裏の小高い丘のヒマラヤスギに雪がこびり付き、目の前に、海を隠すようにイブキの高木が並んでいる。
二人を探すために、まだ暗い外に出た。
僕の記憶もまだ、霧の中をさすらう迷子のように帰り道すら見つからない。煤のような色のクマタカが、暗闇をぐるぐると旋回している。
僕は、駅へ続く一本道とは反対方向に足を向けた。雪明りだけを頼りに、ヒマラヤスギの森林を抜けて、小高い山を懸命に登った。海からの風が激しい。雪は思ったよりも少なかった。途中、誰にも会うことはなかった。頭が混乱してきて、これ以上失われた記憶を辿ったら気が狂いそうになる。今は二人を探す事だけに専念しよう。
小高い山を登り切ると、そこに湖が広がっている。湖も凍り付いていた。積もった真っ白い雪と、雲間から覗いた月が、周辺を明るい街灯のように照らしている。
二人を探すために、まだ暗い外に出た。
僕の記憶もまだ、霧の中をさすらう迷子のように帰り道すら見つからない。煤のような色のクマタカが、暗闇をぐるぐると旋回している。
僕は、駅へ続く一本道とは反対方向に足を向けた。雪明りだけを頼りに、ヒマラヤスギの森林を抜けて、小高い山を懸命に登った。海からの風が激しい。雪は思ったよりも少なかった。途中、誰にも会うことはなかった。頭が混乱してきて、これ以上失われた記憶を辿ったら気が狂いそうになる。今は二人を探す事だけに専念しよう。
小高い山を登り切ると、そこに湖が広がっている。湖も凍り付いていた。積もった真っ白い雪と、雲間から覗いた月が、周辺を明るい街灯のように照らしている。