東京、最終日。
快晴だ。朝の東京は雲ひとつない青空が広がっている。
朝食を採り、ホテルをチェック・アウトする。早春の陽光が降り注ぐ中を歩いて駅までの道を急ぐ。
帰りの新幹線の時間まで、まだ余裕がある。
なので、青山通りをゆっくり散歩することにした。地下鉄丸の内線の赤坂見附で降り、国道246沿い。
赤坂離宮から青山一丁目の交差点を抜け、表通りから裏道へ。
小さな公園がたくさんある。若い女性が犬を連れて散歩している。綺麗な季節の花々を店先に並べた花屋さん。洒落たマンションの1階にあるフランス料理店やイタリア料理の店が、小さな黒板にランチメニューを書き込んでいる。
いい天気。
春である。全身に春の光を浴びながら、石段をゆっくりと登った。
青山墓地に出た。静かだ。散歩をしている人が何人かいる。高層ビル群が、早春の明るい太陽にキラキラと輝いている。また裏道に入った。
高級ブティックが路地の途中に突然現われたり、小さなギャラリーが開いていたり、モデルっぽい綺麗な女性が歩いていたり・・・。青山三丁目界隈は、いつ来ても、ちょっと不思議で素敵な街だ。
表参道に出て原宿まで歩き、山手線で東京駅。ギリギリで東北新幹線に乗り込んだ。
余りに疲れていて、少し眠ってしまった。盛岡を過ぎた辺りから雪が見え始める。曇天の空・・・。灰色の街・・・。
八戸を過ぎて函館行きの特急に乗り込んだ頃には、もう日はどっぷりと暮れていた。
また青森かよ。
帰りたくない。嫌だ、嫌だ。明日から地獄が始まるのだ。
救いは、ボクシングのトレーニングが新しく待っていることぐらいだろうか・・・。
青森駅に着いた。すっかりと日が暮れている。
意外と暖かい。吐く息も白くない。かなり雪も溶けたのだろうか、車道に雪は少ない。
ところが、少し歩いた途端、真っ暗な空から雪が舞い降りて来た。
何なんだ、これは。まるで俺を待ち構えていたように、突然空から雪が降って来た。皮肉かよ。ったく。
心が萎んでゆく。心が怯えてくる。勿論、雪が降ってきたからじゃない。
しかし、このままでいいわけはない。それは重々解っている。
このままゆっくり暗黒の深海に沈んでゆくのも、それはそれで構わない。でも、もう一人の自分がまた、その隣で静かに囁くのである。
余光のようなもの・・・。微かな希望のようなもの・・・。遠くに見える灯りのようなもの・・・。
それにしても疲れたよ。
もう、限界だよな・・・。
快晴だ。朝の東京は雲ひとつない青空が広がっている。
朝食を採り、ホテルをチェック・アウトする。早春の陽光が降り注ぐ中を歩いて駅までの道を急ぐ。
帰りの新幹線の時間まで、まだ余裕がある。
なので、青山通りをゆっくり散歩することにした。地下鉄丸の内線の赤坂見附で降り、国道246沿い。
赤坂離宮から青山一丁目の交差点を抜け、表通りから裏道へ。
小さな公園がたくさんある。若い女性が犬を連れて散歩している。綺麗な季節の花々を店先に並べた花屋さん。洒落たマンションの1階にあるフランス料理店やイタリア料理の店が、小さな黒板にランチメニューを書き込んでいる。
いい天気。
春である。全身に春の光を浴びながら、石段をゆっくりと登った。
青山墓地に出た。静かだ。散歩をしている人が何人かいる。高層ビル群が、早春の明るい太陽にキラキラと輝いている。また裏道に入った。
高級ブティックが路地の途中に突然現われたり、小さなギャラリーが開いていたり、モデルっぽい綺麗な女性が歩いていたり・・・。青山三丁目界隈は、いつ来ても、ちょっと不思議で素敵な街だ。
表参道に出て原宿まで歩き、山手線で東京駅。ギリギリで東北新幹線に乗り込んだ。
余りに疲れていて、少し眠ってしまった。盛岡を過ぎた辺りから雪が見え始める。曇天の空・・・。灰色の街・・・。
八戸を過ぎて函館行きの特急に乗り込んだ頃には、もう日はどっぷりと暮れていた。
また青森かよ。
帰りたくない。嫌だ、嫌だ。明日から地獄が始まるのだ。
救いは、ボクシングのトレーニングが新しく待っていることぐらいだろうか・・・。
青森駅に着いた。すっかりと日が暮れている。
意外と暖かい。吐く息も白くない。かなり雪も溶けたのだろうか、車道に雪は少ない。
ところが、少し歩いた途端、真っ暗な空から雪が舞い降りて来た。
何なんだ、これは。まるで俺を待ち構えていたように、突然空から雪が降って来た。皮肉かよ。ったく。
心が萎んでゆく。心が怯えてくる。勿論、雪が降ってきたからじゃない。
しかし、このままでいいわけはない。それは重々解っている。
このままゆっくり暗黒の深海に沈んでゆくのも、それはそれで構わない。でも、もう一人の自分がまた、その隣で静かに囁くのである。
余光のようなもの・・・。微かな希望のようなもの・・・。遠くに見える灯りのようなもの・・・。
それにしても疲れたよ。
もう、限界だよな・・・。