>(フランスで)全国一千箇所のセンターで新型インフルエンザワクチンの予防接種キャンペーンが開始されたが、どこのセンターもワクチンを受ける人の姿はまばらのようだ。フランス人の、ワクチン接種によるリスクへの不安が顕著となった。
>体育館などに設けられたセンターでは、接種者の人数が予想を下回り、医師、看護師など待機するスタッフが時間をもてあます姿が見られた。ワクチン不足が連日のように報道されている日本では到底考えられないような光景かもしれない。
>ヨーロッパでは他にもドイツなどでも副作用のリスクを恐れる人が多く、接種をためらう傾向がみられるという。
【ANTENNE FRANCE】
私事ながら、生まれてこのかた<インフルエンザの予防接種>なる物に興味が無く(小学校時代は学校で全員摂取したかも知れませんが)、自慢ではありませんが、自立して以来一度たりとて受けた事がありません。
所で、今年の<新型ブタ・インフルエンザ>大流行の騒ぎで、年も年だし、今年くらいもしかして<やってみるか>と思ったりもしたものでした。
ところが、何度か主治医に問い合わせてみても、<何時頃から>開始されるか、「分からない。。。」という返事で、医者の間でも<情報>が無かった様でした。
例年、秋口から初冬にかけて、ニュースで「<ワクチン>が配布されたので、今日から接種可能です」という情報は必ず流れていた物の、今回の『新型』に関しては、フランスは何やらやけに慎重だな、と思っていた矢先の、上のニュース。
そんな矢先、先日家人がインフルエンザにかかりました。
9才になったばかりの小学生の男児です。
金曜日の夕方、帰宅後グッタリしていたので、もしやと思い<主治医の小児科医>に電話。
(医)「ああ、インフルエンザかも。アンフェタモル(解熱鎮痛剤)を飲ませて。それから水分をタップリ取る様に。」
(私)「あのう。。。今日はもう診察にはねじ込む余地はありませんか?」
(医)「超いっぱいでムリ。」
(私)「そんなんで大丈夫でしょうか?」
(医)「処置は同じだから。」
という訳で、診てもらえなかった。
フランスは、出生と同時に<小児科医>を決めて、離乳食の与え方から、実に定期的に10代後半までずっと<親身に>成長に応じて、面倒を見てくれるシステムになっています。
ところが翌日から高熱で、38度を大きく越えて、下がらない事態と相成った。
やむを得ず、『SOS MEDECIN』と言う、巡回医療センターに電話したのです。
パリには、24時間電話で往診に応じる<巡回医制度>があります。
普通の診療費より高いけれど、とても便利で安心です。
待つ事25分で先生到着。
じっくり診察して曰く。
「やはりインフルエンザの可能性が大きいですね。
新型かどうかは判断出来ませんが、症状は同じです
まだ初期なので、直接抗生物質は投与しない事にします。
咽頭での<菌>の増殖を抑える<吸入薬>を処方します。
解熱剤を6時間毎に与えて、もし咳が始まるようであれば、これこれの<咳止め>を。」
と<処方箋>を書いてくれました。
『タミフル』等は投与しなくていいのですか、と聞いた所、意外な答えが返ってきたのです。
「フランスでは、タミフルは通常投与しません。
1才未満に新生児と、3ヶ月未満の妊婦と、あと2種類の、限られた既往症の有る人、だけに限っています。。。」
意外、というか、ヤッパリ、と言うか。
「咳をすると、非常に多くの水分を対外に排出するので、水分は沢山与える事。」
結局、週末を通じて<高熱>と<咳>が収まらなかった為、週明けを待って<主治医>に連絡し、アポを貰いました。
じっくり診察して、やはりインフルエンザであろう。新型かどうかは分からない、症状は同じだから、と言う<巡回医>と同じ診立て。
直ちに<病理検査>のため、その場で<検査施設>にアポを取ってくれて、念のためと<抗生物質>を処方してくれました。
フランスでは、開業医は診断し、投薬や検査の処方をするだけ。
検査やレントゲンは、それぞれの<分析専門機関(LABORATOIRE)>に、その為の<処方箋>を持参します。
そのまま直ぐに<鼻腔>の細胞を取り、帰宅。
2時間後に<主治医>の先生が、試験所に問い合わせて、連絡してくれました。
「やはりH1N1でした。でも<A>(新型)かどうかは、簡易テストなので分かりませんが、何度も言う通り、症状は一緒ですから、あのままの処方で薬を飲んで下さい。」
という事で、1日後には熱も平熱に戻り、咳はやや続く物の、2日目には平常の活動が出来る様になりました。
他の生徒への感染を気遣って(咳が続いたので)結局4日目から登校する事に。
今回の件で、フランスと日本との<インフルエンザ>に対処する姿勢が全く違う事に、改めて感じ入ったものでした。
とにかく、全く<騒ぎ立てない>でのすね。
この時期は、インフルエンザは当たり前。
新型であろうが、季節性であろうが、何も変わりない。
症状は同じだし、騒ぐ事は何も無い。
年中行事にすぎない。
ウイルスのタイプが今までと違うだけ。
という訳です。
小学校等では、1クラス数名の欠席者がいる所も多いらしいですが、別に<学級閉鎖>でもなければ、ましてや<休校>など考えもしないらしい様です。
そこへ持って来て、冒頭の記事です。
ワクチン接種ですら、<副作用>がはっきりしない<新型のワクチン>には、100%の信頼は置かない。
この辺が<フランス人>と思ったら、ドイツでも同じ反応らしい。
ましてや、少し前まで散々<副作用>に言及していた『タミフル』は、(副作用のリスクをあえて承知でも)本当に必要なケース、にしか投与しない。
インフルエンザに関わらず、一般的に言って、治療も<本人の体力>で回復を待つ、という姿勢です。
なるべく<抗生物質>も与えない(副作用のほうが怖いという発想)事が多い。
第一<抗生物質>は<バクテリア>に有効なのであって、インフルエンザの原因である<ウイルス>には効かない。。。
今回の我が家のケースでは、子供である事、熱が38度半~39度前半という高熱が1日続いた、という状況であった為、周辺の菌を処置するために、抗生物質をくれた物の、元来<解熱剤>により熱を下げて、後は<本人>の自然治癒力で直させる、と言った考え方なのです。
予防接種に対する<国民の反応>といい、一般的な<治療に対する発想>といい、<医療ケアーのシステム>といい、恵まれた国にいる事のありがたさを、改めて実感しました。
なんだか、<安心>してしまった、我が家の<インフルエンザ感染>騒ぎでした。
それにしても、あの頃の<舛添大臣>のハシャギっぷりが、いと可笑し。
>体育館などに設けられたセンターでは、接種者の人数が予想を下回り、医師、看護師など待機するスタッフが時間をもてあます姿が見られた。ワクチン不足が連日のように報道されている日本では到底考えられないような光景かもしれない。
>ヨーロッパでは他にもドイツなどでも副作用のリスクを恐れる人が多く、接種をためらう傾向がみられるという。
【ANTENNE FRANCE】
私事ながら、生まれてこのかた<インフルエンザの予防接種>なる物に興味が無く(小学校時代は学校で全員摂取したかも知れませんが)、自慢ではありませんが、自立して以来一度たりとて受けた事がありません。
所で、今年の<新型ブタ・インフルエンザ>大流行の騒ぎで、年も年だし、今年くらいもしかして<やってみるか>と思ったりもしたものでした。
ところが、何度か主治医に問い合わせてみても、<何時頃から>開始されるか、「分からない。。。」という返事で、医者の間でも<情報>が無かった様でした。
例年、秋口から初冬にかけて、ニュースで「<ワクチン>が配布されたので、今日から接種可能です」という情報は必ず流れていた物の、今回の『新型』に関しては、フランスは何やらやけに慎重だな、と思っていた矢先の、上のニュース。
そんな矢先、先日家人がインフルエンザにかかりました。
9才になったばかりの小学生の男児です。
金曜日の夕方、帰宅後グッタリしていたので、もしやと思い<主治医の小児科医>に電話。
(医)「ああ、インフルエンザかも。アンフェタモル(解熱鎮痛剤)を飲ませて。それから水分をタップリ取る様に。」
(私)「あのう。。。今日はもう診察にはねじ込む余地はありませんか?」
(医)「超いっぱいでムリ。」
(私)「そんなんで大丈夫でしょうか?」
(医)「処置は同じだから。」
という訳で、診てもらえなかった。
フランスは、出生と同時に<小児科医>を決めて、離乳食の与え方から、実に定期的に10代後半までずっと<親身に>成長に応じて、面倒を見てくれるシステムになっています。
ところが翌日から高熱で、38度を大きく越えて、下がらない事態と相成った。
やむを得ず、『SOS MEDECIN』と言う、巡回医療センターに電話したのです。
パリには、24時間電話で往診に応じる<巡回医制度>があります。
普通の診療費より高いけれど、とても便利で安心です。
待つ事25分で先生到着。
じっくり診察して曰く。
「やはりインフルエンザの可能性が大きいですね。
新型かどうかは判断出来ませんが、症状は同じです
まだ初期なので、直接抗生物質は投与しない事にします。
咽頭での<菌>の増殖を抑える<吸入薬>を処方します。
解熱剤を6時間毎に与えて、もし咳が始まるようであれば、これこれの<咳止め>を。」
と<処方箋>を書いてくれました。
『タミフル』等は投与しなくていいのですか、と聞いた所、意外な答えが返ってきたのです。
「フランスでは、タミフルは通常投与しません。
1才未満に新生児と、3ヶ月未満の妊婦と、あと2種類の、限られた既往症の有る人、だけに限っています。。。」
意外、というか、ヤッパリ、と言うか。
「咳をすると、非常に多くの水分を対外に排出するので、水分は沢山与える事。」
結局、週末を通じて<高熱>と<咳>が収まらなかった為、週明けを待って<主治医>に連絡し、アポを貰いました。
じっくり診察して、やはりインフルエンザであろう。新型かどうかは分からない、症状は同じだから、と言う<巡回医>と同じ診立て。
直ちに<病理検査>のため、その場で<検査施設>にアポを取ってくれて、念のためと<抗生物質>を処方してくれました。
フランスでは、開業医は診断し、投薬や検査の処方をするだけ。
検査やレントゲンは、それぞれの<分析専門機関(LABORATOIRE)>に、その為の<処方箋>を持参します。
そのまま直ぐに<鼻腔>の細胞を取り、帰宅。
2時間後に<主治医>の先生が、試験所に問い合わせて、連絡してくれました。
「やはりH1N1でした。でも<A>(新型)かどうかは、簡易テストなので分かりませんが、何度も言う通り、症状は一緒ですから、あのままの処方で薬を飲んで下さい。」
という事で、1日後には熱も平熱に戻り、咳はやや続く物の、2日目には平常の活動が出来る様になりました。
他の生徒への感染を気遣って(咳が続いたので)結局4日目から登校する事に。
今回の件で、フランスと日本との<インフルエンザ>に対処する姿勢が全く違う事に、改めて感じ入ったものでした。
とにかく、全く<騒ぎ立てない>でのすね。
この時期は、インフルエンザは当たり前。
新型であろうが、季節性であろうが、何も変わりない。
症状は同じだし、騒ぐ事は何も無い。
年中行事にすぎない。
ウイルスのタイプが今までと違うだけ。
という訳です。
小学校等では、1クラス数名の欠席者がいる所も多いらしいですが、別に<学級閉鎖>でもなければ、ましてや<休校>など考えもしないらしい様です。
そこへ持って来て、冒頭の記事です。
ワクチン接種ですら、<副作用>がはっきりしない<新型のワクチン>には、100%の信頼は置かない。
この辺が<フランス人>と思ったら、ドイツでも同じ反応らしい。
ましてや、少し前まで散々<副作用>に言及していた『タミフル』は、(副作用のリスクをあえて承知でも)本当に必要なケース、にしか投与しない。
インフルエンザに関わらず、一般的に言って、治療も<本人の体力>で回復を待つ、という姿勢です。
なるべく<抗生物質>も与えない(副作用のほうが怖いという発想)事が多い。
第一<抗生物質>は<バクテリア>に有効なのであって、インフルエンザの原因である<ウイルス>には効かない。。。
今回の我が家のケースでは、子供である事、熱が38度半~39度前半という高熱が1日続いた、という状況であった為、周辺の菌を処置するために、抗生物質をくれた物の、元来<解熱剤>により熱を下げて、後は<本人>の自然治癒力で直させる、と言った考え方なのです。
予防接種に対する<国民の反応>といい、一般的な<治療に対する発想>といい、<医療ケアーのシステム>といい、恵まれた国にいる事のありがたさを、改めて実感しました。
なんだか、<安心>してしまった、我が家の<インフルエンザ感染>騒ぎでした。
それにしても、あの頃の<舛添大臣>のハシャギっぷりが、いと可笑し。