昔から雑誌の創刊号を集めるのが好きで、今となっては希少価値のある雑誌の創刊号をたくさん持っている。
正しく言うと、創刊号を集めるのが好きというより、新しく新刊された雑誌を手に取って読んでみるのが楽しくて、買い求めているうちに創刊号が溜まっていったというほうが正解だろう。
もちろん、色んなジャンルの雑誌が存在していて、次々に創刊されては消えているわけだけれど、ジャンルは問わないわけじゃなくて(あたりまえですが)、好きなジャンルの「音楽」とか「映画」とか「カルチャー全般」とか興味のある雑誌に限って集めている。
既に廃刊となった「月刊PLAYBOY」や「Popeye」、「ホットドック・プレス」などの貴重な創刊号、それから写真週刊誌の草分けとなった「FOCUS」とか「FRYDAY」などの創刊号、若者の先駆的なカルチャー誌でもある「宝島」やその前身の「ワンダーランド」なんていう、70年代・80年代雑誌の創刊号も大事に取ってある。
最近ではあまりそういう新刊雑誌は買わなくなったし、読んでもいないけど、これはお気に入りだと思っているのが、文芸誌の「MONKEY」だ。
文芸誌「MONKEY」は、翻訳家である柴田元幸が編集を担っていて、ほぼすべてを海外の翻訳小説やエッセイで埋まっている。
とにかく、その取り上げる小説やエッセイそのものの良さもあるけれど、レイアウトが素晴らしく、手に取って眺めるだけで気分が上がってしまうほどだ。表層的な言い方になってしまうのだが、とてもセンスが良くてお洒落な構成で、読み手をまったく飽きさせない。
この文芸誌「MONKEY」もまた創刊号からすべて揃えていて、時々本棚から引っ張って来ては、好きなページから読んでいる。
最新号の「vol. 31 特集:読書(表紙絵:カワイハルナ)」も中々よかった。
巻頭の柴田元幸本人による「猿のあいさつ」に始まって、ポール・オースターの「本に人生『ニューヨークタイムズ・ブックレビュー』との一問一答」(訳が柴田元幸)や、村上春樹が新たに翻訳したトルーマン・カポーティの「ミリアム」が今回は掲載されていた。
こういう素敵な文芸誌がちゃんと日本国内で流通され、それなりに読まれているというその現実が嬉しい。
ほんと、読んでいることで少し幸せな気分になってくる文芸誌というのも珍しい。