冒頭のシーンがいい。
そして、それがラストシーンと鮮やかに絡んで来るのだけれど。
映画「重力ピエロ」は、重い主題を扱っている。
その息苦しいほどのテーマを、監督である森淳一は深刻ぶらずに、瑞々しい青春映画の匂いを漂わせながら描いてゆく。
そこは確かに正解だと思う。
仙台の街で、次々と連続放火事件が起こる。
テレビ取材が駆けつけるなか、不思議なことに、放火現場の近くには必ず奇妙なグラフィティアートが描かれていた。
その仙台市内で、公務員の父親と暮らしている泉水と春という二人の兄弟がいた。
兄は気弱で何事にも消極的だったが、遺伝子を取り扱う企業の研究室に勤務していて、もう一方の弟の春は高校生で、活発で正義感が強く、異常なほど女性にもてる。
春は、悪戯で誰かが書き殴るグラフィティアートを消すアルバイトをしているうちに、アートと放火が繋がっている事を突き止め、兄と2人、警察には頼らず連続放火犯を捕まえようと試みるのだが・・・。
映画は、徐々に、優しい父親と2人の兄弟に秘められた謎を明らかにしてゆく。
父親は癌を宣告されていて、亡くなった母親には辛く悲しい過去があった。それらの悲劇が、現在の放火事件と交互にわたしたちへ提示されるのである。
兄の加瀬亮もいいけれど、弟役の岡田将生もいい。
それから、心優しい父親役の小日向文世、母を演じる鈴木京香、ストーカー役を演じる吉高由里子。
みんな、それぞれにいい味を出している。
それにしても、渡部篤郎、この人は一体どうしてしまったんだ? あの「スワロウテイル」の頃のかっこよさは何処に消えてしまったのだろう。残念だ。
今回は、美味しい役回りだったと思うんだけどなあ。
深刻で重い内容なのに、何処か明るさが漂うのは、ひとえに監督の手腕かも知れない。
ただ、イマイチ乗り切れないのは何故だろう。
及第点はあげられるのだが、全体的に淡白なのだ。
小説自体を読んでいないので何とも明言は出来ないけれど、錯綜するストーリー展開をもうちょっと焦点を絞って濃淡を付けたら良かったのかも。
最後の大団円も、感動とまではいかなかったし・・・。
でも、伊坂幸太郎の描く物語って、ほんと独特の世界観がある。
「ゴールデン・スランバー」なんて、凄く面白い小説だった。
出来れば「「ゴールデン・スランバー」、是非映画にして欲しい。
これは、絶対、観てみたい。
そして、それがラストシーンと鮮やかに絡んで来るのだけれど。
映画「重力ピエロ」は、重い主題を扱っている。
その息苦しいほどのテーマを、監督である森淳一は深刻ぶらずに、瑞々しい青春映画の匂いを漂わせながら描いてゆく。
そこは確かに正解だと思う。
仙台の街で、次々と連続放火事件が起こる。
テレビ取材が駆けつけるなか、不思議なことに、放火現場の近くには必ず奇妙なグラフィティアートが描かれていた。
その仙台市内で、公務員の父親と暮らしている泉水と春という二人の兄弟がいた。
兄は気弱で何事にも消極的だったが、遺伝子を取り扱う企業の研究室に勤務していて、もう一方の弟の春は高校生で、活発で正義感が強く、異常なほど女性にもてる。
春は、悪戯で誰かが書き殴るグラフィティアートを消すアルバイトをしているうちに、アートと放火が繋がっている事を突き止め、兄と2人、警察には頼らず連続放火犯を捕まえようと試みるのだが・・・。
映画は、徐々に、優しい父親と2人の兄弟に秘められた謎を明らかにしてゆく。
父親は癌を宣告されていて、亡くなった母親には辛く悲しい過去があった。それらの悲劇が、現在の放火事件と交互にわたしたちへ提示されるのである。
兄の加瀬亮もいいけれど、弟役の岡田将生もいい。
それから、心優しい父親役の小日向文世、母を演じる鈴木京香、ストーカー役を演じる吉高由里子。
みんな、それぞれにいい味を出している。
それにしても、渡部篤郎、この人は一体どうしてしまったんだ? あの「スワロウテイル」の頃のかっこよさは何処に消えてしまったのだろう。残念だ。
今回は、美味しい役回りだったと思うんだけどなあ。
深刻で重い内容なのに、何処か明るさが漂うのは、ひとえに監督の手腕かも知れない。
ただ、イマイチ乗り切れないのは何故だろう。
及第点はあげられるのだが、全体的に淡白なのだ。
小説自体を読んでいないので何とも明言は出来ないけれど、錯綜するストーリー展開をもうちょっと焦点を絞って濃淡を付けたら良かったのかも。
最後の大団円も、感動とまではいかなかったし・・・。
でも、伊坂幸太郎の描く物語って、ほんと独特の世界観がある。
「ゴールデン・スランバー」なんて、凄く面白い小説だった。
出来れば「「ゴールデン・スランバー」、是非映画にして欲しい。
これは、絶対、観てみたい。