六畳物語 （自作詩）

ないないづくしの六畳間
・・・・それでもいいって、あの子が笑う

点線の人生、つれないって言ったら
・・・・あの子が笑った

疲れちまったって言ったら
・・・・愛想笑いは十八番、あの子は笑う

壊れた現実、直せないって言ったら
・・・・それでもいいって、淋しく笑う

すべてはマッチ箱
・・・・黄昏のなか、あの子が笑う

少女の、置き手紙 （自作詩）

マイナスを２０集めたら、プラスになりますか
プラスから２０引いても、プラスですか
１０から幸せを引いても、プラスですか
１から虚偽を引いてもマイナスですか
明日を覗けたらプラスですか
きのうを悔やんではマイナスですか

雨降る夜明けに、旅に出ます
支度はいりません、いるのは感傷と悲哀
それと、トランキライザーだけです
夜霧はいいです、私を隠してくれます、ごまかしてくれます
泣いてた私を、泣けなかった私を包んでくれます
明日からは笑えます

そこは、笑いの国です

片隅の少女 （自作詩）

何だか渇いてます
何だか軽いです
人の笑顔が悔しいです
何のために笑えるのか、何がおもしろいのか、わかりません

夏を向かえたアジサイは、しおれています
紫が青に、そして白から茶へと変わっていきました

何だか湿ってます
何だか重いです
人の笑顔は相変わらず悔しいです
何のために笑えるのか、何がおもしろいのか
それだけは、やっとわかりました
それは、単純だからです
時代は軽いんです、人も軽いんです
ともかく笑うことです、わけは無いんです

冷笑でもいいんです
それしか出来なければ、それでいいんです
虚無の世界を称えましょう
そう、軽さをもって