私がコメンテータとして出演している朝日放送の「キャスト」というニュース番組に、昨年12月28日、
橋下徹大阪市長が中継で出演した。
関西圏のローカル番組なのだが、直後にユーチューブに映像がいくつもアップされたり、2ちゃんねるで
採り上げられたりと、ネットの世界ではずいぶん話題になったので、ご存じの方も多いと思う。
「森永卓郎、橋下市長にフルボッコされる」、「この不勉強!森永手も足も出ず」、「笑って
ごまかすしかない森永」などなど、そのほとんどが私の不勉強を非難し、橋下市長を絶賛する内容だった。
何があったのかを、簡単に書いておこう。最初に、大阪市役所の解体に賛成か反対かを、コメンテータ
全員がフリップに書いた。私は×を書いた。×を書いたのは、私の他に同志社大学の浜矩子教授一人だけだった。
私は、×をつけた理由として、「橋下市長の政策自体は、正しいことが多いが、暴力的な政策の進め方には
疑問がある。例えば、労働組合の事務所を役所から追い出すというのは、労働者の団結権や団体交渉権を
認めた憲法に違反するのではないか。また、民営化推進というけれど、例えば市営バスはお年寄りの足に
なっているので、民営化で路線が斬り捨てられる可能性もある」という発言をした。
これに橋下市長が噛みついてきた。「森永さんは、現場の実態がまったく分かっていない。労働組合の
活動だけしているのであれば、出て行けとは言いません。彼らは、仕事ではなく政治活動をしていたんです。
そんなことをするのであれば、出て行くべきです。バス路線に関しても、福祉として残す必要があるという
ことになれば残します。ただ、一体大阪市営バスにいくら補助金が注ぎ込まれていると思っているんですか」。
(>>2-10につづく)
http://blogos.com/article/28897/
関連動画 2011-12-28 今年最後の生出演…Youtube
http://www.youtube.com/watch?v=BGB3F0UKAgY
私は、「大阪市営地下鉄から数十億円、大阪市役所から数十億円くらいではないですか」と答えた。
両者から補助金を入れているというのは、何かで読んだが、具体的な数字までは頭に残っていなかった。
そこで橋下市長がたたみかけてきた。「そんな数字じゃありません。数百億円ですよ。それを何とか
しなくちゃいけないんです。改革のためには、暴力的にやらないといけないこともあるんです」。
私は、橋下市長から暴力的にやるんだという言葉を引き出せたので、それで十分だと思った。
しかし、橋下市長はさらにたたみかけてきた。
「現場のことを分かってなくてコメントしてたら駄目なんです。森永さん、大阪の副市長のポストを
用意しますから、自分でやってみてくださいよ」。
血の気の多い若い頃だったら、確実に「やってやろうじゃないか」と受けていたと思う。危うく
橋下市長の部下になるところだった。
テレビやネットを見た人たちは、大いに盛り上がっていた。橋下市長が勉強不足のモリタクを
木っ端みじんに打ち破ったのが痛快だというのが、大部分の論調だった。
テレビには時間の制約があるので、放送中は攻撃の対象にはならなかったが、放送終了後、
橋下市長の攻撃の矛先は浜矩子教授に向かった。市長は、ツイッターで浜教授を徹底的に
批判したのだ。ちなみに浜教授は、橋下市長のことを「サッチャー」と評していた。
私が、何が怖いのかというと、橋下市長の政治手法と、それへの国民の熱狂的支持だ。
橋下市長の言うとおり暴力的にやらないと改革ができないというのは、ある程度事実だ。
私も田中康夫氏が長野県知事だったときに、長野県の特別職報酬決定審議会の会長と
いうのをやって、結局、猛烈に抵抗されて、報酬引き下げができなかった苦い経験がある。
だから、難しいのは分かっていて、あえて言う。暴力と法律違反は、やはりいけないのだ。
(>>2のつづき)
橋下市長の言っていることは、8割方正しい。だが、正しいからこそ危険なのだ。ファシズムは
大抵の場合、正しいところから始まるのであり、民衆の熱狂が育てていく。ファシズムを
防止できるのは、多様な意見の存在だ。橋下市長の一番怖いところは、それを認めないことだ。
いまや評論家のなかで橋下批判をする人はほとんどいなくなってしまった。当然だ。
批判をすれば、市長本人から攻撃を受けるだけでなく、熱狂している8割の国民の反感も買う。
よいことなど何もないのだ。
実は橋下市長にひれ伏したのは、コメンテータだけではない。橋下市長が表敬訪問した
政治家たちは、どの党も大歓迎をした。選挙直前まで、あれだけ批判していたのに、橋下氏が
大阪維新の会の国政進出をちらつかせただけで、完全に屈服してしまったのだ。大阪府内の
大阪市以外の市長も軒並み大阪都構想賛成に回った。そして、驚くべきは大阪市の労組だ。
橋下市長の退去勧告に対して、何ら抵抗することなく、最敬礼で事務所を明け渡してしまったのだ。
橋下市長は、今の日本には独裁が必要だという。確かに独裁の方が改革は進みやすい。
しかし、それは、独裁者が政策を誤ったときに誰も止められないという危険と背中合わせだ。
橋下市長は、大阪府知事時代に「君が代斉唱時に起立しない教職員を辞めさせる」と発言した。
また政治家になってからは封印しているが、かつては、徴兵制度の復活や核兵器保有を
肯定する発言もしていた。
誰かが常にきちんと批判していかないと、本当のファシズムにつながりかねない。だから、
私は橋下市長に「バカコメンテータ」と呼ばれようとも、ずっと「反橋下」で行くことに決めた。
森永氏の言わんとしているところはわかる。また、橋下氏がtwitter等で少々やり過ぎではないか?
という部分もある。ただ、論戦や批判を封じられてだけでファシズム呼ばわりもいかがなものか?
現在、政権与党ほかも擦り寄っているがまだ市長就任で、2ヶ月経っていない。多少、世論を盛り上げて
いるがこれからこれから。
橋下徹大阪市長が中継で出演した。
関西圏のローカル番組なのだが、直後にユーチューブに映像がいくつもアップされたり、2ちゃんねるで
採り上げられたりと、ネットの世界ではずいぶん話題になったので、ご存じの方も多いと思う。
「森永卓郎、橋下市長にフルボッコされる」、「この不勉強!森永手も足も出ず」、「笑って
ごまかすしかない森永」などなど、そのほとんどが私の不勉強を非難し、橋下市長を絶賛する内容だった。
何があったのかを、簡単に書いておこう。最初に、大阪市役所の解体に賛成か反対かを、コメンテータ
全員がフリップに書いた。私は×を書いた。×を書いたのは、私の他に同志社大学の浜矩子教授一人だけだった。
私は、×をつけた理由として、「橋下市長の政策自体は、正しいことが多いが、暴力的な政策の進め方には
疑問がある。例えば、労働組合の事務所を役所から追い出すというのは、労働者の団結権や団体交渉権を
認めた憲法に違反するのではないか。また、民営化推進というけれど、例えば市営バスはお年寄りの足に
なっているので、民営化で路線が斬り捨てられる可能性もある」という発言をした。
これに橋下市長が噛みついてきた。「森永さんは、現場の実態がまったく分かっていない。労働組合の
活動だけしているのであれば、出て行けとは言いません。彼らは、仕事ではなく政治活動をしていたんです。
そんなことをするのであれば、出て行くべきです。バス路線に関しても、福祉として残す必要があるという
ことになれば残します。ただ、一体大阪市営バスにいくら補助金が注ぎ込まれていると思っているんですか」。
(>>2-10につづく)
http://blogos.com/article/28897/
関連動画 2011-12-28 今年最後の生出演…Youtube
http://www.youtube.com/watch?v=BGB3F0UKAgY
私は、「大阪市営地下鉄から数十億円、大阪市役所から数十億円くらいではないですか」と答えた。
両者から補助金を入れているというのは、何かで読んだが、具体的な数字までは頭に残っていなかった。
そこで橋下市長がたたみかけてきた。「そんな数字じゃありません。数百億円ですよ。それを何とか
しなくちゃいけないんです。改革のためには、暴力的にやらないといけないこともあるんです」。
私は、橋下市長から暴力的にやるんだという言葉を引き出せたので、それで十分だと思った。
しかし、橋下市長はさらにたたみかけてきた。
「現場のことを分かってなくてコメントしてたら駄目なんです。森永さん、大阪の副市長のポストを
用意しますから、自分でやってみてくださいよ」。
血の気の多い若い頃だったら、確実に「やってやろうじゃないか」と受けていたと思う。危うく
橋下市長の部下になるところだった。
テレビやネットを見た人たちは、大いに盛り上がっていた。橋下市長が勉強不足のモリタクを
木っ端みじんに打ち破ったのが痛快だというのが、大部分の論調だった。
テレビには時間の制約があるので、放送中は攻撃の対象にはならなかったが、放送終了後、
橋下市長の攻撃の矛先は浜矩子教授に向かった。市長は、ツイッターで浜教授を徹底的に
批判したのだ。ちなみに浜教授は、橋下市長のことを「サッチャー」と評していた。
私が、何が怖いのかというと、橋下市長の政治手法と、それへの国民の熱狂的支持だ。
橋下市長の言うとおり暴力的にやらないと改革ができないというのは、ある程度事実だ。
私も田中康夫氏が長野県知事だったときに、長野県の特別職報酬決定審議会の会長と
いうのをやって、結局、猛烈に抵抗されて、報酬引き下げができなかった苦い経験がある。
だから、難しいのは分かっていて、あえて言う。暴力と法律違反は、やはりいけないのだ。
(>>2のつづき)
橋下市長の言っていることは、8割方正しい。だが、正しいからこそ危険なのだ。ファシズムは
大抵の場合、正しいところから始まるのであり、民衆の熱狂が育てていく。ファシズムを
防止できるのは、多様な意見の存在だ。橋下市長の一番怖いところは、それを認めないことだ。
いまや評論家のなかで橋下批判をする人はほとんどいなくなってしまった。当然だ。
批判をすれば、市長本人から攻撃を受けるだけでなく、熱狂している8割の国民の反感も買う。
よいことなど何もないのだ。
実は橋下市長にひれ伏したのは、コメンテータだけではない。橋下市長が表敬訪問した
政治家たちは、どの党も大歓迎をした。選挙直前まで、あれだけ批判していたのに、橋下氏が
大阪維新の会の国政進出をちらつかせただけで、完全に屈服してしまったのだ。大阪府内の
大阪市以外の市長も軒並み大阪都構想賛成に回った。そして、驚くべきは大阪市の労組だ。
橋下市長の退去勧告に対して、何ら抵抗することなく、最敬礼で事務所を明け渡してしまったのだ。
橋下市長は、今の日本には独裁が必要だという。確かに独裁の方が改革は進みやすい。
しかし、それは、独裁者が政策を誤ったときに誰も止められないという危険と背中合わせだ。
橋下市長は、大阪府知事時代に「君が代斉唱時に起立しない教職員を辞めさせる」と発言した。
また政治家になってからは封印しているが、かつては、徴兵制度の復活や核兵器保有を
肯定する発言もしていた。
誰かが常にきちんと批判していかないと、本当のファシズムにつながりかねない。だから、
私は橋下市長に「バカコメンテータ」と呼ばれようとも、ずっと「反橋下」で行くことに決めた。
森永氏の言わんとしているところはわかる。また、橋下氏がtwitter等で少々やり過ぎではないか?
という部分もある。ただ、論戦や批判を封じられてだけでファシズム呼ばわりもいかがなものか?
現在、政権与党ほかも擦り寄っているがまだ市長就任で、2ヶ月経っていない。多少、世論を盛り上げて
いるがこれからこれから。
連合・サービス連合傘下の労働組合
関汽交通社社員さんへ
いじめ行為、嫌がらせ行為やめてください。
プライバシー等の人格権侵害行為もやめてください。
裁判所は、結論として、申立人らに対する面談強要の禁止、
申立人らの自宅前の道路の立入禁止、申立人らの監視の
禁止、申立人らのつきまといの禁止を命じた。
その理由についてであるが、被申立人らの追尾行為、
それらが申立人らの生活の平穏、プライバシー等の
人格権侵害に該当することが明白であると述べ、
したがって、申立人らは、面談禁止、監視、付きまとい等
の禁止を求めることができるとした。
安心して、働きたいが労働者の要求です。
全国で有名になるまでがんばるぞ!
関西汽船南港乗船券販売所・関汽交通社
2004年に自殺した熊本県警巡査・山田真徳さん(当時22歳)の両親が、自殺は県警でのいじめが原因として県に約6960万円の損害賠償を求めた訴訟で、県は28日、いじめ行為を認定し200万円の支払いを被告側に命じた1審判決を支持した福岡高裁判決について、上告を断念した。
高裁判決によると、山田さんは02年1月に県警の剣道特練部の部員となり、04年5月に機動隊の寮で自殺した。県側は「いじめはなかった」と主張したが、判決は「山田さんを長期間孤立させていたことは、部関係者らの証言で明らか」などとして、いじめを認定した。
関西汽船南港乗船券販売所・関汽交通社