晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

果たして日本の社会は変われるのか / <鳩山首相の哲学論と小沢幹事長のかたくなさ>の狭間で

2009-11-03 18:34:13 | 日本人の意識と精神構造
最初にはっきりさせておきたい事。

最近の私は、『民主党』へ支持と『自民党』への批判とを繰り返して来ましたが、これはあくまで<現時点での事>である、と言う事です。

とにかく我が祖国が、あまりに矛盾だらけの、荒廃した社会になってしまった事を悲しみ、そのような社会を造り続けて来た<旧政権=自民党>と(その協力者公明党と)に、これまで国民の大半が盲目的に示して来た、<我田引水的支持>という<思考回路>への疑問提起なのです。

ただ、『民主党』の基本姿勢は、旧政権の<特権階級への利益誘導>姿勢に比べて、<遥かに>未来への希望が抱けるのは、事実です。


さて、臨時国会も開会され、鳩山首相の『所信表明』もなされ、<予算委>での与野党代表質問も始まって、いよいよ成り行きに目が離せなくなって来ました。

その<本会議>に置ける代表質問時の鳩山首相の発言が、野党側の批判に晒されているらしい。
曰く。
「あなた方に言われたくない」

この表現を、首相は計9回使ったらしい。

▶加藤紘一元幹事長は、先月28日に衆院での自民党の谷垣禎一総裁の代表質問に、首相が「政権にビジョンがないと、あなた方に言われたくない」と逆切れしたことを批判。「総理の言葉ではない。野党ぼけではないか」と首相としての品格を問いただした。
【スポーツ報知】

この発言に対して、ブログの世界では批判的傾向が強いようです。
しかし、普段政治談義などこれまで無縁だった様な、お母さん達やお年寄り達が、ニュースで聞いた瞬間<手を叩いて>喜んだ、と言う反応がを多々聞きました。

至極当然な反応だと思います(庶民には解るのダ)。

首相がいみじくも行った通り、<戦後60年の大掃除>を始めた訳です。

こんな社会にしてしまった<自民党>の議員達に、<政治ビジョンが感じられない>だの、<ブレまくり>だの、<閣内ゴタゴタ>だの、何処にそんな事を言える筋合いが有ると言うのだろう。

例えば。
介護が最も必要とされている人々に<介護保険>が適用されず、<肉親>の介護のためにせっかく築いてきた社会的ポジションを捨てて、アルバイトしか収入の道が無くなり、さらに生活苦に追い込まれる。
その間、大企業はたとえ不況といえども<利益>を内部に溜め込んで、不毛な<世界との競争>なる勝手な理論に終始して来た。

そんな社会をダラダラと造り続けて来た<彼等>に、そんな事を言う<資格>は無い。

事実、そのように返された谷垣<自民党総裁>は、二の句が告げなかったではないですか。

後から、ヤレ<総理の言葉ではない>とか、<野党ボケ>等と言い出す彼等の方が、よっぽど<与党ボケ>しているのではないか。

政権を交代させて、前政権のウミを出し切るべく作業を開始した<新政権のリーダー>としては、そのくらいの発言は、当然の権利であり、姿勢である。

首相は、謝る必要は無かった。

大島自民党幹事長が繰り返した質問。
「マニフェストが守れない時、総理はどう責任を取るのか?」

鳩山首相の答弁。
「マニフェストが実現できなかった場合について「首相として責任を取る。選挙を行うことが一番だ」と述べ、衆院解散・総選挙で信を問う考えを示した。その上で「マニフェストが果たされたか、果たされなかったかを判断するのは4年後だ」

至極潔良い。

今までの自民党が、<政権公約>を守った事が有ったか。
彼等にとって<政権公約>と言う物は、<選挙の時の空手形>に過ぎなかったではないか。
(<ユーセー、ユーセーと叫んだ首相だけは、その点に関しては守ったけれど。。。)

あなた方に言われたくない。


普天間基地移設問題にして然り。

あくまで、旧政権の残した<負の遺産>の大掃除をするのに、直前に迫った<オバマ大統領訪日>前に結論を出す、等と言う<アメリカの為の>政策決定をする必要等、無い。

国の根幹に関わる重大事は、じっくり判断する時間が必要である。

それが『政権交代』ということなのです。

もちろん<国と国>との取り決めは、前政権が決めた事とは言え、簡単に<白紙撤回>等出来ない事は、百も承知だが、だからといって<相手の都合>に無理矢理合わせる必要等、全く無い。

あくまで、日本の<国と国民>との為に、最良の決定を模索する事は当然であり、時間をかけてでも徹底して行うべし。

キャンプ・シュワブに移転を取り決めた<自民党政権>だって、10何年間、実行に移せなかったでは無かったのか。

事は<それほどに>重大かつ難しいことなのです。

旧政権の人々と、その支持者達は、どうしても先ず<アメリカ有りき>、の発想から抜け出せないらしい。

一体何故そんな風になってしまったのだろう。
可哀想な日本人達だ(それとも無意識にアメリカ人だと思ってたりして)。


方や、小沢幹事長の<かたくなさ>も、心配の種である。

<憲法解釈>問題がその最たる問題点であろう。

▶先月7日の小沢一郎幹事長の記者会見。「法制局長官も官僚でしょ。官僚は(答弁に)入らない」と語り、国会法を改正して内閣法制局長官の国会答弁を封じる意向を示した。

内閣法制局は「法の番人」とも呼ばれる。法理を駆使して、ときの政府の意向をかなえる知恵袋の役を果たす一方で、例えば海外での武力行使をめぐって「憲法9条の下ではできない」との見解を守り続け、憲法解釈に一定の歯止めをかけてきた。

一方、小沢氏はかねて「国連決議があれば海外での武力行使も可能」と主張し、何度も法制局とぶつかってきた。新進党首だった97年には、日米ガイドラインの憲法解釈をめぐって橋本首相に代わって答弁した法制局長官を「僭越(せんえつ)だ」と国会で批判。03年には自由党首として「内閣法制局廃止法案」を提出した。

こうした過去の言動を見れば、憲法解釈も政治家が行うというのが、小沢氏の隠れた真意だと見る法学者もいる。【朝日新聞電子版】

これは看過出来ない事だと思う。

▶内閣が変わるたびに、法制局は、長年積み重ねた国会答弁をもとに「戦争放棄」の9条や「政教分離」の20条など憲法の課題を新首相にレクチャーする。議員が提出する質問主意書の政府答弁にもすべて目を通す。

そうした後ろ支えがなければ、政治家の「脱線答弁」が頻発し、それが定着してしまうという。国の基本的なあり方は、憲法改正という民意を問う手続きを経るべきだと秋山さんは考える。「その時々の多数政党の力で9条の解釈が揺れ動くのは憂慮すべき事態だ」
【同】

憲法解釈は、議論の余地が山ほど有るので、ここで話題にするつもりは有りませんが、ただ『法制審議会』の様な組織が公正な立場で歯止めになって来た、と言う事実は否定出来ない重要な点であろう。

第一<内閣>の中に有って、今まで<自民党政権>で憲法解釈を(それほどには)変えて来なかった、事がスバラシイ。

法解釈の素人である政治家が、<憲法の解釈>をその時の都合で<勝手に>事を運ばれてはエラい事になる。

さらに、深刻な事が<外国人参政権>の発想。

この件は、現在いくら<民主党支持>を表明している私でも、許せない。

旧自民党衆院議員(!)の木原稔氏のブログに、私の言いたい事がすべて書いてあるので、是非ご覧下さい、

http://news.livedoor.com/article/detail/4428008/

広く国民的議論がなされていない、このような幾つかの重要な事柄を、いつの間にかやってしまおうとしている<豪腕>小沢氏には、正直<不安>を覚える物です。


今回の政権交代は、有るイミで『関ヶ原の戦い』直後や、『明治維新』直後の如きに<徹底した>、言い換えれば<非情>なまでの<執念深い>実行力が必要とされている、根本的な大変革だと行って良い機会だと思うのです。

大河ドラマ『天知人』で、松方弘樹が<怪演>している『徳川家康』の如く、あるいは『明治維新』の薩長政府のごとく、批判を恐れず、強引に我が儘に、「そこまでやるか」と言われる程までに、その思う所を遂行出来るか否か。

そこまで<民主党政権>がやり通せるかに、今回の<政権交代>の持つ意義がかかっていると言っても、言い過ぎではないと考えます。

それにしては、鳩山首相は<浮世離れしているが如き哲学性>に過ぎる傾向が見られるし、おのれの思想には絶対ブレない小沢幹事長は<聞く耳持たぬ程の非妥協性>に過ぎるキライが有る。

その狭間に会って、この政権がこれから先、どう<化学反応>を起こすのか?

日本を変える事が出来るか。

それ以前に<マスコミ>の圧力と、それに流されるであろう<判断力の不足する一部の人々>との圧力によって、潰されてしまうかは、我々<日本人>一人一人の<資質>が試されているとも言えるであろう。

日本のほとんどの<一般大衆>は、通常<気が短い>上に、<大変革は望まない>のが、これまでの示されて来た傾向であるのだから。


<知らしむべからず、依らしむべし>と、善良なる日本人を飼いならしてしまったのは、他ならぬ<家康>であったか。。。
コメント (2)
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