本を読むとき、そこに書かれてあることを頭の中に貯め込もうとします。せっかく本を読むのだから、知識を蓄えて、これからの生活に活用しようと思います。本は道具で、生活のためにあります。
生活は、道具を用い、武器を用いて切り開いていくべき荒野のようです。それは未来へと向かっています。
文学を読むときも、わたしは、最初はそういう「利用しよう」という気持ちで本を読んでいます。しかし、読みすすめるうちに、文学は利用するものでも貯め込むものでもないと感じ始めます。文学とは、その一文字一文字で完結している世界であり、それを読んでいるときの私は、未来へと向かっておらず、まさにそのときの時間と同化しているのです。文学を読むことは、未来へと向けて何かを貯め込むことではなく、過去も未来もない世界へと一人で入り込んでいくものであるかのようです。
生活は、道具を用い、武器を用いて切り開いていくべき荒野のようです。それは未来へと向かっています。
文学を読むときも、わたしは、最初はそういう「利用しよう」という気持ちで本を読んでいます。しかし、読みすすめるうちに、文学は利用するものでも貯め込むものでもないと感じ始めます。文学とは、その一文字一文字で完結している世界であり、それを読んでいるときの私は、未来へと向かっておらず、まさにそのときの時間と同化しているのです。文学を読むことは、未来へと向けて何かを貯め込むことではなく、過去も未来もない世界へと一人で入り込んでいくものであるかのようです。