Don't Let Me Down

日々の雑感、引用。
言葉とイメージと音から喚起されるもの。

なつかしい歌は…留まる

2013-10-20 12:57:21 | 日記

★ 力なき美は悟性を憎む。なぜなら、悟性は、美にそれがなし得ないことを要求するからである。だが、死を前にしてしりごみし、破滅から完璧に身を守ろうとするような生ではなく、死を耐え抜き、そのなかに留まる生こそが精神の生なのである。精神が己の真理を勝ちとるのは、ただ、自分自身を絶対的分裂のうちに見出すときにのみなのである。この否定的なもののもとへの滞留こそは、それを存在へと転回させる魔法の力なのである。― ヘーゲル『精神現象学』序論



デスモンドは市場に屋台を持っている
モリイはバンドの歌い手
デスモンドはモリイに言った―ねえぼくはきみの顔が好きだ
モリイはデスモンドの手を握ってこたえた

オブラディ、オブラダ、これが人生よ
こうやって人生はすすむ
オブラディ、オブラダ、これが人生よ
こうやって人生はすすむのよ

デスモンドはトロリーバスで宝石店へ行き
20カラットのゴールデンリングを買う
そしてモリイのところに駆けつけて
リングを渡すとモリイは歌った

オブラディ、オブラダ、これが人生よ
こうやって人生はすすむ
オブラディ、オブラダ、これが人生よ
こうやって人生はすすむのよ

ふたりがスートホームをつくって2年が経って
デスモンドとモリイの子どもたちが庭先を駆け回る

オブラディ、オブラダ、これが人生よ
こうやって人生はすすむ
オブラディ、オブラダ、これが人生よ
こうやって人生はすすむのよ

市場はハッピーで
デスモンドは子どもたちと働く
モリイは家にきれいな顔でいて
夕方になるとバンドと歌う

オブラディ、オブラダ、これが人生よ
こうやって人生はすすむ
オブラディ、オブラダ、これが人生よ
こうやって人生はすすむのよ

<THE BEATLES;Ob-La-Di,Ob-La-Da>



ヘイ! ミスター・タンブリンマン歌ってくれ
俺は眠くないが、行くところがない
ヘイ! ミスター・タンブリンマン歌ってくれ
このゴチャゴチャの朝に、あんたについて行こう

俺は知っている夕べの帝国が砂にもどったこと
俺の手から消え失せたことを
とり残された俺はめくらのまま立ちつくし眠くはない
自分の倦怠にびっくりし、脚は釘づけになる
だれも会うひとはいない
あの古臭いストリートは夢みるにはあまりにも死んでいる

ヘイ! ミスター・タンブリンマン歌ってくれ
俺は眠くないが、行くところがない
ヘイ! ミスター・タンブリンマン歌ってくれ
このゴチャゴチャの朝に、あんたについて行こう

連れてってくれあんたの魔法の渦巻く船に乗って
俺の感覚は裸にされ俺の手はなにもつかめない
俺の足指はかじかみブーツの踵がさまようのを待つ
どこへでも行くどこへでも消える
俺だけのパレードへ、あんたの踊る魔法で投げ入れてくれ
俺はきっとそこへ行く

ヘイ! ミスター・タンブリンマン歌ってくれ
俺は眠くないが、行くところがない
ヘイ! ミスター・タンブリンマン歌ってくれ
このゴチャゴチャの朝に、あんたについて行こう

そこでは笑い声、渦巻き、歌声が狂ったように太陽を横切る
なんの目的もなく逃げる
でもそこの空には顔にぶつかる柵はなく
はずむようなリズムのぼんやりした痕跡を聴くとしたら
あんたのタンバリンが道化師を従えてきても
俺は気にしないそれはただ追いかけてくる影だから

ヘイ! ミスター・タンブリンマン歌ってくれ
俺は眠くないが、行くところがない
ヘイ! ミスター・タンブリンマン歌ってくれ
このゴチャゴチャの朝に、あんたについて行こう

だから連れてってくれ俺の心の煙の輪をくぐりぬけて
霧深い時間の廃墟をくだって凍った葉っぱを通り過ぎて
恐ろしいおびやかす木々の風強い海岸を過ぎて
狂った悲しみのひねくれた領域から遠く離れて
そうさ、ダイヤモンドの空の下で片手を自由に降りまわし踊ろう
海を背景にサーカスの砂で輪になって
すべての思い出と運命を波に深く沈めて
今日のことは忘れよう明日までは

ヘイ! ミスター・タンブリンマン歌ってくれ
俺は眠くないが、行くところがない
ヘイ! ミスター・タンブリンマン歌ってくれ
このゴチャゴチャの朝に、あんたについて行こう

<BOB DYLAN “MR. TAMBOURINE MAN”>



4月になれば彼女は来る
雨で流れの水かさが増すころ
5月、彼女はとどまる
ぼくの腕のなかで安らぐ

6月、彼女は気分を変える
落ち着かず夜をさまよう
7月、彼女は飛んでいく
なんの警告もなしに

8月、彼女は死ななければならない
秋風が冷たく吹きはじめて
9月、ぼくはおもいだす
新しかった恋が、古びてしまったと

<Simon & Garfunkel ”April Come She Will ”>



スカボローの市へ行くのかい
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
そこに住むひとに、ぼくを思い出させてくれ
彼女はかつてぼくの真実の恋人だった

彼女に告げてくれ、ぼくに綿のシャツをつくるように
(深い森の緑の丘の斜面で)
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
(雪の上に残る小鳥の茶色い羽飾りの跡をおいかけて)
縫い目も針のあともないように
(山の子の毛布と寝具)
そうすれば彼女はぼくの真実の恋人になる
(喇叭の響きにも気づかず眠る)

彼女に告げてくれ、ぼくに1エーカーの土地を見つけるように
(丘の斜面には木の葉が散らばる)
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
(銀色の涙で墓石を洗い)
塩水と渚のあいだに
(ひとりの兵士が銃を磨く)
そうすれば彼女はぼくの真実の恋人になる
(喇叭の響きにも気づかず眠る)

彼女に告げてくれ、皮の鎌で刈り取るように
(戦争が真っ赤な軍勢で咆え狂うとき)
パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム
(将軍は彼の兵士に殺せと命令する)
そしてそれらすべてをヒースの束にまとめてくれ
(彼らはとっくの昔に忘れた理由で戦う)
そうすれば彼女はぼくの真実の恋人になる

<Simon & Garfunkel “スカボロー・フェア/詠唱”>