Fly Me To The Moon はスタンダード・ポップスの一曲で、たいていのひとはいつかどこかで聞いたことがあると思う。サブスクでいろんなひとのバージョンをコレクションしてプレイリストを作ったが、シナトラ、ナット・コール、サッチモ、エラ、カーメン・マクレエと、大御所が軒並み歌っている。宇多田ヒカルも歌っていて、これもすごくいい。
それで、冒頭に掲げたのはなんと・八代亜紀なのだ。
正直これまで寡聞にして知らなかったのだが、八代さんはもともとジュリー・ロンドンの声にあこがれて歌手を目指したのだそうだ。10年前に発売されたジャズ・アルバム「夜のアルバム」は、世界75か国で発売され、マレーシアなどではチャート一位になったのだとか。
このアルバム冒頭にもFly Me To The Moonが収められているが、これはしっとりした感じの、演歌歌手八代亜紀のリネージを感じさせる演奏だ。
これに対し冒頭のMood+3のバージョンは、黙って聞かせたらだれなのか全くわからない。今すぐにCD取り出せないけど、若いころのクレモンティーヌの一曲(この曲ではない)にこんな感じのラップ風のアレンジがあって、それを思い出す。すごく、かっこいい。
演歌は詳しくないのだけど、むかしから「舟歌」とか、けっこう好きだったな。
さりげにすごくコンスタントに活躍されてますよね、八代さん。
絵を描かせれば超一流だし、関東地区限定だけど何年か前には三浦春馬さんと東京ガスのCMに出ていて、かなりお茶目な面も見せていた(うさぎ抱っこしてやたらとかわいい格好して。ぜんぜん所帯じみてないお母さんなので、なんとも評しがたい、ぶっとんだCMだった)。
なんか、とてつもなくすごい方なのかも。
Fly Me To The Moonというと昔、課長島耕作の初期のバージョンに出てきたのを思い出す(うろ覚えだけど)。
島がNYに出張(だったかな)して、初芝NY駐在員と話をするうち、この人が現地の恋人に入れ込んだか何かで、ブロードウェーミュージカルに出資だかをしているという話を聞く(全部うろ覚えなので、自信がない表現ですね)。たしか、会社の金使い込みしたのかな。
ミュージカルはFly Me To The Moonという名前、だったと思うんだけど、日本のかぐや姫伝説をモチーフにした物語、という設定だった。しかし興行は不発でプロジェクトは失敗し、もともと金目当てだった恋人は駐在員を捨てる、みたいな話。
劇中劇というべきか、漫画の中でちゃんと有名曲と、日本の昔話をモチーフにしたミュージカル(弘兼さんの創作だよね)を設定しちゃう、というところがすごくて、印象に残っている。
それから、やはりエヴァンゲリヲンの後テーマ音楽ですよね。。
テレビシリーズをDVDでずっと見ていると、20回以上「残酷な天使」とFly Me To The Moonを繰り返し聞き続けることになる。庵野さんがなぜこの曲を指定したのか知らないが、いくつもの違うバージョンが流れるというのもポイントが高い。。おかげですっかり耳についてしまった。
なので、今は帰りの電車とかで、この曲ばかり延々と違う歌手で歌われているプレイリストを聞いている。これ一曲でご飯何杯も行けそうな感じ。