今年の大1回目の市民カレッジは、林真理子さんでした。
言わずと知れた、今年のNHK大河ドラマ「西郷どん」の原作者です。
そして、その「西郷どん」の音楽を担当している富貴晴美さんの、
ピアノ演奏が、オマケでついてるという、ゴージャスな初回でした!
富貴さんのことは改めて書くとして、
林真理子さん、とっても内容豊かで面白いお話しでした。
90分のお話しを書くとなると長くなるので、主なとこだけ・・・
それでも、かなり長くなると思いますけどね(苦笑)
林真理子さん、台風よりも早くにこちらへ来られて良かったと、
日帰りするようで、(ご主人のご飯の用意があるとか~苦笑)
富貴さんのピアノは聴かずに、帰られたかもね。
林さん、直木賞を取られたのが30年ほど前らしいです。
・・・自分で言うのも悲しいですが、って(苦笑)
直木賞の選考委員もされているんやけど、
「これに、栄えある『大河ドラマ作家』という肩書きが加わりました」
やはり、「大河作家」ともなると、違うんでしょうかね(苦笑)
歴史小説はいくつか書いてはるようですが、
大河ドラマで扱われるような人物はどういう人だろうかと。
何年か前に、志の輔落語を聞きに行って(お好きらしいです)
伊能忠敬を主役にした大河をやりたい、という人たちの噺を聞いたそうです。
→「大河への道・伊能忠敬物語」という創作落語らしい。
面白かったようですが、伊能忠敬は地味な人やしね。
歴史上の人物を書くならどういう人がいいかと思っていたら、
歴史学者の磯田道史先生(おなじみの方ですね!)が、
「林さん、2018年はどういう年かご存じですか?」と聞いたらしい。
「わかりません。どういう年ですか?」と言ったら、磯田先生が、
「明治維新からちょうど150年の年ですよ。西郷隆盛を書けばいいじゃないですか」
そうおっしゃったそうです。
それから、西郷隆盛を書こうということになったようですが、
林さんは、昨年、「西郷どん」を書きながら、
日経新聞に連載を書いていたようで → 「愉楽にて」です。
(かなりエロい小説らしくて、めっちゃ話題になってるらしい・・)
連載は、毎日掲載なので、ストックを持ちながら書くのだそうですが、
新聞社は、ギャラ以外のものは出さないそうなんですね。
出版社は、チームが組まれて、資料を集めたり、取材する人を段取りしたり、
調査でかかる旅費とか(チームで行くから何人分か必要らしい)、
そういうものを、全部、まかなってくれるらしいですね。
「西郷どん」は角川書店のようですが、
(文庫本は新潮社から出すとかおっしゃてたかな)
いろいろなバックアップを出版社にしてもらえたようですよ。
「西郷隆盛」に関しては、海音寺潮五郎や池波正太郎、
NHK大河ドラマになった「飛ぶがごとく」の司馬遼太郎など
多くの作家が描いていますが、女性である林さんが描くのだから、
男性の作家があまりちゃんと書いていない、島流しされたところを
しっかり描こうと思ったそうです。
奄美大島で愛加那と結ばれて、西郷さんは愛を知るのですね。
そこをちゃんと書きたいからと、西郷隆盛について、
最も詳しいという志學館大学の原口泉教授を訪ねたら
(原口先生も、NHKの西郷さん関係の番組でよく登場されますね!)
「20数年前にも、同じようなことを言ってきた女性作家がいましたよ」
そうおっしゃったそうです。
「だれだと思います? 田辺聖子先生なんですよ。
私、田辺先生に可愛がってもらったんですけど、最近はお出になってなくて。
取材にいった時に、先生が「私にはあまり時間がない」とおっしゃってたそうで、
今の私より少し上ぐらだと思うのですが、それなら、私も頑張って、
書かないとって思ったんです」
なるほど~ 田辺聖子さんの著作には「西郷隆盛」はないですよね?
鹿児島、奄美大島など、いろいろ取材にも行って書き始めたら、
NHKからお声がかかったらしいです。
歴史小説は何本か書かれているんやけど、「正妻 慶喜と美賀子」で、
徳川慶喜について書かれたりしたので、そういうのも判断されたのかなと。
「慶喜、『西郷どん』ではヒー様、なかなかのイケメンですが、
あの人はちょっと変わった人なんです。だから、私も書こうと思って。
皆さん、徳川最後の将軍なので、切腹でもしたって思ってませんか?
あの方は、切腹なんてしないで、趣味の世界に生きて、
77歳まで生き延びてるんですよ~」
そうですね。大正2年まで生きてます。
頭の良い人のようやけど、なかなかくせ者。
「西郷どん」でも、そういう感じですよね~
林さん曰く。
「『西郷どん』に大河が決まったのはいいけど、ドラマが始まるまでに、
本にして出版しないといけないということで、大急ぎで書きました。
それまでに売らないと、始まってしまうと売れないんですって。
本当に、ドラマが始まったら、ぴたっと売れなくなったんですよ。
なので、今日は持ってきてますので、良かったら、ぜひ(笑)」
なので、買いましたがな~
上中下、三冊もありますねん~
でも、買おうと思った理由は、ドラマは中園ミホさんの脚本で、
描き方が違う(当たり前やけど)というところですね。
タイトルは、ドラマもそのまま「せごどん」を使ってくれたそうですが、
始まりのところ・・・ドラマでは、弟の西郷従道と三度目の妻「いと」さんが、
上野の、西郷隆盛の銅像を建てた時の除幕式やったけど、
林さんの原作では、愛加那の息子、菊次郎から始まってるんですね。
林さん曰く。
「菊次郎さんは、明治に入って、京都市の2代目の市長になってるんです。
皆さん、ご存じでしたか? 京都はこちらから近いですけど、
薩摩の、西郷さんの息子が京都市長なんです。
菊次郎さんを見たときに(写真ですよね?) イケメンでね。
いいなぁ~って、思ったんです。なので、私は、息子の菊次郎から始めた。
中園ミホさんは、弟の従道が良かったらしいんですね」
作家さんたちは、イケメン好きなんですね(笑)
本を読むと確かに! 最初のシーンは林さんが言ってたように、
京都市長に着任したとき、ホテルで宴会があったというシーンでした。
西南戦争に、西郷さんについていった菊次郎さんは、
戦で片足をなくして、義足なんですね。
なので、料亭ではなく、ホテルで宴会やったらしい。
おそらく、京都の色町のお姉さん方も宴席にいたであろうと。
助役となる川村柳次郎に乞われて、
父・西郷吉之助の話を、初めて語る・・・という体裁になっています。
なるほどねぇ~~
昨夜、ブログを書こうとして、思わず本を読んでしまい・・・
気がついたら、また真夜中・・・
仕事がないわけではないのに(汗)
ついつい、読みふけってしまったのでありました~~
林さんのお話は、「西郷どん」の話ばかりではなくて、
そこから派生する、他のお話しも興味深かったですね。
例えば、「西郷どん」を書きながら、
当時の情勢は、尊皇攘夷であったり、開国派であったり、
薩摩も長州も、主義思想がコロコロ変化するらしいんですね。
これから、西郷さんはブラックになっていくらしいんやけど、
書きながら、どうつないで行こうかと悩んだらしいんですね。
昔、「白蓮れんれん」という伝記小説を書いた時の話。
白蓮は、朝ドラ「花子とアン」にも登場した歌人で、
あの炭坑王と政略結婚をして、若い、帝大生と駆け落ちするという愛の人。
・・・朝ドラのおかげで、再ブレイクして本が売れたらしいよ(笑)
林さんは、この作品を書いている途中で、
白蓮さんが、今の天皇陛下が美智子妃と結婚するとき、
「あんな平民の人と結婚するなんて」と言って、
反対運動をしていたというのを知ったそうです。
「愛に生きた人がね。そんな身分がどうのって反対するなんて、
ビックリしましたよ。あぁ、やっぱり、白蓮という人は、
所詮は、伯爵家で育ったお嬢様なんだなって、思って。
結局、終戦後間もないあたりで、小説は終わりにしました」
書いてる途中で、180度違う資料が出てきてしまったら、
作家は二通りの選択をするそうです。
1、それをうまくつないで完成する。
2、なかったことにする。
なるほどね~~
でも、小説家って、作品を作り上げるまでに、
資料を読み込むだけでなく、取材に時間とお金をかけてるんやなって、
よくわかりましたね~
それと、編集者との関係も、濃いですね。
新潮社の中瀬ゆかりさんのことかなとも思うんやけど
(テレビでコメンテーターもやってるというてはったので)
こういう取材をしたいので、こういう人を探して、とか、
ここへ行きたいので、セッティングして、とかを、
必ず、「わかりました」と、やってくれるというてはりました。
漫画家でもそうやけど、小説家も、編集者がいて初めて、
作品として、世に送り出せるんやね。
まったくの新人の時ならともかく、
「売れる」ことがまず、大事なことやろうから。
いろいろと、中身の濃い講演会でした。
全部を書いてるワケではないんやけど、
長い文章になってしまいました~
最後まで読んでいただいて・・・ありがとうございました。
お疲れ様でした!
言わずと知れた、今年のNHK大河ドラマ「西郷どん」の原作者です。
そして、その「西郷どん」の音楽を担当している富貴晴美さんの、
ピアノ演奏が、オマケでついてるという、ゴージャスな初回でした!
富貴さんのことは改めて書くとして、
林真理子さん、とっても内容豊かで面白いお話しでした。
90分のお話しを書くとなると長くなるので、主なとこだけ・・・
それでも、かなり長くなると思いますけどね(苦笑)
林真理子さん、台風よりも早くにこちらへ来られて良かったと、
日帰りするようで、(ご主人のご飯の用意があるとか~苦笑)
富貴さんのピアノは聴かずに、帰られたかもね。
林さん、直木賞を取られたのが30年ほど前らしいです。
・・・自分で言うのも悲しいですが、って(苦笑)
直木賞の選考委員もされているんやけど、
「これに、栄えある『大河ドラマ作家』という肩書きが加わりました」
やはり、「大河作家」ともなると、違うんでしょうかね(苦笑)
歴史小説はいくつか書いてはるようですが、
大河ドラマで扱われるような人物はどういう人だろうかと。
何年か前に、志の輔落語を聞きに行って(お好きらしいです)
伊能忠敬を主役にした大河をやりたい、という人たちの噺を聞いたそうです。
→「大河への道・伊能忠敬物語」という創作落語らしい。
面白かったようですが、伊能忠敬は地味な人やしね。
歴史上の人物を書くならどういう人がいいかと思っていたら、
歴史学者の磯田道史先生(おなじみの方ですね!)が、
「林さん、2018年はどういう年かご存じですか?」と聞いたらしい。
「わかりません。どういう年ですか?」と言ったら、磯田先生が、
「明治維新からちょうど150年の年ですよ。西郷隆盛を書けばいいじゃないですか」
そうおっしゃったそうです。
それから、西郷隆盛を書こうということになったようですが、
林さんは、昨年、「西郷どん」を書きながら、
日経新聞に連載を書いていたようで → 「愉楽にて」です。
(かなりエロい小説らしくて、めっちゃ話題になってるらしい・・)
連載は、毎日掲載なので、ストックを持ちながら書くのだそうですが、
新聞社は、ギャラ以外のものは出さないそうなんですね。
出版社は、チームが組まれて、資料を集めたり、取材する人を段取りしたり、
調査でかかる旅費とか(チームで行くから何人分か必要らしい)、
そういうものを、全部、まかなってくれるらしいですね。
「西郷どん」は角川書店のようですが、
(文庫本は新潮社から出すとかおっしゃてたかな)
いろいろなバックアップを出版社にしてもらえたようですよ。
「西郷隆盛」に関しては、海音寺潮五郎や池波正太郎、
NHK大河ドラマになった「飛ぶがごとく」の司馬遼太郎など
多くの作家が描いていますが、女性である林さんが描くのだから、
男性の作家があまりちゃんと書いていない、島流しされたところを
しっかり描こうと思ったそうです。
奄美大島で愛加那と結ばれて、西郷さんは愛を知るのですね。
そこをちゃんと書きたいからと、西郷隆盛について、
最も詳しいという志學館大学の原口泉教授を訪ねたら
(原口先生も、NHKの西郷さん関係の番組でよく登場されますね!)
「20数年前にも、同じようなことを言ってきた女性作家がいましたよ」
そうおっしゃったそうです。
「だれだと思います? 田辺聖子先生なんですよ。
私、田辺先生に可愛がってもらったんですけど、最近はお出になってなくて。
取材にいった時に、先生が「私にはあまり時間がない」とおっしゃってたそうで、
今の私より少し上ぐらだと思うのですが、それなら、私も頑張って、
書かないとって思ったんです」
なるほど~ 田辺聖子さんの著作には「西郷隆盛」はないですよね?
鹿児島、奄美大島など、いろいろ取材にも行って書き始めたら、
NHKからお声がかかったらしいです。
歴史小説は何本か書かれているんやけど、「正妻 慶喜と美賀子」で、
徳川慶喜について書かれたりしたので、そういうのも判断されたのかなと。
「慶喜、『西郷どん』ではヒー様、なかなかのイケメンですが、
あの人はちょっと変わった人なんです。だから、私も書こうと思って。
皆さん、徳川最後の将軍なので、切腹でもしたって思ってませんか?
あの方は、切腹なんてしないで、趣味の世界に生きて、
77歳まで生き延びてるんですよ~」
そうですね。大正2年まで生きてます。
頭の良い人のようやけど、なかなかくせ者。
「西郷どん」でも、そういう感じですよね~
林さん曰く。
「『西郷どん』に大河が決まったのはいいけど、ドラマが始まるまでに、
本にして出版しないといけないということで、大急ぎで書きました。
それまでに売らないと、始まってしまうと売れないんですって。
本当に、ドラマが始まったら、ぴたっと売れなくなったんですよ。
なので、今日は持ってきてますので、良かったら、ぜひ(笑)」
なので、買いましたがな~
上中下、三冊もありますねん~
でも、買おうと思った理由は、ドラマは中園ミホさんの脚本で、
描き方が違う(当たり前やけど)というところですね。
タイトルは、ドラマもそのまま「せごどん」を使ってくれたそうですが、
始まりのところ・・・ドラマでは、弟の西郷従道と三度目の妻「いと」さんが、
上野の、西郷隆盛の銅像を建てた時の除幕式やったけど、
林さんの原作では、愛加那の息子、菊次郎から始まってるんですね。
林さん曰く。
「菊次郎さんは、明治に入って、京都市の2代目の市長になってるんです。
皆さん、ご存じでしたか? 京都はこちらから近いですけど、
薩摩の、西郷さんの息子が京都市長なんです。
菊次郎さんを見たときに(写真ですよね?) イケメンでね。
いいなぁ~って、思ったんです。なので、私は、息子の菊次郎から始めた。
中園ミホさんは、弟の従道が良かったらしいんですね」
作家さんたちは、イケメン好きなんですね(笑)
本を読むと確かに! 最初のシーンは林さんが言ってたように、
京都市長に着任したとき、ホテルで宴会があったというシーンでした。
西南戦争に、西郷さんについていった菊次郎さんは、
戦で片足をなくして、義足なんですね。
なので、料亭ではなく、ホテルで宴会やったらしい。
おそらく、京都の色町のお姉さん方も宴席にいたであろうと。
助役となる川村柳次郎に乞われて、
父・西郷吉之助の話を、初めて語る・・・という体裁になっています。
なるほどねぇ~~
昨夜、ブログを書こうとして、思わず本を読んでしまい・・・
気がついたら、また真夜中・・・
仕事がないわけではないのに(汗)
ついつい、読みふけってしまったのでありました~~
林さんのお話は、「西郷どん」の話ばかりではなくて、
そこから派生する、他のお話しも興味深かったですね。
例えば、「西郷どん」を書きながら、
当時の情勢は、尊皇攘夷であったり、開国派であったり、
薩摩も長州も、主義思想がコロコロ変化するらしいんですね。
これから、西郷さんはブラックになっていくらしいんやけど、
書きながら、どうつないで行こうかと悩んだらしいんですね。
昔、「白蓮れんれん」という伝記小説を書いた時の話。
白蓮は、朝ドラ「花子とアン」にも登場した歌人で、
あの炭坑王と政略結婚をして、若い、帝大生と駆け落ちするという愛の人。
・・・朝ドラのおかげで、再ブレイクして本が売れたらしいよ(笑)
林さんは、この作品を書いている途中で、
白蓮さんが、今の天皇陛下が美智子妃と結婚するとき、
「あんな平民の人と結婚するなんて」と言って、
反対運動をしていたというのを知ったそうです。
「愛に生きた人がね。そんな身分がどうのって反対するなんて、
ビックリしましたよ。あぁ、やっぱり、白蓮という人は、
所詮は、伯爵家で育ったお嬢様なんだなって、思って。
結局、終戦後間もないあたりで、小説は終わりにしました」
書いてる途中で、180度違う資料が出てきてしまったら、
作家は二通りの選択をするそうです。
1、それをうまくつないで完成する。
2、なかったことにする。
なるほどね~~
でも、小説家って、作品を作り上げるまでに、
資料を読み込むだけでなく、取材に時間とお金をかけてるんやなって、
よくわかりましたね~
それと、編集者との関係も、濃いですね。
新潮社の中瀬ゆかりさんのことかなとも思うんやけど
(テレビでコメンテーターもやってるというてはったので)
こういう取材をしたいので、こういう人を探して、とか、
ここへ行きたいので、セッティングして、とかを、
必ず、「わかりました」と、やってくれるというてはりました。
漫画家でもそうやけど、小説家も、編集者がいて初めて、
作品として、世に送り出せるんやね。
まったくの新人の時ならともかく、
「売れる」ことがまず、大事なことやろうから。
いろいろと、中身の濃い講演会でした。
全部を書いてるワケではないんやけど、
長い文章になってしまいました~
最後まで読んでいただいて・・・ありがとうございました。
お疲れ様でした!
コメントありがとうございます。
市民カレッジは5講座あって、毎年参加しています。
今年も多彩な方々の講演が聞けるので楽しみです。
ネット社会なので史実は調べれば誰でもわかるのですが、
それを、ご本人が、たとえば林真理子さんが、どう受け止めてるか、
どう考えているのか、それを聞くことが楽しいですね。
市民カレッジはだれでも受講できるので(受講料はいりますけど~)ありがたいです。
難しいことはよくわかりませんが(私は馬鹿なので)、白蓮さんの生き方などいろんな事がわかってよかったのではないですか。