http://sankei.jp.msn.com/life/education/080629/edc0806292152001-n1.htm
早稲田大学が今月、大阪の中堅上位の私立「摂陵(せつりよう)中学・高校」を来年度から
系属化すると発表した。少子化が進行するなか、優秀な人材確保に向け全国に網を広げ始めた
早稲田と、生き残りへの危機感から有力私大との提携を模索していた摂陵の思惑が合致し、
実現した形だが、同校から昨年度早大に現役合格した生徒は2人。それが4年後には確実に
40人が現役で進学できることになり、教育関係者の間では驚きと波紋が広がっている。
エリアを越えた「学生囲い込み戦国時代」の幕開けともいえそうだ。
■生き残りかけ提携
今回の系属化に伴い、摂陵(茨木市、昭和37年創立、男子校)は早稲田側の理事を迎え入れ、
校名を変更する。同時に1学年(現行定員335人)に40人の推薦枠を設け、平成23年度
卒業生から早稲田へ送り込む。
摂陵の19年度現役合格者実数は関関同立の4大で計88人を数え、進学塾関係者によると、
「公立高校と併願する『北大阪の進学校』」という位置付けだが、今回の系属化により、
「専願が増、『関西の人気校』へランクアップするのは間違いない」と関係者は断言。
関西の中学受験・高校受験地図への影響を予測する。
摂陵が私大との提携を探り始めたのは3年前。経営母体の大阪繊維学園理事長に武藤治太
・大和紡績会長が就任したことを契機に、財界人脈を通じ東西複数の大学と交渉を重ねてきた。
武藤理事長は「近隣で付属化や共学化が相次ぎ、生き残りに危機感を抱いていた」と説明。
今春の中学・高校入試ではともに開校以来初の定員割れを記録しており、「系属化をはずみに
進学実績を上げ、安定的な生徒確保につなげたい」としている。
■関西に拡大の余地
一方、早稲田の担当者は関西本格進出を決めたことについて、「関関同立のブランド力が強く、
関西出身の学生が少なかったことが理由の一つ」と説明する。早大によると、19年度入学者
1万168人のうち、関西2府4県からはわずか5・4%。逆にいえば、知名度を生かして
志望者を掘り起こせる余地が十分にあると判断したといえる。
関西進出への意欲の高まりは、9年に同志社大との間で国内交換留学制度を創設したのを皮切りに、
関西大や京都大とも相次いで学術交流協定を締結したことなどからも明らかで、昨夏には関西経済
連合会に入会し、財界における“地ならし”も進めている。
最終的に、摂陵に白羽の矢を立てたのは、その立地が大阪だけでなく、京都にも近いことや、中学を
併設しているため、過熱する中学受験の段階から優秀な生徒を確保できることなどが理由になったという。
ライバルの慶応も先月、大阪市内に社会人向け講座を行うキャンパスを開設するなど、関西での
存在感を高めようと動き始めており、関東の私大の“関西切り崩し”の動きは急だ。
早稲田も全国に系列校を増やして、日大や東海大のように一大勢力になったりして。実際に系列校の人気は上がるだろうし人気の上がった高校の上位層を生徒として囲い込みできれば一芸入試などよりまともな生徒が取れそうな気もする。一方、ブランド力のない大学にしてみるとたまったものではないかも。
早稲田大学が今月、大阪の中堅上位の私立「摂陵(せつりよう)中学・高校」を来年度から
系属化すると発表した。少子化が進行するなか、優秀な人材確保に向け全国に網を広げ始めた
早稲田と、生き残りへの危機感から有力私大との提携を模索していた摂陵の思惑が合致し、
実現した形だが、同校から昨年度早大に現役合格した生徒は2人。それが4年後には確実に
40人が現役で進学できることになり、教育関係者の間では驚きと波紋が広がっている。
エリアを越えた「学生囲い込み戦国時代」の幕開けともいえそうだ。
■生き残りかけ提携
今回の系属化に伴い、摂陵(茨木市、昭和37年創立、男子校)は早稲田側の理事を迎え入れ、
校名を変更する。同時に1学年(現行定員335人)に40人の推薦枠を設け、平成23年度
卒業生から早稲田へ送り込む。
摂陵の19年度現役合格者実数は関関同立の4大で計88人を数え、進学塾関係者によると、
「公立高校と併願する『北大阪の進学校』」という位置付けだが、今回の系属化により、
「専願が増、『関西の人気校』へランクアップするのは間違いない」と関係者は断言。
関西の中学受験・高校受験地図への影響を予測する。
摂陵が私大との提携を探り始めたのは3年前。経営母体の大阪繊維学園理事長に武藤治太
・大和紡績会長が就任したことを契機に、財界人脈を通じ東西複数の大学と交渉を重ねてきた。
武藤理事長は「近隣で付属化や共学化が相次ぎ、生き残りに危機感を抱いていた」と説明。
今春の中学・高校入試ではともに開校以来初の定員割れを記録しており、「系属化をはずみに
進学実績を上げ、安定的な生徒確保につなげたい」としている。
■関西に拡大の余地
一方、早稲田の担当者は関西本格進出を決めたことについて、「関関同立のブランド力が強く、
関西出身の学生が少なかったことが理由の一つ」と説明する。早大によると、19年度入学者
1万168人のうち、関西2府4県からはわずか5・4%。逆にいえば、知名度を生かして
志望者を掘り起こせる余地が十分にあると判断したといえる。
関西進出への意欲の高まりは、9年に同志社大との間で国内交換留学制度を創設したのを皮切りに、
関西大や京都大とも相次いで学術交流協定を締結したことなどからも明らかで、昨夏には関西経済
連合会に入会し、財界における“地ならし”も進めている。
最終的に、摂陵に白羽の矢を立てたのは、その立地が大阪だけでなく、京都にも近いことや、中学を
併設しているため、過熱する中学受験の段階から優秀な生徒を確保できることなどが理由になったという。
ライバルの慶応も先月、大阪市内に社会人向け講座を行うキャンパスを開設するなど、関西での
存在感を高めようと動き始めており、関東の私大の“関西切り崩し”の動きは急だ。
早稲田も全国に系列校を増やして、日大や東海大のように一大勢力になったりして。実際に系列校の人気は上がるだろうし人気の上がった高校の上位層を生徒として囲い込みできれば一芸入試などよりまともな生徒が取れそうな気もする。一方、ブランド力のない大学にしてみるとたまったものではないかも。