山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ツツジの開花はいかに?御坂山塊本社ヶ丸

2011年05月16日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成23年5月4日

 5月連休の後半は恒例の南アルプスに行く予定を立てていた。体調と腕の具合次第では無理せずに近場の山を考えており、山仲間からの誘いもあった。しかし・・・想定外に酷くなった腕の状態、東北遠征の車の運転がかなり堪えた。朝、目を覚まして体を起こした直後から腕のしびれと痛み、12月の悪かった時の状態に戻ったような感じだ。頭を起こして体を真直ぐにした状態で車を運転する姿勢が頚椎を圧迫して症状を悪化させてしまうのだ。5月3日は1日完全休業。翌朝も腕の症状はあるが、若干和らいだ感じだったので、短時間で行けそうな山、かつ、今後の山行の参考になりそうな場所ということで、御坂山塊のツツジの開花状況偵察という意味を含めて本社ヶ丸に行くことにした。

    御坂峠から見る富士山

 この山は5年前のまだ初心者だった頃に御坂峠の天下茶屋から行こうとしたが、何故か着いた山は御坂山。その時はまだ道を間違っているのに気付かずその先まで行って眼下に河口湖が見えたところで初めて方向を間違っていることに気付いた。普通はトンネルの横から入る遊歩道のような道を行くのだが、その時は天下茶屋の右脇に何やら妙な道がついていて、そこを登って行った。どこでどう間違えたのか確認すべく、天下茶屋脇の道を再び登る。

    御坂天下茶屋の脇から登る木の階段道

 取り付き口は若干わかりにくいが、木の階段がつけられた遊歩道のような道がついている。天下茶屋周辺ではミツバツツジがもうすぐ満開を迎える頃だったが、山の中腹ではまだ蕾だった。この道を使う人はあまりいないようで、踏み跡が少ない。1時間ほど登って行くと、稜線の分岐点に到着した。ここが御坂トンネルの脇から登る道の合流点だ。5年前に歩いた時は、すぐにトンネル脇からの道に合流するだろうという先入観があって、こんなに登ってから合流するとは思ってもいなかったので、ここを左に(御坂山側)に曲がってしまったのだろう。今でこそ、この山塊ならば山の形を見てどの山かだいたいわかるが、初心者だった6年前は御坂山を清八山、その先に見える黒岳を本社ヶ丸と勝手に思い込んでしまったのだ。

    登りついた稜線にはシャクナゲの木があった。花芽もついていた。いったいどんな花が咲くのか?

 間違えた場所はわかった。今度は間違えずに本社ヶ丸に向う。多少のアップダウンあり、林越しに富士山を見ながら、足元の花を探しながら進む。道は明瞭、同じ方向に進む人に10人弱出会った。少し急になった山の上に立つと富士山が良く見え、そこが八丁山だ。(看板は無かったように思う。)ツツジを入れて富士山を撮るのに良さそうなところをイメージしながら歩くがなかなか良い場所は無く、また、まだ稜線のツツジは蕾すらついていなかった。さらに進むと一旦下って送電線の立つ広場に出る。ここで道は分かれていて、右の清八林道に下りる道、左の笹子方面に行く道、そのまま真直ぐ細い道を行くと目指す清八山・本社ヶ丸方面となる。

    エイザンスミレ ピンク花


    白いスミレ。花の名前は調査中。


    八丁峠の送電線 向こうに見えるのは左が黒岳、右の三角錐が釈迦ヶ岳。

 真直ぐ進むと間もなくフェンスに囲われた植林地につきあたり、そこを過ぎると清八林道から来る登山道と合流する。さらに進んで少しだけ岩場になったところを登りつくと清八山だ。富士山の眺めが抜群だ。山頂に立つ松の木がまた格好良い。それほどゆっくり歩いたつもりは無かったのだが、時間は12時、ここまで3時間近くもかかった。その先には本社ヶ丸の山頂が見える。

    清八山の松の間から見る富士山


    向こうが目指す本社ヶ丸


    ツツジはまだ咲かない。

 崖のような岩場を越えて多少のアップダウンを過ぎると、本社ヶ丸山頂に到着する。12時50分、思ったよりも時間がかかった。このあたりもまだツツジは全く咲いていなかった。ゆっくり休んで昼食をとって下山する。

    本社ヶ丸山頂


    山頂から見る、三ツ峠と並ぶ富士山

 清八山の手前で山頂を巻く「この先危険」と書かれた道があり、あえてそこを通過する。人が通らないので足元は深い枯れ葉が積もっていた。途中に崩落地があり、ロープが張られてはいるが以前よりもさらに崩落が進み、ロープ中央部を支えていた木が抜けて倒れてしまっていて、ロープはほとんど役を成していなかった。通行は可能だが、決して勧められる道ではない。

    通行危険な道の崩落地点を振り返る。中央にロープがあるが、あまり使い物にならない。落ち葉が山のように積もっている。


    こちらは清八山付近で見つけた白花のエイザンスミレ。


    天下茶屋に向かう車道の脇にはヒトリシズカがたくさん咲いていた。

 帰りは清八林道を通って天下茶屋に戻ったが、やはり左腕が痛くなり、首を引張ったり左腕を持ちながら歩くことになる。翌日の連休最終日、天気はまずまずだったが、再び全休。車の運転とパソコンのデスクワークは首に良くないようだ。


    今回歩いたルート
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ようやく出会えた幻の花カイコバイモ 思親山

2011年04月19日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成23年4月9日

 2週間前にもこの山を訪れたが、まだ花は咲いていなかった。4月に入ってから急に気温が上がり、あっという間に武田神社界隈の桜が満開になった。きっと今なら咲いている、そんな気がして再び思親山を訪れた。

    カイコバイモ ようやく出会えた。

 あいにくの曇り空だったが、時折青空が見えていた。しかし身延線内船駅の脇から林道に入って登って行くと、途中から深い霧に突入、さらに駐車場のある佐野峠に到着すると、小雨が降っていた。富士山は見えそうも無い。しかし、花は・・・。天候悪く、引き返すことも考えたが、ひとまずは教えてもらった場所まで行ってみると、草むらの中に一株だけぽつりと咲いているその花を見つけた。カイコバイモ・・・ようやく見つけた。もっと保護色で茶色っぽい花かと思っていたが、茶色がかった薄紫色の人差指ほどのその花は意外と目立った。

    並んで咲いていたカイコバイモ



 さて、他のところには無いものか。あたりを目を凝らして探してみると、少し離れた場所に3~4株並んで咲いていた。さらにその周辺にもポツポツと咲いている。地味ながらも上品な出で立ちのその花は、苦労して見つけたこともあるが胸の空く思いがした。

    蕾をつけたカタクリ


    ミスミソウ(だと思う) 雨に濡れ、花は開いていなかった。


    林の中のカタクリ群落

 思親山に登り、山頂周辺の同じような条件の場所を探したが、こちらでは発見することができなかった。2週間前は葉っぱすら出ていなかったカタクリがたくさん葉を出し、つぼみをつけ始めているものもあった。山頂の桜(フジザクラ)はまだ咲いていなかった。

    山頂は霧と小雨。桜はまだ蕾も見えない。


    山頂直下の階段脇に葉を広げるカタクリ


    花咲いた小さなフモトスミレ

 翌週、この花の咲く場所の情報提供をしてくださった久保島さんから電話があった。今年はたくさん咲いているとの情報だ。10年来この場所に通っている久保島さんですら、3~4株見つければ良いほうだというが、今年は私が探しただけでも12株見つけることができた。おそらくはホテイランよりも探すのが難しいであろうこのカイコバイモ、こらからもずっと咲き続けて欲しいと願う。

    薄日射す霧の森


    恥ずかしがり屋のところをごめんなさい。ちょっとだけお顔を拝見。
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まだ見たことの無い花を探して 思親山

2011年04月02日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成23年3月20日

 昨年も花を探してこの山を訪れたが、時期が遅くてもう花は終わっていた。その花の名は・・・カイコバイモ。カタクリが咲く少し前に咲くこの花は、例年ならば3月中旬から4月中旬が花期になる。昨年は4月中旬で見られなかったので、今回は3月中旬に訪れてみた。大震災の後で燃料が不足する中、南部町まで遠征するのは気が引けたのだが、なんとしても一目この幻の花を見てみたかった。しかし・・・
 中部横断自動車道を使って車を飛ばすが、登山口の佐野峠まで片道1時間半近くかかる。内船駅から先の細い林道を対向車が来ないように祈りつつ、11時ごろ佐野峠に到着した。さっそくその花が咲くという場所に行き、目を凝らして土色の保護色をしたその花を探す。3度同じ場所を探したが、とうとう見つからなかった。気温の低い日が続いた今年は開花が遅れているようだ。カタクリの花も、スミレも全く見当たらない。

    霞む富士  佐野峠駐車場から


    林道を進むと、林業作業中の現場に出くわす。

 林道沿いにも同じような場所があると聞いていたので、登山道ではなくて林道を進む。途中で右に分かれる道があり方向からしてそちらが思親山山頂方向であろうが、花を探しながらあえてそのまま林道を進むと、林業作業小屋があり、その先にもずっと道が続いていた。日曜日なのに作業をしており、さすがにその横を通過して先まで行くのは気が引けてしまい、そこで引き返した。
 林道を戻って先ほどの分れ道を行くと、林道突き当たりに道標があり登山道(遊歩道)につながっていた。東海自然歩道から分かれるこの道も整備された良い道だった。山頂まで30分と書かれているが、普通に歩いて20分ほどで山頂に到着した。時刻は12時25分。

    林道終点から登山道(遊歩道)に入る


    思親山山頂。相変わらず富士は霞むが、雨が降らないだけまだ良い。


    山頂で舞っていた越冬型ヒオドシチョウ

 山頂から見る富士山は相変わらず霞んでいる。夕方から雨の予報なのでまだ見えているだけ良いのだろう。山頂の草むらを花を探して見回るが、まだ何も咲いていない。越冬して翅の痛んだヒオドシチョウが不思議そうに傍らに留まっていた。昨年来た時は少し花期を過ぎたカタクリの花がたくさんあったが、今年はまだ葉っぱすら出ていなかった。気温の低い日が続いた今年は花が遅れており、思親山の幻の花はまたしても不発に終わった。

    山頂付近の階段。この周辺にはカタクリの花がたくさん咲く。
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テスト2 斜面とロープ、釈迦ヶ岳

2011年03月14日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成23年3月6日

 体調をチェックする時、久しぶりに山に登る時は決まってこの山に登る。先日積翠寺から甲府駅を往復して普通の荷物ならば担いでも問題なさそうだったので、今度は釈迦ヶ岳に行ってみることにした。登り慣れたこの山だが、西側の急登りを行くと山頂直下にロープ場が2ヶ所あり、少しだけアルペン気分が味わえる。

    林道の向こうに見える釈迦ヶ岳


    中腹から見る富士山

 道端に車を止めて12時半から傾斜のある林道を歩き始める。腕のしびれは相変わらずだが、首を押し上げるとひとまずは軽快する。10~20分おきに首の運動を繰り返し、約50分で順調に稜線分岐にたどり着く。ここからが岩場とロープ場になる。急斜面で真直ぐに上を見上げると覿面に腕がしびれ出すのでなるべく上を見上げないように、見るときは体を斜めにして見上げるとなんとかなる。心配していたロープを握る時の左手の感覚と力加減だが、この程度のロープ場ならば全く問題なかった。

    山頂直下のロープ場  この程度ならば全く問題なし。

 午後2時、山頂到着。日曜日なのに珍しく誰もいない。富士山には笠雲がかかり、夫婦地蔵がこの日はいつも以上に笑顔で出迎えてくれたかのように見えた。低山ならばなんとか登れるくらいまで回復した。合掌して感謝せずにはいられなかった。

    釈迦ヶ岳山頂に立つ碑


    夫婦地蔵と笠富士

 初めて山に登り始めた頃の自分を思い出す。どこの山に登るのも全く初めてで、行くたびにアウトドアショップエルクに立ち寄ってはコースと装備のことを聞いて登った。初めて釈迦ヶ岳に登ったのはヤマツツジの咲く6月の午後だった。いちばん楽そうなコースを選んでどんべい峠から登った。下山し始めた時に雲の中から富士山が姿を現し、また引き返して夢中で写真を撮った。あれからもう6年近くが経つ。その後、何度この山のピークを踏んだことだろうか。そのたびに新たな感動があった。今回の故障のために、ひとつひとつ体をチェックしながら、また初心に帰って新たな気持ちで山に取り組めるような気がする。復活にはほど遠いが、少しでも登れるようになったことがうれしい
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流星流れる星空 釈迦ヶ岳の双子座流星群

2010年12月27日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年12月14日

 週間予報では曇りだった天気予報が変わり、午後から青空となった甲府盆地。この夜は双子座流星群極大となる日だった。しかし生憎の平日、翌日は仕事もあるし、天気は回復したが撮影は半分あきらめていた。ところが・・・翌日予定していた業務が一つ中止となり、午前中で終わってしまうような仕事内容となる。これは・・・山の神様が私を呼んでいるのか?そんな気さえして、夜9時に甲府を出発して、かねてから夜の撮影を狙っていた御坂山塊釈迦ヶ岳に向かう。この山は黒岳から節刀ヶ岳に延びる尾根が河口湖の町灯りをカットしてくれるため、富士山側の星空を撮影するには絶好の場所だ。夜間登山だが、何度も登っているこの山、道を間違えることはまずあり得ない。

    甲府盆地の灯りと南アルプスに沈む月  甲府盆地は南側だけ、アルプスは雲がかかる。


    富士に南中するオリオン座と冬の大三角形  富士の上に流星が流れる。


    構図の解説


    拡大図。この山を選んだもうひとつの理由はこの低空に輝くカノープス。パソコン上の計算では見えるか見えないかぎりぎりの位置だが、見えることが確認された。


    流星流れる富士の空

 すずらん峠の駐車場に10時過ぎ到着、2台ほど駐車場から星空を観察している先客がいた。新道峠はゲートが閉じているのか、林道を歩いている人のヘッドライトも見える。10時半、出発。ほとんど休憩せずに黙々と歩き、11時40分、釈迦ヶ岳山頂に到着した。ちょうど南アルプスに月が沈んで行くところだった。見上げる空は澄み、流星が一つ二つと流れて行くのが見える。さっそく三脚とカメラをセットして撮影に取りかかる。富士山の上にオリオン座と冬の大三角形が南中した頃で、この星が写る構図を決めて、あとはシャッタースピード30~40秒、記録のためのインターバル3秒をおいて、これを繰り返すようにレリーズタイマーをセットして電池が無くなるまでひたすらシャッターを切り続ける。レンズを変え、構図を変えて再び同作業を繰り返し、約4時間ひたすら撮影した。その間、山頂にテントを張り、2~3時間翌日の仕事のことを考えて眠った。

    横位置構図の解説図


    流星2個


    流星2個


    流星1個


    山頂に張ったテントと甲府の灯り

 何度か流星群の時に山上で撮影を試みているが、1時間に10個流れれば良い方で、2~3カット写れば良い方である。昨年の双子座流星群は御座山で一夜を過ごしたが、天候が悪かったこともあるのだが、流星が写ったのは2カットだけだった。しかし今年は別格、360カットほど撮った中に大小合わせて14カット、16個の流星を撮ることができた。撮影しているのは全天空の10分の1ほどの狭い範囲なので、換算してみると1時間あたり30~50個のたくさんの流星が流れたことになる。ここ数年では最高の流星群であったと言えるだろう。

    夜明けの夫婦地蔵と富士


    朝日射す釈迦ヶ岳山頂

 夜明け前にはテント撤収し、朝日が昇るのを見て下山開始。甲府市街で渋滞に巻き込まれてしまい、10分遅刻で職場に到着した。30秒でシャッターを切り続けた画像をビデオ編集ソフトでつなげると、実は動画のように編集することができる。今回初めて試みた手技だが、パソコン上では十分に楽しめる。しかし、先日行った「山と花と星の奏でる音楽会」で上映してみると・・・プロジェクターの解像度が悪く、細い筋のように見える小さな流星はほとんど見えてはくれなかった。もう一工夫必要なのかもしれない。
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雲海と月光の富士 夜の新道峠から黒岳

2010年12月25日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年11月21日

 なかなか澄んだ空が見られない今日この頃。しかもすっきり晴れた日はほとんどが平日、なかなか週末に良い日がやって来ない。この日も日中はどんよりした空で山には行かずに日中を過ごす。夜になって駅前の行きつけの焼き鳥池田で食事後、その近くのバーで夜12時過ぎまで時間を過ごして外に出ると・・・月が見える。ひょっとしてこの状況は・・・三つ峠ライブカメラを携帯で見てみると、富士山が見え始めているではないか。これはきっと、雲海の広がる景色になる・・・と直感し、御坂山塊新道峠に向かって深夜1時から車を走らせる。
 新道峠は週末ということもあって県外ナンバーの車が10台ほど。もう駐車場には入りきれず、路肩に数台止まっていた。夜明けを狙って車の中で待機している人もいた。新道峠はおそらくカメラマンでいっぱいだろう。未明2時半、新道峠に登って行くと、7~8人のカメラマンが三脚を立ててシャッターチャンスを伺っていた。眼下には河口湖を覆う一面の雲海が白い綿のように広がっている。その上に、月光に照らされた白い富士山が浮かんでいる。さらにその上の空には、ちょうどおおいぬ座シリウスが燦々と輝いている。撮影には絶好の条件だ。ただ、新道峠はこれから人がどんどん増えてくるだろうから、十数カット撮影して黒岳を目指して進む。

    河口湖をおおう雲海と月光富士(新道峠から)  左下の赤い光はカメラマンのヘッドライト、右の四角い影はセットされている三脚とカメラ。


    おおいぬ座シリウス輝く月光富士  星を大きく写すため、初めてプロソフトンフィルターを使用。




    15mm diagonal fisheye 画像。オリオン座と冬の大三角形が輝く。

 黒岳山頂の展望台に到着したのは午前4時。新道峠からちょうど1時間で到着した。こちらは予想通り誰もいない。西の空に月が沈みかけており、雲に巻かれて富士山は見えなかった。20分ほど待つと、雲が晴れて月光と雲海の富士山が浮かび上がった。河口湖の灯りが透けて見える低空の雲海は甘い夜の雰囲気をかもし出し、予想以上の素晴らしい情景になった。そしてもう一つ、あの星は見えるのか・・・?この話題は別の機会に書くことにする。

    雲下の河口湖と月光富士


    シリウスと雲海の富士


    夜明けの雲海富士


    日の出


    朝日に輝く雲

 その後は雲が湧いたり切れたりを繰り返し、6時半、日の出となる。その後は雲が多くなり、ここで撮影は終了。山頂でゆっくりと朝食をとって下山する。新道峠は相変わらずカメラマンがたくさんいたが、もう引き上げた人もいるようだ。きっと皆さん良い写真が撮れたのではないだろうか。眠い目をこすりながら、帰宅。今日は来て良かったとつくづく思った。

    朝の黒岳山頂。霜が降りて真っ白。


    新道峠の朝。カメラマンがたくさんいる場所を避けて撮影。


    霞がかかりはじめて彩度が悪い。
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色付き始めた御坂山塊、釈迦ヶ岳

2010年10月19日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年10月3日 天候曇り

 星の輝く夜の空を狙ってはいるものの、なかなか空が晴れてくれない。今年の冬は御坂山塊からカノープスが見えるのかどうか、検証してみたいと思っているのだが、空が晴れないことにはどうしようもない。
 この日も曇り空。どこに登るかも決めていないまま、朝9時頃ひとまず御坂山塊目指して車を走らせる。芦川に行ってみると、新たに河口湖と芦川、さらに精進湖線へとつなぐルートのトンネルが完成しており、ひとまず河口湖の大石まで走ってみた。トンネルを抜けてすぐのところに大石峠から節刀ヶ岳への登山口があるのだが、そこへ行く道はゲートがついていて、ペンション村のほうを回り込まなければ行けないようになっていた。引き返して再び芦川に戻り、釈迦ヶ岳や黒岳の登山口があるすずらん峠の駐車場に行く。どこに行くか迷った時、また、しばらく登っていない時に体調を試すために登る山、それが釈迦ヶ岳だ。3週間ほど山歩きをさぼっており、次の連休に予定している大変な山に向けて、体調を見ておかなければならない。釈迦ヶ岳に行くことに決める。

    スズラン峠駐車場の横に咲いていたトリカブト

 すずらん峠駐車場から1時間半もあれば登れ、しかも眺望の良いこの山は手軽に登れてお気に入りの山だ。入山しようとすると、山の中で何やらごそごそと音がする。鹿か?と思ったらそうではなくてビニール袋を手にした男性だった。キノコ狩りのシーズンが到来しているのだ。状況を聞いてみると、まだ1~2週間ほど早いらしく、このあたりは今日はもう採取された後だと言っていた。

    色付きはじめたツツジの葉と釈迦ヶ岳


    府駒山


    赤い花が咲いていた。トモエシオガマ?とはちょっと違うようだが?

 やや急な斜面を登ると20分ほどで稜線にたどり着き、あとは少々のアップダウンを越えて府駒山にたどり着く。ここから釈迦ヶ岳まで35分と書かれている。明瞭な道はないが、降りられそうな尾根がいくつかあり、いつか降りてやろうとルートを探りつつ、山頂を目指す。

    釈迦ヶ岳山頂直下


    山頂の標柱と紅葉のウツギ


    山頂の夫婦地蔵  夏衣裳のエプロンをつけているが、以前のものとは違い、新しい衣装のようだ。


    山頂のツツジはだいぶ色付いている。向こうに見えるのは御坂山塊最高峰、黒岳。

 ちょうど12時、歩き始めて1時間25分ほどで山頂に到着した。この程度であれば全く疲れも何もない。しかし、次週の山は少なくともこの5倍は登らなければならない。果たして大丈夫なのか?山頂の直下あたりから少しずつ紅葉が始まっていた。山頂にあるヤマツツジ、ドウダンツツジなどの葉はもうだいぶ色付いていた。10月下旬ごろが見頃といったところだろうか。ここは比較的人気の高い山で、生憎の曇り空で富士山は見えなかったのだが、10数人の人たちとすれ違った。これからが盛期だろう。

    林道をどんべい峠を越えてカムイ御坂スキー場方向に行くと、こんなお花畑があった。
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まぼろしの花を探してⅠ 思親山  平成22年4月24日

2010年05月03日 | 御坂・毛無・天子山系
まぼろしの花を探してⅠ 思親山  平成22年4月24日 天候曇り

 春のこの季節、山梨県の中~低山ではすみれをはじめとする様々な花が咲きほこる。今回はかなり珍しい花の情報をいただいたので、早速出かけてみた。2~3週間前には10株ほど咲いていたらしいのだが・・・果たして見つけられるのか?花期はもう過ぎてしまっている。

    佐野峠の山桜満開

 行く先は南部町の思親山。細い林道を佐野峠というところまで行ってしまうと、登山というよりもハイキングといった感じになる山だ。おおよその場所は聞いておいたが、なにせ探している花は落ち葉や地面の色と同じような茶色っぽい保護色をしており、かつ背丈5cmほどしかない小さな花だ。目を凝らして登山道脇を右左と首を振りながら、時として薮の中を歩きながら歩くが・・・見つからない。その他にはたくさんの春の花が咲いている。ニリンソウ、タチツボスミレ、ナガハノスミレサイシン、ヒトリシズカ、そしてもう終焉を迎えているカタクリなど。探している花は・・・未だ出会ったことのないカイコバイモという花だ。この山域に極少数ながら残っているらしい。実は、もう一ヶ所、この花の情報をいただき、先週探しに行ったが空振りに終わっている。(レポートは割愛させていただきます。)

    登山道に入ってすぐのところに咲いていたニリンソウ


    ナガハノスミレサイシン この山にはたくさん咲いていた.


    フモトスミレ これもたくさんある.


    カタクリの花はもう終焉


    山頂で見つけたニオイタチツボスミレ

 首を降り降り山頂まで行ったが、とうとう見つからずじまいだった。休憩後、その先の道を真直ぐに行き、まだ歩いていない南部町側の林道に下りてみることにした。こちらの道も首を降り降り花を探して・・・しかし見つからず、こちら側は杉の林の下を通るやや薄暗い道がほとんどで、カイコバイモが育つような環境ではなかった。あっさりと林道に到着してしまう。このまま林道沿いに戻れば、車の止めてある佐野峠に戻れるのだが・・・花は無し、しかも歩き足りない。う~ん、つまらん・・・と思いつつ林道を歩いていると、切り開かれた植樹帯の横を登って行く細い道が目に留まる。もちろん登山道ではなくて林業作業道なのだが、途中で道が無くなったとしてもそのまま上に向って登って行けば、必ず尾根の道にたどり着ける。よし、登り返そう、ということでこの作業道を登ることにした。

    思親山山頂の山桜.富士山は見えなかった.


    この道標を内船駅方面へ下りる.


    林道を進んで行くと・・・こんなところに道が.

 予想したよりも良い道が延びており、日当たりの良い斜面にはスミレがたくさん咲いていた。ほとんどがナガハノスミレサイシンとアケボノスミレ、しかし、ここのアケボノスミレは驚くほど大きな株のものばかりだ。いつも見るのはⅠ~2本が地面からちょんと頭を持ち上げているものばかりだが、ここのものは5~7本の花が固まって咲いている。しかもたくさんある。探している花は・・・やはり無い。

    林業作業道が上に向かって伸びる.


    南部町を一望.真っ直ぐな道なのでグングン高度を稼げる.


    アケボノスミレ. ここの株は大きなものばかり,しかもたくさんある.


    軽くひと雨降ったおかげで,カタクリが復活して花開いていた.

 稜線の道に着いたところで情報を提供していただいたKさんに電話してみる。おそらくは見つからずにうろつくことを想定して電話番号を伺っておいたのだ。しかし・・・つながらない。あきらめて、再び山頂を越えて佐野峠に下山して行く途中でKさんから電話がかかってきた。事情を話すと、詳細な位置を教えてくれ、そちらに向って再三探してみたが、やはり花はなかった。時期が遅かったのだ。やはり3月中旬ごろが盛期ということになるのだろう。この稀少な花は来年に持ち越しになる。

    これは同種のミノコバイモ.(小野さん提供)

 折角なので、同じ山岳会の小野さんからいただいたカイコバイモと同種のミノコバイモの画像を掲載しておく。これは紀伊半島の某山で偶然見つけたものだそうだ。目撃情報あったら、(こっそりと)是非ご提供いただきたい。

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樹氷と雲海、しかし・・・ダイヤならず。毛無山  平成22年2月19-20日

2010年02月24日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年2月19-20日

 2年前の厳冬に訪れた毛無山のダイヤモンド富士。この時はカメラのレンズが結露して薄氷の膜が張り、とんだダイヤになってしまった。あの時のリベンジに行きたいとずっと思っていた。雲海上のダイヤモンド富士、そして白い雪原を照らす朝日、そんなイメージで撮影できたら最高だろう。
 数日間雨や雪の続いた甲府盆地、御坂の山塊は白く雪化粧している。天候が回復した19日は金曜日、平日だ。午後から空いているので登れないことはないのだが、相手は手強い毛無山、4度登って2度足が攣り、下山の翌日は筋肉痛になる。テント持ちだと4時間は優にかかるだろう。おそらく山頂に到着するのは夜になってしまう。しかし、天気が良くなると樹氷はわずか1~2日で落ちてしまう。おそらくこの日を逃すと、20日に登ったのではもう遅いだろう。葛藤が頭の中を巡る中、意を決して登ることにした。行かないと、きっと後悔することになるであろうから。
 麓の駐車場に到着したのは午後2時少し前だった。とりあえず荷物は車に積んであるものの、ザックにはまだ詰めていなかったので準備し、忘れ物がないかどうか念入りにチェックする。出発は2時20分、5cmほどの雪が積もっており、駐車場から軽アイゼン装着して歩き始める。1時間ほどで不動の滝滝見台に到着、いつものようにここで休憩しながら滝の写真を撮る。凍りついてはいなかったが、周囲の木に雪がついた白い不動の滝だった。

    1合目あたりで出会ったニホンカモシカ.得意の尻をこちらに向けて振り返ったスタイルでじっと私を見つめていた.


    白い不動の滝  この景色は1日で終わってしまった.

 さらに5合目下のヘリポート4時10分、8合目でヘッドライト点灯し、9合目下の富士山展望台に6時10分到着した。もう真っ暗だが、夕暮れ前まで雲の巻いていた富士山は晴れ、全容を見せるようになっていた。三脚を立て、長時間露出で2カット撮影したため、ここで30分ほど時間を費やす。そして山頂(三角点)に到着したのは7時20分だった。

    9合目下の富士山展望台から見る富士山.雲が晴れて全容が見えるようになってきた.


    樹氷の森と西に傾く月  毛無山三角点に到着した頃の情景.

 細い5夜の月が西に傾き、オリオン座がもうすぐ南中するところだった。狙った通りの樹氷が発育していた。テントを張る前にカメラと三脚をセットして、月明かりが使えるうちに木と星の写真を撮る。8時過ぎ、テント設営して早々に食事を済ませて再度外に出て写真を撮る。空には一面の星、西に傾く冬の大三角形を冬の天の川が貫いてゆくのが見える。樹氷、星空、そして大きな富士山、こんな情景はめったに見られるものではない。
眠るのが惜しい気がしたのだが、寝ないと明日の下山がまた大変になる。10時半に睡眠薬を1錠飲んだが、あまりにも凄い星空だったので、眠気そっちのけで12時過ぎまで撮影に熱中した。そしてテントに戻ってシュラフに潜り込んだ途端に眠りについてしまった。

    樹氷の森にささやく星たち  いちばん明るいのは火星.赤く輝く星だが,赤系統に弱いデジカメでは色が消えてしまう.


    樹氷の森に輝くオリオン座と冬の大三角形  三角形の中を天の川が貫く.凄い星空だった.


    富士の上に昇る春の大三角形  冬の大三角形に比べて春の大三角形は地味.


    ツリーを彩るふたご座と火星  クリスマスツリーを飾る星をイメージして撮った作品.

 目が覚めたのは3時半。テントの換気口から外を見ると、先ほどまで見ていた星空は何だったのか?空一面に雲が広がり、星一つ見えなくなってしまっている。果たして朝のダイヤモンド富士はどうなってしまうのだろう。そろそろさそり座が昇ってくる時間だが、この空ではだめなのでもう一寝入りする。次に目が覚めたのは4時50分、4時20分に目覚まし時計をかけておいたはずなのに、どうやら凍りついて鳴らなかったようだ。テントの外に出ると相変わらずの雲の巻く空だったが、時折頭上に星が見える。どうやら薄い雲のようだ。ひょっとしたら晴れてくるかもしれない。そんな期待を抱きつつ、テントに入って朝食を作って食べる。

    樹氷と雲海上の富士山  この位置でダイヤモンド富士を狙ったが・・・


    樹氷と富士  林の中で良い場所を探し,フラッシュ同調で撮影.


    樹氷と雲海上の富士Ⅱ  別の場所から撮影

 6時、あたりが明るくなった頃に外に出ると、素晴らしい景色が広がっていた。雲が飛び、雲海上に富士山が浮かんでいる。風が無かったおかげで樹氷も残っている。ダイヤモンドまであと1時間、雲海、樹氷、ダイヤモンド富士と3拍子揃った凄い写真が撮れる!とこの時は期待に胸が膨らんだ。その前にこの情景を生かせる良い場所を探しつつ、あちらこちらで写真を撮り、ダイヤモンド富士15分前に予定した場所に戻ってその時を待つ。しかし・・・こともあろうか、あと15分というところで富士山は雲に巻かれて姿を消してしまった。じっと待つ。7時、7時5分、10分、15分・・・もうダイヤの時間はとうに過ぎてしまった。残念ながらダイヤモンド富士は不発に終わってしまった。

    雲が湧き,わずかに富士山山頂が光っているところを撮影できたのみ.ダイヤモンド富士は不発に終わる.


    富士山が出たのは8時過ぎ,日はもう高く昇っている.


    雪の華咲く毛無山

 次に富士山が姿を現したのは8時過ぎだった。三つ峠のライブカメラで見ると富士山が見えていたところをみると、どうやらこの雲は毛無山に巻いた雲らしい。なかなか狙った情景は見せてくれないものだ。しかし、素晴らしい樹氷の情景、そして雲海上の富士山、ありあまる素晴らしい情景を見せてもらった。もう1日泊まって明朝ダイヤモンド富士を再び狙うこともできたのだが、十分に満足した。明日にはもうこの樹氷の風景は見られなくなってしまっているだろう。ちょっと無理して登ってきて正解だったのだ。

    毛無山の樹氷の森


    ダケカンバの樹氷


    毛無山のアルプス展望台から見る南アルプスの眺望

 「また来年楽しみにおいでよ。」山がそう言っている気がする。樹氷の情景を存分に楽しみ、10時、下山開始。2年前のダイヤ撮影の時にお会いし、おそらく今回もお会いできるだろうと期待していたミスター毛無山さん、下山途中の8合目あたりでお会いすることができた。今回で1650回目の毛無山登頂だそうだ。(桁を間違えているわけではありません。)この山塊を知り尽くしているこの方に会うのは、この山に登る時のもうひとつの楽しみでもあり、また新たな情報もいただいた。1時20分、駐車場に無事到着。急登の毛無山、今回もまた若干膝が痛む。ミスター毛無山さんはもう既に下山し、着替えて帰りの支度をしていた。
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夕暮れの釈迦ヶ岳 平成22年2月4日

2010年02月08日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年2月4日

 前日の新道峠に続き、芦川から釈迦ヶ岳を訪れた。前日のすずらん峠駐車場からのルートの方が安全、かつ楽なのだが、本日は手前側の西側急峻なルートを登る。
 歩き始めたのは午後3時、山頂まで約1時間半なので、下山は夜になる。それは最初から計算済み、むしろ可能ならば山頂で日没を迎え、オリオン座と冬の大三角形が富士山の上に南中する夜9時まで粘ってから下山したい。以前からずっと狙っている富士山の上に南中する冬の大三角形だが、なかなか機会に恵まれずに撮影できずにいる風景だ。

    最初は林道を歩く。林道から見上げる釈迦ヶ岳。


    1時間ほどで稜線のコルに到着。向こうに見えるのは大栃山。


    心配していたロープ場だが、雪は大部分溶けていた。一部凍りついていた。


    頂上直下、もうすぐ日が暮れる。


    冬になると葉の落ちた木々の幹や枝がおもしろい。向こうの南アルプスや八ヶ岳は霞に消える。

 数名登ったトレースがあり、それに従って登る。夜の下山時にトレースを見失わないように、不明瞭な部分は雪の上を何度も踏みつけてトレースを明瞭にしながら登って行く。心配していたロープ場は、雪は大部分溶けているものの一部凍りついている。いつもならロープに頼らずに登るのだが、この日はロープにぶら下がるようにして越える。日没前の4時40分、山頂に到着した。

    日没の釈迦ヶ岳山頂


    残念ながら富士山は雲の中。あきらめて下山の準備をしていると・・・


    雲の上に夕陽を浴びた富士山が顔を出し始める。


    釈迦ヶ岳の夕暮れ  

 甲府を出たときはくっきりと見えていた富士山だったが、この時間にはすっぽりと雲におおわれてしまっていた。これでは夜まで待つ意味もない。気温-7度、結構寒い。5時過ぎ、三脚をたたんで帰りの準備をしていると・・・見えだした。夕陽の射す富士山が山頂の部分だけ雲の上に顔を出している。また三脚を取り出して撮影していると、しだいに裾まで姿をを現すようになってきた。望んでいたがなかなか見られなかった風景が目の前に広がる。

    山頂西側から見る夕暮れの甲府盆地。うっとり見とれてしまい、下山が遅くなってしまう。


    登りながら見た木は夜になるとまた違う雰囲気になる。

 このまま夜まで待つこともできなくはなかったが、さすがに凍りついたロープ場を真っ暗の中を下りるのは辛い。甲府盆地に明かりが灯るギリギリの時間まで辛抱し、まだ薄明かりであたりが見えるうちに下山を開始。途中から見る甲府盆地の夜景が美しく、結局ロープ場を越えるのは真っ暗な時間になってしまったが、なんとか無難に越えることができた。林の中から空に輝くオリオン座と冬の大三角形、そして今ひときわ赤く明るく輝く火星を頭上に眺めながら、ヘッドライト点灯してすっかり暗くなった7時、下山した。
 テントを張るような山ではないのだが、この山の山頂からほぼ真南に位置する富士山と冬の大三角形、そしてひょっとしたら一瞬だけ見えるかも知れないカノープスを見てみたいと思っている。さそり座もこれから良い季節になる。いつになるか、しかしいつか・・・一夜を過ごしてみたい。
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新雪の新道峠へ 平成22年2月3日

2010年02月08日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年2月3日

 前日の雪はもうだいぶ溶け、積翠寺の樹氷は1日にして終わってしまった。三つ峠ライブカメラでも、樹氷ではなくて木の上に雪が乗っかっているような風景になってしまっている。美しい樹氷の風景を楽しめたのは1日だけだった。おそらく、カメラマンのメッカ、新道峠を訪れた人もたくさんいたのでは?1日遅いが、午後時間が空いたので芦川から新道峠を歩いてみた。
 芦川からすずらん峠に向かう道に入ったあたりから雪が積もっており、30cmほどの積雪の道が続く。車は何台も入っているようで、轍の跡がしっかりとついておりそれに従って走り、すずらん峠下の大きな駐車場に車を止めた。すれ違った車は1台のみ、駐車場に止めてある車もない。この季節は新道峠へ向かう林道のゲートは閉じており、この駐車場からゲートまで歩いて15分ほど、さらに林道を1時間ほど歩いてようやく林道終点だ。ゲートの先まで車の轍が続いていたが、駐車してある車は1台もいなかった。出会った人はゲートの手前で一人だけ、やはり大きな三脚を担いでいる人だった。ゲートを越えて林道を歩いて行くが、以外にも踏み跡が少なく、2~3人歩いたかどうかといった程度だった。黒岳登山道の分岐点に差しかかると、黒岳方面への足跡は全くなし。足跡をたどって新道峠に行くのは楽だが、さて、どうするか?折角のトレースのない新雪を踏むには絶好の機会ではないか?迷って一旦はトレースを踏んで新道峠に進んだが、思い返して引き返し、トレースのない黒岳への登山道を進む。

    黒岳分岐点  黒岳方面へのトレースはない。


    30cmほどの雪。くるぶしから膝下くらい。


    若干崩落している沢筋をまわり込む場所。下には石がゴロゴロしているはずなので注意して通過するが、全く問題なし。

 ふかふかの新雪、時折ズルッと滑るが、膝下の踏むとギュッと鳴る雪で快適だ。途中でトレースがあり、それに従って進んで行ったが、途中で林の急斜面にそのトレースは消えていった。良く見れば、蹄の跡・・・大きな鹿が何頭か歩いた跡だった。どうりで、登山道から少し外れたトレースの訳だ。登山道に戻って進み、いちばん警戒していた沢を回り込む場所をスリップしないように気をつけて通過し、約1時間で尾根道に抜け出た。

    破風山 富士山方面は全く見えず。


    反対側は青空が見えている。


    つららの垂れ下がる木


    クリスマスツリーに飾りをつけたようだ。

 こちらはしっかりしたトレースがあるが、黒岳への足跡は一人分だけ、あまり歩いていないようだ。時間は3時半で、雲が沸いて富士山は全く見えない状況だったので、黒岳はあきらめて新道峠に向かう。積雪は30cmほど、トレースをたどって快適に歩ける。破風山周辺のモミの木は雪が溶けてつららがぶら下がっており、クリスマスツリーに飾りをつけたようだった。富士山が見えれば良い風景だったのだろうが、全く姿を現しそうもない。

    新道峠の有名な木。なかなか樹氷の風景になってくれない。


    夕陽射す釈迦ヶ岳


    空から降るように時折雲が巻きつく。


    芦川の夕暮れ


   夕焼け雲流れる

 新道峠の有名な木はもう雪が溶けて落ちてしまっていた。この木に雪や霧氷がまとわりつき、その向こうに富士山が立つ風景を狙っている人はたくさんいることだろう。なかなかそういう情景を見せてはくれない。たくさんついていたトレースは、以外にも芦川方面からのトレースではなく、大石側からのトレースだった。林道に下り立つと、その先のトレースはほんの数人だけ。稜線を歩くよりもこの林道のほうがむしろ歩きにくい。ちょうど夕暮れの光が射し込んでいた釈迦ヶ岳は、夕陽を浴びて金色に輝き、わずか1600mほどの低山とは思えない美しい姿で空に向かって立っていた。やがて空が赤く焼け、夕暮れとなる。空にはおおいぬ座のシリウスが輝き出す。暗くなった林道を急ぐこともなく、そしてヘッドライトを点けることもなく、存分に楽しみながら歩き、駐車場に到着。午後6時。
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晴天の富士展望、本社ヶ丸  平成22年1月9日

2010年01月21日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年1月9日 天候晴れ

 薄雪の降った翌日、三つ峠の向うにある本社ヶ丸を訪れてみた。この山は山梨百名山の一つで、三つ峠に並ぶ富士山と、裏側には大菩薩山系、秩父山系、八ヶ岳、南アルプスがずらりと見える眺望の良い山である。大月市の秀麗富岳十二景にも選ばれている。4年ほど前に山梨百名山制覇のために登って以来、また登ってみたいと思いつつも機会がなかった。御坂の三つ峠登山口から2時間ほどで行ける手軽な山である。
 前日甲府は若干雨が降った程度だったが、山の上は雪だったようだ。御坂トンネルの手前から道路には薄雪が積もり、トンネルを抜けて左折して御坂茶屋に向う道は上部に行くほど雪が多くなり、5cmほど積もっている場所もあった。三つ峠登山口のゲートは開いており、駐車場まで行こうと思ったのだが、凍りついたように固い路面の場所があり、まだノーマルタイヤの自分の車ではカーブを曲がるに不安があったので、中腹あたりの道路脇の広場に車を止めた。

    三つ峠登山口へ行く途中の道路脇広場に車を止める.(ちなみに,まだノーマルタイヤ)


    清八林道終点から見る富士山  残念ながら樹氷にはなっていなかった.

 薄雪の積もる路面は結構滑りやすく、転倒に注意しながら登山口に向う。三つ峠は駐車場から右に登るが、本社ヶ丸はゲートを越えて清八林道を真直ぐ進む。雪はところどころあったりなかったりで、ゲートから歩き始めて40分ほどで林道の終点に到着した。樹氷を期待していたのだがそれほどの雪はなかった。

    清八山付近の松の木と富士山


    御坂山塊越しの南アルプス  いちばん左が黒岳,その隣の三角錐は釈迦ヶ岳.

 ここから先は登山道らしい山道になり、清八山を越えて本社ヶ丸に進む。稜線上は若干の雪が積もるが、アイゼンを装着するほどではなかった。3~4人の下山してくる人たちとすれ違った。清八山の先にちょっとした岩場があるが、初めてこの山に登った時、まだ初心者だったので、凄い崖のように見えたが、再度向き合ってみるとちょっとした岩場にしか過ぎないように見える。技術が上がったこともあるが、恐さを感じなくなったのは若干問題なのかと自問して進む。

    清八山の先の岩場.薄雪積もるが,登るのは容易だった.


    本社ヶ丸山頂と富士山


    三つ峠と並ぶ富士山

 10時50分、山頂到着、予定通りゲートから2時間弱で到着だ。三つ峠の右に富士山が並んで聳える絶景だ。右手には白雪を纏った南アルプス連山がずらりと浮かんで見える。惜しいことに、この日はPLフィルターを自宅に置いてきてしまったため、折角の富士山や南アルプスが白飛びしてしまう。
 20分ほど山頂で過ごし下山するが、清八山とのコルのところに道標があり、「この先危険」と書かれた矢印看板がある。一応道はあるので、どうなっているのか興味深々だ。ちょっとだけ覗いてみよう、と進んでゆくと、途中で道が崩落し、そこには補助ロープが張られていた、ロープがあるので通過は可能だが足場は悪い。かつ、この補助ロープも固定が悪くてゆらゆら揺れる。慎重に通過して進むと、清八山のピークを巻いて林道終点に向う登山道の途中に出ることができた。おそらくは清八山を越えても10分か15分くらいしか違わないであろうから、危険を侵して通る道ではないだろう。

    「危険」の先の道は崩落し,補助ロープがつけられていた.

 12時、車のところに到着。年末年始は簡単に登れる楽な山ばかりだったので、そろそろ星空を見に行きたいと思う。
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新春の日の出、蛾ヶ岳  平成22年1月1日

2010年01月19日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成22年1月1日 天候晴れ

 今年の正月は、当初は千葉の実家か、小湊の叔父の家で海釣りでもしてのんびり過ごす予定だったのだが、都合で行けなくなり自宅で寝正月になるかと思っていたのだが・・・。
年末、あの方から電話があった。「初日の出はどこに行きますか?」「全く予定なし」「じゃあ蛾ヶ岳あたりはどうですか?」「3年くらい前に行ったな~・・・。」そういえば、12月初めに甲府市の広報誌「かわせみ」編集部の方から電話があり、初日の出の良い場所はないかと聞かれたので蛾ヶ岳を写真付きで紹介したところ、新聞記事に取り上げていただいた。ちょっと年始の様子が気になる山でもあったので、行ってみることにした。
 前日は未明から竜ヶ岳のダイヤモンド富士を見に行って寝不足、この夜は大晦日ということで、家族で紅白歌合戦をウトウトしながら見たりしてまたしても寝不足。眠い目をこすりながら3時に起床し準備して出発するが、準備に手こずって出発が遅れてしまう。高速を使って増穂まで行くと10分くらい早く到着できるので、高速を使うが、増穂のインター出口あたりで異変に気付く。いつも車の助手席にあるはずのカメラが・・・無い!そういえば昨日竜ヶ岳から下山後、病院に背負ってゆくリュックに入れ換えてそのままになっており、自宅に置いてきてしまったのだ。今から取りに帰ると、日の出には間に合わない。アサヨ峰の時といい、最近気合が入ってない。まあいいか、たまには(といっても登山歴4年半でカメラ持たずに山に登ったのは茅ヶ岳のセメント荷揚げ以来2度目)カメラ持たずに山に行くのも。
 駐車場に到着すると、下側の駐車場に車が2~3台、そこにはあの方はおらず、上の駐車場に行くと愛車タントの横でバーナーを焚いてお湯を沸かしているところだった。冷えた朝だったが、風が無かったので思ったよりも暖かい。お湯が沸いたところで、5時ごろだったか、出発。他に登って行く人は全く見かけず、新聞の効果は全く無かったようだ。山頂は-10℃前後を想定していたのであの方は思い切り衣服を着込んでおり、あっという間に汗だくになってしまった。途中で休みながら2枚3枚とウェアを脱いでゆく。それにしても、カメラと三脚と換えレンズを持たないと、ザックはこんなに軽いものなのだろうか。物足りなさを感じてしまう。

    南アルプスに沈んでゆく十五夜の月  雲におおわれて北岳山塊は見えない。


    日の出前の空が明るんだ頃の富士山


    南アルプスに朝日が差し込む


    富士の裾野から昇る初日の出


    こちらは一眼レフカメラの画像。こっちのほうが断然きれいで味がある。

 6時半、山頂到着。ちょうど月が南アルプスに沈んで行くところだったが、この日の部分月食はもう終わっていた。山頂にいた人は3人ほどだったが、一人は月を撮影に来た人らしく、日の出前に下山していった。南アルプスには雲がかかって山頂が見えず、おそらくは満足行く写真にはならなかったことだろう。空が紫色からやがて赤く染まり、7時、日の出が始まる。あの方は三脚を立てて愛用の一眼レフであちらこちらを撮影している。

    三脚を立てて撮影に熱中している「あの方」


    正体は「のぞむの富士」の望君でした。

 コンパクトデジカメも持っていたので、そちらを貸してもらい、私も撮らせてもらった。撮影を頼まれた時意外はほとんど持ったことのないコンパクトデジカメ、確かに楽に写せるし、それなりに写るのだが・・・これはカメラというよりもほとんどおもちゃに近い感じがする。あの方が激写している後ろ姿もこっそりと撮影。あの方とは・・・そう、あの富士山大好きな「のぞむの富士」の望君だ。秋に茅ヶ岳観音峠側ルートを登ろうと約束していたのだが、とうとう果たせずに終わってしまっていた。

    裏側には影蛾ヶ岳(右の黒い影)と影富士(左の形が崩れている影)が見える。


    この日山頂に集まった人は十数人ほど。新聞を見て来たらしい人は残念ながらいなかった。

 山頂の気温は私の(あてにならない)温度計で見ると-7℃だった。じっとしていると寒く、足先が冷える。すっかり日が昇った7時半、撤収して下山する。帰りは望君とカズ君が以前蛾ヶ岳から三方分山まで大縦走した時に宿泊した水明荘に立ち寄り、お茶をご馳走になった。そして、寒い時の食べ物はこれに限る!(詳細は「のぞむの富士」をご覧ください。)望君のおかげで、年始を無駄なく、退屈することなく過ごすことができた。
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2009年最後の日の出、竜ヶ岳  平成21年12月31日

2010年01月14日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成21年12月31日 天候晴れ

 竜ヶ岳は正月のダイヤモンド富士が有名で、普通ならば年始に登るのだろうが、大混雑必至なので、1日早くこの年最後の日の出を見に行った。

    月が沈んだ直後の本栖湖越の南アルプス.山のように見えていたのは雲だった.月が昇っていたのだが,三脚を立てる場所を探しているうちに沈んでしまった.

 本栖湖畔の駐車場を5時に出発、同じようにダイヤモンド富士を見に登って行く人が数人いた。45分ほどで本栖湖越しに南アルプスが見える休憩所に到着。ちょうど月が沈んでゆくところだったが、写真で見ると山は見えておらず、シルエットで見えているのは雲だった。

    山頂への登り斜面で三脚を構える.竜ヶ岳らしく,笹原と木を入れた構図にしたのだが・・・


    露出を切り詰めて暗くしないとダイヤにならない.そうすると,木と笹原が真っ暗になってしまう.

 竜ヶ岳山頂でのダイヤモンド富士は7時半過ぎ(日の出から約1時間遅れて富士山頂に太陽が来る)なので、楽勝で間に合う時間だが、今回は山頂ではなく太陽がちょうど富士山の真ん中あたりに来る山頂への急斜面の途中から狙うことにした。できれば竜ヶ岳らしく、笹原と木の枝を入れて撮りたい。振り返って場所を確認しながら、2~3ヶ所良さそうな場所を見つけて三脚を構える。ちょうど私の横に山歴20年を越えるベテランの登山家、富士市でラーメン元気を経営されている野崎さんという方がいて、山や写真談義をしながら日の出を待つ。野崎さんは休みの日はほぼ毎週のようにどこかの山に登っておられ、今年の休みで登らなかった日は2~3回しかなかったという山が大好きな方だ。日本百名山も北海道と九州の屋久島を除いてほぼ登っている。

    御坂の山塊に日が射し始める.


    今年最後の竜ヶ岳ダイヤモンド富士


    竜ヶ岳ダイヤモンド富士  フレアの発生を防ぐために太陽をど真ん中に持ってくる.これをトリーミングすれば作品になる.


    斜めのこういう構図のほうが落ち着くが,フレアが出るのは止むを得ず.

 話をしながら待つこと1時間、7時47分、ようやく富士山頂に太陽が昇り、ダイヤモンド富士の時間となった。4年前に初めてこの山の山頂でダイヤモンド富士を見た時は本当に感動したが、その後富士見山、雨ヶ岳、毛無山をはじめとして何度もダイヤモンド富士を見てきたためか、あまり感動しなくなってしまった。また、この日は雪が無く、気温も高めでやや霞のかかる空気だったため、キラキラに輝く厳冬のダイヤとはならなかったこともある。撮ったには撮ったが、抱いていたイメージとはだいぶ違う写真になってしまった。今まででいちばん良かったのは雪を踏み、凍える一夜を過ごして見た2月の毛無山からのダイヤではないだろうか。雪原を照らして昇る朝日は本当に綺麗だった。しかし、レンズが結露して氷の膜が張り、写真としての出来はいまいちだった。日程と天候が合えば、今年こそリベンジに行きたいと思っている。その時は野崎さんもご一緒してくれるというので、頼もしい人と知り合いになれた。ちなみに毛無山標柱点(山梨百名山と環境省の標柱が立つピーク)あたりでダイヤモンド富士になるのは2月20日ごろである。たっぷりの雪と雲海上のダイヤモンドになれば最高なのだが、なかなかそういう情景にはめぐり会えない。

    竜ヶ岳山頂.薄雪が積もり,少しだけ樹氷ができていた.今年は雪が少ない.


    山頂からの富士山.すっきりと見えているわけではなく,少し霞がかかっている.そのためダイヤの輝きがいまひとつとなってしまっている.

 野崎さんと山頂を踏み、裏側の本栖湖湖畔に直下りするルートを通って下山した。来年はどんな景色を見ることができるのか、楽しみである。
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シルバーウィーク足慣らし 大栃山と神座山  平成21年9月19日

2009年09月28日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成21年9月19日 天候曇り

 先日の経ヶ岳を歩いた際に2年間履いていた靴が故障し、靴底の張り替えと併せて見積もりを取ってもらった結果、新しく購入するのに近いくらいの料金がかかってしまうことがわかった。もう一足の靴も靴底がすり減っていて危ない山に入れるような状態ではない。新規購入には財布の中が寂しい・・・。残っている靴がもう一足、息子が3年前に買った靴が数回しか履かずに放置されている。サイズは合うのだが、横幅がややきつく感じるのと、靴底の踏み心地が悪い。そこで、靴底を故障した靴のものと交換して踏みならしに出かけた。

    登り口の檜峰神社。現在工事中。

 御坂山塊のどこかを考えていたが、最終的に行き先を決めたのは車に乗ってからだ。本日は天気予報で秋晴れのはずだったのだが、空はどんより曇り空で、富士山はあまり期待できない。展望よりもまだ歩いていないコースを歩きたいと思い、檜峰神社の上、鳶巣(トビス)峠から神座山を経てその先の釈迦ヶ岳に行く途中から檜峰神社に下りるコースを、途中大栃山に立ち寄って歩いてみることにした。

    鳶巣(トビス)峠。右に行けば大栃山、左に行けば神座山。


    大栃山山頂。木々が伸び、葉の生い茂るこの季節は眺望が悪い。

 檜峰神社に車を止めてトビス峠まで神社の横を通って20分ほどで到着する。トビス峠は十字路になっていて、右に行けば大栃山、左に行けば神座山だ。看板にはどちらの山も1時間10分と書かれているが、実際にはそれほどかからず、ゆっくり歩いて1時間とかからずに到着できる。3年ぶりの大栃山山頂はずいぶんと木が伸びて眺望が無くなっていた。山頂のすぐ手前から富士山の写真を撮った記憶があるのだが、今は木々におおわれて山頂をわずかに望むことしかできなくなっていた。

    神座山への広葉樹林帯の登り


    神座山山頂

 小休止してトビス峠を経て反対側の神座山に登る。富士山の展望はこちらの山のほうが優れているが、それよりも端正な三角錐を描く釈迦ヶ岳の姿が目を引く。紅葉が始まってはいるが、まだほんのわずかだ。

    神座山から見る釈迦ヶ岳の三角錐。右奥は御坂山塊最高峰、黒岳。


    神座山から見る富士山


    神座山に生えていたヤハズハハコ

昼食をとって大休憩し、釈迦ヶ岳側に進む。小コブを2~3個越えたあたりで今年5月に釈迦ヶ岳を周遊した時の下山道に着き、その道を檜峰神社に下りた。心配していた靴の履き心地だが、登りでは全く問題なし、しかし下りの時に指先に体重がかかってしまうようで、指先と足先の甲が若干痛くなる。しかしなんとか使えそうだ。明日からいよいよテント2泊で、登山道無き未体験ゾーンを歩く。本日は準備体操だ。
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