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「葛城一言主神社」(かつらぎひとことぬしじんじゃ)

2012年11月05日 07時40分18秒 | 古都逍遥「奈良篇」
 大和葛城山の東南麓に鎮座する祭神の一言主神は、「悪事(まがごと)も一言、善事(よごと)も一言、言い離(はな)つ神」であるという託宣の神ということから、願い事を一言のみ叶えてくれると信仰を集めて「いちごん(じ)さん」と呼ばれ親しまれている。

 大泊瀬幼武尊((おおはつせわかたけるのみこと)雄略天皇)を合祀しており、名神大社に列せられているという。
 この事は古事記に次のように記されている。
 『雄略天皇が、当時の政治の中心地であった河内国と大和国の境にある葛城山中で狩を行った時、自分たちとそっくりの一行に出くわす。この時、驚いた天皇がその一行の素性を問うと、その人物は「吾(われ)は悪事も一言、善事も一言、言い離つ神。葛城の一言主の大神なり」と述べた。その一言を聞いた天皇は恐れ入って、自らの着ていた召物や持ち物をすべてその神に献上して、これを拝礼した。』

 境内には、『神武天皇紀』に記述がある土蜘蛛に関係するという蜘蛛塚や、推定樹齢1200年の大銀杏の御神木、本殿西側には奥宮の磐座があり古代からの信仰の地であったことがうかがえる。この御神木の宿り木から、「健康な子供を授かり、乳がよく出る」といい伝えられ、子供を思う親の願いが込められ、信仰を集めているそうだ。

 また、延暦23年(804)に最澄が遣唐使で唐に渡る際に道中の安全を祈願するために参拝したと伝えられており、元禄元年(1688)には松尾芭蕉もこの地を訪れ、「猶(なお)みたし花にあけゆく神の顔」の句を『笈の小文』(おいのこぶみ)に残している。

 所在地:御所市森脇字角田432。
 交通:近鉄御所線「御所」駅より 名柄行きバスで「上名柄」下車 徒歩15分。
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