「前」 蕨市議会議員 おおしま公一活動報告

2015年5月31日。まさかの落選を果たした?「前」蕨市議会議員おおしま公一の修行の日々をお伝えしていきます。

日本弁護士連合会会長 宇都宮健児氏 特別講演会「法曹の現在とこれから」

2010-11-23 11:00:00 | Weblog
本年4月より日弁連会長に就任した、宇都宮健児弁護士の講演会を傍聴いたしました。氏はサラ金・ヤミ金問題、貧困問題等で知られた社会派弁護士であります。

講演のテーマは「法曹の現在とこれから」。戦前の政府管轄下に置かれていた弁護士制度から、戦後の弁護士自治が確立した司法制度という法制史的話から入り、ここ10年間の司法制度改革のおける前進した点と修正すべき点といったお話がなされて行きました。

そして、本日のメインテーマである「司法修習生の給付費制廃止」に話は移って行きました。本年11月より、司法修習生に支払われていた給与が給付から貸与に切り替えられました。講師からは「弁護士の経済的基盤を揺るがす問題で、弁護士が社会的・公益的な仕事に取り組むモチベーションを落としてしまう」という趣旨の指摘がなされました。講師の話では、法科大学院制度が導入されてから、それに関する費用捻出のため、司法修習終了後、平均300万円程度の借金を背負っており、多い人では1千万円程度に上る負債を抱えている例もあるとのことでした。(しかも、修習生には修習への専念義務があり、修習中のアルバイトは禁止されている)これでは、実入りの良くない社会的・公益的事件、社会的弱者のために働こうとする弁護士はいなくなってしまう。というのがお話の摘要でした。

更に講師は「実入りのいい仕事を求める弁護士ばかりになっては、市民の権利擁護が図られなくなってしまう。司法修習生に対する給費制の問題は、全国民の利益に関わる話である」と続け、現在日弁連で行われている、司法修習生への給費制復活の運動につき紹介があり、講演会は閉幕となりました。

先進国と比べ、行政手続きへの扶助(生活保護申請、労働基準局への申立て等。先進国では公費)が日本は薄く、市民が利用しやすい司法制度になっていないと指摘もなされ、私も新たな知見を多く得ることができた講演会でした。