淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「ユーミンの罪」①

2022年02月26日 | Weblog
 たまたま本棚をぼんやり見ていたら、本棚の奥に古い1996年10月号の「レコード・コレクターズ」を見つけた。何気なく手に取ると「ユーミン」の特集号だった。
 そういえば、来月3月21日はユーミンのコンサートが「リンクステーション青森」であるんだっけ。チケットも既に買ってある(誰も一緒に行くひとがいないから、一人で淋しく行くんですが・・・)
 ユーミンに関しては、ベスト・アルバムを含めすべてのアルバムを持っていて、荒井由実時代の2枚目のアルバム「ミスリム」から最新作「深海の街」まで、発売日に必ず買い求めてきた。

 でも、最近はそれほど熱心に聴いているとはいえない。ちょっと醒めていた。
 正直に言っちゃえば、1992年にリリースされたアルバム「ティアーズ・アンド・リーズンズ」辺りまではかなり熱心に聴き込んでいたけれど、それ以降の「U-miz」からはマメに聴き込むこともなくなって、曲によっては、今ここで流れてもどのアルバムに入っている曲か分からないと思う。
 ただ、コンサートだけは欠かしていない。青森に来たら必ずライブに行くし、場合によっては東京や仙台、そして盛岡まで行って観ている。

 いつまで経ってもユーミンの呪縛からは逃れられないのだ。絶対に・・・。
 それほど、初めてユーミンを聴いたときの凄まじいショックが今でも身体全部に残っている。
 僕は、ユーミンの「ミスリム」を聴き(LP盤を買った)、そこからファースト・アルバムの「ひこうき雲」を聴き(直ぐに買い求め)、3枚目の「コバルト・アワー」、4枚目の「14番目の月」と聴き続けていったのだ。
 つまり、人生の歩みそのものがユーミンとの伴走だといえる。

 そこには、明るく晴れやかな「都会」での生活がイメージとして常に沸き上がっている。どの曲も洗練されていて、たとえアンニュイでメランコリーな色彩に彩られた暗めの楽曲であったとしても、その根底に流れているのは、まさしくキラキラした「街の音」、どこまでも光り輝く「都会のライフ・スタイル」だった。
 久しぶりに見つけた1996年10月号の「レコード・コレクターズ」を読みながら(そこにはファースト・アルバムである「ひこうき雲」から年代順にユーミンのアルバムが詳しく論じられていた)、自らの青春時代やその先の人生と重ね合わせている自分がいた。

 ユーミンは本当に罪なひとだ。
 彼女の音楽を聴くことで、僕は「幻想の中の別の人生」を絶えず思い描き、苦しいことや辛いことがあると、その虚構の世界に逃避することでなんとか自分自身を保ってきたからだ。
 彼女の描く世界が、たとえ「嘘」のあり得ない「絵空事」だと知っていても・・・。

 エッセイストの酒井順子もおんなじようなことを書いていた。
 彼女が書いた新書「ユーミンの罪」(2013年)もまた、1973年からバブル期へと至る輝いた時代を、ユーミンの歌と共に詳細に検証していた。
 その新書「ユーミンの罪」についても、確か昔ここでも取り上げたはずだ。

 ユーミン・・・。
 東京への憧れと東京への憎悪。
 ユーミンはやっぱり罪である。







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