景である。

    めぐり合う月と星. 明るすぎる忍野の明かりを木がうまく遮ってくれた.


    雲間の星と月. しだいに雲が出始め,富士山は見えにくくなる.暗くなると,月と星が明るすぎて富士山は写りにくくなる.

 日没後は徐々に雲が多くなり富士山もしだいに霞んで見えるようになってしまう。左手の二十曲峠を見ると、やはり明かりが灯っていて、撮影者がいることが伺える。杓子山は私一人で独占、静かできれいな夕暮れを見ることができた。午後8時、富士の裾野に月が沈んだところで本日は終了、スリップに注意しながら暗い道を下山した。
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木星と金星接近中、夕暮れの三つ峠  平成20年11月23日

2008年12月07日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成20年11月23日 天候晴れ

朝からすっきり澄んだ空が広がっている。どこかを歩かないともったいないこの天気、しかも明日からは天候下向きらしい。だが、東北遠征から昨夕帰ってきたばかりでなかなか歩く気にならない。午後まで家でぐたぐたしていたが、あまりにももったいない天気なので、簡単に行けるところに夕方から登ることにした。
 行く先は御坂山塊の三つ峠。ここは富士山の絶好の展望台で、富士山撮影の聖地とも言うべき山。もう何度も登っているが、なかなか満足のゆく富士山は撮影できていない。それもそのはず、ここは朝方雲海の上に浮かぶ富士山が良いのだが、登るのはいつも午後からで、しかも人がいなくなる夕暮れ頃を狙って登っているからだ。今回も同様、夕方4時から登り始めた。今回狙うのは南西方向に夕暮れ時に輝く金星と木星を富士山とからめて撮影してみたい。林道のような広い道を黙々と登り、山荘の立つ裸山にちょうど1時間で到着、いつも通りのペースだ。

    南西の空に木星(上)と金星(下)が接近中.


    長時間露光撮影.こういう星も良いですが,やはり星は丸く写したいですね.

もう日が落ちて暗くなり、木星と金星が南西の空にひときわ明るく輝いていた。思ったよりも西側で富士山から遠い位置に傾いている。山頂まで移動して三脚を構え、さっそく撮影にとりかかる。それにしても、眼下の富士吉田の灯りは眩しいほどに明るい。雲海かなにかでこの明かりを減弱してくれないと、星空はなかなかうまく写ってくれなそうだ。2時間ほど山頂で過ごし、金星と木星が西の空に沈んでから下山した。

    御坂山塊と南アルプスの空.いちばん右の黒い盛り上がりが御坂山塊最高峰の黒岳.南アルプス中央のの大きな3つの山は荒川三山.それにしても飛行機がたくさん飛んでいること.
 

    三つ峠山頂の星空.空高くプレアデス星団(スバル)が昇っている.

 今回は撮影ともう一つ、星の沈む位置を実際に目で確認したいという目的があった。木星と金星はどんどん接近しており、12月1日ごろに再接近し、その時には細い三日月も接近してくるので、数年に一度しか見られないおもしろい光景を夕暮れに見ることができる。撮影地をどこにするか、できればどこか山の上から眺めたい。三つ峠では星の位置が遠すぎることを確認した。
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霞む富士山、石割山  平成20年8月8日

2008年08月09日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成20年8月8日 天候曇り

 カシミール3Dとアストロガイドという2つのソフトからこの日の月の沈む位置を予測してみると、ちょうど石割山か二十曲峠あたりで富士山山頂に月が沈みそうだ。ここのところ連日夕立と雷でしばしば停電に陥っている山梨県。しかし、この日の天気予報では雷に遭遇する可能性は低い。空模様は曇りだが、青空の広がっているところもあり、一瞬の晴れ間を期待して二十曲峠に向う。
 忍野から二十曲峠への道は細い林道ではあるが舗装された道だ。峠に到着すると展望が開け、車を止められるスペースがある。水場やトイレもあって、おいしそうなスイカが冷やされていた。ここは富士山撮影の有名な場所で、車に泊り込みで撮影に来ている人たちがたくさんおり、10本以上の三脚がずらりと並んでいた。石割山への道が悪ければここで撮影も考えていたが、この三脚を見てその気は一気に失せる。時間は夕方5時40分、準備して石割山向けて出発。シカの食害を避けるためのフェンスの横を登って行くと、大きな鉄塔が3本立っている。3本目の鉄塔をまわりこむとすぐに山頂で、30分で到着できた。夕暮れが迫り、あたりは少し薄暗くなりはじめていた。富士山は霞の中に隠れ、シルエットがわずかに見えるのみだ。一瞬でも山頂を見せてくれれば、と期待しつつ、暗くなるのを待つ。

    夕暮れの石割山からの風景

 7時半頃、うっすらと富士山の山小屋の明りが見えるようになってきた。月が富士山近い位置まで来ているはずなのだが、全く見えない。山中湖ほとりの明りは良く見える。約15分間のバルブ撮影してみるとかろうじて霞の中に立つ富士山が写っていた。忍野ではちょうど花火大会をやっているらしく、右下にきれいな花火が打ちあがっていた。その花火とは別に・・・御坂山塊のあたりだろうか、黒い雲の中がピカピカと光っている。規模は小さいが雷雲だ。こっちに来るな!と願っていたが、しだいに石割山山頂にも深い冷たい霧が流れ込む。雲の流れからして雷雲の一部が流れてきている可能性が高い。8時半、カメラ撤収、大急ぎで山を下りる。幸いにして雷は鳴らなかったが、二十曲峠到着の頃はもう富士山の姿はなかった。

    霞む富士山

 猛暑日と夕立、雷の続く今年の夏、どうにもおかしな天候である。これからの夏はすっきりした富士山は見られなくなってしまうのだろうか。
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最短ルートで十二ヶ岳と節刀ヶ岳に登る  平成20年6月15日

2008年06月24日 | 御坂・毛無・天子山系
平成20年6月15日 天候曇り

 この日は当初は傷つけられた茅ヶ岳の標柱を修復に行く予定だったのだが、集まったのは当院に勤務する独身美女2人のみ。この2人は昨年茅ヶ岳標柱再建に協力いただいており、既に茅ヶ岳には登っている。空模様もいまひとつで、茅ヶ岳からの眺望はほとんど期待できなそうだ。何度も同じ山につきあってもらうのも申し訳ないので、朝6時病院駐車場に集まった時点で目的地を変更、御坂山塊節刀ヶ岳に4月に見ておいた最短ルートでツツジを見に行くことにした。

    十二ヶ岳と西湖  途中の展望の良い岩場から見る風景。残念ながらこの日は終日富士山は姿を見せなかった。


    岩場のところで足元に咲いていたギンラン。花が開いているところは初めて見たが、確かにランの花だ。


    眼前に迫る十二ヶ岳。一旦ハシゴを下りて写真下側に見えるロープ付き岩場を登るのだが、初心者2人は一苦労。

 河口湖大石の林道を行き、大石峠への登山道分岐を真直ぐに車で進み、林道突き当りまで進むと、砂防ダム工事のための小屋が立っている。日曜日は工事が行われていないので、工事関係の車は止まっていなかった。4月に訪れた時とはだいぶ様相が変わっていて、登山道入り口あたりが削り取られ、車を止められる広いスペースに変わっていた。その時に工事現場にあった2台の重機の姿は無く、登山道を登って10分ほど行ったところに移動しており、新たな砂防ダム建設のためガレた沢を掘削工事しているところだった。登山道の一部も削られており、迂回して歩くことになる。初心者2人を連れているため、ゆっくりペースで30分に1回休憩を入れながら歩いたが、それでも節刀ヶ岳と十二ヶ岳の中間部コルまで約1時間で到着した。時間は9時、これならば十二ヶ岳まで行く時間は十分にある。まず、左折して十二ヶ岳に向う。こちらの道はまだ歩いたことがなかったが、確か昭文社地図にクサリ、ハシゴありと書かれており、誰かのブログで鎖場の写真を見たような記憶があった。初心者2人がちょっと心配だが、とりあえず行ってみると、案の定、まずはロープの先に10mほどのハシゴの下りあり。ここはさほど難なく通過。問題はその先、十二ヶ岳直下の岩場はロープが数本かけられた20mほどの岩場直登だった。ここはちょっと苦労した。まずは私が先に登って登り方を指示しつつ、一人目を岩の上まで送り届け、一度降りてもう一人を登らせる。2人とも初めてのロープ付き岩登りの経験だっただろうが、無事に登ることができ、十二ヶ岳山頂にたどり着くことができた。時間は10時、予想よりも早く到着できた。30分ほど休憩してまた岩場を戻るが、下りがまた一苦労、しかし無事通過。ハシゴの登りでは2人とも少し余裕が出始める。

    十二ヶ岳制覇! 苦労してロープを登り、達成感満点。


    ハシゴの登り返しではもう余裕の表情。

 十二ヶ岳制覇し、次は節刀ヶ岳に向う。細かい休憩を入れつつ、約1時間20分ほどかけて節刀ヶ岳に到着。山頂直下で下りてくる一人の男性、かぶっている青い帽子と首からかけたタオル、会ったことはなかったが、一目でその人とわかった。「望の富士」で富士山撮影に命を掛けている(?)のぞむ君だ。私のブログとも相互リンクしている人気サイトの管理人。歩いている山域が似通っているので、どこかでばったり出会うだろうとは思っていたが、まさかこの日に出会えるとは思ってもいなかった。下山するところを引き止めて山頂で記念撮影する。のぞむ君、本日は電車とバスを乗り継いで大石から大石峠を経由して節刀ヶ岳に登り、これから十二ヶ岳を越えて桑留尾に下山し、お風呂につかってから帰る予定だったらしい。本日はお目当ての富士山が見えずに残念。しかし、もう一つの目的、大石峠のアヤメとヤマツツジはしっかりと撮影し、デジカメのモニターで見せていただいた。あちら側の途中はヤマツツジが見頃のようだ。私は節刀ヶ岳直下のヤマツツジを期待していたのだが、こちらは赤い花が全く見当たらない。良く見てみると咲いているのは白い小さな花、ヤマツツジの木だとばかり思っていたら、これはドウダンツツジだった。

    節刀ヶ岳山頂で、ばったり出会ったのぞむ君とともに記念撮影。


    ヤマツツジだとばかり思っていた山頂直下の木はドウダンツツジだった。これも収穫。秋の紅葉が期待できる。

 桑留尾に下山予定だったのぞむ君をお誘いして一緒に最短ルートを下山することになった。初心者2人連れなのでペース遅くて申し訳ない。情報を交換するが、のぞむ君、ホームページのタイトル「のぞむの富士」まさにそのままの富士山大好き人間、富士山が見える山以外はあまり興味がないらしい。7月は硫黄岳山荘泊りで八ヶ岳に行くらしい。コマクサをはじめとする高山植物が咲く絶好の季節、横岳から見る赤岳に並ぶ富士も最高だ。大いに楽しんできて欲しい。私の大好きな南アルプスも勧めておいた。スローペースながら順調に下山し、1時半ごろ車を停めてある林道に到着した。のぞむ君はどこかの温泉に寄ってから中央線で自宅に帰るとのことだったので、女性2人を病院駐車場まで送り届け、ついでに病院内の私の写真が展示してある廊下ギャラリーを(無理矢理)案内した。その後2人で信玄の隠れ湯、積翠寺温泉古湯坊を案内し、一緒にお湯につかってきた。古湯坊は我が家から車で10分ほどのところにあり、義母の法事で2度使っているがお風呂に入ったことはなかった。甲府盆地を見渡すまでは行かないが、眺望の良い展望風呂はなかなか良かった。4時過ぎ、のぞむ君を甲府駅までお送りしたが、最近毛無山から雨ヶ岳縦走などロングコース歩きを楽しんでいるのぞむ君、本日は明らかに消化不良になってしまったのではないだろうか。しかし、本日目的地変更したおかげでのぞむ君にお会いできたことは大収穫だった。秋になったら黒富士、黒平ルート一緒に歩きましょう。眺望抜群の秘密の場所、撥岩も案内します。
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節刀ヶ岳、最短登山道を探る  平成20年5月6日

2008年05月09日 | 御坂・毛無・天子山系
  平成20年5月6日 天候晴れ

 御坂山塊深部に位置する節刀ヶ岳は、芦川や河口湖大石から大石峠を経て登るコースや、十二ヶ岳、あるいは鬼ヶ岳を経て登るコースなど、多数のルートがあるが、いずれも距離が長く、3~4時間の時間がかかるといいう難点がある。3月に河口湖大石から登った際に、入り口の看板に大石の林道を真直ぐに詰め、そこから十二ヶ岳と節刀ヶ岳のコルに至る道が書かれているのに目がとまった。昭文社の地図には書かれていないルートで、しかも看板の近くにある指道標にはそちら側のルートを示す案内はない。果たして廃道になってしまっているのか、それとも道は無いのか?興味本位もあるが、もう一つの目的は、富士山の北北西に位置する節刀ヶ岳、南の空に昇った天の川とさそり座を撮影するのに良い位置にあり、しかも十二ヶ岳から鬼ヶ岳に続く尾根が町明りを遮断してくれる、夜空の撮影には適した条件にある。テント持ちでの撮影となるだろうから、できるだけ短距離で登りたい。
 さて、大石の林道は新社Rushならば楽勝で登れそうな道だったが、前のマークⅡで林道では何度も痛い目にあっており、ここは大石峠への登山道入り口に駐車して歩くことにした。時間は10時30分、案内板に書かれているコースタイムでは林道歩き1時間半とある。そこから先の節刀ヶ岳への道は文字が剥げ落ちていて読めないが、あまり時間はかからなそうだ。林道をひたすら歩くと、1時間ほど歩いたところに左側に造林小屋らしき壊れかけた小屋があった。そのすぐ上には小川が流れ、水を汲むことができる。普通乗用車でも十分に走れそうな道が続く。随所にタラの木が目に付くが、芽は数日前に摘まれたばかりで、ほとんど残っていない。しかも、丁寧にタラの木にはほとんど全て目印のテープが巻かれていた。

    現在工事中の林道終点。


    テープの張られた登山道。道は明瞭。

歩き始めてちょうど1時間半くらいで林道終点に到着、大きなショベルカーが止まっており、砂防ダム建設工事中のようだった。その先を見ると、きちんとした登山道があった。少し進むと左右に道が分かれているように見え、川の右岸と左岸を進むコースになっているようだが、左側(右岸)の道はすぐに不明瞭になっているようだったので、右に進んで川の左岸を歩く。何の目的か良くわからないビニールテープが張られた林を進むと、しだいに道は川から離れ、傾斜を増してガレた谷の縁を歩くようになる。対岸を見ると、向こう側にも白テープが張られている場所があり、やはり道があるようだ。さらに進むと尾根の急登を歩くようになり、登りきると傾斜が緩くなり、間もなく十二ヶ岳と節刀ヶ岳のコルに到着。分岐点のカラマツには赤ペンキで大きく「大石」と書かれており、地図にはないもののきちんとした登山道らしい。途中の林の下にはハシリドコロやバイケイソウ群落(花はまだ咲いていない)、そして初めて見るウスバサイシンなどがあった。

    花はバイカオウレンだが、葉の形が違う。これはおそらく、ミツバノバイカオウレン。


    ウスバサイシン?


    エイザンスミレ。この山塊のエイザンは葉が少し細め。

 案内板にあった図では山腹をトラバースする道が書かれていたので、それを探して歩いていると、金山への登りの途中で細い道らしきものを発見、これを歩いて行くと、金山山頂を巻いただけで節刀ヶ岳へ行く道に出てしまった。戻って金山山頂を踏み、節刀ヶ岳に向う。順調に歩けば、林道の終点から節刀ヶ岳まで1時間半といったところではないだろうか。かなり早く登れるコースであることは間違いない。

    十二ヶ岳-節刀ヶ岳コルに抜ける。カラマツの木に大きなペンキサインあり。


    金山からの富士


    節刀ヶ岳山頂からの富士山。向いの稜線が町明かりを隠してくれる、星空の撮影には適した場所。


    節刀ヶ岳の富士

 寄り道したり、林の中をさまよったりしたので、山頂到着は1時50分だった。昼食にラーメンを食べてさて、下山。大石峠に向うが、もう一つ歩いてみたいコースがあった。それは、3月、大石から雪の節刀ヶ岳に登った時に歩いた林業軌道の尾根道。上方の一部しか歩いていないので、下まで降りてみたい。大石峠手前のピークを真直ぐに進まず、右に折れて尾根を下る。ところどころ急傾斜で道が無くなる場所もあるが、中腹あたりからは赤くペンキが塗られた棒と石杭マークが誘導してくれる。途中で尾根はやや右向きに進路を変え、急傾斜を真直ぐに降りる。何か所か不明瞭な場所があったものの、良く見ると木にペンキが塗られていたり、テープがついていたりで、間違うことなく進む。やがて、堰堤の上の小川に降り立ち、対岸に赤テープがついているのでそちらに進むと、今度は明らかな作業道となり、間もなく広い(軽トラックが走れそうな)道となり、朝歩いた林道に出た。きちんとした道ではないものの、林道脇道から尾根まで行ける作業道があるのだ。4時50分、無事に車到着。地図にない知らない道を歩くのが最近楽しくてしょうがない。いつ遭難することやら。


    林業作業道を下りる


    今回の行程図
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