パリ・シャルル・ド・ゴール空港の『消防隊』基地を視察して来ました。
世界で四番目に大きな空港、『シャルル・ド・ゴール』空港は、パリからわずか30分の位置にあって、敷地面積三千五百ヘクタール!
東西に延びる4000メートルと、2700メートルが並走するダブル滑走路が、南北に二つ平行して、通常の空港2つがくっついたような構造です。
その南北の真ん中あたりに、現在エール・フランスとその提携航空会社が使う『ターミナル2』がA.B.C.D.E.F.Gと続き、さらに2年後にはもう一つ(たぶんH)が建設予定。
しかも、最初にオープンしてた、それ以外の航空会社が利用する『ターミナル1』もあって、年間利用客5000万人。
その空港の、一般乗降客の目に触れない重要な存在が、『空港消防』です。
北と南と、二カ所に駐屯基地があり、特に南基地はターミナル・ビルのすぐ裏に、ウジャウジャ駐機している機体の死角になる位置に、こんな<消防特殊車両>の待機する基地があるのです。
扉が開くと、精悍な特殊車両が顔を見せますが、一般にこの角度で見られる事は有りません。
中に入れてもらいました。
目下、隊員が定期作業中。
彼等は、一チームで隊長一人に隊員六人の七人構成。
朝7時から翌日7時迄の24時間勤務が一直。
先ず7時~8時が基本装備点検。
全て、チェック・シートに基づいて現物を念入りにチェックし、担当隊員と隊長がサインします。
8時~9時は朝食と休息。
9時~12時半までが、空港施設と航空機、消防業務全般の徹底的反復学習。
(なんと分野毎に厚さ10センチくらいのマニュアルが何冊も何冊もある!)
何しろ、冬には霧の多いこの空港で、有効視界100メートルなんて時でも、東西15キロ南北10キロの敷地内を、あらゆる滑走路や誘導路、各種建築物を縫って、あらゆる場所に3分以内に到着しなければならないのだ。
12時半~14時昼食と休憩。
14時~19時は機材、車両を使っての実地訓練。
実際の航空機のコックピットに外から入り込んでエンジンや電気系統を切断する実技、何てのも有るらしい。
夕食後、翌朝7時迄は待機。
以上が、緊急出動が無かった場合の、隊員の一日です。
勤務開けは24時間のオフ。
これは15000リットル積載の科学消防車。
これ二台と、6500リットルの一台が組んで、3台一チームで航空機事故に出動します。
それ以外に、総延長距離何百キロにも及ぶ車両走行レーンや道路での交通事故や、一般火災に出動する<小型車両>が何台も待機。
車庫に待機中の車両は、電源コードにつながれていて、どの季節でも24時間エンジン温度40度に保たれています。
出動の際、スグにエンジンがかかる様に。
15000リットルの水を摘んだ総重量18トンの車両が時速140キロで走ると、止まるのが大変。
運転実技訓練は欠かせません。
さあ、給水完了。
時あたかもテイク・オフ直後のエール・フランス機を背景に<放水>。
500馬力のエンジンは、走行と放水とを同時にまかなえるのです。
『空港消防司令室』では、3基ある管制塔とのホットラインを含め、あらゆるハイテク機器で空港の敷地全域と、侵入空域全域をカバーする特殊センサーで、異変が無いかを見張っています。
管制塔からの一報で、直ちに行動開始。
その後、『消防司令』自らの運転するワゴン車(もちろん赤塗り)で、空港敷地内を案内してもらったのですが。。。
滑走路を平気で横切り(4本の滑走路は全て、1分間隔で離着陸している!)、タクシーイングの二機のジェット旅客機の真後ろを走ったのは圧巻でした。
この『シャルル・ド・ゴール空港消防司令』は、あの<コンコルド墜落>の現場で指揮をとった人物なのでした。
最後にとっておきの写真。
隊員達の資格認定定期訓練での、炎上機体消火訓練。
実物大のエアバスA320のモックアップを炎上させての、実地訓練です。
さすがにこれは<空港の敷地内>では行いません。
(空港だったら目撃した全員がパニッルになってしまう!)
無事鎮火。
隊員は反対側のドアから内部に突入して、乗客のレスキューに当たる訓練が続きます。
隊員全員が、実際には遭遇したくないが、でもその時に当たったら、一切の躊躇なく果敢に実行出来る自信を持っています。
楽しい空の旅の影で、毎日訓練に明け暮れる<空港消防>の組織と、その隊員達におおいに感謝の念を感じた一日でした。
世界で四番目に大きな空港、『シャルル・ド・ゴール』空港は、パリからわずか30分の位置にあって、敷地面積三千五百ヘクタール!
東西に延びる4000メートルと、2700メートルが並走するダブル滑走路が、南北に二つ平行して、通常の空港2つがくっついたような構造です。
その南北の真ん中あたりに、現在エール・フランスとその提携航空会社が使う『ターミナル2』がA.B.C.D.E.F.Gと続き、さらに2年後にはもう一つ(たぶんH)が建設予定。
しかも、最初にオープンしてた、それ以外の航空会社が利用する『ターミナル1』もあって、年間利用客5000万人。
その空港の、一般乗降客の目に触れない重要な存在が、『空港消防』です。
北と南と、二カ所に駐屯基地があり、特に南基地はターミナル・ビルのすぐ裏に、ウジャウジャ駐機している機体の死角になる位置に、こんな<消防特殊車両>の待機する基地があるのです。
扉が開くと、精悍な特殊車両が顔を見せますが、一般にこの角度で見られる事は有りません。
中に入れてもらいました。
目下、隊員が定期作業中。
彼等は、一チームで隊長一人に隊員六人の七人構成。
朝7時から翌日7時迄の24時間勤務が一直。
先ず7時~8時が基本装備点検。
全て、チェック・シートに基づいて現物を念入りにチェックし、担当隊員と隊長がサインします。
8時~9時は朝食と休息。
9時~12時半までが、空港施設と航空機、消防業務全般の徹底的反復学習。
(なんと分野毎に厚さ10センチくらいのマニュアルが何冊も何冊もある!)
何しろ、冬には霧の多いこの空港で、有効視界100メートルなんて時でも、東西15キロ南北10キロの敷地内を、あらゆる滑走路や誘導路、各種建築物を縫って、あらゆる場所に3分以内に到着しなければならないのだ。
12時半~14時昼食と休憩。
14時~19時は機材、車両を使っての実地訓練。
実際の航空機のコックピットに外から入り込んでエンジンや電気系統を切断する実技、何てのも有るらしい。
夕食後、翌朝7時迄は待機。
以上が、緊急出動が無かった場合の、隊員の一日です。
勤務開けは24時間のオフ。
これは15000リットル積載の科学消防車。
これ二台と、6500リットルの一台が組んで、3台一チームで航空機事故に出動します。
それ以外に、総延長距離何百キロにも及ぶ車両走行レーンや道路での交通事故や、一般火災に出動する<小型車両>が何台も待機。
車庫に待機中の車両は、電源コードにつながれていて、どの季節でも24時間エンジン温度40度に保たれています。
出動の際、スグにエンジンがかかる様に。
15000リットルの水を摘んだ総重量18トンの車両が時速140キロで走ると、止まるのが大変。
運転実技訓練は欠かせません。
さあ、給水完了。
時あたかもテイク・オフ直後のエール・フランス機を背景に<放水>。
500馬力のエンジンは、走行と放水とを同時にまかなえるのです。
『空港消防司令室』では、3基ある管制塔とのホットラインを含め、あらゆるハイテク機器で空港の敷地全域と、侵入空域全域をカバーする特殊センサーで、異変が無いかを見張っています。
管制塔からの一報で、直ちに行動開始。
その後、『消防司令』自らの運転するワゴン車(もちろん赤塗り)で、空港敷地内を案内してもらったのですが。。。
滑走路を平気で横切り(4本の滑走路は全て、1分間隔で離着陸している!)、タクシーイングの二機のジェット旅客機の真後ろを走ったのは圧巻でした。
この『シャルル・ド・ゴール空港消防司令』は、あの<コンコルド墜落>の現場で指揮をとった人物なのでした。
最後にとっておきの写真。
隊員達の資格認定定期訓練での、炎上機体消火訓練。
実物大のエアバスA320のモックアップを炎上させての、実地訓練です。
さすがにこれは<空港の敷地内>では行いません。
(空港だったら目撃した全員がパニッルになってしまう!)
無事鎮火。
隊員は反対側のドアから内部に突入して、乗客のレスキューに当たる訓練が続きます。
隊員全員が、実際には遭遇したくないが、でもその時に当たったら、一切の躊躇なく果敢に実行出来る自信を持っています。
楽しい空の旅の影で、毎日訓練に明け暮れる<空港消防>の組織と、その隊員達におおいに感謝の念を感じた一日でした。