MOS-YANの自然観察日誌

身近な自然を探したら…

アカボシゴマダラ(卵から蝶になるまで)

2022年07月18日 | 昆虫

前回でアカボシゴマダラの羽化は終了したのですが、実はもう一頭、蛹が残っていました。

これは失敗した時に備えて、予備に残してあったので、通常通り早朝の羽化だった時は、撮影せずにそのまま放すつもりでした。

ところが昨日の15時過ぎに色が変化し、羽化の兆候が見えました。

このまま行くと21時過ぎに羽化するはずなので、折角の機会ですから撮ることにしましょう。

結局、羽化は22時30分頃で予定より遅かったのですが、一応撮影は問題なく出来ました。

写真は今朝、飛び立つ前のショットです。

撮影機材:OM-D E-M1MarkⅢ+ LEICA MACRO-ELMARIT 45mm F2.8

3回目で、やっと翅を開いたところが撮れました。  ISO3200  1/125  F/8

しかし、またこのまま記事にするとまた同じになってしまうな…と考えながら、2017年、2018年のものと合わせて整理していました。

そこで思いついたのは、整理ついでに卵から孵化→蛹化→羽化→蝶の一生を簡単にまとめたらどうだろう、ということです。

データは揃っているので、それほどの手間はかからないはず。

思い立ったが吉日…即、やっちゃいましょう。

 

まず最初は卵からスタートです。

撮影:2017年5月 撮影機材:OM-D E-M1 + ED60mm F2.8 Macro   ISO200  1/125  F/8(フラッシュ使用)

美しいエメラルドグリーンの卵です。(直径:約1mm)

ここから5日程で孵化します。

その5日後、孵化の状況を連続写真で。

卵に穴が空いてから、数時間かかります。  ISO200  1/125  F/8(フラッシュ使用)

孵化後、卵の殻を食べるのが最初の食事です。

 

幼虫は1齢から4回脱皮して終齢幼虫になります。

まず1齢から2齢への脱皮から。

2齢から頭に角が見られます。  ISO200  1/125  F/8(フラッシュ使用)

3枚目の写真、何とも可愛らしい顔だと思いませんか?

 

4齢幼虫です。  ISO200  1/125  F/11(フラッシュ使用)

角は大きくなっていますが、コアラ顔は変わりませんね。

 

終齢幼虫になりました。  ISO200  1/125  F/8(フラッシュ使用)

この頃になると、食べる量もかなりのものです。

 

アカボシゴマダラは産卵から約1ヶ月で蛹になります。

葉の裏に尾部を固定してぶら下がります。  ISO200  1/125  F/4(フラッシュ使用)

アゲハの仲間は上向きが多いですが、タテハチョウの仲間は殆ど下向きになるようです。

蛹の前の状態を、“前蛹”と言います。

 

しばらくすると、蛹化が始まります。

身体を大きく振りながら、幼虫の時の皮を脱ぎ捨てます。  ISO200  1/125  F/4(フラッシュ使用)

 

蛹になってから約1週間、いよいよ羽化して蝶になる時がやって来ました。

ここからは昨晩撮った今回3度目の羽化です。

撮影機材:OM-D E-M1 MarkⅢ + LEICA MACRO-ELMARIT 45mm F2.8

羽化寸前の状態です。  ISO200  1/125  F/8(フラッシュ使用)

 

今回も無事に羽化出来ました。  ISO200  1/125  F/8(フラッシュ使用)

 

アカボシゴマダラの“卵から蝶になるまで”を簡単にまとめてみました。

参考になったでしょうか?

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アカボシゴマダラの羽化 2022年 その2

2022年07月15日 | 昆虫

アカボシゴマダラの羽化、第2弾です。

前回に引き続き、羽化後の姿から。

撮影機材:OM-D E-M1 MarkⅢ + ED60mm F2.8 Macro   羽化の連続写真はフラッシュ(FL600R)を使用

11時32分 ベランダの上から自然光で撮る場所が限られているので、同じような写真になってしまいました。 ISO500  1/60  F/8

 

羽化の写真の前に、アカボシゴマダラに関しての話を少々。

この蝶は名前にある通り、後翅に赤い斑点があります。

ところが幼虫で越冬し、春に蛹になって羽化したものにはこの赤い斑点がありません。

春型のアカボシゴマダラです。殆どシロチョウの仲間と言って良い程の姿ですね。(2018年5月撮影)

参考のために同類のオオムラサキゴマダラチョウも見て下さい。

形と模様は夏型のアカボシゴマダラにかなり良く似ていると思います。

それだけで無く、この三つの蝶達は幼虫の食草がエノキで、成虫になるとカブトムシなどと一緒に樹液を吸うところまで同じです。

今日羽化したアカボシゴマダラにカブトムシ用の昆虫ゼリーを与えてみたら、一生懸命吸っていました。

その写真は最後に載せておきました。

 

では羽化の写真に行きますが、前回と殆ど同じなので2枚にまとめて合成しました。

1枚目は昨日の18時に撮影したものですが、羽化の気配は全く見られなかったので、多分明日(16日)の羽化になるだろうと思っていました。

ところが今朝4時頃確認すると翅の部分が黒く変化しており、急遽、本日の羽化が決まりです。

2枚目(8時)の写真をよく見ると翅の模様や複眼のオレンジ色が見えるようになっています。

そして9時33分、やっと蛹が割れました。

後は前回と同じ、蛹から出て体液で翅が伸びるのをゆっくり待っています。 ISO200  1/60  F/8

10時36分 羽化終了の記念写真を1枚。 この後、1枚目の写真を自然光で押さえて一応終了です。

まだ余裕があったので、マクロショットも撮っておきました。

マクロレンズなので、等倍撮影(ノートリミング)です。

これを1200×900pixで切り取り。

ここまで拡大すると個眼が解像します。 ISO200  1/60  F/11(フラッシュ使用)

 

最後に頑張ってくれたアカボシゴマダラに、昆虫ゼリーのプレゼントをあげました。

随分長い間、吸蜜していました。蝶になって最初のお食事ですからね。 ISO500  1/60  F/8(フラッシュ使用)

放してあげるのは雨が止んだ日曜日になる予定です。

 

今日の羽化は前回よりさらに3時間も遅く9時半でした。

蝶の羽化がいつもこうだと楽なんですけどね~。

これで4年前の撮影に足して、羽化が3回撮れたので、今回でアカボシゴマダラの生態写真は一段落です。

次はまだ撮れていない蝶の孵化、蛹化、羽化にトライしてみたいと思っています。

 

 

 

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アカボシゴマダラの羽化 2022年

2022年07月13日 | 昆虫

アカボシゴマダラが羽化しました。

アカボシゴマダラの羽化を撮るのは、2018年以来4年ぶりになります。

7時58分 羽化直後のアカボシゴマダラ ISO250  1/160  F5.6

撮影機材:OM-D E-M5 MarkⅢ + ED14-150mm F4-5.6 Ⅱ(1枚目と最後のカットのみ)

 

一般にはあまり馴染みの無い蝶ですが、在来種のアカボシゴマダラ(準絶滅危惧種)は奄美地方に生息しています。

ところが、1998年に神奈川県で見られて以来、関東を中心にその活動範囲をかなりの早さで広げているようです。

この関東の蝶は奄美地方の個体とは異なり、中国から人為的に持ち込まれたと言われています。

そして幼虫の食草が国蝶オオムラサキゴマダラチョウと同じエノキなので、特定外来生物に指定されてしまいました。

 

10年程前、私はオオムラサキの越冬調査に参加した事があります。

エノキの下周りの枯れ葉を裏返して、越冬するオオムラサキゴマダラチョウの数を数えるのですが、

既にかなりの数のアカボシゴマダラが一緒に冬越しをしていました。

その時、こんなのも見つかりました。(参考のための1枚です)

左の1頭がオオムラサキ、右の2頭がアカボシゴマダラです。ISO200  1/125  F/11(OLYMPUS E-5)

なんだか仲良く冬越しをしているように見えますよね。

私の住んでいる東京でも、道路端の植え込みから顔を出しているエノキにアカボシゴマダラの幼虫が見られることがあります。

この2年程はコロナの影響で撮影意欲が失せていたのですが、今年カワセミを撮った帰りに道路脇の植え込みで幼虫を見つけました。

そして私の住んでいる建物の下でも幼虫と蛹が…。

これで久しぶりに生態写真撮影のスイッチが入ってしまったようです。

ところが2年前に現在の所に引っ越してから、まだ室内撮影の場所を準備していませんでした。

狭い家の中でカミさんの協力を得て、ダイニングの片隅に撮影場所を確保。

準備が出来て直ぐの今朝、4時に目を覚まして様子を見ると、見当を付けていた蛹の色が僅かに変化しています。

これはもう朝寝は返上して、即、撮影待機です。

1枚目、前日の夕方の状態から。

撮影機材:OM-D E-M1 MarkⅢ + ED60mm F2.8 Macro + FL600R(フラッシュ)

①18時57分 綺麗な緑の蛹です。 明らかに葉に擬態していますね。 ISO200  1/60  F8 (露出は以下同じ)

因みにオオムラサキゴマダラチョウの蛹も、殆ど同じ形です。

 

②5時30分 最初に見てから1時間半後、既に中が透けて見えています。

 

③6時20分 上部のくびれが、さらに大きくなってきました。 間もなく羽化開始の兆候です。

 

④6時26分 約5分後に背中が割れて、羽化開始!

 

⑤6時27分 頭を下にして、出てきます。

 

⑥6時27分 うまく身体が抜けました。

 

⑦6時27分 クルッと身体を反転させて…。 ここまで来ればもう羽化失敗はありません。

 

⑧6時29分 体液を注入して翅を伸ばします。

 

⑨6時31分 あと少し!

 

⑩6時36分 これで羽化成功です。

 

まだしばらく動かないので、今のうちに私の好きな複眼撮影をさせてもらいましょう。

6時41分 蝶の個眼は小さいので、撮りやすいとは言えません。

これで、羽化の連続写真は完了です。

この後一番最初の写真に戻ります。

 

翅が完全に乾いたところで…。

9時26分 私の手の上から、ベランダの前にあるケヤキに向かって飛び立ちました。

 

蝶の羽化は早朝のことが多いので、アゲハなどの時は2時起きが普通なのですが、今日は楽でした。

数年前にアカボシゴマダラの羽化を撮った時は、4頭の内3頭が起床前に羽化してくれたので打率2割5分。

今年は何とかもう一回。

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2番子の姿は見えず

2022年07月11日 | カワセミ

そろそろ2番子が出てきても良い頃なんですけどね~。

相変わらず親たちは餌を運んでいるようではありますが…。

あまり変わり映えしないので、今日はアップする画も少なめにしておきます。

9時36分 そろそろ帰ろうとしたら、本日2度目のホバリング ISO80  1/320  F/5.6  焦点距離:400mm 

22連写の内から4枚を連写合成

撮影機材:OM SYSYTEM OM-1 + ED150-400mm F4.5 TC1.25× IS PRO

 

飛び込みを1連写

8時16分 結構良い型でしたね ISO800  1/1600  F/5  焦点距離:400mm

たまに水出ショットを狙うと、どうもタイミングが合いません。

しばらく撮らないとミスが多くなるのは、やはり歳のせい…かな?

 

今週中にはアカボシゴマダラが羽化しそうです。

コロナ禍が始まってから撮っていないので、3年ぶりの生態写真です。

半徹夜に体力が保つと良いのですが…。

 

 

 

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午後のホバリング

2022年07月08日 | カワセミ

久しぶりの午後出勤です。

このところ、早朝より午後の方がホバる確率が高そうなので、晩酌のビールタイムを後に伸ばしての撮影です。

まあ、ガマンすればそれだけ1杯目の味が良くなるのではないか…と。(笑)

 

一番暑い時間帯の13時半に家を出て、自転車で10分弱。

先着は常連のSさんとKさん。

前回は13時頃来たらしいので、そろそろ来てもおかしくない時刻です。

などと言っていたら、予定通り雄がやって来て対岸にとまりました。

そこから下流に移動しながらホバリングを5~6回。

いつもの早朝を考えれば、もうこれで引き上げても良いくらい撮れ高十分です。

後ろ向きや石垣バックは除いて、2回分をアップしました。

撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + ED150-400mm F4.5 TC1.25× IS PRO

14時09分 ISO250  1/250  F/5.6 焦点距離:400mm  (13連写の内6枚)

 

14時09分 ISO500  1/250  F/5.6 焦点距離:400mm  (21連写の内6枚)

 

今日この時間帯は、風に向かってホバるカワセミの向きを合わせると、光線が反逆光になるので後処理が若干面倒になります。

それでもカワセミが来ないことを考えれば、ずっとマシですけどね。(笑)

 

この川に来る途中で、アカボシゴマダラの幼虫を3頭見つけました。

その内1頭は今日、既に前蛹状態になっていました。

他にも4齢幼虫が2頭。

上手くいけば羽化が撮れるかもしれません。

ちょっとだけ楽しみが増えました。

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