
(前回の続き)
桃園国際機場に着いたのが前回までの話。日本人観光客のほとんどが台北市内に流れていく中、嘉義以南の南部地方に行く人もそれなりにいます。南部に行くにはかつては空路で行っていたみたいですが、台湾高鐵(新幹線)の開業後は大多数の乗客が高鐵を選択した結果、南部行きの航空便需要が極端に減ってしまったようです。
ですので、台北-高雄という台湾2大都市を結ぶ便ですら良くて1日に2便、全くフライトのない日もザラにあるため、空路での台南行きは非現実的です。そういう事情によりまずは台湾高鐵の桃園站を目指します。

桃園国際機場と高鐵桃園站の間はこのようなバスが運行されていて、日中であれば20分に1本ぐらいの間隔で運行されています。高鐵桃園站までは約15分ぐらいで着きます。将来的には桃園機場捷運が台北站から空港を経由し高鐵桃園站にまで至る計画もあります。

運賃は30元(=90円)。切符は空港ターミナルビル内のバス会社のオフィスが並んであるエリアで買えます。複数の会社のうち高鐵桃園站までのバスを扱っているのは統聯客運(Ubus)のカウンターです。違う会社のカウンターのオバチャンが「高鐵やったらUbusやで」と教えてくれました。

車内はこんな感じ。乗車口近辺が荷物置き場になってて、混んでると足の踏み場もないぐらいにスーツケースが積み込まれていたりします。

あっという間に高鐵桃園站に着きました。

自動販売機で13:21桃園站発14:43台南站着の657号のチケットが買えました、1,190元(=3,570円)。2千元を紙幣投入口に入れると、お釣りとして16枚もの50元硬貨がスロットマシンの如くジャラジャラと出てくるのには閉口します。この時点でもう既に発車数分前だったので急いでプラットフォームに降ります。

1時間と20分ぐらいで高鐵台南站に着きました。釜山から桃園国際機場に着いたときも暑かったけど、桃園から台南に着いたらこれまた暑い。それもそのはず台南は気候区分では熱帯圏なので、この日は32℃ぐらいありました。

桃園站では発車間際で時間がなくて写真を撮れなかったので台南站停車時に一応撮っておきました。

高鐵台南站から台南市中心部の台鐵台南站へは台鐵沙崙線という路線が最近開通したのでそれを利用します。高鐵台南站から一番近い台鐵の駅である中洲站から沙崙站(高鐵台南站)までが新規に開業した路線です。

高鐵の駅は台北と左營(高雄)を除いて郊外の何もないところに作られており、ここ台南も例外ではありません。本当に何にもない。ただ、どこかの国のように族議員が田んぼの真ん中に新幹線の駅をゴリ押しして作っているわけではないです。

車両はこんな感じ。高鐵の乗客がメインなので連絡しやすいダイヤ編成にはなっているようです。

車両の内装は日本の通勤車両に似ています。唯一大きく異なるのは入口に大きな段差があること。

台南站までは25元(=75円)、ゴトゴト揺られて20分ぐらいで着きます。

台南站到着です。妙にレトロな日本時代の駅舎が未だに現役バリバリで働いてくれています。駅の中がまた古っぽくて昔の南海電鉄天下茶屋駅のようなエエ感じのボロさにちょっと嬉しくなります。

台南站から歩いて5分ぐらいのところにある朝代大飯店というそこそこのクラスのホテルにチェックインしました。台南市内の主要観光スポットに歩いて行ける立地の良さが魅力です。不思議なことに冷蔵庫内のジュースが無料というサービス付き。
(つづく)