難民の流れは止まらない。
早9月となり、ヨーロッパの秋はあっという間に過ぎ去って、長い冬を呼ぶ。
秋から冬にかけて、地中海は荒れる事が多い。
そして、冬のヨーロッパは決して快適とは言えない環境となる。
中東や北アフリカの難民たちは、そうなる前にヨーロッパにたどり着きたい。
老朽船にすし詰め状態で海を渡るには、秋や、まして冬ではあまりにもリスクが大きすぎる。
冬の到来とともに、彼らが向かう西欧までの長く危険な道中に、野宿は無理だ。
ドイツには、今年一年間で80万人もの難民が到着すると、見込まれている。
そのドイツは、その他のヨーロッパ諸国に比べて経済状態に恵まれている。
その分、移民や難民に対する感覚も、他に比べて優しかった。
しかし、物事には限度とうものがある。
すでに、極右の台頭が見られる中にあって、難民収容施設を襲撃する事件が頻発した。
ただ、その反動で市民の間で「難民受け入れ」に積極的に取り組むべきだという社会運動が起こり、反「難民排斥」デモが各地で起こり、当然のようにフランスにも波及している。
しかし。
今現在でドイツが受け入れる難民は、その全員をドイツに定着してもらうわけではなく、EU各国に分散する意向である。
そして、先般EU委員会が提案し各国が拒否した、各国の受け入れ割り当て数を上回る数で協調するべきだと、本日8日メルケル首相が発言。
当然各国は困惑している。
イギリスとフランスもそれぞれ24000人ずつ受け入れると発表したが、一日経って本日には2万人ずつとトーンダウン。
何しろ、難民受け入れ(移民政策)は、政権にとって命取りななるほど微妙な問題なのである。
同じEU加盟国といっても、西欧と旧東欧諸国とでは、国の経済基盤に差がありすぎる。
それの解消に、EU予算から新加盟国に多額のインフラ整備予算が回せれており、その事にドイツとイギリスとが殊の外不満を持っていた。
「自分たちの稼ぎが自分たちに反映せず、自分たちの稼ぎでなんで彼らを豊かにしてやらなければならないのか」
というわけだ。
その事が、近年のイギリスをしてEU脱退を視野に入れる発言を繰り返させてきた。
その事がギリシア危機に際して、ギリシア支援をドイツの不人情なまでの反発を生んでいた。
旧東欧諸国は、EU加盟で潤いインフラの整備を可能とし、工業化の前進をみて、低賃金を武器に西欧諸国の経済にダメージを与えてきた。
その彼らは、難民は受け入れたくない。
「自分たちの経済力では不可能」だという。
つまりアッチもコッチも、都合のいい時だけEUを利用し、都合の悪いことは国家主義を前面に出してしまう。
しかも、ここ1年急速に増えてきた「ボートピープル」は、それぞれの国では中産階級なのだ。
25万円から450万円とも言われる途方もない「乗船料」を払えた人たちなのだ。
彼らは「家も家具も全て売り払って手数料に当てた。もう着の身着のまま」と言いつつ、先進国での豊かな生活を夢見て、西欧へ西欧へと向かう。
そして、すでにドイツやフランス、イギリスなどで難民認定を受け、住居の提供と生活支援金を得た難民たちが、FBやツイッターなどのSNSで新生活を自慢しているから、始末におえない。
当然、皆が皆同じように豊かに暮らせると信じ込んでやって来る。
だがしかし。
ドイツが受け入れに寛容なのは、あくまで「労働力」としてであり、中産階級の生活を保証するためではない。
そこにギャップが生まれる。
故国で中産階級であった難民たちは、新天地でもその国の中産階級の暮らしがしたい。
若者たちは大学に行って、良い暮らしをしたいと言う。
しかし、受け入れ側はそこまでの環境を提供するつもりはない。
階級社会の西欧で、労働力というのは、あくまで中産階級ではない。
さらに、西欧は「キリスト教」の文化圏である。
キリスト教の「博愛精神」で、難民を受け入れよう、親切にしよう、と訴えてはいても、現実の社会の中では市民たちは「イスラム」にうんざりしているのだ。
前の記事にも書いた通りだが、西欧各国でイスラム教徒は問題の種でこそあれ、歓迎するべきメリットは何もない。
これまでに移民して住んでいる彼らは、故国では低階層の出身者であることが多く、学歴や教養も乏しかった。
そして、生活習慣の違いと宗教への非寛容が西欧社会との軋轢を生み出し、差別意識の対象となってしまい、社会の上層部に入っていけるチャンスは生まれない。
教育水準は恵まれない中で低水準に留まり続け、職業も一般労働者かそれ以下で甘んじるしかない。
もともと階級社会の西欧では、その階級差は埋められることはなく、不利な環境で益々差が開いていくだけ。
犯罪の多くは彼ら移民のせいにされ、偏見はさらに強まり、真面目に生きようとする若者たちまで締め出されて非行化にはまって行く、負の循環に陥っている。
彼らが、故国を捨てて移民してきて、西欧諸国で暮らしていく決心をした以上、その国の国民になりきってしまうのなら、まだ問題は少ないのだろうが、彼らは決して宗教は捨てないし、それに伴う生活文化も替え用としない。
そうすると、失業者も多く生活支援金の給付の恩恵を受ける彼らの数の多さに、各国の極右の人々は排斥行動に走るようになる。
全く、負の連鎖は断ち切れないのだ。
確かに、難民認定を受けられれば、住居は提供され生活支援金はドイツの場合2千ユーロほど、フランスでも1600ユーロほど支払われる。
子沢山の彼らには、児童手当も給付されるので、6人も子供がいれが親は働かなくても暮らしていける、と地元住民は不快感を隠さない。
このような難民と地元住民との軋轢は、国家間の軋轢とも連動してしまうのだ。
オランダは、昨今政権交代がなされ、それまでの社会民主勢力から「中道右派」へと変わった。
そのオランダ政府は、難民を歓迎しない方針を決定し、実際に宣伝活動を始めている。
そのことで、自国のリベラル側の政治家たちからも批判を受け、EU諸国からも反発を受けかかっているが、しかしたった560万人しか人口のない小国で、昨年は15千人の難民を受け入れ、今年は半年でその数字に達してしまった。
現実問題として、もっと沢山受け入れろと、批判するのは現実的ではないのではなかろうか。
彼らなりに、十分努力してきた結果の決断なのだから。
フランスは、もっと深刻である。
社会党の大統領フランソワ・オーランドは、政権交代をなし遂げたものの、支持層の国民たちが期待した政策は何も行えず、失業はさらに増え、税金は上がり、格差は広がる一方。
すでに統一地方選挙では、大敗を喫してしまっている。
ただでさえ、極右政党の支持率が急速に伸びてきて、いまや一般政党並みの扱いである。
まさしく「大阪維新」や「次世代の党」の様に、あまり疑問を抱かれずにそれなりの地位を獲得してしまっている。
その状況にあって、兼ねてより最も大きな社会問題であった移民問題に、これ以上火をつけたくない。
しかし、「自由」と「平等」と「博愛」とを国是とする以上、今夏に悲惨な難民問題に、扉を閉ざすことはできない。
大変微妙な綱渡りを強いられている現状である。
世界中で涙を誘った、あのシリア人の幼児の難破事故の犠牲写真のおかげで、今のところ一気に難民に優しい空気が生まれているとはいうものの、それはあくまで一過性の風にすぎない。
これから、最終引き受け国の割り振り、受け入れ国への一体化への行政支援、教育や医療問題や、具体的な問題は山ほどあり、それらにかかる予算額は天文学的な数字に登る。
ドイツ一国で、難民支援の資金は1兆ユーロに達する見込みだと、いわれている。
ただでさえ、ドイツ以外の各国は財政赤字に悩み、EU加盟国としての条件を満たすことすら実質的に不可能になりかかっている現在、自分たちに関係ない膨大な支出にどこまで耐えられるのか。
ギリシャ危機を見ていれば、理解できるというものである。
さらに言えば、それらの問題は枝葉であって、本質には触れていないのだ。
いくら西欧側が拒否しようと、門戸を閉ざそうと、難民たちの流入は止められない。
なぜならば、西欧と難民発生国との生活の格差は大きく、人は常に豊かな生活を求める。
それでも、自分の国が安定していれば、誰も好き好んで祖国を捨てて難民になろうなどとは思わないものだ。
先祖代々の生活の拠点である祖国が荒廃し、戦闘に明け暮れ生死の境をさまよう日々を送らされていると、自分と家族の生命が脅かされる事態に遭遇した時、人は自らとその家族とを守るためには、祖国も捨てる決意をする。
中東各地の紛争は、石油の利権をめぐってのアメリカと西欧と地元との戦いであって、西欧に与する支配者が国民に圧政をしき、それに対する反乱が起こると、政権を守るためにアメリカ及び西欧が干渉する。
それの繰り返しであった。
圧政者や独裁者にどう対処するかは、それぞれの国民の権利と義務であり、外国が干渉したり、ましてや武力行使で転覆させたりしてはならないものなのだ。
それを、石油利権があるゆえにアメリカは常にやってはならないことをやり続けてきた。
反政府勢力に武器を提供し、その反政府勢力の支援として「アルカイダ」や「IS」を造り、それらが三つ巴、四つ巴となって収集のつかない事態を作り出してきた。
学習することなく、同じことをアフリカで、中南米で、中東で、繰り返して来た。
親西欧勢力を維持するために資金を提供し、武器を提供し、その勢力がコントロールできなくなると反政府勢力を作り上げ、それらに資金と武器とを提供し…。
地元の一般市民にとっては、甚だ迷惑なことだ。
結果として、一般の住民として命の危険にさらされ、国を脱出することとなる。
誰が責任を取るべきか。
どういうやり方で責任が取れるのか。
難民を生み出す国々は、その存在すら不確かになってきた。
難民が殺到する西欧諸国は、その受け入れによってその経済基盤と社会基盤とが、より不安定になってゆく。
これは、下手するとEUの崩壊にも繋がりかねない重大な要因である。
しかし。
「必死で手を伸ばして助けを求めている人たちがいる以上、その手を振り払うことはできない」
ところで、数ヶ月も更新しなかったしがないブログも監視している人たちがいるのか、先日更新した途端にコメントが送られてきた。
全く意味不明の「ネトウヨ語」で幼稚な内容で。
私は自分ではリベラルの範疇に居るつもりである。
その私のブログやツイートに絡んでくるネトウヨ諸君の文言を見るにつれ、彼らの幼稚さ、頭の悪さを痛感する次第である。
もっとも、バカのふりをして馬鹿なコメント送りつけるのが仕事の人たちなのかも知れないが。
それならそれで、ご苦労さん。
日本はと言えば、少子化の極みである。
何しろ男女二人の間に生まれる子供の数が一人半にも満たないのだからに世代後には弱小国にならざるを得ない。
まあ、それでも社会が熟成していれば、別に輸出額が半減しようが、GDPが半減しようが、人口も減るのであれば食っていけるだろうし、高度な文化を紡いでゆくことは可能だろう。
しかし日本の官僚やら政治家やらは、あくまで「世界の先進国」という幻想を捨てられない。
大企業は絶対「世界規模」で商売をし続け、国家経済は世界の基準の一つであり続けなければならないと、思い込んでいる。
それなのに。
実質的に核爆発を起こした原発の処理は何もできず。
全国に汚染食品を流通させ。
現地の自治体には強制的に住民を帰還させ。
除染というごまかしの移染で除去した汚染土を、建築資材や農土に再利用し様と企み。
住民の健康診断はおろそかに、必要な医療対策は取らず。
低所得層を直撃する消費税は増税し。
大企業の法人税は下げ続け。
正規労働者の環境をどんどん少なくして非正規化に突き進み。
その派遣労働法を改悪して派遣社員の雇い止めを引き起こさせ。
貧困層を大量に生み出しながら、社会保障は削りに削り。
国民に番号をつけてm納税のみならず財政状態から健康状態まで国家管理をしようとし。
政府は好き勝手なことが出来て、内容は秘密法で隠し。
その秘密法で国民監視を行い。
TPPで、国の伝統的社会経済の環境を破壊して外国に献金し。
戦争放棄の憲法を無視してアメリカの肩代わりで自衛隊を派遣し。
政権に対する批判を封じるための報道規制を行い。
自民党と公明党の政治家と霞ヶ関官僚だけ、特権階級で日本を支配する。
さて国民はどうなるでしょう。
ネトウヨ諸君はお分かりにならないが、国民の生活は破綻し、国民自体の存在が危ぶまれることとなる。
そこで。
偏差値秀才の霞ヶ関は、東南アジアから移民を導入して、安価な労働力を確保しようと考えているらしい。
馬鹿め。
東南アジアだって、いつまでも発展途上のままではない。
すぐにでも、日本に追いつき追い越す。
シンガポールなどはすでに日本を追い越している。
ねえねえ、官僚さん達。
どうする気?
目と耳と口を持たない働き蟻国民が、どんどんいなくなっちゃうよ。
どうせ移民で人口維持を図るんなら。
今決めろよ。
難民の相当数を受け入れなさい。
日本の情けない国情を包み隠さずお話しして、こんな政治的三流国でもよろしければ、生活は保障いたします。
ご姉弟の教育もちゃんとやって差し上げます。
田舎の日本人は親切です。
日本人になって、日本社会に溶け込んで、日本の明日の為にお力をお貸しください。
納得していただければ、生活には困らない様にいたします。
生来の日本国民と、一切の差別はいたしません。
どうか、お越しください。
この美しい国へ。
しかもだ。
本来、一番被害にあってるはずの、シリアやイラクやエジップトの田舎の農民達。
脱出する為の経費を賄えないで、ISやアルカイダやシリア政府軍や、米軍や英仏軍の攻撃に晒されている人たち。
イスラエルの人でなしの暴挙に、家を壊され土地を奪われ、家畜を殺されオリーブ畑を焼かれているパレスティなの人々。
そんな人たちこそが、安住の地と平和な生活とを最も必要としている、そんな人たちにこそ、呼びかけてご覧んよ。
大々的に宣伝してご覧。
君たち官僚と自民党が渇望する「世界中の尊敬」を、一身に勝ち取ることができるよ。
国民から搾り取ることだけが、エリートの役割ではございません。
一度くらい、オツムを使ってみることをご提案いたします。
早9月となり、ヨーロッパの秋はあっという間に過ぎ去って、長い冬を呼ぶ。
秋から冬にかけて、地中海は荒れる事が多い。
そして、冬のヨーロッパは決して快適とは言えない環境となる。
中東や北アフリカの難民たちは、そうなる前にヨーロッパにたどり着きたい。
老朽船にすし詰め状態で海を渡るには、秋や、まして冬ではあまりにもリスクが大きすぎる。
冬の到来とともに、彼らが向かう西欧までの長く危険な道中に、野宿は無理だ。
ドイツには、今年一年間で80万人もの難民が到着すると、見込まれている。
そのドイツは、その他のヨーロッパ諸国に比べて経済状態に恵まれている。
その分、移民や難民に対する感覚も、他に比べて優しかった。
しかし、物事には限度とうものがある。
すでに、極右の台頭が見られる中にあって、難民収容施設を襲撃する事件が頻発した。
ただ、その反動で市民の間で「難民受け入れ」に積極的に取り組むべきだという社会運動が起こり、反「難民排斥」デモが各地で起こり、当然のようにフランスにも波及している。
しかし。
今現在でドイツが受け入れる難民は、その全員をドイツに定着してもらうわけではなく、EU各国に分散する意向である。
そして、先般EU委員会が提案し各国が拒否した、各国の受け入れ割り当て数を上回る数で協調するべきだと、本日8日メルケル首相が発言。
当然各国は困惑している。
イギリスとフランスもそれぞれ24000人ずつ受け入れると発表したが、一日経って本日には2万人ずつとトーンダウン。
何しろ、難民受け入れ(移民政策)は、政権にとって命取りななるほど微妙な問題なのである。
同じEU加盟国といっても、西欧と旧東欧諸国とでは、国の経済基盤に差がありすぎる。
それの解消に、EU予算から新加盟国に多額のインフラ整備予算が回せれており、その事にドイツとイギリスとが殊の外不満を持っていた。
「自分たちの稼ぎが自分たちに反映せず、自分たちの稼ぎでなんで彼らを豊かにしてやらなければならないのか」
というわけだ。
その事が、近年のイギリスをしてEU脱退を視野に入れる発言を繰り返させてきた。
その事がギリシア危機に際して、ギリシア支援をドイツの不人情なまでの反発を生んでいた。
旧東欧諸国は、EU加盟で潤いインフラの整備を可能とし、工業化の前進をみて、低賃金を武器に西欧諸国の経済にダメージを与えてきた。
その彼らは、難民は受け入れたくない。
「自分たちの経済力では不可能」だという。
つまりアッチもコッチも、都合のいい時だけEUを利用し、都合の悪いことは国家主義を前面に出してしまう。
しかも、ここ1年急速に増えてきた「ボートピープル」は、それぞれの国では中産階級なのだ。
25万円から450万円とも言われる途方もない「乗船料」を払えた人たちなのだ。
彼らは「家も家具も全て売り払って手数料に当てた。もう着の身着のまま」と言いつつ、先進国での豊かな生活を夢見て、西欧へ西欧へと向かう。
そして、すでにドイツやフランス、イギリスなどで難民認定を受け、住居の提供と生活支援金を得た難民たちが、FBやツイッターなどのSNSで新生活を自慢しているから、始末におえない。
当然、皆が皆同じように豊かに暮らせると信じ込んでやって来る。
だがしかし。
ドイツが受け入れに寛容なのは、あくまで「労働力」としてであり、中産階級の生活を保証するためではない。
そこにギャップが生まれる。
故国で中産階級であった難民たちは、新天地でもその国の中産階級の暮らしがしたい。
若者たちは大学に行って、良い暮らしをしたいと言う。
しかし、受け入れ側はそこまでの環境を提供するつもりはない。
階級社会の西欧で、労働力というのは、あくまで中産階級ではない。
さらに、西欧は「キリスト教」の文化圏である。
キリスト教の「博愛精神」で、難民を受け入れよう、親切にしよう、と訴えてはいても、現実の社会の中では市民たちは「イスラム」にうんざりしているのだ。
前の記事にも書いた通りだが、西欧各国でイスラム教徒は問題の種でこそあれ、歓迎するべきメリットは何もない。
これまでに移民して住んでいる彼らは、故国では低階層の出身者であることが多く、学歴や教養も乏しかった。
そして、生活習慣の違いと宗教への非寛容が西欧社会との軋轢を生み出し、差別意識の対象となってしまい、社会の上層部に入っていけるチャンスは生まれない。
教育水準は恵まれない中で低水準に留まり続け、職業も一般労働者かそれ以下で甘んじるしかない。
もともと階級社会の西欧では、その階級差は埋められることはなく、不利な環境で益々差が開いていくだけ。
犯罪の多くは彼ら移民のせいにされ、偏見はさらに強まり、真面目に生きようとする若者たちまで締め出されて非行化にはまって行く、負の循環に陥っている。
彼らが、故国を捨てて移民してきて、西欧諸国で暮らしていく決心をした以上、その国の国民になりきってしまうのなら、まだ問題は少ないのだろうが、彼らは決して宗教は捨てないし、それに伴う生活文化も替え用としない。
そうすると、失業者も多く生活支援金の給付の恩恵を受ける彼らの数の多さに、各国の極右の人々は排斥行動に走るようになる。
全く、負の連鎖は断ち切れないのだ。
確かに、難民認定を受けられれば、住居は提供され生活支援金はドイツの場合2千ユーロほど、フランスでも1600ユーロほど支払われる。
子沢山の彼らには、児童手当も給付されるので、6人も子供がいれが親は働かなくても暮らしていける、と地元住民は不快感を隠さない。
このような難民と地元住民との軋轢は、国家間の軋轢とも連動してしまうのだ。
オランダは、昨今政権交代がなされ、それまでの社会民主勢力から「中道右派」へと変わった。
そのオランダ政府は、難民を歓迎しない方針を決定し、実際に宣伝活動を始めている。
そのことで、自国のリベラル側の政治家たちからも批判を受け、EU諸国からも反発を受けかかっているが、しかしたった560万人しか人口のない小国で、昨年は15千人の難民を受け入れ、今年は半年でその数字に達してしまった。
現実問題として、もっと沢山受け入れろと、批判するのは現実的ではないのではなかろうか。
彼らなりに、十分努力してきた結果の決断なのだから。
フランスは、もっと深刻である。
社会党の大統領フランソワ・オーランドは、政権交代をなし遂げたものの、支持層の国民たちが期待した政策は何も行えず、失業はさらに増え、税金は上がり、格差は広がる一方。
すでに統一地方選挙では、大敗を喫してしまっている。
ただでさえ、極右政党の支持率が急速に伸びてきて、いまや一般政党並みの扱いである。
まさしく「大阪維新」や「次世代の党」の様に、あまり疑問を抱かれずにそれなりの地位を獲得してしまっている。
その状況にあって、兼ねてより最も大きな社会問題であった移民問題に、これ以上火をつけたくない。
しかし、「自由」と「平等」と「博愛」とを国是とする以上、今夏に悲惨な難民問題に、扉を閉ざすことはできない。
大変微妙な綱渡りを強いられている現状である。
世界中で涙を誘った、あのシリア人の幼児の難破事故の犠牲写真のおかげで、今のところ一気に難民に優しい空気が生まれているとはいうものの、それはあくまで一過性の風にすぎない。
これから、最終引き受け国の割り振り、受け入れ国への一体化への行政支援、教育や医療問題や、具体的な問題は山ほどあり、それらにかかる予算額は天文学的な数字に登る。
ドイツ一国で、難民支援の資金は1兆ユーロに達する見込みだと、いわれている。
ただでさえ、ドイツ以外の各国は財政赤字に悩み、EU加盟国としての条件を満たすことすら実質的に不可能になりかかっている現在、自分たちに関係ない膨大な支出にどこまで耐えられるのか。
ギリシャ危機を見ていれば、理解できるというものである。
さらに言えば、それらの問題は枝葉であって、本質には触れていないのだ。
いくら西欧側が拒否しようと、門戸を閉ざそうと、難民たちの流入は止められない。
なぜならば、西欧と難民発生国との生活の格差は大きく、人は常に豊かな生活を求める。
それでも、自分の国が安定していれば、誰も好き好んで祖国を捨てて難民になろうなどとは思わないものだ。
先祖代々の生活の拠点である祖国が荒廃し、戦闘に明け暮れ生死の境をさまよう日々を送らされていると、自分と家族の生命が脅かされる事態に遭遇した時、人は自らとその家族とを守るためには、祖国も捨てる決意をする。
中東各地の紛争は、石油の利権をめぐってのアメリカと西欧と地元との戦いであって、西欧に与する支配者が国民に圧政をしき、それに対する反乱が起こると、政権を守るためにアメリカ及び西欧が干渉する。
それの繰り返しであった。
圧政者や独裁者にどう対処するかは、それぞれの国民の権利と義務であり、外国が干渉したり、ましてや武力行使で転覆させたりしてはならないものなのだ。
それを、石油利権があるゆえにアメリカは常にやってはならないことをやり続けてきた。
反政府勢力に武器を提供し、その反政府勢力の支援として「アルカイダ」や「IS」を造り、それらが三つ巴、四つ巴となって収集のつかない事態を作り出してきた。
学習することなく、同じことをアフリカで、中南米で、中東で、繰り返して来た。
親西欧勢力を維持するために資金を提供し、武器を提供し、その勢力がコントロールできなくなると反政府勢力を作り上げ、それらに資金と武器とを提供し…。
地元の一般市民にとっては、甚だ迷惑なことだ。
結果として、一般の住民として命の危険にさらされ、国を脱出することとなる。
誰が責任を取るべきか。
どういうやり方で責任が取れるのか。
難民を生み出す国々は、その存在すら不確かになってきた。
難民が殺到する西欧諸国は、その受け入れによってその経済基盤と社会基盤とが、より不安定になってゆく。
これは、下手するとEUの崩壊にも繋がりかねない重大な要因である。
しかし。
「必死で手を伸ばして助けを求めている人たちがいる以上、その手を振り払うことはできない」
ところで、数ヶ月も更新しなかったしがないブログも監視している人たちがいるのか、先日更新した途端にコメントが送られてきた。
全く意味不明の「ネトウヨ語」で幼稚な内容で。
私は自分ではリベラルの範疇に居るつもりである。
その私のブログやツイートに絡んでくるネトウヨ諸君の文言を見るにつれ、彼らの幼稚さ、頭の悪さを痛感する次第である。
もっとも、バカのふりをして馬鹿なコメント送りつけるのが仕事の人たちなのかも知れないが。
それならそれで、ご苦労さん。
日本はと言えば、少子化の極みである。
何しろ男女二人の間に生まれる子供の数が一人半にも満たないのだからに世代後には弱小国にならざるを得ない。
まあ、それでも社会が熟成していれば、別に輸出額が半減しようが、GDPが半減しようが、人口も減るのであれば食っていけるだろうし、高度な文化を紡いでゆくことは可能だろう。
しかし日本の官僚やら政治家やらは、あくまで「世界の先進国」という幻想を捨てられない。
大企業は絶対「世界規模」で商売をし続け、国家経済は世界の基準の一つであり続けなければならないと、思い込んでいる。
それなのに。
実質的に核爆発を起こした原発の処理は何もできず。
全国に汚染食品を流通させ。
現地の自治体には強制的に住民を帰還させ。
除染というごまかしの移染で除去した汚染土を、建築資材や農土に再利用し様と企み。
住民の健康診断はおろそかに、必要な医療対策は取らず。
低所得層を直撃する消費税は増税し。
大企業の法人税は下げ続け。
正規労働者の環境をどんどん少なくして非正規化に突き進み。
その派遣労働法を改悪して派遣社員の雇い止めを引き起こさせ。
貧困層を大量に生み出しながら、社会保障は削りに削り。
国民に番号をつけてm納税のみならず財政状態から健康状態まで国家管理をしようとし。
政府は好き勝手なことが出来て、内容は秘密法で隠し。
その秘密法で国民監視を行い。
TPPで、国の伝統的社会経済の環境を破壊して外国に献金し。
戦争放棄の憲法を無視してアメリカの肩代わりで自衛隊を派遣し。
政権に対する批判を封じるための報道規制を行い。
自民党と公明党の政治家と霞ヶ関官僚だけ、特権階級で日本を支配する。
さて国民はどうなるでしょう。
ネトウヨ諸君はお分かりにならないが、国民の生活は破綻し、国民自体の存在が危ぶまれることとなる。
そこで。
偏差値秀才の霞ヶ関は、東南アジアから移民を導入して、安価な労働力を確保しようと考えているらしい。
馬鹿め。
東南アジアだって、いつまでも発展途上のままではない。
すぐにでも、日本に追いつき追い越す。
シンガポールなどはすでに日本を追い越している。
ねえねえ、官僚さん達。
どうする気?
目と耳と口を持たない働き蟻国民が、どんどんいなくなっちゃうよ。
どうせ移民で人口維持を図るんなら。
今決めろよ。
難民の相当数を受け入れなさい。
日本の情けない国情を包み隠さずお話しして、こんな政治的三流国でもよろしければ、生活は保障いたします。
ご姉弟の教育もちゃんとやって差し上げます。
田舎の日本人は親切です。
日本人になって、日本社会に溶け込んで、日本の明日の為にお力をお貸しください。
納得していただければ、生活には困らない様にいたします。
生来の日本国民と、一切の差別はいたしません。
どうか、お越しください。
この美しい国へ。
しかもだ。
本来、一番被害にあってるはずの、シリアやイラクやエジップトの田舎の農民達。
脱出する為の経費を賄えないで、ISやアルカイダやシリア政府軍や、米軍や英仏軍の攻撃に晒されている人たち。
イスラエルの人でなしの暴挙に、家を壊され土地を奪われ、家畜を殺されオリーブ畑を焼かれているパレスティなの人々。
そんな人たちこそが、安住の地と平和な生活とを最も必要としている、そんな人たちにこそ、呼びかけてご覧んよ。
大々的に宣伝してご覧。
君たち官僚と自民党が渇望する「世界中の尊敬」を、一身に勝ち取ることができるよ。
国民から搾り取ることだけが、エリートの役割ではございません。
一度くらい、オツムを使ってみることをご提案いたします。