淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「こころの冬」⑥

2021年01月04日 | Weblog
 真冬日が続いている。
 雪がひたすら降っている。
 太陽が見たい。青空を仰ぎたい。光の中をランニングしたい。

 今日は1月4日、ほとんどの組織では「仕事始め」。でもこっちの「仕事始め」は6日からなので、朝起きてゆっくり軽めの食事を摂り、歩いて青森駅前の「青色申告会」まで出向き、パソコンの申告用ソフトに打ち込んだ「2020年確定申告」をUSBで提出した。

 その前に、「郵便局」に立ち寄って、昨日、「第97回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)」の復路を観ながら書き上げた「寒中お見舞い」のはがきをポストに入れる。
 それにしても、「復路」10区でのラストのデッドヒート、トップを走る「創価大」との3分19秒差を逆転して13年ぶり7度目の優勝を果たした「駒沢」は凄かった。

 でも、目線は自然と創価大のアンカー小野寺勇樹(3年)のほうへと向いてしまう。
 駒大のアンカー石川拓慎(3年)が残り2・1キロ付近で奇跡の逆転したその凄さに感服するというよりも、目の前の優勝を最後の2キロで覆されてしまった創価大のアンカー小野寺勇樹の辛い心情に思いを馳せてしまうのである。

 もちろん、創価大の陸上部の仲間たちは、2位に甘んじてしまったことに対して一切非難をすることなく、彼の必死の努力を心の底から讃えるに違いない。それでも、ひねくれて物事を斜めからしかみることが出来ないこういう哀しい男は、逆にこんなふうに考えてしまうのだ。
 辛いだろうな、抜かれた本人は。
 それまで1位を保ってきた仲間たちに対して、申し訳ない気持ちで心が張り裂けそうになっているだろうな。そして、ラスト2キロ手前であっさり抜かれてしまったことを、一生彼は悔い、そのことを思い続けるんだろうなと・・・。

 まあ、いいか。
 そういう挫折を乗り越える、最後の一発逆転が残されているからこそ、人生は面白いわけで。
 負けるな、創価大のアンカー小野寺勇樹。
 そんなことを考えながら凍てつく街を抜けて家に帰り、また雪掻きに興じた。
 もう飽きてきた。うんざりしてくる。でもやるしかない。

 雪片付けを終えて、午後になった。
 今日からまた「スポーツジム」が開いている。車を出して午後2時15分から始まる「ヨガ」に参加する。
 更衣室の体重計で体重をはかったら、なんと数キロも増えているではないか。ジムがやってなかった年末年始の間だって、毎日雪掻きして汗掻いてるんだけどなあ・・・。

 「ヨガ」の前にバイクを漕ぎながら、インターネット・ラジオで「ソウル・R&B」をチョイスしてヘッドホンを点けながら汗を流す。
 ジムの2階の一面硝子窓から外が見える。雪がこれでもかというくらい降っていた。

 「ヨガ」を終え、お風呂に入り、15分の「揉み機」でリラックスしてからジムを出た。もう夕方近い。
 ほんの少しだけれど暮れゆく時間が遅くなってきた気がする。
 大雪で狭隘になった車道は渋滞が起こっていた。ずっとノロノロ運転が続いている。

 「X JAPAN」のYOSHIKIが軽い鬱に罹って治療を受けていたとのニュースが流れた。そうかあ。あのYOSHIKIでも鬱になったりするんだぁ。
 好きな音楽で大成功を収め、アメリカのLAの豪邸に暮らし、なんにも不自由なことなんてない暮らしをしている、あのYOSHIKIでさえも・・・。

 そしてまた、あっという間に夜になった。
 今日は、ホテル青森で5時半から「新年交歓会」。密になるのも怖いので、終了後早々と会場を出た。

 また少しずつ、言いようのない空虚感や寂寥感や淋しさが襲って来た。
 考えるな。そっちのほうに焦点を合わせちゃだめだ。前向きに物事を考えろ。いいじゃないか、こういう人生で。何にも不足なんてないだろう。

 夏目漱石が書いていた。「余は一人で行く。行き尽いた所で斃(たお)れる。それでなくては真に生活の意味が分からない。手応えがない。何だか生きているのか死んでいるのか要領を得ない」と。
 漱石は四十七歳で亡くなった。

 ちょっとずつ。ちょっとずつでいい。元気を出そう。否定的な言葉や思考は頭の中から葬ろう。
 俺はやれる。俺はまだやれるんだ。俺は一人で行く。腹を括れ。行き尽いた所で斃(たお)れよう。それまで徹底的に楽しもう。謳歌しよう。笑って生きよう。好きなことをして生きていこう。
 そんなことはわかってる。言葉ではちゃんとわかってる。でも、これらもまた、ただの言葉でしかない。ただ言葉の世界に酔ってるだけだ。それだったら駄目なんだ。ちゃんと自分の身体に刻み込まないと。

 「ホテル青森」から、厳寒の夜の街へと出た。
 痛いくらい冷たい地吹雪が、誰も通っていない夜の歓楽街を激しく舞っている、1月4日の身を切る寒さに震える夜の街。

 ポケットに入れた拳を強く握り、その凄まじいまでの寒さに歯を食い縛って耐えながら、独りぼっち、ほとんどのネオンが消えているコロナ禍に萎む夜の繁華街をゆく。







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