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大学は推薦入学”の新入社員は使えない、は本当か

2016-04-06 22:42:49 | Weblog

ついに東京大学でも「推薦」による入試が行われ、この春に初めて推薦入試による新入生が入学します。ちなみに募集要項には
、「世界的視野をもった市民的エリート」を求めると書かれており、とても高い意識と能力のある学生が求められていました。
結果的に小論文や面接などの選抜方法を経て、80名弱が合格しましたが、新たな選抜方法を実施した背景には、
これまでにない“とがった学生”を集める狙いがあると言われています。
 ただ、国立大学では未だ少ない推薦方式も私立大学では既に当たり前の選抜方法です。ですから、会社が新卒採用をすれば
「推薦組」が相当数を占めるようになりました。ところがAO入試を含めた推薦組は「受験組」に比べて、
社会人として仕事面で評価が低いという声を耳にします。そのような声が上がるのはどうしてなのか。今回はみなさんと一緒に現状を理解したいと思います。

大学生の約4割超を占める
「推薦組」は内定率が10%も低かった
 「受験を知らない新入社員は駄目。事前に確認して慎重に選考する必要がある」
 こう語るのは関西圏に本社を置く製造業の人事部長。曰く、大学受験を経験していない「推薦組」は入社2年目ぐらいから
伸びないケースが比較的多いとのこと。筆者の高校時代は学力試験を通じて合格したうち偏差値の高い大学(の学部)に進学するのが大半でした。
学校から推薦を受けて、学力試験を免除される高校生はわずか。推薦という選択肢を選ぶことを考えてなんていませんでした。
 ただ、現在では学力試験を免除された推薦で大学に進学する高校生が大幅に増えました(詳細は後述)。そこで会社が選考して入社してくる
大学生で推薦組に遭遇するのは当たり前の時代になりました。ところが先ほどの人事部長に限らず、推薦組に対する評価が芳しくない噂をよく耳にします。例えば、

・積極性がみえない(主体性が低い)
・我慢ができない(ストレス耐性が低い)
・融通が利かない(適応力が低い)
 といった厳しい評価や受験組に比べて成長スピードが遅いとの指摘も。もちろん、すべての推薦組が駄目とは言い切れませんが、
推薦組に対して採用することを躊躇う声を聞くのは事実。どうして、このような声があがるのでしょうか?
 「あなたは一般ですか?それとも推薦ですか?」
 最近では、人事部の懸念を受けてか、就職活動でこのような質問をされた学生がたくさんいるようです。
ちなみに一般とは受験組のこと。さらに推薦であることを伝えると、「採用に不利である」との噂が広まっているようです。
 「『AOか推薦入学です』と答えると、その後企業から連絡がなくなる。あるいは同じ大学・学部の同級生で受験組は続々と内定を取っているので、企業が推薦組を避けているとしか思えません」
 と、取材した学生は主張します。ちなみにマイナビが大学生の入学方法と内定率の関係を調べたところ、一般入試で入った
大学生の内定率は60.1%。ところが推薦組は51.6%と10%近く低く、AO入試組に至っては43.6%という結果になったようです。
この噂に関する是非は回答しかねますが、会社が推薦組を採用して痛い目に遭ったとの声は筆者もたくさん聞いたことがあります。
ただ、「そうはいっても推薦組を採用しないといったら採用できる人材が限られ過ぎる」のが実態でしょう。




 文部科学省によると、2014年度の大学入学者のうち、私立大学ではAO入試が8.6%、推薦入試が34.4%と受験を知らない割合が4割超となっています。
 なかにはAO入試を経験していない世代の方もいらっしゃると思いますので、ここで説明を加えておきます。アドミッションズ・オフィス入試が
正式な名称で、大学の出願者自身の人物像を学校側の求める学生像(アドミッション・ポリシー)と照らし合わせて合否を決める入試方法です。
自己推薦方式とも呼ばれ、面接や小論文などで評価を行って合格者を選抜します。あるいは各種コンテストや弁論大会など、
所定のコンテストで優秀な成績を収めた受験生に対する入学枠を用意している大学もあります。
 ちなみにSTAP細胞論文の不正問題が騒がれた小保方氏は早稲田大学に「AO入試」で入学しています。また、小保方氏だけでなく
スポーツや芸能界から大学入学した学生にAO入試組は多く、「問題があるのでは?」と指摘する人も少なくありません。
このAO入試を含めた大学受験を知らない「推薦組」はこの10年で比率が大幅に増えたので、職場での接触機会が増えました。

「入試組ですか、推薦組ですか」
この質問をせず適性を見抜くには?
 この推薦組の増加が企業の採用担当者を戸惑わせている状況について、どのように捉えるべきでしょうか。
 会社は大学という肩書だけに頼らずに、人物評価を厳しくおこなう必要が出てきたということではないでしょうか。
「〇〇大学の〇〇学部卒なら間違いない」と決めつけることなく、学生時代に形成された人格や能力など選考プロセスであぶりだす工夫が必要になったのです。
 具体的には面接での工夫が必要かもしれません。例えば、会社が推薦組に対してネガティブなイメージを持つ原因となっている
主体性の低さ、ストレス耐性の低さ、適応力の低さを見破るため、的確な質問を準備することです。
 例えば、「これまでで一番長続きしたことを教えてください」という質問でストレス耐性を見破ろうとする人事担当がいます。
ストレス耐性が高いなら何ごとも長続きする…との観点でしょう。あるいは「これまで失敗や挫折を経験した時にどのように対処したか」を尋ねる質問。
これも挫折や失敗にどう向き合ったかでストレス耐性を見破るものです。
 さらに、主体性を見破るためなら「学生時代に最も力を入れたことは何ですか」といった基本質問に「そこであなたはどんなことを考え、
どんな行動をとりましたか 」といった掘り下げる質問を加えます。
 会社としては、その学生に自社に対する適性があれば推薦組だろうが受験組だろうが、関係ありません。「あなたは一般ですか?それとも推薦ですか」
などという下世話な質問を避けて、選考をしていきたいものです。
 また、学生も推薦だから就職活動で不利かも?などと心配する必要はありません。それより、学生時代に能力を高める努力と充実した
学生生活を過ごすこと。そして、その経験を語れる準備をしておくこと。これができれば推薦組と受験組なんて関係ありません。

http://diamond.jp/articles/-/88957

推薦だからダメというほど単純なものでもないだろうに。
ただ、受験の洗礼を浴びることで、課題を克服したという経験はなかなか貴重とは思うが。

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