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Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

ミャンマーのDaung Lann Gyi(ドウン・ラン・ジー)

2016-10-20 01:19:41 | その他の国々

ドウン・ラン・ジーはミャンマー中央部マンダレー地方の郷土料理です。

現在は竹で編んだ円卓状のお盆に各種の料理を盛った小皿をのせて客に供しますが、古くは大皿にいろいろな料理を盛り付け、家族がそれを囲んで好きなものを小皿にとる、楽しい食事を意味したらしい。


マンダレーで食べたドウン・ラン・ジー。これにご飯とスープが付きます。お替り自由。

長崎の卓袱(しっぽく)料理も円卓を囲んで摂る食事です。「しっぽく」という言葉はもともと「たくさんの具」という意味だそうで、起源は多くの種類の食材を盛り合わせた大皿にあるようです。
四角い卓であれば、自然と上座・下座の関係が生じてしまいますが、円卓ならばどの席に着いても中央に置かれた料理からの距離がほぼ等しくなり、客同士の力関係が緩和され、自由な雰囲気で楽しく食事をする機会となります。
それに急なお客で参加人数が増えた時なども、大皿で食べていればうまく対処できそうです。わけっこして楽しむ賑やかな食卓。

マンダレーの家庭料理のスタイルがはるばる日本に伝わり、伝統的な「銘銘膳(めいめいぜん)」と呼ばれる一人前コースから、より自由な雰囲気の大皿一緒盛りコースが主流になっていった、と考えるとなんだか楽しい。

なによりミャンマー語の「ドウン・ラン」が、親しいヒトタチが集って楽しむことを意味する日本語の団欒(だんらん)という言葉のもとになったのですから。

なーんて書くと、あなたは信じちゃうかもしれないけどこれは完全なウソッパチでありました。

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ミャンマー

2016-08-29 00:44:54 | その他の国々

先週から仕事でミャンマーに来ています。

以前住んでいたラオスと国境を接しており、やはり雰囲気が似ています。20年前に住んでいたスリランカにも似た雰囲気があり、それは道路に吐かれたビンロウジ(噛みタバコ)の赤い唾の跡と、男性が身に着けているサロマのせいだと思います(こちらではロンジーと呼ぶそうですが)。
初めて来る国なのになんだか懐かしい。

食べ物もおいしいものが多く、毎回の食事が楽しいです。

これはモヒンガーという麺料理。地方に滞在した時、朝食に食べたものです。
素麺くらいの太さのライス・ヌードルが短めに切ってあり、スープと一緒にレンゲですくって口に運びます。
料理の味はやはりラオスのものに似ています。ですがラオスでは出汁(だし)が強い割に後味がサッパリとしていましたが、ミャンマー料理はコクが濃厚で、油も多く使われており、ちとクドめ。
ラオスから西に約700キロ移動して感じる味の変化。更に西に進んでいくとインド・バングラデシュというカレー文化圏に入ります。モヒンガーの味を煮詰めてさらに濃厚にしていくとカレーになるんだなー、と納得しました。

地理的にどこかでスパッと切り替わるのではなく、移動するにつれて徐々に変わっていく我々の文化。当たり前のことではありますが、実際にその変化を体験すると、とても面白い。

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すわりションベン

2015-10-31 22:18:24 | その他の国々

もともとは座りションベンとは、過度の驚愕に腰が抜けてしまって失禁することですが、最近では洋式便器に腰かけてオシッコすることも含まれるようです。
今まで立ったまま小用を足すことが普通だった男性ですが、最近は洋式便器に腰かけて小用を足すヒトが増えているそうで、あるサイトで紹介されていたデータによると33.4%の男性が便器に座ってオシッコするのだとか。

男子たる者、小便時には立ちションに徹すべし! と強い口調でクレームするオトコも多くいるようですが、オシッコが飛び散ってトイレの床を汚すことが多い立ちションスタイルより、座りションの方がトイレをきれいに保つことが出来たり、膀胱への負担が軽減されて前立腺への悪影響も減るなど、それなりにメリットがあるそうです。

ですが、屋外で小用を足す必要がある際、男性で座りション、というか、しゃがみションをする人はまずいないでありましょう。男性の場合、オシッコをするためだけにわざわざズボンとパンツをおろしてオケツを丸出しにする必要はないですし。

ガーナ北部のサバンナ地方に出かけた時のこと。

乾季のサバンナは味気ない風景です。目に見える生き物は周囲にはほとんどいませんし、木々も乾燥している。周囲を湿気の無い風ばかりが吹き抜けてゆきますが、ほこりくささがあるだけで、勢いのある空気の流れにもあまり活気が感じられません。

幹線道路を走っていた乗り合いバスが停車し、中から10人ほどの男たちが下りてきました。彼らは程よい間隔を開けて散らばり、ズボンのファスナーを下しながらしゃがみこみました。そして、しゃがんだまま放尿をし始めたんです。

あらー、珍しい。
こんな光景初めて見ました。これこそ正統派のしゃがみションでありましょう。

和式便所でしゃがむ時の、かかとを着地させた型ではなく、相撲や剣道の試合開始時に行う爪先立ちでしゃがむ型、蹲踞(そんきょ)の姿勢です。武道の雰囲気があるせいか、みんな背筋が伸びて、なんだかシャキッとして見えます。単にオシッコしているだけなんですが。

 しかし、どうしてわざわざしゃがむのか?
このスタイルで小用を足すことに、どんなメリットがあるのでしょう?

オシッコしている間はやたらと動けないので、外敵に対して無防備な状態になってしまいます。
そのため、排泄時には身を守るための障害物が周囲に必要になります。屋外での立ちション時に前方を遮るものが無いのは非常に不安です。目の前に何もない状態でオチンチンをさらけ出すのは、ちょっと抵抗があるんです。
ところが半砂漠地帯であるサバンナには、特に乾季には、あまり立ち木などもなく、身を隠す物陰が見当たらない。そのため、出来るだけ目立たぬようにするためにしゃがみションの風習が生まれたのではないでしょうか?

っていう仮説は、あまり説得力ないかな? 

コメント (2)
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殺されるかもしれない

2015-07-26 15:45:32 | その他の国々

若い知り合いの日本人男性が西アフリカを旅行した時のこと。
彼はいわゆるバックパッカーというスタイルの旅人で、その名の通り、彼の荷物はリュックサックだけ。
主に地元の人たちが利用する乗り合いバスを何度も乗り換えて、身軽にいくつも国境を越え、土地のものを食べ、安宿に寝泊まりして、特に地方の素朴なヒトビトの生活を見聞する旅程だったそうです。

ある街で、乗り換えようと思っていたバスがタッチの差で出発してしまい、走り去るバスを見送りつつ落胆していた彼に、現地の若者二人が声をかけてきました。

「あのバスに乗りたかったの? 近道があるから案内してあげる」

彼らによると、バスは近くを流れる川を渡るために町から少々離れたところにある橋を使わなくてはならないのだそうですが、実は町の裏手に歩いて渡れる箇所があり、そこを通ればバスより先に幹線道路に出られるとのこと。
ありがたい話です。困ったときの親切な申し出は、善意に満ちているように思えます。

彼らに案内を頼み、三人で川に向かいました。川幅数十メートル。水は濁っておりましたが流れは穏やか。
にごり水のせいで足元が見えず不安定だから、と若者二人が左右から両腕を支えてくれます。親切な二人にはさまれて、膝下あたりの深さの川でしたが流れが緩慢であったこともあり、特に不安もなく渡渉していったそうです。
だんだん深くなる川。水が膝の上を濡らすようになり、二人の若者も寡黙に慎重に歩を進めるようになります。
川はどんどん深くなる。すでに腿が濡れ、水位は股間に達しそう。ふと気が付くと、ガッチリとつかまれた両腕は固定されてまったく自由がありません。考えてみれば他のヒトが見当たらないこんな川の中。もし彼らに二人がかりで押さえつけられ、頭を水没させられたら、いとも簡単に絶命してしまいます。
心に芽生えた小さな不安を意識した途端、彼は悟りました。

あ、俺、殺されるんだ!
あーっ! そうだったのかそうだったのか最初から俺の荷物が目当てに連れてきてだから幹線道路への近道なんて嘘っぱちでそれが証拠に俺と同様バスに乗り遅れたヒトタチが何人もいたのに周囲には誰も川を渡ろうとする人なんていやしないじゃないかコイツラ荷物を奪うために俺を殺して死体はそのまま川に流しちゃおうと思っているんだうわーどうしようどうしよう!

そこまで一気に考えた彼は突然大きな声で、

ちょっと待って!

それまで導かれるまま素直に歩いていた彼が不意に出した大声に、両脇の若者二人も思わず「ん?」と立ち止まりました。引きつった笑みを浮かべつつ、掴まれていた腕をやんわりと解き、旅行道具の一切合財が入ったリュックサックを背中から降ろして、

コレあげる!

と、若者二人に手渡して独りで川の中をザクザクと岸まで戻り、後ろも見ずに今来た道を町のバス停まで走り、最初に来たバスに飛び乗ってその街を出たのだそうです。

いや、それは考え過ぎではないだろうか? 彼ら二人はやっぱり親切な若者たちで、困っていた異邦人を純粋に助けてあげようとしていただけなのでは? と、思われるかもしれません。ですが、実際にその場で感じる異様な雰囲気は、きっと明確に「殺意」と認識できるものであったのだろう、と思います。

実は私も同様の経験があるんです。鈍感な私はギリギリまで気づきませんでしたが…。

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サロマ

2012-10-07 22:41:00 | その他の国々

サロマはスリランカの男性用衣類です(北海道に同じ名前の湖がありますが、まったく関係ないようです)。
衣類ではなく、最初「服」と書こうとしたのですが、これを服と呼んでいいのか、判断に迷いました。木綿の布を筒状に縫い合わせただけの、極めて簡単な構造をしているからです。熱帯地方に、これに似た衣装は数多くありますが(衣装といっても単に腰に巻く布一枚ですが)、筒状になっているのは珍しいと思います。

非常にシンプルな構造ではありますが、サロマはもともとスリランカの正装としても通用していた衣装のようです。で、これがかなりの優れもの。
着用時には下半身を筒状部分に通し、ウェスト前部をたたんで合わせてプリーツを作ります。で、上端部分を外側に折り、何回か巻き込んで腹圧と摩擦で固定します。ズッコケてしまうかも、と心配な人はその上からベルトを締めても良いことになっていますが、ちょっとカッコ悪いです。
上下と裏表はありますが、前と後ろがありません。どこでも前であり、どこでも後ろであります。ですから座るときにお尻の下になる部分が毎回異なる可能性が高く、体重がかかって傷む部分が毎回ズレて平均的に擦れるため、長持ちするんです。
しかもフリーサイズ。メタボで胴回りが増加傾向にあるお父さんにはうれしい安心設計。
プリーツを作るため前部の生地に余裕が生じ、歩行時にも足が自然に上がって邪魔になりません。さらに身体を大きく動かす畑仕事の時などには、裾が邪魔にならないようにミニスカートのように短くしたり、後部の裾を股の下から前に持ってきてウェスト部分に巻き込んで短パン仕様にすることもできます。
サロマはパジャマとしても機能します。寝床に入り、ウェストをゆるめてリラックス。気温が高くて寝苦しい夜に少々寝相が悪くなっても、筒状なのでお腹周りが露わになることなく、寝冷え予防になります。

私はサロマを10年以上にわたって愛用しております。外出する予定の無い休日など、下半身はサロマに包まれていることが多い。そんな時に我が家を訪問して、初めてサロマを見た人はたいていビックリします。

「なんでスカートなんかはいてるの?」

サロマ着用の図。雰囲気的にはスカートというよりも化粧まわしのようであります。

 

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