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趣味の陶芸・食べ歩き・映画鑑賞などを通じて毎日を楽しく充実して過ごせたらと思っています!

桃山の名碗と加藤唐九郎・楽吉左衛門展

2006年09月05日 23時21分53秒 | 陶芸
心斎橋そごうで、現在開催中の展示会
「桃山の名碗と加藤唐九郎・楽吉左衛門展」へ。

陶芸をしている身としては、是非見ておきたい展示会!

豊臣秀吉が政権を握っていた約20年の桃山時代が
陶芸作品にとっても、中世の古窯で焼かれていた作品とは
全く違った新しい美意識の個性的なものが作られるようになった
大きな転換期と言ってもよい大事な時代だそう!

桃山時代の名碗 約40点
加藤唐九郎・楽吉左衛門 約20点
このように、茶碗のみ集めた展示会は、なかなか記憶になく
面白い試みだなぁ~と☆

作品は全て、ガラスケースに入って展示されているので
もちろん触れることは出来ませんが・・・
その代わり、1つづつ、ちゃんと裏(高台の部分)を
写真に撮って置いてくれています。

やっぱり、陶芸作品は裏を見なきゃねっ!

加藤唐九郎・・・1898年~1985年
愛知県東春日井郡水野村の、半農半陶の窯屋である加納家に生まれる。
小学校を終える頃には窯場の仕事は一通り出来るようになっていた。
13歳で桃山陶に魅かれたことを契機として
17歳で父の窯の権利を譲り受けて作陶生活に入る。
瀬戸系古窯の調査研究に力を尽くす一方、美濃・丹波・唐津から
朝鮮半島や中国にも研究の範囲を広げ、
『黄瀬戸』や『陶器大辞典』などの編集に関わるなど、
広範な活動を行った。
作陶生活から生み出された躍動感溢れる独自の世界は、
桃山陶の気風を現代に甦らせたものとして高い評価を受けている。


私の感想は、作品はどれもダイナミックで、大きいイメージ。
本当に躍動感溢れるという表現がぴったり

そして、釉薬の色が、かなりはっきりとした色!!
鉄赤が、血のように真っ赤だったり
黄瀬戸が、ものすごく鮮やかな黄色だったり。

作品自体も、がっしりとしたイメージですし、
釉薬も、しっかり分厚目に掛けられているように思うのに、
意外と、手にしっくりなじみそうな印象なのが不思議。

楽吉左衛門・・・1949年~
昭和24年、楽十四代覚入の長男として生まれる。
東京芸術大学彫刻科卒業後、イタリアに留学し、
27歳で帰国、陶芸を志す。
31歳の時、十四代覚入死去、翌年十五代楽吉左衛門を襲名、
楽焼の道統を継ぐ。
彫刻的な造形と抽象絵画を思わせる釉薬の絶妙な融和とでもいうべき
新しい世界を築き、楽茶碗の現代的創造として高い評価を受けた。
現在もなお、徹底した造形力と加飾がみせる無限の可能性を追求
茶の湯の茶碗のあり方を現代に問い掛けている。


感想は、(これが楽茶碗なのか?)と思うほど
既成概念を覆されるような作品。
桃山時代の楽茶碗は、どちらかというと、
丸くて小さめな印象なのに
彼の作品は、横幅も高さも大きい!

そして、釉薬もだいたい赤だったり、黒だったり一色のものが多い。
(その中で変化を楽しむような作品)
彼の作品は、1つの作品の中に3~4色全然違う色が混じっている!
(白・紺・グレーなど)

お茶の道具というよりは・・本当に芸術作品といった感じ。
あれでお茶を頂いても、落ち着いて飲めないような気がする・・・

茶碗・・(注:ここで言っているのは、抹茶茶碗のこと)
陶芸を始めた頃は、まさしく茶碗作りから!といった感じで
作品作りの基本でした。

最近は、自由研究コースということもあって
自分の作りたいものを自由にということになっているので
「お茶」を習っていない私は、出番のない茶碗を作ることは
ほとんど無くなってしまっています・・・

しかし、昔の素晴らしい作品を実際に見ることは
造形とか釉薬とか、作品の迫力だとか
とても勉強になりました。


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